イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

言葉について考え見えてくること (大人になって知る防衛機制③ 5/10)

2018-11-29 | 第十章「今ここでの恩寵」

 縄文時代中期の小説を書いたとき、一つのある状況におけるシミュレーションをしたようで、縄文文化になぜ文字言葉がなかったかを考えざるを得なかった。縄文中期に中里遺跡という水産加工施設遺跡があるのだが、その運営は500年という長期間続くなど、きちっとしたマーケティング理論でいうとバリューチェーンがなければ続かないものだ。その中で、コミュニケーションの媒体として文字があっても不思議でないのになかった可能性が高い。あるいは隣の黄河文明などの大陸の文字文化に対して、どうも取り入れなかった可能性すらあるようだ。

 どうも、縄文文化と同様に文字を採用しない文化というものがあるようだ(ちょっと危ない表現だが)。黄河文明より古いとされた揚子江流域の長江文化、あるいはアイスマンも5000年前のヨーロッパ人であったが、ここでの文字もいろいろ言われているがなかったのではないか。一般には日本は島国で隔絶されているから文字は渡来しなかったかのように言われるが、5-6万年前にホモサピエンスが東アフリカから世界に様々な文化を持って拡散していったという定説から考えても、日本列島に到着している私たちの存在の実績そのものが、文字がなぜなかったかについて疑問を持たざるを得ない。

 さらに思えば、7-8世紀に文字が採用されてからは、怒濤のごとく4000首以上の詩歌を集めた萬葉集が生まれ、さらにその数百年後には今でも最先端といって良いような小説・源氏物語が世界に先駆けて作られる。一万年の文字に対する抑制・抑圧がここに華を開いたと解釈しても良いかもしれない。

 言霊文化は、今でも結婚式などでの忌み言葉といて現存したりする。お墓で写真をとるのを躊躇する不思議な感性も私たちに今でもある。江戸時代まで続いたお歯黒の文化、縄文時代後期以降にも顕著な抜歯の文化、これらも言霊文化と関係があるという説もあるようだ。

 聖なる言葉に関しては、それを発する人が自ら文字で記録すると言うことは余りないようで、キリストも釈迦もマホメットも自ら書き記すことはなかった。忙しかったから書かなかったというわけでもないようだ。文字言葉と日常で使われる言葉の違いは何だろか。それは言葉は今ここで発されるものであるのに対し、文字言葉は過去に発された言葉を再現するもので、残念ながら本質において二次的なのだと思う。もちろん読む時点で打てば響くようにイキイキと再現することもあるが、時と共に不明確になってしまうこともあり、またそれを読むものは発した本人ではないこともあり、時には別のものになってしまうことすらある。

 私の感情は今ここで生じ、あるいは消え・・そんなリアルなものである。それに対し私の言語生活はどうだろうか。リアルとはかけ離れてしまっているのではないだろうか。知性化を遊び退行を遊んでいるに過ぎないかもしれない(それも大事だが)。日が短くなり、まもなく冬至になる。感情的にも何か不安的で縄文時代に祖先が正月が大切にされたように、死と再生について思い巡らせ、リアルは日々を過ごしたいものだ。

大人になって知る防衛機制③ 5/10

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