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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

錯乱と統御感・・・今も縄文時代も (7/10 宝のストレス曲線)

2021-09-08 | 第十章「今ここでの恩寵」

LEDの電球とか、照明用の機器はどんどん良いものが開発されて驚くばかりだが、ロウソクの灯火とかランプの灯火ほど心を癒す光はないのでは。幼いころの夏の庭先での花火につかった灯火、家の仏壇の灯火、私はカトリック信徒なので幼いころに教会の祭壇のロウソクに灯す灯火も忘れられないものだ。写真は2019年の大栗川キャンドルリバーの時のものだ。コロナ禍で今年はどうなるのだろう。

縄文時代の灯火も、竪穴住居跡には炉があり、灯火とか火を大切にしていた姿が垣間見られるし、今回話題にしている釣手土器も恐らく灯火が中心の土器なのだろう。

さて、ストレス曲線で不安、怒り、身体症状、ウツと話題にしてきたが、最後は錯乱である。私にとっては17歳の時の錯乱が忘れがたい。そもそも16歳の時から今考えると忘れがたい思い出があり、その錯乱につながるのかもしれない。

16歳の秋には中学の同級生で高校も一緒だった人が突然自死をされた、当時は若い人が自死をするケースは少なく新聞にも掲載された事件だった。冬には敬愛していた祖父が自宅で亡くなった。そして、17歳になると学校でも倫理の時間があり、いろいろな思想書を読み始め、ある日ニーチェの本を読みながら家の窓から見える教会の十字架を見て錯乱した。その時の恐ろしさは何とも言えないもので、釣手土器(香炉型人面土器というのが正確かもしれない)の優しい女神さんの裏側には恐ろしいお化けのような顔があるが、まさしくその様な姿の将来に錯乱といってもよかった。ただ、私の場合は、良き家族、よき友人に恵まれ、その後も不安定な中でも進学し社会人になっていくことができた。ありがたいことである。

錯乱は最も嫌な感情ともいえるが、統御感に質的に似ているとも言われ、錯乱から何かのきっかけで統御感に変わるということがある。私は40歳代の時にカトリック教会でそのような経験をしたが、理論的にはストレス曲線が幸福曲線に何かを機会に変わるように、錯乱も統御感に変わることがある。

錯乱が何故統御感に移り変わったを過去の体験から考えていくと、U先生に教えていただいた過去の不安、現在の不安、将来の不安という三つの不安(錯乱)の分類を思い出す。どうも現在の不安(今ここ)への流れと関係が深いようだ。

釣手土器(香炉型人面土器)をイザナミ(女神)だとする説で考えてみよう。イザナミ・イザナキの神話は日本神話のもっとも有名な神話で、冥界巡りの話である。冥界巡りは日本だけでなく例えばギリシャ神話にも同じような神話があったりし日本がオリジナルではないかもしれない。火の神(カグツチ)にほとを焼かれたイザナミ(女神)は冥界に行ってしまうが、それを追ってイザナミを愛するイザナキ(男神)は冥界に取り戻しに行く。しかしすでにイザナミは冥界の住人になっていた。そして、イザナミから見るなといわれたイザナミの姿をイザナキは見てしまい、約束破りに激怒したイザナミはイザナキを追いかけて捕まえようとする。いろいろあるが、イザナキは苦難の末に冥界を脱失し出入り口のヨモツヒラサカを大きな石で封印してしまう。その石の両側でイザナミとイザナキは互いに思いを述べ合い両者は分かれる。そんなストーリーであるが、最後の石の両側での対話は何とも言えない夫婦の情感=愛も感じさせるシーンである。

イザナミの恐ろしい死体を見たり、イザナキが約束を守らなかったので激怒したり、恐ろしい追撃にタケノコや桃を投げて逃れたり、イザナギとイザナミの二人の心は過去の不安と将来の不安の中で右往左往し錯乱する。それが最後に石の両側(冥界と完全に区切られる)で今ここの世界に立ち戻り、愛そのものの魂の語らいをする。記紀では二つの世界の分離の事実を語っているだけのようだが、私はそれ以上のものがあるように感じてしまう。

縄文時代中期、中部高地や西関東の人は釣手土器を使って、今ここの灯火(香炉での匂いでも同じ今ここをとらえることができる)を示しながら、神秘の世界、そして錯乱から統御感の不思議さも語っていたかもしれない。その知恵は今でもたいせつなようだ。

7/10 宝のストレス曲線 

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