山の手コラム  ー植物の色つれづれー

日本の染料植物の保全と栽培のネットワーク

蓼藍の種  今年も2月から発送開始

2010-01-28 | 染織、染料植物
いつものように頒布が始まりました。

小上粉種と千本種です。
今年は顔料を多く作る予定です。

ヨーロッパでは、藍indigoと茜madderはtop-dyeingと言われます。
堅牢度がとても高い。
この色に重ねて作る色は複雑で味わいがある深い色です。

蓼藍の種の申込

染料薬用植物ジャーナル1号

2010-01-25 | 科学
天然染料の研究者Dr.Dominique Cardonのムラサキ科染料植物についての論文を昨年12月から日本語訳していた。
登場するレシピは紀元前まで遡る、文字が早くに作られた古代地中海の文明の染色の技法である。
論文では登場する様々なレシピを再現し、使われている原料に含まれる物質の化学分析と検証、植物の種の同定も試みている。
訳していると、イメージが広がり色が想像され、材料や道具の1つ1つの質感を感じる。
日本のムラサキでも同じようなことが出来るのだが、地中海文明ほど遡ることは出来ないし、現存する文献にある原料や内容の量が少ない。
ここまで様々な原料や材料を駆使して色を求めた古代地中海文明の技術者達の情熱に突き動かされる。
紀元前に行われていた染色とほとんど変わらないことを今、私も行っているわけで、イメージの中で時空を飛ぶことはできると思った。1つ1つ再現してみようと思う。

このジャーナルには著者のオリジナル原稿とその日本語訳,日本語原稿は英訳を、全ページ日本語と英語で掲載した。
目的は、今まで天然染料に関する国際シンポジウムに何回か出席したが、
その発表はサマリー集として残るが全文を目にすることは希であるし、日本で発表された外国人研究者の発表も日本語訳はあまりされない。また、日本人の論文は日本語のみがほとんどで検索にかかりにくい。

日本と海外の研究者や制作者,愛好家が同時に情報交換が出来るジャーナルにしたいと考えた。

創刊の想いは、
・・・天然染料や顔料、染色や染料薬用植物について、
現在進行している国内外の研究の発表と情報交換の場となり、
様々な国で調査研究や栽培、制作をしている人、
途上国で現地の天然資源を使って染色による支援活動をしている人達、
私達も含め勉強中の人、これから学ぼうとしている人達にとって、
役立つ情報を提供していきたいと思います。
・・・・・想いを形にしたのである。


次は、ジャーナルに掲載された論文にある技法を再現し、
それぞれの成分の効果と色を確認したいと思う