岐阜県恵那市 城下町ホットいわむらの日々

横須賀から参りましたふるさと活性化協力隊員のブログです

秋のイベント考

2013-10-29 | 日記
秋深まるこの時期、って言っても今年はなんだか10月まで30度を超える暑さが続いたり、大型の台風が次々来襲したりで、季節の移り変わりもへったくれもないですが、まあ普通で言えばとても過ごしやすい10月から11月にかけては行楽シーズン真っ盛りということもあり、日本全国各地でにぎやかなイベントが企画されてる模様です。

ここ岩村でもたくさんのお客さんを岩村の城下町にお迎えしようと、11月3日に予定されている「いわむら城下おかげまつり」を目下準備中。昨年も1万人を超えるお客さんで町が溢れかえりました。



おかげまつりはもともと「岩村産業祭」という名称で30年近く続いてきたイベントです。

私はこの産業祭っていうものの存在自体、昨年自分が関わるまで全く縁のなかったもので、一体何をやるイベントなのかというところから理解をしないといけませんでした。

私の地元横須賀でも産業祭をやっていたことを、30云年住んでいて全然知らなかったぐらいですから笑

調べてみると、産業祭なるものは、日本全国いろいろな市町村で、やはりこの時期に行われるものが多く、それこそ11月3日なんてのは1年の中で一番イベントが行われている日なんじゃないかと思われます(一説には晴れる確立がもっとも高い日だという噂も・・・)。

産業祭を解説してくれる親切なウェブ情報が全然見つからなかったんで、諸所の事例を総合してみてみると、行政が主体となり、地域資源(企業・商店・団体・特産品・文化)のPRを目的に、地元の人自身が参加し楽しむためのイベント、というもののようです。

イベントの内容としては、大体どこの産業祭も、地元企業の事業PRや地域特産品の販売、地元のバンド演奏や中高校生の吹奏楽部などのステージイベント、参加型ゲーム・子どものためのアトラクションなどなどで、公園や市役所の駐車場などの広いスペースを使って行われることが多いようです。

なるほど、イベンターの仕掛ける華やかなフェスと比べると地味な印象は拭えませんが、普段お目にかかれない地域資源が一堂に会すので、今まで知らなかった地元の魅力に出会えて楽しかった、という感想も多く見えます。


でも、なんで「産業祭」なんでしょうね~。祭りと産業ってどうも結びつかず、非常にもやもやします。

そこで東京は小平市の産業祭の解説が面白かったのでご紹介。以下引用

「小平のもともとの主要産業は、農業だったんです。そこで、野菜などの収穫の時期に『皆でできた野菜や果物を持ち寄って、誰が作った野菜がすごいか比べっこしようじゃないか』という、今でいう品評会のようなことをやるようになったんですね、」
(中略)
「そうこうするうちに、小平市にも工場ができ、人口も増え、商店街もできるようになり『それならば農業に限らず、地域の様々な産業に携わる人達が関わるおまつりにしよう』というのが『小平市産業まつり』の始まりなんです」

引用終わり(http://www.kodaira-net.jp/tankentai/sangyofes2011/)

なるほど、各地の産業祭によって始まり方はいろいろでしょうが、大体において生活スタイルの変化によって、秋の収穫祭が変化した、または必要のなくなった収穫祭が形を変えて再生されたというのが実態のようです。

その意味では、ここ岩村で、産業祭→おかげまつりに変わり、主体も行政から住民の手に渡ったのは、今後厳しい情勢を迎える山間地で、生活の中で互いに感謝の心を表すことを意識していくことが共同体の命運を握る時代が来たことに、いち早く気がついた結果、とも言えるでしょう。

時期が今頃に集中するのも、収穫祭の名残なんですね。


と同時に、この手のイベントは潜在的に、これを境に冬への準備を始める区切りのような機能を今でも有していると感じます。

寒さの厳しい地域では、おそらく昔から共同体が一体となって冬に立ち向かわなければいけなかったんじゃないかと想像できます。なのでみんなで一斉に気持ちを切り替え準備を始めるためにも、収穫を祝うと同時に、何らかの句読点的なことを行う必要があったかと。今では生活環境も変わり意識されないかもしれませんが、こうした地域の人々の記憶に埋めこまれた行動なのかもしれないと、深読みをしてみます。

そんなことを思ったのは、ここ最近急激に岩村の気温が冷え込みはじめ、はやくも先週からコタツを登場させたからでしょうか笑 ホント寒くて鼻風邪を引きかけてます。

まあここにつなげるために散々くどい前置きを書いたようなもんです笑


もう今週末と迫ってますんで、時間的な余裕はほとんどありませんが、この2ヶ月ぐったりするまで準備してきたんで(←つまりブログが書くヒマがなかったという言い訳)、何とか形にできそうな手応えはできてきました。

おかげまつり情報は、ホットいわむらのHPからご覧ください。⇒「ホットいわむらおかげまつり特設ページ」あとは晴天を祈るのみ!!!

えなか!2連発!

2013-10-16 | 日記
記念すべき100記事目。従来のペースから言えばとっくに達成しているはずでしたが・・・

まあとにかく目まぐるしい日々を送っていまして、今は11月3日のおかげまつりの開催に向けて準備を一つ一つクリアしていくのに必死です。それはまた今度触れることにして、今回は今年もプログラムに参加した『恵那山麓博覧会えなか』のご報告。


えなかってなんだ、という方はこちらをご覧ください⇒「2013/06/07 enaka!ワークショップ」

今年は2回目ということもあり、余裕が生まれて2つのプログラムに関わることになりました(結果的に最後はやはりどたばた追い詰められ冷や汗をかきまくったわけですが)。


1つは前回も好評だった、「城下町ジャズライブ」。今年も岩村醸造さんの酒蔵で開催させていただきました。





今回の目玉は日本酒が更に美味しくいただける「フルーツ」との取り合わせ。

酸味の少ない桃・ブドウ・メロン・ナシなどが日本酒によく合うということで、岩村醸造社長さんの渡會さんからのレクチャーのもと、皆さんお酒を楽しんでいました。今回も使ったワイングラスと日本酒の相性も抜群、ちょっとしたおもてなしの技に使えそうですね。

さらに隣町、上矢作の「石川トマト農園」さんのトマトも登場、意外な組み合わせのようで、これがとてもよくお酒に合うと好評でした。

私は演奏前に飲むと大幅に支障をきたすため(笑)、あとのお楽しみに。

今回のライブメンバーは、太田裕士(アルトサックス)、岡只良(ギター)、祖父江憂貴(ベース)に私のドラムというカルテット。

コンパクトな酒蔵のちょうど良い響き具合の中で太田さんのサックスが良く鳴っていて、お客さんの方から聞いたらかなり迫力があったんじゃないかと思います。

太田さんも岡さんも長野在住。東京での活動経験も豊富ですが、長野というローカルシーンにおいて、すごくレベルの高い演奏で盛り上げていらっしゃいます。

先月もお二人には恵那に来て演奏してもらったり、逆に私が長野に呼んでいただいたりと、ご一緒する機会も増えていて、東濃~信州の中央道沿いがにわかに盛り上がってきています笑


2つ目は、恵那市中野方町にある「恵那楽器」の工場内でのコンサート。

恵那楽器は、大手ブランドの生産工場として、バイオリン製造数日本一を誇っていました。

もともと名古屋~東濃一体は楽器工場がたくさんあり、世界的に有名な「タカミネギター」「ヤイリギター」は、中津川や可児市のメーカーです。

恵那楽器は、今でも工程のほとんどが手作業、静かな山間にある工場の佇まいはまさに昭和。

今回のえなかでは、恵那楽器の熟練の職人さんたちの技を間近にみながら、その楽器を使った演奏を聞いて、バイオリンに親しんでもらおう、という企画を作りました。

こちらのライブでは、北床宗太郎(バイオリン)、飛騨勇也(ベース)、國井恵(キーボード)、私のドラムに加え、ゲストで加知優磨(バイオリン)のメンバー。



北床氏は日本のジャズバイオリンシーンではもっとも嘱望されている1人。初めて触る恵那楽器のバイオリンも彼の手にかかれば、素晴らしいサウンドが鳴り始めました。

そんな北床氏が恵那楽器のバイオリンについて「音が素直に大きく鳴る」と表現されてました。

恵那楽器は教育用とされるジャンルのバイオリン製造がほとんどとのことですが、コストを抑えただけの楽器も増えるなか、品質へのこだわりを持つこうした楽器からバイオリンを始めることで、上達も早くなるとのこと。

また工場で働いている方々にも、自分たちの工場で自分たちの作った楽器によるライブを聴いていただくことができ、大変喜んでいただけました。


どちらのプログラムも、多くの人のご協力あってこそ達成できたものであって、それをお客さんの満面の笑顔という形でお返しできたて良かったです。

遠くから駆けつけてくれたミュージシャンたちも、普段にない場所で演奏できたこと、地域の人たちと交流したことなど、自分たち自身も恵那の魅力を体感して、恵那ってこんなところなんだ、という知るきっかけになって楽しかったといってくれました。


えなかは他にもたくさんのプログラムが11月末まで恵那・中津川の各地で開催されます。ちょっとした工夫で光り輝いたり、今まで気がつかなかった地域の魅力を、地域の人自らが案内していくこのイベント、地元の方も是非足を運んでみられてはいかがでしょうか。公式HPはこちらから⇒「恵那山麓博覧会えなか!