神様の住む森。
巨木と
命あふれる世界
そんな森から戴いてきたのがこれ。
君の名は?
お宝鑑定団、同定開始します
『同定』というのは、正体不明の生き物や物体を調べて正体を明らかにする作業ね。
若いものと、大きくなったものとを用意し、主に『笠』と『ヒダ』と『柄』を中心に観察します。手持ちの図鑑等に記載されている特徴と照合していくのです。
(うわあ!たまらん!!久しぶりのドキドキ!!!)
今回使った図鑑類(+ネットも使います)
キノコと言っても、その種類は、名前が付いているものだけでも1000種ほどはあります。その中から1つに絞り込んでいく作業は、面白いんだなあ。
厄介なのは、同じキノコでも地方名が違ったり、違うキノコに同じ名前が付いたりすること。
もっと大変なのが、『専門家』を名乗る方々が、それぞれに微妙に違った認識を持っておられること。名前だけでなく、採れる環境や時期についての説明が人によって違うんですよ。
加えて、使用される写真や絵柄が、人によってかなり違うものだから、一度悩み始めると迷宮に入り込んでしまうことになります。
そんな中で編み出されたのが、今回の手法。マタギのキノコ仲間は、数人いるのですが、それぞれがそれぞれの持っている資料をもとに同定を行います。それを持ち寄って、キノコの名前を絞り込んでいくんですね(たいていはお酒を飲みながら)。
こうやって特定されたキノコの名前は、何十年経っても忘れないんですよ。
さあ、約束の時間になりました。私から連絡しようと思った矢先にA氏からの着信。それぞれの判断結果と根拠を照合していった結果、『カワムラフウセンタケ』(フウセンタケ)ではないか、という結論に達しました。これは、食べられるキノコです。(もう一つ大事なこと。似たような毒茸は一切ないようです。)
ああ~、採ってきてよかった。
そうと分かれば、早速、料理に入りましょう。ここで、また、調査活動再開。
ポクポクポクポク チ~ン
≪フウセンタケのオリーブ炒め≫
なんだか旨そうで、しかも手間がかからなそうなのでやってみます。
下ごしらえの部
・フウセンタケは、汚れを落としたら、塩水に浸けて虫だしします
・縦に細く切り分けます(今回は大体6~8個に)
これを更に半分に切り分けました(薄紫色、分かるかな? これが同定の決め手の1つ)
・タマネギ1/4個はみじん切りに
・肉類(1回目はベーコン、2回目はウィンナー)は細い短冊切りに
調理の部
・フライパンにオリーブオイルを敷いて熱します
・タマネギ、肉、キノコの順に入れて炒めていきます
ここにフウセンタケを入れて
・塩コショウ少々を和えて、日本酒(ワインの方がいいかな??)適量を入れて
こんな感じ
・蓋をして2分ほど蒸し煮にしました
弱火で待ちます(キノコに火を通したい)
・蓋を外して、強火にしたら水分を飛ばしながら和えていきます
・水分があらかた飛んだら、火を止めて、香り付けにちょっとだけ醤油を垂らします
はい、出来上がり
食べてみると、主張は強くないんだけどキノコらしい味わい、そして、多分、ヒラタケとムキタケのあいだぐらいの、スルッ、トロッとした食感です。
なかなか旨いじゃない!妻に勧めると、おっかなびっくりだけど、食べ始めて、最終的にかなり食べてくれました。
現在、食べ始めから半日過ぎてますから、問題はなかったようですね。
こうして、マタギ家とA氏宅に新しいキノコのレパートリーが追加されました。これは、歴史的な快挙です!
めでたしめでたし。そして、
山の神様、新たな贈り物、ありがとうございました。