ぽん・ぽん・ポンちゃん

慢性腎不全でもがんばる猫ポンちゃんと、飼い主の親子のいろいろなお話

転院

2008-03-15 03:36:07 | Weblog
最後の数日、色んな事でドタバタしてしまって
ブログの記事にもはっきりと
書く余裕がなかったけれど、
実は亡くなる3日前にポンちゃんは転院した。

2年以上お世話になっていた病院に
最後に行ったのは3月3日。
その前夜から目が見えなくなっていたので、
腎不全の検査と同時に目も診ていただいたけれど
専門医でないと詳しくわからないという事だった。
それで連携している眼科の予約をとってもらった。
予約日は3月14日。
眼底出血を起こしている事はわかっていたのに
11日後の受診とは、あまりにも遅かった。
それ以上、早い日時は無理と言うので
仕方なくあきらめて帰ってきた。
この時、病院の機器で測定不可能なほど
BUNもリンも上がり、腎臓の数値が悪化していた。

なんとか、もっと早く目を診てもらえないかと
2月5日の記事に書いたH病院のN先生を思いだした。
H病院なら、連携している眼科医も違うかも知れない。
家に寄って車からポンちゃんを降ろして
そのまま初めて行くH病院へ。
ミュージカルの父母会で先生とは顔見知りだったので
患者でもないのに無理を言って、
連携している眼科医に連絡を取ってもらった。
取れた予約は3月8日の朝一番。
その週のうちだった。ありがたかった。

そして翌日、自分の中で「このまま自宅輸液だけで
本当に改善するのか。静脈点滴ならどうか」
という考えが頭をもたげてきた。
BUN140overというのは、実際にはいくつなのか
わからない。200かも知れないし、300かも知れない。

でも、実際入院する事を想定してみると、
ポンちゃんの精神的ストレス、距離的な問題なども
あり、現実的ではなかった。
病院の入院室は混んでいる時の診察室も兼ねており、
頻繁に人が出入りして落ち着ける部屋ではなかったし、
ひどい時は大型犬が「床にそのまま」入院していた。
自宅からも道路がすいていて、車で片道25分。
混んでいると簡単に40分、50分かかってしまう。
24時間営業という事で選んだ病院だったけど、
今思うとポンちゃんも本当に良くがんばって
病院ドライブにも付き合ってくれたと思う。
(診察券によると通院回数は64回)

電話で、自宅で静脈点滴をやらせてもらえないかと
聞いてみた。
病院の決まりで、自宅で点滴出来るのは、
もうすぐお別れだとわかっている子が退院する時に、
点滴の機械ごと帰宅させる時だけだという事だった。

H病院のN先生にも電話をしてみた。
こんな数値になってからで申し訳ないですけど…と、
お話しをして、自宅での静脈点滴を聞いてみたけれど
やはり行っていなかった。
病院が小さいので、機械を貸し出すと、
入院患者さんが増えた時に足りなくなってしまう
という事だった。
それに今まで全く診ていないポンちゃんを、
急に24時間入院で受け入れるのも不安だと言われた。
でも、H病院なら車で10分。混んでいる道路もない。
日帰り入院で静脈点滴をしてもらっても、
送り迎えで車に乗せる時間も短くて済むし、
昼に一度、サポートゴハンをあげに行く事もできる。

それより何より、N先生がとても丁寧で親身になって
話しを聞いてくれて、情に溢れているのが信頼できた。

今思うと、先生は
「今後も子供ミュージカルで付き合いの続く
 よその子のお母さん、断れないよなぁ…」
という追いつめられた心情だったのかも知れない。
本当の見ず知らずの患者さんだったら、
前の病院に行くように諭されただろうと思う。
でも、N先生のおかげでポンちゃんは2日と半日の
静かな入院時間を過ごす事ができたし、
看護婦さん達も、今まで見たどの病院より優しかった。
先生はこちらがお願いしなくても、
あらゆる可能性を考えてチェックしてくれる。
実は前の病院では尿比重を計ってくれた事がなかった。
腎不全なのに不思議な事だったけれど。
今回初めて計ってもらって、なんとポンちゃんは
亡くなる2日前の夕方まで正常値だったのだ!

じいやさんがギャオスのBBSで投稿してくれた、
慢性腎不全にネフローゼまたは急性糸球体腎炎を
併発してしまったのではないかという意見に関しても、
過去の血液検査と私の日誌をもとに調べてくれた。
結果として、その可能性は高いけれど
健康な子がかかったネフローゼまたは急性糸球体腎炎
ではないので、もう治療は今までと同じ、
これ以上はできないという事だった。
BUN200以上のあの状態ではステロイドも
免疫力を下げすぎて危ないという事だった。

今日になってやっと、前の病院にお知らせの電話を
かける勇気が出て、この事も話してみた。
ポンちゃんの、長引く鼻の不調を見ていたはずなのに
S先生は「へぇ、そんな病気があるんですか」
と、すごーく意外な応答。
それより何より驚いたのは、実はポンちゃんの事を
7~8歳だと思っていたと言われた事。
普段なら若く見られて嬉しいこの発言からは、
腎不全の治療にはたぶん関係なかったとは言え、
大病院の責任感の希薄さみたいな物が出ていた。

通院し始めの頃、1週間通って7人の別の先生に当たり、
こんな事でその日の調子の違いが把握できるのかと
驚いた。
そのうちに、待合室で知り合ったOさんに
毎回受付で頼めば同じ先生に診てもらえるわよ、
とS先生を薦められたのだ。
確かに優しくて、手先が起用で、決断力のあるS先生。
でも、腕の力が強いから(ポンちゃんは看護士さん
ふたりがかりでないと保定できなかった)とか、
毛がフワフワだったから、とかで
年齢をちゃんと把握してくれていなかったのは、
嬉し悲しだわ。

もし、今後動物を飼う事があったら
かかりつけは、たぶん小さい病院にすると思う。
先生は自分の顔(腕)が看板だからがんばるし、
患畜さんひとりひとりを
良く把握しているような気がする。

ポンちゃんの遺したごはんの一部は、
小さな病院ながら、輸血が必要になった猫さんのために
N先生が飼っている3匹の供血猫さんに食べてもらいます。

(※これは私の小さな経験で、
 もちろん他の病院に当てはまる事ではないです。
 大病院にも、すばらしい先生は沢山いますし、
 ?な開業医も知っています)

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2 コメント

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Unknown (おじいさん)
2008-03-17 02:57:59
病院選びは本当に難しいですよね。
小さな、サワヤカ先生のところのような病院だと
麻酔をしながらの手術は危険がともなうのでなかなか受けれないと。
酸素室もない貧乏な病院です。
でも、しっかりとコミュニケーションが取れる点については
私も小さい病院のほうがいいかもしれない、と思うようになりました。

あんなに小さい病院(先生も看護士も一人だけ)、初めてなんですが
説明を納得いくまで聞けて、こちらの要望を伝えることができるだけで
不安は取り除ける気がします。
病気の種類にもよると思うんですけど…。

ポンちゃんは、腎不全のネコさんの、本当に理想とするような旅立ちをしたと思います。
私はまだまだ、絶対によくなると確信していたので、すごく先を見据えていました。
それで、先が長いからこそコミュニケーションがとれて、近くの病院のほうがいいと思ったんです。
それで、そういうふうに伝えました。

でも結局は、いちごさんがしっかり決めて、先生といいコミュニケーションをとって、勇気を持って撤退する時期もしっかり決めたんだと思います。
静脈点滴を続けるのか、それともやめるべきなのか。
すごく迷ったことでしょうし、すごく難しかったんだろうと思います。
でもいちごさんと先生のタッグがあったから、だからポンちゃんはあんなに幸せな旅立ちを迎えられたんだと思います。

それにしてもポンちゃん、7~8歳に見えたなんて!
嬉し悲しだけど、でもすごいことです。
歯もあって、ツヤツヤさんで。
ポンちゃんがいかに大切にされてきたかがわかりますね!

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Unknown (いちご)
2008-03-17 03:17:34
じいやさんへ

N先生は、あまり忙しくなるとちゃんと診れないからと言って、病院が混まないように、わざと病院の宣伝(看板とか、地元のミニコミ誌の広告とか)をしていないんですよ。それには私も驚きました。でも、設備は整えていて(その病院の以前の経営者から買い取ったそうです)、供血猫さんまでいて、患者さんが安心できるようにしています。生活はギリギリとか言ってましたけどネ。
最後の日も本当はお昼まで入院する予定だったんですが、ポンちゃんがどうしても行きたくないと言っている気がして止めました。結局、お昼前に旅立ってしまったので、病院でなくて自宅で一緒にいられて良かったと心底思いましたよ。最期は脱水の逆で、若干体内の水分が多いくらいだったので、毛艶も若い頃のように艶々に戻って旅立っていきました。
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