高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

高橋靖子の「千駄ヶ谷スタイリスト日記」

カフェ・ド・ロペ

2005-09-27 | Weblog
喫茶店は私にとって大切な生きる場所のひとつであり、サロン、書斎、そて愛や友情を語る場所として機能していた。
私がいたのはレオンばかりではない。
原宿に散らばっていたさまざまな喫茶店を毎日、何度も出たり入ったりしながら、その時その時の人生を綴っていた。

キディランドの隣に「カフェ・ド・ロペ」があった。
オープンカフェの走りといおうか、カフェ・ド・マーゴとか、パリのカフェを思い起こさせた。
冬になると寒さ対策で、テント地の屋根と周りをぐるっと囲む簡易ドアのようなものがついた。
レオンのように業界のひとでいっぱいというわけではなく、キディランドやオリエンタル・バザー(東洋調のものを置いた外人向けのスーベニール・ショップ)に来た外人が立ち寄ったり、表参道を目指した若者がいたり、一時はクールスのメンバーがレオンから移動してこちらを根城にしていた。
ファッションメーカーのロペが経営していたこともあって、ロペの大型看板が店の屋根の上にかかっていた。とてもファッショナブルなものだったので、原宿の景観のひとつになっていた。

明治通りをはさんで、100メートルぐらい原宿駅に近いところには、道に沿って全面ガラス張りの喫茶店「コロンバン」があった(私はガラス張りの喫茶店が好きだ)。こちらはコープ・オリンピアに隣接していたこともあって、そこの住民や地下にあるスーパーや、コインランドリー帰りのひとも立ち寄っていた。
コーポオリンピアには伊丹十三さんの小さな書斎もあり、セントラルアパートにあるレオンや浅井慎平さんのバーズスタジオばかりではなく、コロンバンで打ち合わせすることもあった。
フランス直伝のばっちりお砂糖の効いたケーキはどこかを訪ねる時お土産によく買った。

私はここの灰皿が大好きで、わけてもらったが、後に多分あまりにリクエストが多かったせいだろう、いくらかで買えるようになった。
「ヴレヴ パセ オ サロン?」(サロンにどうぞ)というようなフランス語が皿の周りに書かれていて、真ん中には赤・緑・青のエスニックっぽい服をきた男女が踊っている絵が描かれていた。 トリコロールの灰皿はなん
ともかわいらしくて、タバコは吸わないけれど家でもテーブルに飾って楽しんていた。


写真 (撮影・染吾郎) 着ているのはロウシルクのワンピース(ヨーガンレール)。

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3 コメント

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カフェ・デイズ (SLOGANくまがい)
2005-09-28 02:41:09
英語では時々"Cafe Days"という言葉を耳にします。



あそこに行けば誰かがいる、ということは、

携帯がない時代、本当に大切なことだったんでしょうね。

今もそういう場があって良いと思うんですが、、、



原宿オーバカナルは、最後までその雰囲気と機能を

持っていた気がしますね。
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オーバカナル (Yacco)
2005-09-28 08:47:51
パレフランスの明治通りに面したところにあったオーバカナル、閉店の前日と当日に行きました。

知らない方(私と同じくらいのトシの女性)と、記念写真撮りあいました。

去年のことだったかしら。
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コロンバン! (せと)
2005-09-30 20:49:20
コロンバンは、神戸にもあります。

そこはかとなくフランス菓子は

甘いですが、お茶はとてもりっちな

オトナのイメージでした。

Ropeをロープとよんで顰蹙をか

ったり、、とっても細身な洋服でした。

ヨーガンレールのシルクドレスは夢

のようなお話です、、

今の言葉だと、プチ・フランセ?

素敵ですね 
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