6月に入ったということは・・・。
このワードで連想される風物は、人それぞれだろうし、その軽重も皆違うだろう。
で、マタギの場合、いよいよN沢のタケノコ採りが始まるというのが最も大きな6月のイメージなのだ。
赤いダイヤと呼ばれる美しい姿(これは去年の画像)
類まれなる高品質。
同じネマガリタケでも、他の山域とは別格なのがN沢の月山筍。
豪雪のため、半年間閉ざされていた山域にもようやくようやく春が訪れ、タケノコたちが顔を出すのが6月なのだ。
この山の神様からの恵みを採りたいし食べたいという願いが、『6月』という言葉を聞いただけで湧き上がってくる。
ただ、同時に浮かんでくるのが、「今年も行けるだろうか?」という一抹の不安。
年々衰えている体力で、あの難行苦行を乗り越えられるのか。
延々と続く天国への道
行ってみなけりゃ分からない話なんだけど、その前にやれることがなくはない。
自分の体力の点検と、維持増進の試みだ。
この時期、山菜採りを兼ねるのが最も効率的で、生産性も高いのだが、3日前にY川でワラビ、2日前にS川で夏山菜を採っているので、本日は、収穫を求めずに歩くことにした。
出かけるのはキノコ山。
秋になったら、必ず訪れる場所だが、この時期に訪れるのもよいと考えた。
何と言っても、豊かなブナ林と渓水とが出迎えてくれるのだから。
マイナスイオンに包まれての散歩が身体に悪いはずがない。
収穫の予定はないけれど、ある程度の荷物を背負い、熊鈴を鳴らしながら歩くことにした。
そして当日、夜明けとともに登山道に入る。
気持ちの良いブナ林
この淡い緑色の空間に入り込んだだけで、山の霊気が体内に吸い込まれてくる感じ。
気持ちいい!
遥かな朝日連峰にも朝日が当たり始めている
足下の渓流は増水気味
昨日までの雨が渓の水垢を洗い落としている。
去年倒れた倒木
昨年よりも苔が増えてきた。 秋にはハナビラニカワタケがいち早く出てくるだろう。
さて、水平道を終えて登りにかかる。
無理はしない。
登っては休みながら徐々に進む。
名前の分からないツツジ
癒される
ガマズミの白も目に優しい
主峰も朝日に映え始めた
ここまでで1時間。
登山としたら、全然大したことはないのだろうけど、それなりに登ったという感触。
うん。大丈夫かな。
針葉樹が主体の尾根道を戻り、再びブナ林へ
茎を伸ばし始めた山葡萄が美しい
終着の頃、足元まで朝日が届き始めた
ああ~、気持ちよかった。
こういう、何の収穫も求めない山歩きっていうのも、いいもんだね。
山の神様、素敵なひと時をありがとうございました。
おかげで、自分の体力の現在位置が少しは分かった感じがします。
さあ、本番は来週あたりかな。
そっちの方も、マイペースで楽しませてもらおうと思います。