高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

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11月17日 絶望と希望の間

2004-11-20 | Weblog
ケイタイが鳴って、また浴衣の仕事がはいった。
いろんなハプニングがあって興奮しつつ、手配を進める。忙しい時に限って、さまざまな偶然やCoincidenceに導かれてうまくいってしまうことが多い。仕事に関して、私が詳細に日記に書くことといったら、撮影日のお天気や、 雲の様子ばかり。何故って、CMの撮影は、企業やその商品の最新情報に関わることなので、おしゃべりしできないから。現在進行形のことは、心の宝物として ずっととどめておこう。
時々、「時効」になった昔のことを連想して、書きだすと、我ながら、「へー、こんな綱渡りだったんだ」などど改めて感心 したりする。

暮れにかけて、忙しくなった。
世の中の誰かが私をあてにしてくれている。なんとうれしく、 ありがたいことだろう。 体力を尽くして仕事をしている感じで、頭に浮かぶことはいっぱいあるけど、パソコンにむかえないうちに時が通り過ぎてゆく。

毎日新聞をみていたら障害者の性と介助の実態をテーマにした「セックスボランティア」(新潮社)が売れているとあった。
著者であるフリーライターの河合香織さんはこう話す。
「自分の人格をかけて書かないといやな話になると思いました。自分だけ安全圏に置いて書くことはできないと」
「絶望と希望の間を書きたいという思いがあります。人は絶望と希望が 断続的に繰り返す中で生きているのではないでしょうか。重い障害があっても、人との親密な関係を求める人・・。そして自分では社会に向けて言葉を発せられない人の言葉を書きたいと思います」
30歳でこの信念。この本、買おうと思う。

今日から、フットバスをパソコンの足元に置くことにした。
6、7年前いちど購入して使っていたが、膠原病を発症した大家さん(その頃70代)に「試してみたら?」と貸したら、その後きちんと毎日数回は使用 し、「私がこうしてそれなりの元気をとりもどしているのも、この足湯のおかげかもしれない」と折に触れておっしゃっている。
この長期貸し出し品は、もう大家さんに正式にあげることにして、そろそろ私もそれより進化したフットバスを買おうと夏ごろから物色していたのだ。今、「Ryuichi Sakamoto /04」を聴きつつ、足元は暖かいオゾンを感じている。

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1 コメント

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現在進行形の仕事 (shiori)
2004-11-21 23:46:54
Yaccoさんがかかわる大物には及びませんが、ライターも現在進行形に関しては無口にならざるを得ません。表紙の人材に関して、いついつまでは口外しない、とサインさせられることも。いつしか守秘義務が当然になり、雑誌が出た時にはもう次の人物の原稿にかかりきってるわけで。キムタクに会うならどうして教えてくれなかったの?とつめ寄られたことも。でも悪口を言わない常に秘密のあるスタンスが私は気に入ってます。
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