猟盤の日々改めDEADMAN IS ALIVE!

ヴィニル・ジャンキーの猟盤話から死んだ人の話を経て、呑み屋の話になったり、ギターの話になったり。。。

VIVA ! 渋谷シネマヴェーラ!

2008-10-08 | 映画
渋谷区円山町の「Q-AXビル」はまるでシネマテーク・シネコンだ。ユーロスペース、渋谷シアターTSUTAYA、そしてシネマヴェーラ。そこに行けば普通のロードショー館とは異なる映画がいつも上映されている。ユーロスペースにはアキ・カウリスマキ監督「浮き雲」「過去のない男」フランソワ・オゾン監督「まぼろし」「ゆきゆきて、神軍」やレオス・カラックス作品等々ずいぶんお世話になっていたのを知った。今は亡き六本木WAVE地下「シネ・ヴィヴァン」でもずいぶんそんな映画を見た記憶がある(伝説の六本木WAVEのお話しはまた別の機会に)。

シネマヴェーラは邦画の旧作をあるテーマのもと、上映している映画館、料金は二本見ても1400円、受付の女性もキュート。最近そこで見たのは

『内田吐夢110年祭』 8/02 ~ 08/22  
「宮本武蔵 般若坂の決斗」「宮本武蔵 一乗寺の決斗」「たそがれ酒場(16mm)」
   
『妄執、異形の人々Ⅲ』 8/23 ~ 9/19 「とむらい師たち」「電送人間」
『浅丘ルリ子の映画たち』9/20 ~ 0/10 「私が棄てた女

といったところ。「とむらい師たち」は野坂昭如の小説を藤本義一が脚色し、三隅研次監督の1968年の映画。大阪万博の一年前の大阪が舞台の妙な葬式ビジネスの話なのだが「おくりびと」なんてもんじゃない死人のデスマスク作りから葬儀コマーシャル、葬儀博覧会ととんでもなく展開、勝"パンツ"新太郎、伊藤"ゴテ雄"雄之助、藤村"パンサ"有弘(インチキ外国語芸の元祖)、藤岡"サッポロ一番"琢也、財津"キビシッ~!"一郎らが最高に上手い。 財津以外はもはや皆鬼籍に入ってしまった。

私が棄てた女」は1969年、「女好き」浦山桐郎監督、原作は遠藤周作の女性が見たら噴飯ものの男を僕の大好きな河原崎長一郎が演じている。彼が主人公「シャカ」を演じた1971年の映画「やさしいにっぽん人」、緑魔子の主題歌とともにオススメ。浅丘ルリ子は当時28歳、日活アクション映画以外の彼女をスクリーンで初めてみたけど美しい!画像の三本、いまだ未DVD化。ろくでもない新作を製作する前に日本の映画会社は自社のアーカイブをもう少し大事にして欲しいもの。

1995年に出版された立川直樹森永博志の対談本「シャングリラの予言」は僕のバイブルみたいなもんなんだけど、その続編「続シャングリラの予言」(2002)を読んでいたら「真っ暗闇の中で観てこそ映画」という章があって、シネマテークの素晴らしさで盛り上がっていた。この本だって絶対に文庫化すべきだと思う。どこに行っても同じ映画のシネコンじゃなくて、時代、監督、国、俳優などテーマにした旧作をフィルムで観られるシネマテーク・シネコンこそ増えてほしいのだ。
続 シャングリラの予言
立川 直樹,森永 博志
東京書籍

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シネマヴェーラの話ばかりになってしまったけど、最近観た映画はこんなところ。
メイド・イン・ジャマイカ」 サードワールドのメンバーが金持ちなのびっくり。
ホットファズ」 英国っぽいくだらなさ、Monty Pisonを思い出した。
ダークナイト」 長い、だけど面白い。でも一番好きなのはティム・バートンの「リターン」。
レス・ポールの伝説」 冒頭のキースもいいが、やはり多重録音のくだりが面白い。
アクロス・ザ・ユニバース」 ファースト・シーンの「GIRL」のアレンジ、ブルコメのカバーみたい。
コッポラの胡蝶の夢」 原題「Youth without youth」「胡蝶の夢」というのはもちろん荘子の胡蝶の夢の話。テーマは「輪廻」、年寄りには面白い。
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