脂肪は問題だ

明日、金沢を出て大阪の実家に向います。神戸で開かれる分子生物学会です。たぶん、iPhoneからの更新になると思います。

今日は散髪行って、それから研究所で実験の続き。明日も午前中は出勤しますが、ほとんど今日のうちに一旦終わらせておきました。帰沢は４日です。すぐ帰ってきますが、培養細胞ってほっとけないので、不自由この上ありません。やっぱ、酵母はええなぁと思います。今さらですが。

ホタルイカの内臓、人の脂肪肝も改善　富山短大の竹内教授、治療法開発に期待（北國新聞）
富山短大食物栄養学科のお仕事です。脂肪肝と診断された３０～ ６０代の男性６人に４週間、ボイルしたホタルイカを１日４０グラム（約７、８匹分）食 べてもらい、エコー画像で肝臓の脂肪量の変化を測定。その結果、３人に脂肪肝の改善が見られ、高度の脂肪肝と診断されていた人は中度に、 中度の人は軽度に改善。軽度の人は肝臓に脂肪の沈着がほとんど見られなくなった。もう少し人数が多いといいのですが、良い結果です。でも、まあ、４週間ホタルイカを食べ続けるって、どうにもリアリティがないんですが（食べるの止めたら脂肪肝に戻っちまいそうだし）、成分を明らかにしてサプリや薬にすればと思います。
ホタルイカは春の訪れを教えてくれる季節の食べ物でして、来春はさらにいい気分で旬の料理を楽しめそうです。

Cholesterol 'fuels' breast cancer (BBC)
通常の細胞とがん細胞とでは代謝経路が異なります。解糖系から普通はクエン酸回路に入っていって、ATPをたくさん生産するのが通常なんですが、それを止めて乳酸醗酵してしまいます。その一方で、脂肪酸やコレステロール、核酸等の細胞を構成する成分の生産が上がります。この現象を見つけて提唱した医学者の名を取って「ワールブルグ効果」。
このコレステロール生産が実はがん細胞にとってとても重要・・・・特に乳がんに対しては、エストロゲンと同様の効果をもたらす分子の生産に結びついてしまいます。てなわけで、細胞のコレステロール生産を抑える高脂血症等の薬スタチンが癌に対して抑制的であるといふお話でした。今週のサイエンスに出た論文の話題です。欧米の一般ニュースサイトの科学欄のレベルの高さはすごいもんです。
糖尿病の薬も効果があるともささやかれていたりしまして、がん細胞の代謝にアプローチする創薬も盛んに研究されています・・・というか、最近、僕そういう関係の研究やってるんです。まだまだですが・・・

本日のお酒：SUNTORY AMBER BEER　＋　手取川　吉田蔵　純米