忘備録の泉

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資本論(8)

2017-09-12 08:59:37 | Library
ここまでのおさらいをして、次につないでいきたい。

マルクスは、取引をするものは、すべて「商品」であるとした。
商品には、「価値」と「使用価値」のふたつが備わっていなければならない。
価値の大きさは、「労力の大きさ」であり、その商品につぎ込まれた「人間の労働力」によって決まる。
客は、価値をベースに値段を考えていくが、その妥当性を「社会平均」で決め、商品の相場が形成される。
そこから「値段」を上下させるのが、使用価値である。
使用価値が高いものは、より多くの客が欲しがるから需要が高まり、結果的に値段は相場より高くなる。
反対に、使用価値の低いものは、価値よりも安くしないと売れないということになる。

取引するものがすべて商品であるとすると、人間の労働力も商品ということになる。
ということは、人間の労働力にも「価値」と「使用価値」があるということになる。
労働力の価値とは、その労働力の生産コストである。
その仕事をするのに必要な「体力」と「知力」を産みだすための生産コストである。
労働力の使用価値とは、「労働力を使ったときのメリット」である。
使用価値が高い労働者は、能力が高く、会社に対して大きな利益をもたらす。
しかし使用価値が低く利益をもたらさなければ、その労働力は商品にならず、客に買ってもらえない。

商品の取引は、原始的な物々交換から始まり、共通のモノサシとして金や銀などの貴金属から、貨幣や紙幣という、国家が保障する通貨に発展していった。
やがて、その貨幣をいかに増やすかという資本への転化が始まっていく。
そして、その運動の担い手として、貨幣所有者が資本家になっていくのである。

(つづく)

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