岐阜県恵那市 城下町ホットいわむらの日々

横須賀から参りましたふるさと活性化協力隊員のブログです

田植え体験会&畑日記2013年度版

2013-05-22 | 日記
岩村もようやく暖かさが定着してきて、とても過ごしやすい季節を迎えています。

周辺の山々の新緑の美しさといったらもうたまりません。

GW辺りから方々の田んぼで田植えも始まり、水を湛えたその様子は町全体に鏡面が貼られたかのようです。

そして闇夜に鳴り響くカエルの鳴き声。それも2,3匹なんてものではなく、そこらじゅうからサラウンドですよ。なぜか不思議に耳障りにならず、心地よささえ覚えます。

春の息吹きを身近で感じることができるのが、こうした地域で暮らすことの醍醐味の一つ。いつまでも残したい風景です。


先週末はホットいわむら主催の米作り体験第1弾、田植え体験が開催されました。



世の流れか、こんな地域でも子供の田んぼ離れというか、土に触れる機会が減っている、という話をよく聞きます。

子供たちが土に触れながら、大切なお米が出来ていく過程を体感的に学び、自分たちの食について考えてもらいたい・・・

なんていう、都会さながらの取り組みが町の子供たちに向けて行われています。


さらに最近では、持ち主の諸事情による不耕作地の増加のために田んぼの数も減る傾向にあるようです。

自分で手に負えなくなった田んぼは、各地区の営農組合が耕作を請け負って維持管理していますが、それも全てはまかなえません。

美しい風景をいつまでも・・・と田んぼを持つ苦労を知らない私が言っても全然説得力がないんですが、いつの頃からか何代にもわたって、土地だけでなく、自然と共に生きる知恵とか技とか、いろんな貴重なものも一緒に受け継がれてきていると想像するわけです。

こういった地域で生活をする中でいろんな問題が身近でわかるようになると、簡単な話でないことがよーくわかるんですが、子供たちが楽しく田んぼで遊ぶ姿を見れば、大人も彼らのために残していきたいとがんばれるかもしれない・・・


そんな想いを知ってか知らずか、田植え体験会は、1反ほどの田んぼを小学生たちと手植えしていって、そりゃもうまっすぐ並べられるわけなく・・・(^_^;)、最終的に泥まみれ&用水で水遊びにふけてました。私もあろうことか、水路で足を滑らせ・・・



天気にも恵まれたおかげで、気持ちいいぐらいの水温がありがたく、期せずして季節の移り変わりを身体で感じた一日でした。


さて、自分の畑でもいよいよナス・ピーマン・トマトの苗を植え付け、冬の荒涼とした風景からどんどんと賑やかになってきました。



他にダイコン・ニンジン・ショウガ・ジャガイモ・ネギ・レタス・コマツナ・サトイモ・オクラなどなど、順調に成長が見られています。

今年は2年目、昨年がビギナーズラックだったなんて言われないように、美味しく育てていきますよー!!


収穫間近のタマネギ!!もはや見えてます!!あー楽しみだー


恵那暮らしサポートセンター運営協議会

2013-05-17 | 日記
先日嫁の友人数名と一緒に食事をする機会がありまして。

嫁は地元の高校に通っていたのでこちらに友人がたくさんおりまして、私も時折一緒に遊んでもらうことがあるんですが、今回会ったのは恵那を離れ都市部で生活する方々。ちょうど帰省中で集まっていたところにお邪魔してきました。

話していて感じたのはもう何年もふるさとを離れている彼らが今の都市部での生活を続けていくことに迷いを感じていること、きっかけや後押しがあれば戻ってくることを真剣に考え始めていること。

町には20~30代ぐらいの若い人たちがやはり少なく、みんな出ていってしまうんだ、と嘆く声も多く聞かれますが、実は都会で生活しながらもこんな風にふるさとのことを想っている人たちは案外多いんじゃないかと思います。

個人的にこうしたふるさとへUターンしてくる若い人の力は今後ますます大事になってくると思うので、彼らの声を直接聞けたのはとても嬉しいことなのですが、さて実際帰ろうと思うとなかなか踏ん切りがつかない、ってこともあるようです。

それは仕事のことだったり生活のことだったりいろいろみたいですが、そんなときに移住定住に関係する補助制度のことや地域のサポート体制のことなど、知っていると知っていないとでは判断にけっこう関わってくるようなことが、実はよく知られていない、ということにも気づきました。

私がふるさと活性化協力隊員の制度を知ったときもそうでしたが、情報に出会えるかどうかってほんと紙一重。

もちろん本人がアンテナを広げて情報を取りにいくのが大事なんですが、情報をわかりやすい場所でわかりやすく拾えるかどうか、発信側に問われる部分でもあります。

まあ単純に、本人にその気があるのに知らないことでチャンスを逃しているならもったいないなー(双方にとって)、と思うわけです。



という感じで、移住定住に関わる情報を求めている人たちってのは意外なほどに多いわけで、特に恵那は地理的条件の良さから、移住希望先としては人気のある地域とされていて、情報発信や受け入れ体制の整備が急がれています。

先日恵那市内の移住定住促進に関わる諸団体が集まり、行政で取り組んでいる恵那暮らしサポートセンターの進行管理のための運営協議会が発足し、私も1委員として出席することになりました。

(関連記事はこちら→恵那市HP「恵那市写真ニュース」

協議会には市長も終始同席され、移住定住対策への市の力の入れ具合がよく伝わってきます。

並み居る各地域を代表するような方々の中、私のような新入りの若造が入り込むのも恐れ多いのですが、幸いにももう1人の協力隊員Nくんも加わりまして心強い限り。

協議会の趣旨としては、この中で共有した各地域や行政からの情報を、自分の地域の移住定住対策にも役立てて、移住定住のいろんなニーズに応えていくように、ということだと思いますが、若造である私たちがこの場にいるのは、私たち自身が都市部から移住を体現し、地域の一員として活動し、そして若いっ(←強調)、ってことによる経験からの視点を持ちえるからに他なりません。

行政にも町にも私たちが日頃から感じていることを還元し、サポートセンターが、将来地域の力になっていける人たちの移住を決めるきっかけとなれる機能を果たせるように、気後れせずに臨んでいこうと思います。


堅いお話だったので、先日多治見でやった移住後初のジャズクラブでのライブの様子を。



今後定期的にライブをさせてもらえることになったので、しっかり「恵那市岩村町」の名を東濃に轟かせるPRの場として活用したいと思います笑

次回は6月19日(水)20:00~です。

詳細は多治見パレットHPにて!!

GW東奔西走録&上矢作アライダシ原生林探検

2013-05-08 | 日記
先週は世の中ゴールデンウィーク、皆さんもあちらへこちらへとおでかけになったことかと思います。

岩村にもたくさんのお客さんが足を運んでいただいたようで、行き交う車を見ていると、3台に1台は県外ナンバーぐらいの勢いでしたよ。

私はというと中央道の渋滞を横目に恵那から、というか岩村から外に出ることなく、

東京から来た友達を案内し町の人たちと交流してもらったり、町の若人の交流座談会に参加したり、


町なかの賑やかしにちょっとした演奏をしたり、


空きスペースを使った簡易ブースを設けて移住情報を発信してみたりと、


お客さんで賑わうGWを町の活性化のためにフル活用してやろうとした結果さすがに疲れましたが、

最終日には恒例の城山草刈り清掃でとどめを刺された次第でございます。
でもついに草刈り機デビューしましたもんね。血が滾りますわー


どれもこれも一つずつご紹介するとかなりのボリュームになってしまうんですが、今回の本題は実は別にありまして

GWの少し前に、隣町の上矢作で自然資源の保護活動や自然体験会の開催を行う「NPO法人福寿の里」による森林ガイド研修会に特別に参加させてもらいました。

この上矢作は川がきれいだし、弁慶杉と呼ばれる樹齢800年級の杉が残っていたり、恵那の中でも特に自然資源が豊富な地域です。

今回は中でも全く自然のままに残っているといわれるアライダシ原生林の自然生態を学ぶのが目的。

広さはおよそ10ha(東京ドーム2個半ぐらい)、川の源流も多く見られ、太く育った木々の幹にはクマの爪あともあちらこちらに・・・この深い森の中を森林インストラクターの方のガイドで進んでいきます。

解説によるとここら辺の地域は日本の真ん中だけあっていろんな植生が見られる興味深い地帯らしいです。

また日本では北海道の釧路あたりで見られる“根上がり木”という生長現象が多数見られ、とても珍しいそうです。

みてください、この奇異な生え方!



なんでこうなるかは、実際目にして考えた方が楽しいんで、是非一度訪れてみてください。


そう、今回の森林ガイド研修は、ただ見たものを解説するだけのガイドではなく、“インタープリター”としてより一段階上のガイディングを目指そうというもの。

インタープリターとは、訳すと“通訳者”。自然とそれを体験する人との“仲介”となる人のことです。

インタープリターはただ自然の解説をするだけでなく、参加者が何を求めに来ているのかを明らかにし参加意識を高め、一つの事象においても参加者に考えさせて参加者自身から答えを引き出していくことが求められるとのこと。

実際この研修会で何度も、これはどうしてだと思いますかと、質問をふられるたびに自分で考える機会が多くなり、このプログラムの主体が自分自身にあることに気づかされます。

そうやってなぜ・どうしてを繰り返すうちに、終わる頃には「だから」自然は大切なんだという自分なりの答えへの糸口が見つかる気がしました。


今このインタープリテーションという考え方は自然観察の分野では徐々に浸透してきているとのことです。


これは自然分野だけに限らず、例えば岩村の町並みを案内するときにも応用できますよね。

歩いているだけでは見過ごしてしまう部分を気づかせてくれるガイドがいると、他の町にはない魅力の多い町歩きが楽しめるのが岩村。この方法だったら訪れた人自らが町の魅力を発見しようという意識をもってもらえるかもしれません。

私もまた友人が来たらこんな風に町案内したいな、と講習を終えて感心していたら実はこの森林インストラクター山内さん、お住まいは岩村で町並みガイドとしても活動しているとか!その幅広さに妙に納得して終わった一日でした。

ちなみにこのアライダシ原生林は国有林ですんで、入山される際は上矢作振興事務所に事前に届けを出すようお願いいたします