イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

・・・愛の孤独・・・

2009-09-28 | 第十章「今ここでの恩寵」

 村上春樹の「ノルウェイの森」をやっと読み終わった。1980年代後半に一度購入して、数ページ読んで積読となっていた。気になっていても、いざ読む時になると、無意識の抵抗があるのか、読めない本というものがあるようである。

 先日1Q84を読了し、勢いづいて、再度「ノルウェイの森」読んだ。来年映画化されるという情報を得て、次はこの本だと決めたこともある。

 生き甲斐の心理学をU先生から学び初めて9年経つが、この勉強のお陰で、小説の心理描写などが良く判るようになってきている(良い小説は、生き甲斐の心理学の理論に沿った書かれたかのようで、不思議である)。あるいは、この年になって、小説の本当の面白さに目覚めたのかもしれない。

 舞台は1969年、1970年。東大入試が中止になり、安田講堂など学生紛争が盛んな時代である。それまでの権威は否定され。三島由紀夫が家の近くの自衛隊駐屯地で割腹自殺をした時代。一方、月面着陸が成功し、大阪万博で日本中が沸いた、変に明るい時代でもある。

 伝統、権威や昔からの神仏が困難な時代を迎え、物質的な繁栄が、それと反対に力を増していく時代である。そんな時代の中で、自分も含め、何かが見え始め、何かが見えにくくなってきたと思う。

 「ノルウェイの森」のヒロイン直子は、幼馴染との事件などから、精神を病み、そして最後には自殺をしてしまう。そんな悲しい小説である。自分の1970年当時の身の回りでも、同様の悲劇(自殺)が起こっていた(勿論事情は異なるが)。決して、特殊な世界の話ではない。

 そして、この傾向は、自殺者統計からもわかるとおり、一向に減少しない。

 生き甲斐の心理学の中で、「愛の孤独感は人を死に追いやる」(凶器のようなもの)と学ぶ。そして、優れた小説のように、出口のない状況に置かれる人は、現実の世界に確実にいるようだ。

 生き甲斐の心理学普及でもっと役に立てるのではないかと思う。難しい治療も大切だろうが、予防医学的な知識の普及はそれ以上に大切だと思う。

<異物 4/8>

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1 コメント

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ハードボイルド (JOHN)
2009-09-30 01:31:21
アメリカのハードボイルド作家はアル中になったり自殺したりして結構途中で残念な生き方をしていますね。村上春樹がただ、青豆を自殺に終わらすのか、そうではないのか。、、、。ここに魂の復活を望んでいる僕です。次号をいろいろと予想するのもあおもしろいです。

私は青豆にかっこよさを感じました。でも、ハードボイルドの作家達はアル中や自殺してしまうひと多いです。村上春樹はそう言う意味でも日本の文壇のイメージは健康的にしています。でも、家内は「海辺のカフカ」を読んで「吐き気を催すなんていうんです。」健康的なのかも知れない。

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