温風茶館(おんぷうちゃかん)

好きなことを温かく語ろう。おひとりさま茶話会気分のいよいよ還暦ブログ。

ニッポンの出番「高野山」2

2016-07-29 16:58:55 | 中丸雄一くん
金剛峰寺の塔頭では、年に一度しか開帳されない不動明王を特別に拝観。
僧侶しか入ることを許されない場所に入るということで、
「では、そういう気持ちで。」と、厳かに足を運ぶ。

最高級の香木「赤栴檀 しゃくせんだん」で彫った不動尊は
今はすそにわずかに赤い木の色を残すのみで、全身が黒い。
なぜこういう色に?と中丸くん。
ご住職の話では、厨子の前で毎日護摩を焚くので、すすで黒くなったとのこと。
なるほど。お茶の間の疑問がすみやかに解決。
中丸くんは、はてなと思ったことをすっとたずねてくれるのが良いね。

一向は金剛峰寺エリアからさらに山深い奥の院へ。
一の橋から空海の御廟までは、約2kmの参道が続く。

御廟橋まで来ると、ここから奥はいよいよ聖域中の聖域。
合掌一礼し、心を鎮めて橋を渡る。
御廟のまわりは木の葉のゆれる音と鳥のさえずりしか聞こえず、
中丸くんは、静けさが増したように感じると言う。
きっとここは、開山から今まで1200年間、かわらない時間の流れ方をしているのだろうな。

御廟の地下道場では今も空海が瞑想を続けている、つまり今でも生きていると考えられていて、
そのために毎日欠かさず食事が運ばれる。
磯田先生は、その様子が見たくて、実は今朝早起きしてこっそり見てきた、と報告。
何も知らなかった中丸くんは、「・・なんで言ってくれないんですか。」
うん、置いてかれて淋しい気持ち、わかるよ!
けど、ひとり行動大好きの身としては、磯田先生も気持ちもわかるよ!!
教えたくないとかでは全くなく、単にひとりで歩きたいだけなのよね。

お大師様専用の厨房で作った食事が供されるのは、
午前6時と午前10時半のいちにち2回。
精進であればスパゲッティなどの洋食もOK(!)、
午後には喫茶の時間があって、抹茶や緑茶、
ときにはコーヒーも召し上がられる、なんてお話がおもしろかった。

一年に一度お大師様の衣を取り替え、下げた衣を小さく切ったのが
燈籠堂で手に入るお衣切(ころもぎれ)。
たて糸とよこ糸を一本ずつ抜き、水に入れて飲むと、大きなご利益があるそうな。
そのお衣を染めるのに使う井戸水に糸をいれ、お念仏を七度唱えてから飲む。
コップの水を飲み干した中丸くんの感想は、
「(ご利益よりも)まず、水がおいしい。」
自然のちからを最初にいただく。すばらしいことです。

空気の良い山の中を歩き、貴重な仏像を見、たくさんのお話を聞き、それだけでも
ここへきたご利益があったといえるだろう。
中丸くんが最後に「明日からの自分が楽しみ」と言っていたように、
今の自分をリセットして、新しく明日がはじめられる、
訪れた人をそんな気持ちにさせる場所が高野山なんだろうなと思った。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日も頑固なわたし。 | トップ | 夏の句会エントリー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿