人生が最も豊かな意味に満ちている時代とはいつだろうか?以前、Yさんと歩きながら話したのだが、5-7歳のエリクソンでいうと目的志向性の時期ではないだろうか?ということになった。その時は、ネガティブな感情として罪悪感が育ち、一方ポジティブな自発性が育つ時期である。Yさんが魂の生まれるような時期。そう言われたのが心に残っている。
この時期、私ごとではあるが、通学途上で友人が交通事故死をしたことがあるが、それが私にとっての典型的な罪悪感の原型だった。そして、そのあと父の仕事の関係で、当時としては珍しいアラスカに住むことになる。
全く英語の出来ない7歳の子供が外国の小学校にポツンと入学する。その体験の中で、暖かい女教師のおかげ(日本語はできないが今考えるとロジャースの6条件の化身のような先生)で、日本以上に明るく学校生活を送ることになる。教室に始めて入ったとき、優しい先生の紹介で日本語を喋ったことが今でも思い出せる。それが、自発性の原型だったかなとも思う(これについてはブログでずいぶん書いた)。
自発性の原型は、とても人生を前向きに活力を与える上で大事で、青春時代や中年のときの危機?を乗り越える上での糧だったんだなと、今では考え感謝している。
自発性の原型は、アラスカの小学校入学時のこともあるが、もう一つ、さらに何か不思議な原型があったように感じる。それを、勝手に命名したのだが旅立ちの原型だ。この原型は今でも私を、様々な旅行に駆り立て、比較文化や古代への関心の原動力となっている。
アラスカでは東南の島シトカというところで暮らしたのだが、家のそばに国立公園があり、その中に不思議なトーテムポールが何本か立っていた。両親と妹で見学していたが、不思議な魅力にとりつかれ、怖さを振り切り、一人で何分か見入ってしまった。奇妙な動物が整然と連なっている不思議を堪能した。その後、両親の声で我に帰ったが、そのときの経験は旅立ちの原型となり、その後の人生に影響を与えているようだ。
ただ、生き甲斐の心理学の知識で考えると。これもロジャースの6条件から説明ができるようだ。
1.雨が多い土地柄であったが、その時も小雨が降っていたようだ。肌にあたる、心地よい雨。それは、自然との心理的接触を促す。
2.小さい存在としての私と、屹立するトーテムポール。トーテムポールは何か深い意味を物語っているようで、より純粋で神秘的だった。
3.自然の中で、悠然としているトーテムポールは無条件の愛とか、自分への共感性(自他混同ではなく)を体現しているように感じた。
4.親しみやすい鳥とかが描かれていて、何かを少し自分にも語ってくれている。
昨日も八王子で勉強会をしたが、その中で、ロジャースの6条件の話もでた。無条件の愛とか賛同でない共感性が、子供の教育に本当に必要だ(時に応じてだが)という話題も出た。通常の親は(私も含めて)、条件付きの愛、賛同か否定かに流れ、本人の真実を大事にすることを忘れがち。厳しい世間のことを考えると、仕方のないところでもあるが、長い目でみるとどうだろうか?自戒をしつ6条件を考えて見たい。
(今日は、U先生のブログの自発性の原型の話に誘発されて、雑文を書きましたU先生に感謝です。)
ひびきあう旅② 2/10