もう13年前になるが、U先生の「生き甲斐の心理学」の門戸を叩き、最初に勉強した本はU先生の「人の身体は神の神殿」であった。当時は人助けのためにカウンセリング理論を勉強しよう(今から考えると無謀にも)と始めたのだ。そして、しばらく勉強してから、U先生の勉強会(ワークショップ)に参加した。それは、それこそ「人の身体は神の神殿」を実感できる、ひとりひとりが大切にされる勉強会であった。
「人の身体は神の神殿」は新約聖書のコリントの信徒への手紙1-6-19からとった聖パウロの思想だが、実に深い。もちろん、同じような思想や哲学は他にもあるだろうが、この考え方は人生を豊かにするためにも、他人を支援するためにも実に重要だ。
自分の経験で恐縮だが、本当に真から自分が大切にされていると実感した経験は40歳台くらいで遅い体験であった。難問に直面し、自分が混乱しているとき、それを受け止めてくれる人は少ない。身内でも、あるいはプロの専門家でも、意外に冷たかったりする(人間だからしょうがないが)。しかし、一回でも心の底から、自分が大切にされていると実感できると世界は変わる。自己肯定から他者肯定の道が開けるようだ。
「人の身体は神の神殿」という考え方は、欧米のNPO等の基本的な根幹の思想とも言われる。そして、この考えが身についてくると(私がどのくらいついているかは疑問だが)自問自答やカウンセリングや傾聴の時に俄然、力を発揮する。さらに、最近思うのだが、自他肯定の思想は人生を豊かにする。真善美のありがたさに気づきイキイキしてくる。
クリスマスが近づいた早朝の遠くの景色。実に爽やかだ(でも、寒いけど)。
人間を考える 3/10