+3Kの牛の如く

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大地を踏みしめて歩く。牛の如く。

障子岳、古祖母山を巡って

2009年08月04日 | 祖母・傾山系
祖母山九合目山小屋で、楽しい山仲間との一夜を過ごして、いよいよ復路である障子岳、古祖母山に向かった。
傾山まで縦走するという7人連れは5時40分頃出発した。その後2人連れも同じように傾山に向けて15分遅れで出発した。
私も同じ縦走路を尾平越まで歩くことになるので、出来れば相前後して歩ければ安心ということもあり6時前に山小屋を後にした。
外は昨日と打って変わって霧が覆っていた。祖母山への道も白い霧に包まれていた。

もちろん山頂も霧に包まれて、周囲の山々は全く見えない。

霧で岩肌がぬれていた。黒金尾根へと続く南側の断崖を慎重に下りて、先ずは黒金尾根分岐を目指した。展望台への分岐を過ぎて天狗岩が正面に見える手前あたりで7人組に追いついた。何しろ彼らは今夜も九折越小屋に泊まるということで、かなりの重量のリュックを担いでいたから、決して私が早かったわけではない。
1時間余りで分岐に着いた。

Tengu、Katamuki方向に進路をとった。暫くすると天狗岩への分岐があり、

天狗岩を見に行った。しかしながら全く展望があられない。無理をすることもないと考え写真だけを撮って引き返した。

縦走路に戻って次は障子岳を目指した。10分ほどでミヤマ公園に着いたが強い風が吹いていて早々に先を急いだ。

更に20分程行くと烏帽子岩の分岐があったので、烏帽子岩を見に行った。

しかしながら、やはり霧の中に頂がぼんやりと浮かび上がっていた。

縦走路に戻り10分程行った所に、突然白い花が一輪落ちているのを見つけた。見覚えのある花、オオヤマレンゲであった。上を見上げるとまだ咲いていた。もう終わりに差し掛かった花であったが、思いもしなかった所で、落ちていなければ気付かなかったかもしれない花が、偶然にも目の前に現れた。「天女に会えた、ラッキー!」と内心嬉しかった。

そこから5分も行くと障子岳の山頂であった。

「熊ノ社」と刻まれた石碑が祀ってあった。

約2時間余りで着いた。天気が良かったらこんなに早く着かなかったはずだ。時間を忘れて周囲の展望を楽しんでいたに違いない。
次に古祖母山を目指した。途中「土呂久」への分岐や展望台があった。

第二展望台に行ってみたがやはり霧の中であった。



縦走路に戻って間もなくこんな花が縦走路に突然現れた。淡いピンクの花が薄暗い縦走路に妖艶に輝いて見えた。

障子岳から45分程進んだ所に立ち枯れや倒木した林があった。何が原因かは知らないが命の盛衰を感じざるを得なかった。

更に15分程進むと古祖母山に着いた。9時15分。山小屋を出て3時間15分余りである。当初計画からすると1時間ほど早く着いたことになる。此処には三等三角点の標石があった。

ここで、一息入れて後半を頑張ることにした。とうとう2人組には追いつかなかったが、7人組にも追いつかれなかった。また逆方向からの登山者とも会わなかった。
山頂を後にして尾平越に向かった。間もなく急激に下る斜面が待っていた。

20分程行った所にアルミの梯子を二つ繋いだ崖があった。この写真は下りた所から見上げて撮ったものである。


古祖母山だけあって祖母山に負けない程の急峻な山容を持っているのだなぁと急斜面を下りながら感じた。
漸く天狗岩や祖母山が見える所まで下ってきて振り返ったが、山頂は霧に隠れていた。

松の枝の間に見える傾山方向は山頂から霧が晴れていた。

正面の大障子岩方面も既に霧が晴れていた。

随分高度を下げてきた。漸く登山者と会った。古祖母山から1時間弱の所に見晴らしの良い岩場があった。とはいえ障子岳も天狗岩も、もちろん祖母山も、いまだ霧の中である。

ここで暫く休んだ後、尾平越に向かった。尾平越には11時少し前に着いた。

そこから尾平トンネル北口に向かって下りることにした。当初の想定では歩きやすい登山道と思っていた。しかしとんでもない勘違いであった。
急斜面で、むき出しの土は滑りやすく、今までの縦走路より数段踏ん張りを求められ、歩き難いことこの上なしという感じである。まあ慣れた人には無用の感想かもしれないが・・・。

結局30分余りでトンネル北口に着いたものの、もう一つ気がかりな物を見つけて後味の悪い尾平越間となった。
もう一つとはこの青テープである。

北九州市水道局が水資源確保のために業務として来て、何らかの目印をしたのか。それとも、水道局の不届き者が勝手に公用のテープを持ち出して私用として使ったのか。巻き方といい何とも腹立たしい光景を眼にしてしまった。
トンネル北口から暫く車道を歩いて、途中から登山道に入った。ここのもまたかなりの急斜面を下ることになった。結局尾平越から尾平登山口の駐車場までが一番足に応えた区間になった。
車道から見た祖母山方面。まだ山頂は見えない。

「ほしこがin尾平」の上の方には廃墟となった鉱山労働者の家が無数、無残な姿を留めていた。自然の中で風化されるのを待つしかないのかもしれないが、産業の遺構であるならば、産業廃棄物として片付けてもらいたいものである。企業の言い分は自らの土地の中にあるものは私の勝手というのであろうが、元々自然の一部を使わせて貰っているに過ぎないという視点が欠落している。そんな憤りを禁じえなかった。以下の写真はほんの一部に過ぎない。



祖母山から古祖母山へ縦走をした2日間であったが、自然が与えてくれる感動と最後は人間のエゴで醜くする所業をも見せ付けてもらった。
一人の人間として、自然の中で生かされているということ、何時しか傲慢なエゴを振り撒いているのではないかということを、私のために戒めてくれた2日間のようであった。

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