岐阜県恵那市 城下町ホットいわむらの日々

横須賀から参りましたふるさと活性化協力隊員のブログです

【告知】空き家利活用実践ワークショップ第二弾

2014-07-23 | 日記
直前になってしまいましたが、告知を・・・

空き家利活用実践ワークショップの第二回目を開催します。

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第2回開催 2014年7月27日(日)

「1階はチャレンジショップ!新たな交流拠点のための小改修」

第2回は、1階を家主さんが自分で改装し、チャレンジショップとしている建物の奥を、さらに使いやすい施設へとするための作業をお手伝いします!

チャレンジショップ開催時の様子



こちらの町家は空き家となって不動産業者に出ていたところを、「自分が買って守りたい」という意志で今の家主さんが購入されたものです。

もともと表具屋さんだった家主さんがご自身で、一階の表部分を改修、今では週末などにレンタルスペースとして貸し出し、ちょっとしたお店やギャラリーなどに活用されています。

今回の改修計画は、2階部分を遠方から出店しに来た方の泊まれるスペースなどにしたいということで、ワークショップでは改修にあたって必要なことを地元の大工さんたちと一緒に考えていきます。



予定している作業は、

 ・一階天井板と壁板をはがす・・・雨が漏っているかもしれず、実際天井板の裏の状況がどうなっているか確かめてみます。

 ・中庭にかかる屋根のペンキ塗り・・・色があせた屋根のペンキを塗りなおすと同時に、ちょっとした亀裂の補修を行います。

 ・欄間の障子張替え・・・表具屋さんの技術を活かし、家主さん自ら障子の張替えをレクチャーします。



オススメする方は、

 ・自分で家を改装するコツを知りたい方・・・地元の大工さんや建築士に指導してもらいますので、建築に関する疑問などに答えていただけます。

 ・町家の暮らしに興味のある方・・・今回の町家は半分を住居スペースとしています。そこに暮らしている住民の方にご協力いただき、町家暮らしの実際を覗かせていただきます。

 ・空き家対策に興味のある方・・・自分の町の空き家を何とかしたい!と考えている方は、是非一緒にその方策を考えていきましょう!

 ・交流することが好きな方・・・ワークショップのあと、参加者や大工さんたちとの交流会を予定しています。観光に来ただけではうかがい知ることのできない町の姿がのぞけるかもしれません。



(スケジュール)

9:45 岩村振興事務所駐車場集合

10:00 レクチャー、住居見学

10:30 作業開始

12:30 昼食 (名物「かんからや」)

13:30 作業開始

16:00 作業終了

(近くの花白温泉で汗を流せます。応相談)

※交流会・・・チャレンジショップスペースで20時頃まで。参加自由(宿泊希望の方、応相談)

※スケジュールは一部変更する場合があります。ご了承ください。



参加希望の方はホットいわむらHPで募集要項をよくお読みになった上、お申し込みください。

ご参加お待ちしています!

地元のこと

2014-07-17 | 日記
今回は私の地元の話です。


先日地元横須賀へ、息子を連れて初めての里帰りをしてきました。

ちょうど夏祭りの時期で、駅周辺は大賑わい。各町内から神輿が出たり、露店が出たり、大道芸にサンバカーニバルに・・・

実は1000年以上前に創建されたと言われる神社のお祭りで、私も物心ついた頃から楽しみに通っていました。中学生ぐらいの頃の甘酸っぱい思い出も1つ2つ・・・お祭りってそんな場所ですよね笑

だんだん大人になってくると「地元のお祭りなんてたいしたことないような気がして」、興味もなくなってしばらく横目で通りすぎることが多かったのですが、

久しぶりに目にしたお祭りの様子は、子どもも大人もなんだかエネルギッシュでたくさんの笑顔に溢れていて、期せずして町の魅力の再発見体験ができました。











自分が住んでいる頃は気にも留めませんでしたが、この賑わいは、ずっと続いてるお祭りだから、というよりも、地元を想う気持ちを集約させ、なんとか地元を盛り上げたい、という人たちの努力によるものだということが明らかに見て取れました。

都心のベッドタウンで、無味乾燥な味気ない町、という暮らしていた頃の印象が、この日のわが町は人の表情が見える血の通った町に感じました。

それには、離れて暮らす時間が長くなるにつれ、地元を客観的に見ることができてきたことや、まちづくりの側面から意識して見られるようになってきたこととも関係があるかもしれません。

地元がにぎわっている姿を見るのが嬉しい、という離郷者の気持ちを知ることができましたし、今地元を支えている人たちへの感謝の気持ちを初めて感じました。


今年のデータによると、横須賀市は、人口減少数3698人は市区別全国最多、転出が転入を上回る「社会減」1886人は全国2位、という実態が明らかになり、メディア上で話題になっています。

正直「横須賀は安泰だろう」という気持ちがどこかにあったので、出身者の私としてもとてもショックを受けました。


かつて横浜・川崎・横須賀という順番だった神奈川県内の市町村人口も、横浜・川崎・相模原・藤沢・横須賀、と低落。

横須賀以外は全て「社会増」という中にあって、「ベッドタウンとして成熟を遂げ、安定した人口と税収に自治体があぐらをかいた典型的な例」という厳しい意見もあり、かつてない転換期を迎えています。


しかし、かつての住民として感じるのは、行政だけがあぐらをかいていたのではなく、前述のように私たち住民自身が人口減を自分のこととして捉えることの危機感の欠如や、この横須賀に人が住み続けてほしい、そのために私たち自身が「地域の魅力探し」をしてこなかったことと無縁ではないような気がします。

今岩村や恵那市の中で盛んに行われている、住民主体の地域の魅力再発見・資源活用を基点としたまちづくり、コミュニティのつながりを重視したまちづくりに触れていると、こうした横須賀の現状をもどかしく思いますが、少しずつ動きが出始めている気配もあります。

横須賀北部追浜一帯のまちづくり「NPO法人アクションおっぱま≫

また横須賀市でもいよいよ空き家バンクが立ち上がり、利用者と地域との結びつきを重視したユニークな取り組みも出てきました。
参考HPリンク≫


地元を離れた私ができることは数少ないですが、どこかでつながりを持ち続けながら、何か貢献できることはないか、ということも意識にのぼってきました。

まずはこれからの夏は息子をお祭りにつれて、私の地元にも良い思い出を作ってもらえるようにしたら、親冥利に尽きる、というのは気が早い話かな。

旅するピアノ

2014-07-08 | 日記
岩村町本通りのとある文化財の旧家に、一台のアップライトピアノが置いてあります。



このピアノ、岩村のイベントなどで役立つことがあれば、と思って1年前に私が手に入れ置いたものです。

なかなか時間が取れず、まだまだ活躍する場面は少ないものの、ふと訪れたお客さんが弾いてみたりしていることがあるそうです。

この古びたピアノ、実は不思議なストーリーがあって、この岩村にやってきました。


そもそもこのピアノを私が手に入れることになったのは、地元神奈川の高校の先輩からのメールが始まりでした。

「古いピアノが処分されそうなので、誰か引き取ってもらえないだろうか」

私はちょうど岩村に来て1年過ぎていて、古い町家で音楽イベントなどをやるのに、生のピアノが使えたら言う事ないと思い、早速名乗り出ました。


実はそのピアノ、先輩自身の持ち物ではなく、関西方面の伯母様が幼少の頃から使われていたものを、お知り合いに譲られ、そのお知り合いのご相談を先輩が受けた、という、ちょっとややこしい事情がありました。

まあ私にとってはピアノが手に入れば言う事ないので、いろいろと活用できるよう旧家に置かせてもらえるよう関係する方々にお願いをし、はるばるピアノの引越しも済んだ後で、思わぬことが判明しました。


なんと伯母様が嫁いだお家が、岩村のあるお寺にお墓を持っており、年に数回岩村に足を運んでいる、とのこと。当然ピアノを置いた旧家も何度も入って見学したことがあるそうで、とてもびっくりしている、とのことでした。

やりとりをしていた私と先輩はそんなこと露知らず、伯母様にも「岐阜の後輩が引き取った」という程度の報告だったそうです。

そこで伯母様はなぜだか気になり、岐阜といえば岩村という場所にお墓がある、という話を先輩にしたところ、ピアノの行き先が岩村であることが判明。

自分のピアノが、ピアノ自身によって行き先を選んだかのような話に、伯母様も大変喜ばれていると聞きました。


先輩とも卒業以来疎遠になっていたのが、その数年前に再開してからまた連絡をとるようになっていたので、これもタイミング的に不思議な感じがします。


なんとも不思議な偶然が重なり、岩村にやってきたこのピアノ、先日もとの持ち主である伯母様がお墓参りに岩村にやってきて、晴れてご対面となりました。もちろん弾いていただきました。

しばらく使ってなかったので調律をする必要はあるものの、小型ながらとても抜けの良い素直な音。町家に使われている自然素材が柔らかく音を響かせます。

そもそも伯母様のお祖母さんから50年も前に買っていただいたもので、高校生の頃はこのピアノでたくさん練習をしていたそうです。

実家を離れてからは置きっぱなしになっていて、それをお知り合いに譲られたそうですが、とても懐かしそうに弾いて思い出話を語っていただき、このピアノにこめられた想いを私も共有することができました。

古い物を大切にし受け継いでいくという行為が意味するものは、例えば伯母様にとってのピアノの価値が時間を超えて共有されたとき、ただのピアノという存在を超えて、私たちに大切なことを教えてくれる何かになっている、ということだと思います。

それは岩村が歴史と町並を守っていくその目的にも通じることではないでしょうか。古い町並は、ただのレトロな町家である以上に、そのものがメッセージとなって私たちに伝える何かがあります。

その点でピアノが岩村にたどり着いたのも必然と言える気がして、ますます不思議。

再会の時を共有し、新しい持ち主として私も、新たなストーリーをこのピアノに加えて、また次の人に引き継いでいけるよう、大切にしていこうと思います。


あ、私ピアノほとんど弾けません。誰か私のドラムとセッションしましょう笑。