クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

コルリクワガタ・24-ウリハダカエデへの飛来

2023-05-05 18:00:15 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

ウリハダカエデに飛来する複数のコルリクワガタを確認しました。

コルリクワガタの採集といえば

ブナとかミズナラ、或いはトネリコなどのひこばえがよく知られていますが

ウリハダカエデに飛来するのを確認したのは初めてです。

ウリハダカエデは、どこの山にでもあるような普通の樹木で

若木は緑色で成長するにつれ、周囲の木々と同じような色合いになっていきます。

また、夏〜初秋にかけては

ミヤマクワガタ・スジクワガタ・ヒメオオクワガタの付く樹種でもあります。

↓ ウリハダカエデに付くヒメオオクワガタ、若木は緑色

 

ウリハダカエデへの飛来

日時:2023年5月3日15:30〜18:30 場所:A山

天候:晴れ時々曇り 時々風 気温:23度前後 標高:約940〜1070m

日時:2023年5月4日15:20〜17:30 場所:A山

天候:晴れ時々微風 気温:25度前後 標高:約940〜1070m

↓ 同所にて 左:本年5月3日 右:昨年5月14日

この時期はウリハダカエデの開花期であり、枝先から花が伸びています。

↓ 5月3日、ウリハダカエデひこばえにてオス発見(Tさん)

翌5月4日、日当たりの良い場所にあった樹高5mほどのウリハダカエデは

開花も終盤となり、花はしおれて吊り下がっていました。

そんな終盤を迎えたウリハダカエデに

コルリクワガタが次々と飛来しているのをKさんが発見しました。

また、コメツキムシや小さなハチなどの飛来も周囲のブナより多く

人気の高さがうかがえましたが

なぜか周辺の開花中のウリハダカエデでは、同様の光景を見ることができませんでした。

↓ 5月4日 開花終盤のウリハダカエデに多数飛来(樹高5mほど・第一発見Kさん)

当日は下画像の樹木(ひこばえ)でもペアも確認し、新知見を得ることができました。

↓ この樹種から発見したのも初めて

↓ もちろんブナも人気のホスト木

↓ ブナにカミキリムシ

⇩ この時期たまに見るハラアカコブカミキリ(?)

↓ ・・・? 様子がおかしい

⇩ こんなこともあるのか!

⇩ 2オスが1メスに同時交尾

↓ 飛来は17時過ぎても続いた

↓ 3ペア持ち帰り飼育

 

本来の目的はマグソクワガタ

5月3・4日の本来の目的はマグソクワガタでしたが

3日Tさん同行で2時間探すも発見できず

4日Kさん同行で2時間、1メスを捕獲するもスマホをカメラに切り替えている間に逃げられ

証拠を残すことができませんでした。

その後も探し、飛来も待ち続けましたがオスも見つかりません。

幻となった1メスは、発生はずれの個体だったのかもしれません。

そんな事情から、仕方なく今回のコルリクワガタへと移行したわけですが

結果として、これまで知らなかった知見を得て、新鮮な思いで山を下りることができました。

Tさん・Kさんお疲れさんでした。


コルリクワガタ・23-いい加減な体内時計

2022-10-30 23:49:22 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

日本のクワガタムシで後食する種が晩夏〜秋に羽化した場合

通常はそのまま蛹室にとどまり、翌年の春〜夏に野外活動をはじめます。

また、成虫で複数年生存する種は、少しずつ変わりゆく日長と気温の変化を感じ取り

低温期を休眠というかたちでやり過ごし、春〜夏には休眠覚醒して活動をはじめます。

所謂、季節適応「体内時計」というやつです。

この体内時計を人為的に操作(摂食・繁殖)するのは困難です。

通常、野外でのコルリクワガタ(ニシコルリ)も晩夏〜秋に羽化し

翌春の雪解けにより、蛹室から出て活動を開始します。

 

↓ 2022年5月 野外では雪が解けなければ発生できない

↓ 天気の良い日 2022年5月

 

5月に野外採集したコルリクワガタを持ち帰り

23度前後の環境で朽ち木を与えると、10月頃には次世代新成虫が得られます。

そして、そのままの温度で管理を続けると

新成虫は蛹室から脱出してゼリーを舐めたり

交尾を行う個体がいくつも現れます(産卵は未検)

 

↓ 飼育で得られたコルリクワガタの新成虫オス 2022年10月29日

↓ 飼育で得られたコルリクワガタの新成虫メス 2022年10月29日

↓ 春と同様の活動 交尾中 2022年10月29日

 

こういった事象は、前記のような季節適応して休眠する他種ではあまりありません。

また、コルリクワガタは厳寒期であってもある一定の温度帯を継続して感じさせることで

活動を人為的にある程度コントロールできる種なのです(産卵は未検)

これらのことから、コルリクワガタの活動は温度によって促され

体内時計による絶対支配ではないことがわかります。

ただ、冬季休眠をしない状態で子孫が残せるかどうかについては不明のため

この機会に試したいと思います。

 

割り出し

飼育容器は2産地計4セットありますが

今回は新成虫の徘徊が多い2セットの割り出しを行いました。

産卵に使用した朽ち木は、薄黒く良く腐食したバクテリア材です。

 

↓ 2022年5月セット開始 23度前後で管理

↓ ゼリーを吸汁

↓ 産卵行動 2022年5月

↓ 産卵痕 2022年5月

↓ 羽化前日のオス 2022年9月23日

⇩ ⇩ 翌日羽化 オス

↓ 新成虫の脱出孔 セットから約半年経過 2022年10月29日

↓ 朽ち木内の新成虫 2022年10月上旬

↓ メスの新成虫 2022年10月29日

↓ 蛹室から出た個体は交尾に至る  2022年10月

↓ 終齢後期幼虫・前蛹・蛹・新成虫が混在する 2022年10月29日

↓ オスの蛹 2022年10月29日

↓ 緑系は少ない

 

この時期に春を先取りできるのはうれしいことですが

温度次第で活動を始めるといういい加減さは、飼育では困ります。

 

↓ 新成虫を雌雄分けて常温にて管理〜春まで眠れ!

 


コルリクワガタ・22-雪による支配

2022-05-29 16:51:11 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

6月を前に県北部域のコルリクワガタはこの春最後の姿を見せています。

コルリクワガタの発生はブナの樹冠の芽吹きにほぼ同調するといわれており

雪解けした場所から順次発生していきます。

 

↓ 4月30日撮影

↓ 5月14日撮影 

 ⇩ 上画像同所 2週間でほとんど解けた 5月28日撮影

⇩ 雪解けで現れ開花したサンインシロカネソウ

 

雪解けの早い場所では成虫のホスト木となるブナなどは既に葉が開いており(展葉)

成虫は林床で交尾・産卵を行っているため

樹上でその姿を見ることはほとんどできません。

 

↓ 残雪付近で見つけた産卵痕の付いた朽ち木 2022年5月28日

⇩ 真新しい産卵痕

 

しかしながら谷筋や日陰では6月を前にしても残雪があり

雪下の朽ち木内でコルリクワガタが待機している可能性があります。

そういった場所は他の場所と比べ気温も低く、植物の生育も遅いため

コルリクワガタが好みそうなひこばえが遅くまで見受けられます。

また、がけ崩れなどよほどの地形変化がないかぎり

雪解けの遅い場所は毎年同じであり

そのあたり周辺のコルリクワガタの発生は遅くなります。

つまり、コルリクワガタの発生は、雪により支配されているのです。

 

↓ 残雪付近には、ひこばえや展葉間もないブナがある

↓ 雪解けを待っていたグループがいる 2022年5月28日

↓ 雪の支配から解放されたメス 2022年5月28日

↓ メスを探しにきたオス 2022年5月28日

↓ ひこばえにはアリも集まる 2022年5月28日

↓ このまま夜を迎える 2022年5月28日

 

冬の跡形が薄れるこの時期の高山帯

「もう遅いかな?」と感じたら、残雪付近に狙いを定めます。

 

↓ 5月28日標高約930m 雪の下にはまだ眠るグループが・・・

 


コルリクワガタ・2022-北部の異なる山塊

2022-05-24 22:05:40 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

今年は発見できなかったB山に産卵痕のある材を探しに出かけたところ

幸運にもブナの新芽で成虫を見つけました。

 

日時:2022年5月22日14:00〜17:30 場所:B山

天候:晴れ 時々強めの風 気温:24度前後 標高:約920〜1050m

*ここでは分類に変化があっても認識できるように

 コルリクワガタxx山個体群として位置づけています。

今回のB山個体も瓢箪坊主さんがゲニ抜き調査してくださいました。

瓢箪坊主さん、ありがとうございました。

 ↓ 結果はこちらをご覧ください

 

『続・”コルリ判別の考察”』

先日のコルリ判別の続きとなります。便宜上、A山とB山と表記。先の記事ではA山の生体のゲニです。A山はニシコルリ。この個体群の採集記はこよみさんのブログをご覧く…

亀と虫

 

 

↓ 産卵痕付の材は、谷筋の湿気たところがおいしい

↓ マークの数は少なかったが産卵痕を発見

↓ 雪に覆われていたであろう柔らかブナにて(コクワガタに見える)

↓ ほとんどの場所で新芽は開いていた

↓ 日陰や谷筋の残雪付近を探す

↓ 残雪付近のブナ

↓ コメツキに思わずハッとする瞬間! 

↓ これもコメツキムシ

↓ コルリメスかと思えばよく見る顔ぶれ

↓ 16時頃 オス発見!

↓ しっかり探して回るとここにもオスが

↓ メスも発見 

↓ 典型的な画像が撮れました!

↓ 持ち帰り個体

 

今年のB山新芽採集はあきらめ、産卵痕付の材探しに行ったはずが

新芽採集になりました。

発見できたのは6オス2メスの計8頭でした。

そのうち3オス2メスを持ちかえりました。

日陰や谷筋の残雪は5月中旬になってようやく溶け

雪下で眠っていた個体が出てきたのでしょう。

 

↓ この時期のコルリは、雪に支配される

 


コルリクワガタ・2022+α

2022-05-14 23:32:32 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

日時:2022年5月14日 場所:A山南側

天候:晴れ 気温:17度前後 標高:約970〜1050m

今季最後となる(?)コルリクワガタの新芽採集にTさんといってきました。

*ここでは分類に変化があっても認識できるように

 コルリクワガタxx山個体群として位置づけています。

 

*コルリクワガタの記事に出てくるA山とB山の個体群に関して

 瓢箪坊主さんが調査してくださり、大変興味深い考察記事をあげられています。

 瓢箪坊主さん、ありがとうございました。

  ↓『コルリ判別の考察』

 

『コルリ判別の考察』

先日、こちらのサイトの管理者のこよみ様から貴重なコルリを譲って頂きました。クワガタ~スズメバチ等の覚書きhttps://blog.goo.ne.jp/hiph…

亀と虫

 

 

今日の探索場所第一目標はA山の北側です。

北側は前回の南側に比べ積雪が多く、その分発生が遅くなる傾向にある場所なのですが

林道入り口にロープが張られ「完全通行止め!」 あえなく断念!

しかたなく前回行った斜面に向かいました。

こちらの斜面は林道の除雪も終了していたので雪上徒歩することなく

標高を上げることができました。

↓ 午後からは晴れの良い天気

 

昨日からの雨で気温は低くさほど虫は飛んでいませんが

今週は天候の悪い日が多かったのでコルリの活動期間が延びたのでは?

と考えて期待して探します。

 

↓ 中央付近の枝にオス発見! ピントが合わない!

↓ オスは複数頭見ることができた

↓ 唯一発見できたメス

↓ 歩行者に踏まれたのか?

 

本日一番の目的であった北側の個体採集はかないませんでしたが

南側で何とかメスの確保ができ、気分よく下山しました。

Tさん運転お疲れ様でした。

 

↓ ここではそろそろシーズン終了

↓ 古い産卵痕


コルリクワガタ・2022

2022-05-07 23:07:24 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

今年も県北部のコルリクワガタを探しに行ってきました。

記事は発見の有無関係なく、覚え書きとして書き留めました。

*各所探索時間帯は、午後~夕方までの範囲:画像多い

*ここでは分類に変化があっても認識できるように

 コルリクワガタxx山個体群として位置づけています(以下コルリ)。

 

日時:2022年4月23日 場所:B山 

天候:曇り 時折強めの風 気温:17度前後 標高:約650〜1000m

この日は下見的な探索です。

B山は、A山に比べ降雪がやや少ないのですが、今年の残雪は例年より多く

ポイントに向かう林道は途中で雪に覆われておりこの日は断念しました。

空き時間でマグソクワガタが分布する河原に行ってみましたが

こちらも曇りと強風で昆虫が飛翔する状況ではありませんでした。

 

↓ 4月23日 山では桜満開!

↓ よさそうな「ひこばえ」はあるが発見できず

 

日時:2022年4月30日 場所:A山南側  

天候:晴れ 時々弱風 気温:16度前後 標高:930〜1050m

こちらの山も残雪が多く、雪上を歩く時間が多くありました。

途中でスキー板を抱えた登山の方とも挨拶を交わしたりしながら

慎重に雪の斜面を進んでいきました。

ブナの芽吹きは今一つで、あと1週間ほどでほどよい「ひこばえ」が増えそうでした。

 

↓ この日はTさん同行

↓ 全く発見できず

↓ 帰りにマグソクワガタ探し 発見できず

 

日時:2022年5月4日 場所: A山南側

天候:晴れ 気温:23度前後時々微風  標高:約930〜1050m

今日はエアブラシのやっさん組みとTさんと現地で合流しました。

そして、昨年出逢った昆虫少年家族とも途中で再会しました。

↓ 芽吹きは進んでいる

↓ やっと見つけた今年最初のコルリ! オス

 

多くはいませんでしたが、ようやくコルリを見つけることができました。

この日はメスの飛来も複数見ることができたのでA山南側は発生初期と思えました。

 

↓ 昨年の産卵痕?

 

ライトトラップ 

当夜は春の3大蛾というのを狙って90分ほどライトトラップも行いましたが

もう遅かったのか? 残念ながらそれらの飛来はありませんでした。

場所:A山北側 標高約650m たまにミスト状の霧 気温10度前後

 

↓ ライトは、今峰さんの「紫外線透過ガラス」仕様

↓ 19時17分 点灯 

↓ この季節のオオミズアオはうれしい

↓ 気温が低く、寒い 

↓ はじめて見たオオキイロコガネ(3頭飛来)

↓ 最後はちょっと遊んでみました!

 

今年初のライトトラップ、集まりは少なかったですが

オオミズアオやオオキイロコガネを見ることができ、結構楽しめました。

 

日時:2022年5月5日 場所:B山 

天候:.晴れ 気温:24度前後長袖では暑い 標高:約950〜1010m 

発見無し、発生のタイミングを見計らうのは難しいですね。

↓ オオセンチも活発

↓ B山は新緑で萌える! 多分コルリは林床に降りた

↓ 今年のものと思われる産卵痕  削り屑あり

 

日時:2022年5月7日 場所:A山南側

天候:曇り 時折強い風 気温:18度前後 標高:約930〜1050m

↓ 中央付近にオス 風の強い日は枝や幹にしがみつく

↓ 枝にしがみついているがピントが合わない 

↓ 風と曇り(紫外線が少ない)のため、飛来はほとんどない

↓ ひこばえに潜るメスが増えた

↓ 落下してもはなれない

↓ ロンT1枚、動いても汗をかかないような天候

↓ まだまだ雪はある

 

この場所ではあと1週間くらいでメスは林床に降りそうです。

曇りで気温が低く、風のある時は、刺激強めでないとコルリは落下しません。

また、飛来の期待もできません。

 

↓ 飼育用に少し持ち帰り バクテリア材投入

↓ ひこばえに入り込むメス(容器内)

↓ 摂食中

 


コルリクワガタ・18ー昆虫少年とコルリ 

2021-05-05 11:19:54 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

はじめに

本記事及びカテゴリーの「コルリクワガタ」(分布地)は

近年の研究でニシコルリクワガタ  Platycerus viridicuprus Kubota,2008

とする考えがありますが、ここではそれを踏襲せず

分類に変化があっても認識できるように

コルリクワガタxx山個体群として位置づけています(以下コルリ)。

 

2021年の様子

今シーズンの県北部山地帯の残雪は比較的少ないですが

今でも落雪や落石で通れない場所があります。

それでも今年は春の訪れが早いのではないかと思い

例年より早めのコルリ・マグソクワガタの下見をしました。

 

 ↓ 4月11日 山間部の桜が満開(ボタン桜?)

↓ 4月11日晴れ ブナの芽吹きはまだ(✖✖山南側・標高約1100m)

↓ 発見できず

↓ 2021年4月25日曇り 場所によっては芽吹き良好(✖○山南側 標高約970m)

↓ 開きすぎのブナも

↓ 2021年4月30日雨 ところどころ残雪(✖✖山北側 標高約980m)

↓ 雨と低温で発見できなかったが、この辺りはおそらく発生初期かと思われる

 

4月11日は早すぎた感があります。  

4月25・30日はほどよいブナのひこばえはありましたが

天候がよくなく発見するには至りませんでした。

これも覚書きとして書き留めました。

 

5月4日 13:30~17:20 

標高:約930~1100m

場所:✖✖山南側

天候:晴れのち曇り 時々風 

気温:23度前後

 

 

活動条件

コルリといえば春のクワガタで

残雪とか低温というイメージが強いのですが

実際は晴れていても気温が上がらなければ活動しません。

20度以上で半袖でも動けるくらいの気温がベストです。

また、風が吹いているときは飛翔しなくなります。

これはほとんどの昆虫で共通することです。

 

↓ オスが飛来した!(ピンぼけ焦点合わず)

↓ メスが複数見られたので恐らく発生初期〜ピーク

 

昆虫少年とコルリ

網を持って歩いていると車から降りてきた方に声をかけられました。

「何を探しているんですか?」

「コルリです」

「私たちも同じですが見つかりません」

お子さんがコルリを見たく

前日から親子3人で探しに来ているとのことでしたが

コルリを一生懸命探す中学1年生に時間は容赦なく過ぎていきます。

飛来しそうなポイントを定め

少年にコルリの習性を詰め込みながらそのときを待ちました。

 

 

風が止むと、定めた木にはハチやハムシなどが飛んできます。

「あれ見える?」

飛来したコルリの様子を少年と観察し

枝にとまったところで下からネットを受け、揺すります。

少年はネットに溜まったひこばえの茶色い蕚(がく)をかき分けコルリを探します。

「うわぁ〜きれい!」

光を浴びると青く見えるオスでした。

何度もお礼を言われ恐縮しましたが

こちらもうれしくなった一瞬でもありました。

 

 

今年の早春は、連日の悪天候で少しくらい晴れてもなかなか気温が上がらず

ブナなどの芽吹がやや先行した感もありましたが

ようやく活動する個体を見つけることができました。

 

↓ メスを巡る争い

 

最後に

近年は、種の保護目的で採集に規制がかかることが多くなる傾向にあります。

保護そのものに関しては反対ではありませんが

条例等施行に至るまでに十分な調査が行われているか

真実をとらえているかどうかはいささか疑問に思う時があります。

 

 

2003年5月に兵庫県北部域で初めてコルリクワガタを採集してから

今年で18シーズンになります。

毎年同じエリア・場所をそれぞれ数回づつ巡ってきました。

その間にブナは少し減りました。

人による伐採がほとんどです。

 

 

しかしながら、コルリクワガタの数そのものは

時期・天候など、タイミングさえ外さなければ特に変化したとは感じません。

減っている認識はなく、良好です。

広く、やや深く分布し、数は少なくはないと私は考えており

この先、昨日出逢ったようなタイプの昆虫少年が活動の門を閉ざされたり

棲息地の環境を変えてしまうような伐採が行われないことを願います。

 

 

おまけ

実は、2年ほど前からヤツの気配を感じるようになりました。

福井と鳥取に行ったときは車中からその姿を見ました。

また、ヒメオオルッキングの時には比較的近い距離でそれらしき鳴き声を聞いたりと

近年になって身近に感じることが増えました。

 

 

そもそも我々が熊の縄張り(餌場)に入り込んでいるので

遭遇しても不思議ではありませんが

鈴や人の声だけでは不安になり、撃退スプレーを買いました。

ラインナップの中で一番小さなタイプですが

価格は送料込みで4300円ほどしました。

これを浴びると熊はあまりにもの刺激に耐えられず

戦意喪失するそうですが

「射程距離2~3m」ってどうよ?

 

↓ ドイツ製「クマよけペッパー弾道液体ジェット63ml」 

↑ 成分は唐辛子由来だが、人での実験は超NG!!

↓ これも要注意!

 


コルリクワガタ2019

2019-05-14 00:27:51 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

今年はいつもより早めにコルリクワガタを探しに行ってましたが

山地には予想以上の残雪があり

また、早春の天候もよくない日が多かったため厳しい状況が続いていました。





そして、5月12日

ようやくコルリクワガタを見ることができました。

 

 ひこばえに潜り樹液を吸汁するメスを探す♂



今記事は未発見の日も含めて県北部2か所での状況を覚書しました。


4月13日 15:00~17:30

標高:約950m

天候:曇り 気温9度前後

残雪が多く低木ブナの芽吹きはほぼありませんでした。



↓ 芽吹きはまだ先


↓ あきらめて下山~寒い!!



4月27日 14・50~17:00

標高:約800~1000m

天候:曇り時々晴  気温:10度前後

中低木のほどよい芽吹きにはあと数日かかりそうでした。




↓ ところどころに芽吹き

↑ 気温が低すぎて活動していない




5月12日 

ようやくコルリクワガタを見つけることができました。

日時:5月12日 14:15~17:00

天候:晴れ時々曇り

気温:麓で26度前後

標高:約940~1010m

ここからはほぼ画像になります。



↓ 雪はまだある

↓ よい感じの芽吹き

↓ ひこばえに潜る雌雄  メスは樹液を吸汁中

↓ ひこばえに潜り、新芽を齧って染み出る樹液を吸汁する



 
当日は雌雄同じくらいの数を見たので

観察地あたりでは発生ピークに近いものと思えました。


↓ 茶色いガクが簡単に取れるようなひこばえを探す






↓ 甘い樹液のせいでアリも多い









↓ メス

↓ オス


↓ オスの交尾欲は強い

↓ 飼育開始 ブナの薄黒い朽木(採卵用)







今年はいつもより1週間以上遅い発見になりましたが

早春のクワガタムシを見ることができ良い一日となりました。


真夏にコルリクワガタ飛翔

2018-07-29 23:22:52 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

神戸で開催されていた昆虫展で

コルリクワガタ(オス)の生体展示がありました。

真夏のコルリクワガタです。




↓ リンゴを食べるコルリクワガタ



このコルリは養殖ものではなく、5月に採集された野外個体を

10度以下の低温で眠らせ夏休みに合わせて起こしたものです。


↓ 展示の様子







一度野外に出た個体が2ケ月以上の眠りにつき

再び活動を開始出来るのは

野外での摂食の有無・量などが関係していると思われます。

仮に摂食をして体内に内容物が残留している場合

恐らく低温で障害が起き

そのまま息絶えてしまうのではないかと考えます。

しかしながら発生初期の個体等で体内に内容物を残さない個体なら

うまくいけば再び休眠し、覚醒~活動は可能だということがわかりました。







毎年夏になると全国各地で開かれている昆虫展ですが

真夏に野生のコルリクワガタを

飛翔させた話は聞いたことがありません。

また、養殖なら羽化するのは9月以降で

盛夏に展示は不可能です。





その他の生体展示

オオクワガタ~ルイス・マメなどマニアな国産種

外産種ではオオヒラタ・ニジイロ・メタリフェルなど40種ほどと

人気のカブトムシ、ハナムグリ類、蝶、カミキリムシ、キベリハムシ

水性昆虫、サンショウウオ類、カエル類、淡水魚など

沢山展示されていました。


↓ マグソクワガタ幼虫(兵庫県産)




↓ オキナワマルバネ(希少動植物種の扱い解説付き)




↓ メタリフェルホソアカクワガタ


↓ ハスタートノコ


↓ グランディスオオクワガタ


↓ ディティエールシカクワガタ




↓ キベリハムシ生体と幼虫標本


↓ スズムシの脱皮




↓ オオムラサキ終齢幼虫


↓ オオムラサキ蛹


↓ タガメ


↓ カジカガエル


↓ モリアオガエル




おまけ(標本)

↓ 野生のオオクワガタ






↓ ヒメオオクワガタ


↓ ミクラミヤマ


↓ ダイトウマメクワガタ


↓ ゴライアス










↓ タイワンテナガコガネ



↓ パリーテナガコガネ


↓ アンポンテナガコガネ(セラム)


↓ カブトムシ類




↓ 日本産カミキリムシ





標本は、50箱程度ありましたが

展示室の蛍光灯反射をどうにかかわせたものを載せました。

この昆虫展(無料)には毎年行ってますが

今年は特にマニアックな展示になっていました。


コルリクワガタ2018-産卵

2018-05-26 21:37:02 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

今年4月下旬~5月上旬に採集した

コルリクワガタの産卵が確認できました。


↓ 産卵マーク(2018年5月25日)


↓ 画像中央に卵(5月26日:断面を撮影)

↑ 卵の大きさは0.5mm前後


産卵木について

今年は産卵木をあらかじめ仕込んでいなかったため

花壇に転んでいた廃産卵木を使いましたが

コルリは

水分が保たれ、黒ずんだような朽ち木に好んで産卵し

オオクワガタなどに使う白枯れ材には消極的です。


↓ メス(本年度採集) 



市販のクヌギやコナラ産卵木をコルリの産卵が期待できる状態にするには

まずたっぷりと水を含ませクワガタ幼虫の食べかすや

よく発酵したマットで埋め

半年~1年くらい放置するとほどよく腐食が進み

コルリの産卵が期待できる状態になりやすいです。

「ぬか漬け」みたいなマット漬けです。


↓ 過去の仕込み、マットも水分大目




してはいけないこと!

コルリの産卵セットでしてはいけないことがあります。

それは「朽ち木をマットでガッツリ埋めてしまう」ことです。


コルリは気に入った朽ち木であれば適当な隙間を見つけ

底~側面周辺に産卵する傾向があります。

オオクワガタなどのように朽ち木の中に穿孔したり

マットを押しのけてまで産卵するタイプではありません。

産卵は、朽ち木の表面です。


↓ 産卵中(2006年6月7日:アナログ撮影)



したがって適合朽ち木でもその周囲に産卵に必要なスペースがなければ

なかなか産んでくれませんし、仮に産んでも数は多くありませんので

隙間を意識してセットを組みます。


↓ 隙間に入り産卵する

↑ 足場にした白枯れにはなかなか産まない

↓ 管理は自然温度


↓ 産卵マークと卵(中央付近)




ひとりごと

産卵確認のため容器から取り出した成虫は一部のオスは死亡していましたが

マットの中で交尾中の個体もいました。

私の知るかぎり、コルリは総体的にオスのほうが短命です。

また、樹上・地上・マット内に関わらず頻繁に交尾を繰り返すため

メスは交尾を通じてオスから何らかの養分を受け取っているのではないか?

と勝手な想像をしています。


↓ 2018年5月25日健在


↓ 断面撮影、中央の卵両側には溝(・)を掘っている

↑ マークと卵座の深さはほぼ同じ


以前にも書きましたがコルリの割り出しはこれで一旦終了になり

本格的な割り出しは終齢になっている9月頃です。

また、10月以降になると羽化している可能性があり

中途半端な温度帯で取り出すと短期死亡につながります。

そして、飼育では4~5か月ほどで羽化するせいか

大方小ぶりで、野生のような大型は出てきません。




↓ 野外個体:オス



最後に

今年もコルリクワガタが産卵し、マグソクワガタの孵化も始まりました。

早春のクワガタムシはどれも特徴的でありながら

未知なる部分を残します。


5月もあと少し

雪解けから始まった早春はそろそろ終わりを迎えます。




↓ 5月26日 ブナの葉は全開(C山:標高約1000m)


↓ マグソクワガタ(オス)飼育下



*近年の研究から当該分布地のコルリクワガタは
 ニシコルリクワガタ
 Platycerus viridicuprus viridicuprus Kubota,2008
 とされていますが
 ここではコルリクワガタ〇〇山個体群として扱いました。


コルリクワガタ2018-5月

2018-05-12 21:13:12 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

2018年5月12日

B山のコルリクワガタをみにいってきました。

今日は一人での訪山です。







日時:2018年5月12日 13:30~16:00

天候:晴れ 時々風 気温:22度前後

標高:約980~1075m

今年は4月末からコルリ探しをはじめ今日で4回目(4週)になります。

B山では先週の段階でまずまず見つかり

今日はより多くの個体がブナひこばえに飛来していました。







近年、山で他の採集者と出逢うことは殆どなかったのですが

先週は男女4名ほどのグループと今日は2名の採集者と出逢いました。

大阪から初めて来たというお二人と

コルリの飛来を見ながら話などしていたら

どうやら先週出逢った方と知り合いのようでした。

あれからメスは採れたでしょうか?


一通り飛来を見て、次の場所を探しに車を走らせます。

暫くすると日当たりのよいクマ笹林でよさそうなひこばえ群を発見!









お~これはいけるぞ!

車を路肩にかわし、ひこばえを覗いてみます。

います。

飛んでもいるし、枝にもいます。


↓ ヒントが合わない







よく見ると3頭が群がり大喧嘩をしています。

こういうときはひこばえの中に”メスがいる証拠”です。



↓↑ 群がっていたオス



群がるオスを網ですくいひこばえをほどくと

出てきました。綺麗なメスが。


↓ 大きなメス



他にもいないものかと周辺で1時間半ほど粘りましたが

発見できるのはオスばかりでメスの姿は全くありませんでした。























メスが異常に少ない。

多くのメスは産卵のため林床に入ったものと思われ

そろそろこの辺りのコルリはシーズンは終盤にかかり始めたようでした。







コルリクワガタ2018-4月末

2018-05-02 23:39:04 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

4月29日

マグソクワガタの河原をあとに今度はコルリクワガタの下見に行きました。

月末の2連休のはマグソクワガタとコルリクワガタにあて

状況に応じて時間割を編成しました。


初日

日時:2018年4月29日 18:00~

天候:晴天 時折り風 気温18度前後

場所:県北部A山南斜面 

標高:約900~1070m


4月終わりにもなれば日が沈むのも遅く

8時前くらいまでうっすら周りが見えています。




林道には今年も雪が残り車での移動は限られていました。




さて、ブナのひこばえ具合はというと

1000mを超える高いところや日陰ではまだつぼみが殆どで

コルリには少し早い感じがしました。






↓ 日当たりのよい場所





一通りブナを見て回り無収穫のまま夕食のため広いところまで下りてきました。

目線の先には1メートルほどのブナが芽吹き始めています。

一応ここも見ておこうと車を降りひこばえをほどきます。

うわっ! おった!

こんなところに2ペアと1オスがいました。

1000m付近でも発生はしているようです。


↓ 夕刻に見つけたコルリ







辺りはだんだん暗くなっていきます。

もう探すことはできません。

今夜はコンビニで車中泊です。

そして、二日目はC山に向かいます。




↓ ちょっとだけライトを照らす(標高約670m・気温15度)


↓ 集まるのは殆ど蛾










二日目AM

日時:2018年4月30日 9:00~12:00

天候:曇り 時折り強い風 気温16度前後

場所:県北部C山 

標高:約960~1040m








↓ 藤の花をごそごそ



この山も雪は残っています。

ブナの芽吹きも様々でなんだかよくわからないまま

コルリを探しながら去年のポイントへと向かいました。





探して探して探しまくってやっと1ペアを見つけました。

これは、去年と似たような状況です。

また、この山(1000m付近)のオスは総体的に小型ですが

メスは普通サイズが見られます。







朝から片道2キロほどを探り探り歩き車に戻ったのはちょうどお昼でした。

これでC山のコルリ探索は終了で

午後からは昨日下見したA山南斜面に向かいます。


二日目PM

日時:2018年4月30日 14:10~16:00

天候:晴れ時折り強風 気温21度前後

場所:A山南斜面

標高:約900~1070m





気になっていた雲は次第になくなり

晴れにはなりましたが、時折り強い風が吹きます。

風のある時はコルリがしがみつくときで

そういうときはあまり期待できません。

晴れで、風の止んだ時に飛来は期待できます。


結果

昨日より少し多くの個体(オ)を見ることは出来ましたが

飛来したオスはメスがいないせいか

ひこばえを物色してすぐどこかに飛んでいきます。

ピークにはあと少し時間が必要みたいでした。


















↓ この木にはオスが飛来する



4月30日PM,A山の捕獲数は5オス 2メスと飛来個体が数頭でした。


↓ 現在飼育中




↓ 左の朽ち木に多く産卵する



二日間の山地帯では多くの登山者と声を交わし

山仕事中の方からは「朝はこの道を進んではいけない」など

クマに出逢わないための知識も授かりました。

初日のマグソクワガタ♀の大飛翔からコルリクワガタ採集まで

大変良い二日間でした。

Tさん、お疲れ様でした。


コルリクワガタの羽化・2

2017-09-28 21:04:07 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

今年の6月に採卵したコルリクワガタの羽化が始まりました。

*過去記事「コルリクワガタの夏姿」の続きです


↓ 5月の野外個体


↓ 6月 産卵痕と卵


↓ 中央部 卵


↓ 8月 飼育下夏姿


↓ 9月 飼育下羽化 ♀

  

コルリクワガタの管理温度は

春の自然温から26度くらいの範囲で幼虫期間は4ヶ月前後です。


↓ 9月17日の朽ち木内 左の白いものは菌類に侵された個体



自然下では2年1化が存在すると思いますが飼育下では1年1化で

小~中型の確率が高いです。


↓ ティッシュを割り箸で形取り、簡易蛹室作成







デリケートな蛹

ティッシュを湿らせて作った簡易蛹室は

水分量が多かったせいか死亡率が高くなりました。

朽ち木内蛹室から取り出した蛹はカビ等の菌に侵されやすく

羽化直前で死亡する個体もでてきます。

これまでの経験では簡易蛹室に移す場合はやや乾燥気味の方が

安全と感じています。

 
↓ コルリ蛹のお尻付近は飴色になる






↓ 死亡個体 今回は羽化率が50%を切った




↓ 羽化途中で死亡 オス


↓ こちらのメスも羽化間近だが死亡しそうな体色



羽化~テネラル

コルリクワガタは羽化からどのくらいであの綺麗な色に仕上がるのか?

今回は時系列で様子を見ました。


↓ 9月24日・8時14分 羽化直後の上翅は透明に近い(♂)

    ⇓
37分経過 上翅に色が付き始める

    ⇓
105分経過 だいぶ色づいてきた

 
↓ 大あごは茶色
 
    ⇓
28時間と14分経過 羽は完色に近くなってきた



    ⇓
 羽化から3日経過 大あごはまだ茶色

    ⇓
 羽化から4日経過 大あごもだいぶ黒くなってきた


↓ 9月27日撮影 上記別個体

↑ 左の蛹は死亡





↓ メス 羽化間近の健康体










↓ 羽化2日経過 前胸や大あごはまだ茶色



最後に 

飼育下では

オスよりメスの方が少しだけ遅く羽化する傾向にありますが

このまま越冬して来年の春に活動を開始します。


↓ 2017年春 飼育下



羽化した個体は再びマットに戻すのですが

一度取り出した新成虫はどうしても動いてしまいます。

来春までに死亡することも私のところでは珍しくありません。

そうならないよう可能な限り刺激を与えず

冬に向かわせます。


コルリクワガタの夏姿

2017-08-16 16:38:03 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

夏休み、朝からセミががんばっています。

暑い日はまだまだ続きそうです。





コルリクワガタの夏姿

この連休に、今年5月県北部で採集したコルリクワガタの割り出しを行いました。


↓ 左からA山北斜面・南斜面・B山


↓ A山、北斜面


↓ A山、南斜面


↓ B山


↓ A山、南斜面



↓ A山、南斜面の個体を春にセット


↓ 産卵痕 (・)2017年6月






↓ 卵(中央部) 2017年6月



産卵セットは飼育ケース小を使い、ほどよく朽ちた木片3本を入れていました。


↓ 親虫はマット上や内部で☆





木片は、春に入れたときより柔らかくなっており

強めに握るとつぶれそうなくらいです。

慎重に少しずつ崩していくと次から次へと終齢幼虫が現れます。


↓ 8月14日:夏の姿




↓ ひしめき合う食痕



3つの木片をすべて崩し出てきた幼虫は終齢ばかり36頭

思いのほか沢山採れ、また前蛹もいなかったのでセーフです。







これらの幼虫は夏を過ぎたらやがて蛹化します。

容器にマットを加えてもとに戻しそのタイミングを見計らいます。


コルリクワガタ2017,No.3

2017-05-22 23:35:58 | ニシコルリクワガタ(兵庫県北部)

5月も半ばを過ぎ、気温も上昇の一途をたどっています。

良い天気の中、大阪のTさんと兵庫県北部の山地帯に行ってきました。

今年はA山北斜面1回

同じくA山南斜面1回

異なる山塊B山2回の計4回の訪山をしており

今回の記事は5月14日のB山と

5月21日のA山南斜面の様子を画像中心に書きました。


↓ 左B山:約10mm  右A山北斜面:約12mm



また、河原にてマグソクワガタも観察しましたので

前記事「マグソクワガタ2017年No.2」にその様子を後日追記します。


B山のコルリクワガタ

日時:2017年5月14日 15時過ぎ~17:20

天候:曇り  気温:麓で25度

標高:約970~1000m

Kさん同行




1週間前と比べ、林道の雪は少なくなっていましたが

それでも車は途中から行けません。

日陰になると肌寒く感じる場所もありました。




標高970m付でブナひこばえの枝に付く小さなオスを発見。

ネットで衝撃を与え、すくおうとしますが落ちません。

まったく動きません。

仕方なく手で捕獲。

すぐ近くのひこばえでもオスを発見しましたが

こちらも動かず、手で捕獲しました。



↑↓ 動かない



曇り空で気温もやや低めのときはあまり活動的ではありません。

その後も入念に探し歩いたつもりですが

1頭も発見することなく下山することになりました。


↓ B山のコルリクワガタ 9.5~10.5mm 

↑ 体色は見る角度や光によって変化


B山では計4頭のオスしか見ていませんがどの個体も小柄でした。

また、脚部欠損個体もありました。


A山南斜面のコルリクワガタ

今年最初に行ったA山北斜面側は

落石の恐れがあるため現在通行止めになっています。

↓ 北斜面入口付近の養蜂風景



日時:5月21日 15:20~17:35 

天候:晴れ  気温:25度くらい

標高:950~1050m

Tさん同行







標高1050m、日当たりのよいところで多数のコルリを発見しました。






ここは良く発生しており、オスは総体的に大きく、12mmを超える個体や

大型メスもいました。















↓ メスの奪い合いはかなり激しい


↓ 一旦離れるが まだあきらめてはいない!










↓ 戦いに負けて枝を下る

 
↓ 異なる樹種でも後尾中発見





オスの飛来は、16過ぎまで続きました。

メスの飛来も1頭ありましたので恐らく今週内が発生のピークだと思います。





↓ オスは気性が荒く、大あごを目いっぱい利用している






↓ この種の警戒心は弱く感じる


↓ コブヤハズがネットに付いていた! オス


↓ 左は別の河原で発見(メス) 右は同上


↓ 日当たりの悪いところは寒い


↓ 良いひこばえが少ないながらも残っている





昨日は、短時間で沢山の個体を見ることが出来

濃い目の一日となりました。