クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

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朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

高山性のクワガタムシ・15-アカアシクワガタ

2021-09-06 21:34:00 | ブナ帯のクワガタムシ全般

Kさんと高山でアカアシクワガタを探してきました。

 日時:2021年9月5日

 天候:晴 無風

 気温:22度前後

 標高:約750〜1000m

 

 

数年前からその山に行く度にチェックしていたヤナギ群生があります。

しかしながら、クワガタは全く発見できませんでした。

ところが2年前から急にアカアシクワガタが沢山付くようになりました。

こういことはたまにありますが

ほとんどの場合長続きせず

短くてその年限り、長くても数年で付かなくなることが多いように思います。

おそらく発生木の状態変化によるものと考えますが

材割をしていないので本当のことはわかりません。

 

 

また、数年前にはこの高山の険しい斜面で

ヒメオオクワガタがある程度発見できたのですが

昨日はその姿はなく、真新しい食み痕もありませんでした。

そして、スジクワガタが沢山いたウリハダカエデも樹液が止まり

このエリアで発見できたのはアカアシクワガタだけでした。

 

↓ スジクワ・ミヤマ・ヒメオオも付くウリハダカエデ

 

私の活動エリアでは

アカアシクワガタは初夏から晩夏にかけてよく発見でき

過去には10月に入ってからも高山で見つけたことがあります。

 

高山に分布するアカアシクワガタやヒメオオクワガタは

自らの大アゴでヤナギなどの枝に傷を付け

染み出た樹液を吸汁するため

ミヤマクワガタやカブトムシなどのように

他の昆虫の穿孔に起因する樹液に頼らなくてもよいのです。

したがってアカアシクワガタやヒメオオクワガタは

それら昆虫の発生消長の影響はほとんど受けていないと思え

活動可能な気温とホスト木があれば餌にありつくことが可能です。

そのあたりの習性が高山でも遅くまで発見できる理由かと思います。

 

↓ 活動できる温度とホスト木があれば、お食事ができる

 

また、アカアシクワガタは

比較的標高の低い能勢や猪名川あたりの雑木林でも稀に発見することがあり

それらは普通にクヌギやコナラに止まっていたりします。

 ↓ 能勢の台場クヌギ(参考画像)

 

アカアシクワガタはヒメオオクワガタに比べ動きが敏捷で

樹木から落下してすぐ落ち葉等に入り込んだ個体の発見は困難ですが

仰向けや、暫くフリーズする個体はほぼ拾えます。

 

↓ 近くに良い発生木があるのか大型が多い

↓ 50㎜UPの太い個体

↓ 更に大きな個体、大アゴ半開きでざっくり測定

 

昨日は天候もよく、今年一番の大型個体も捕まえました。

アカアシクワガタは日本に広く分布する普通種ではありますが

初夏から秋口まで見ることのできるとてもえらい種です。

 

 



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