山の手コラム  ー植物の色つれづれー

日本の染料植物の保全と栽培のネットワーク

ヤエヤマアオキ、生と乾燥の違い

2012-02-28 | 染織、染料植物
2007年に石垣島で掘り出した生のヤエヤマアオキとクールをいただき,そのまま染めて、美しい赤や褐色を染めた。
昨年、染料店や他所でこれらの乾燥染料を購入された方から、どうやって染めるのですかと聞かれ、染めてみたが、なかなか赤い色素を取り出せず,取り出しても布に染色できず、いろいろな方法で染めてみた。
一応それぞれが赤色と赤褐色にには染まったが、量をたくさん必要とした。
この2つの染料の場合、生の時は含まれる水分やその他の成分で染まる反応がスムーズにすすむが、一度乾燥してしまうと、壊れる成分があり、違うものに変化してしまうようだ。
また、水の質も大きく違う。採取地で、そこの水で染めるからこそ、美しい染料だと思った。

色が冴える寒染め

2012-02-12 | 染織、染料植物
紅花の黄色は水で、赤色は灰汁で抽出する。
低い温度で時間をかけて抽出する。
水が冷たいと、色が溶け出して来るのは遅いが、
花びらも痛まないので、余計なものが出てこない。

黄色色素を出した後の花びらを冷たい流水で何度も洗う。
黄色が抜けて赤が冴えてくる。
その花びらを冷たい灰汁に入れて今度は赤色を溶かし出す。
染めるときも冷たく、染めた後のすすぎ水も冷たく中性なので色は水に戻らず、
いっそう冴えてくる、

真冬のリュウキュウアイ

2012-02-11 | 染織、染料植物
2004年に山口県の瀬戸内側に植えたリュウキュウアイが8年経って寒さにめげずに成長し株を増やしていました。
庭の塀と家との間で、不思議に瀬戸内の潮風をよけて、風が当たった葉は擦れてインディゴになり黒くなっていましたが70%は緑のままでした。
沖縄では2月でも挿し木が出来ますが、瀬戸内では無理かなと思いながら数本挿し木用に切って、ハウス内で挿し木がつくか試してみます。
この夏に向けて挿し木で増やし、来年には,蓼藍と平行して沈殿藍製造作業をすれば量を比較できるかな~などと思いめぐらしています。