山の手コラム  ー植物の色つれづれー

日本の染料植物の保全と栽培のネットワーク

紫根と布の量

2008-10-30 | 染織、染料植物
今日は北海道で去年掘り出した紫根の2年根でゆっくり染めていて、今までよりずっと濃く染めることが出来た。
前日に水に浸けておき、今日ゆっくりと抽出、染める時間もたっぷりとり3回染め重ねた。
染めた後の液が透明になりほぼ無色になった。無駄なく色素が布に染まりついた。感激である。根対布の重量が3:2である。

DyeとColorant

2008-10-28 | 科学
国際ネットワークを作るためにンターネット会議が続いているが、目下の議題は名称についてである。
DyeかColorantか。
最初に提案されたのは、Colorantだった。私もこれを支持した。
理由は、天然の色の利用は「Dye=染色」だけではないからだ。
色素が薬効成分であることも多く、絵具や塗料、食品や化粧品、医療関係では検体への着色などさまざま。
植物だけでなく土の色もある。
天然の色を天然資源として考えることが重要であり、その認識に立って、天然の色に関係する調査研究や開発の国際ネットワークを作ることが必要と下手な英語でコメントしたが、主にアジア勢はDyeと言って譲らない。
染色だけのネットワークはすでにあるわけだから同じようなものを作る必要はないと思う。
母国語が英語ではない15カ国ぐらいのメンバーが英語で議論しているわけで、こういうときはやはりイギリス人の登場が待たれるかな。インドのときもそうだったし・・・・。
それにしてもユネスコ本部の各セクションに何故日本人がいないのだろう。事務局長は日本人だったと思ったけど。



World Crafts Council International

2008-10-27 | art&craft
国際天然染料シンポジウムが2006年インド、2008年韓国と続き、アジアからの主な出席者を知ったが、日本人はやはり少ない。現在進行している国際ネットワークづくりの会議で、WCCやユネスコアワードについてのコメントがあったが、アジアでは東は中国や韓国、中心はマレーシアやインド、南西はイランだった。
このWCCのサイトを見ていても日本の現代工芸やクラフトは出ておらず、海外からみると日本は伝統美術工芸という印象が強い。
アジアの染織工芸は、力強さと美しさがあり、そして日常的に身につけられ、生活用品としても使われていて、今を生きている感がある。

20~30年ほど前、ローザンヌのビエンナーレでみた日本の現代テキスタイル作品は、興味深い作品が多かった。
その後、美術大学で教鞭をとられた方が多い。彫刻的になり、素材、造形へと向かった方が多いのか。

WCC

西洋茜の実の収穫

2008-10-26 | 染織、染料植物
裏の西洋茜の実が熟した。落ち葉や風で飛んできた種、冬支度がすすむ。
実をちょっと潰してみると紫色の汁が指についた。
水で洗ったが取れない。石鹸で洗ったら黒くなり染め付けたようになった。

発芽に必要な栄養がぎっしり詰まった果肉、
全ての自然を静かに取り込んで自身に蓄える植物の力がこの実に凝縮されている

7th International Shibori Symposium in France

2008-10-25 | 染織、染料植物
2006年11月、インドで開催されたユネスコの天然染料シンポジウムのランチタイム、各国のShiboriコミュニティメンバーがこのシンポジウムの準備会議をしているところに呼ばれた。その席にはフランスでの私の藍建てワークショップのことを知っている人達がいて、国際シンポジウムで広がっていくネットワークを楽しんだ。

あれから2年、いよいよ始まりますね!
会場はパリ、リヨン、プロヴァンス、焼き栗とワインがおいしい季節。

プロヴァンス会場は丁度10年前私が展覧会と講習と実践報告をした「植物の色展シンポジウム」主催のOKHRAと2000年に日本に招待したミッシエルガルシアが創設したCouleurs Garanceが会場になっている。

7th International Shibori Symposium