クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

オキナワマルバネ・22-掘り出し

2019-03-18 23:41:50 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採集等はできません。

*タイトルにNo.がある記事は、カテゴリから入ると飼育過程等が繋がります。

2019年3月18日、昨年秋に採卵したオキナワマルバネの掘り出しを行いました。




オキナワマルバネは全部で3系統おり

採卵は管理できる範囲で終了したため全体数は大くありません。


温室飼育の難点

温室での管理は乾燥が激しいのが難点です。

そのため霧吹きを何度かしていたのですが追いついていなかったようです。

マットは全体に乾燥気味で採卵数に対して

実際に出てきた幼虫は3割ほど少ないくなっていました。




温室の棚は、一段追加していますので思いのほか多く収容できますが

ヒーターに近い最下部の棚はその熱の影響を受けやすく

マットの渇きが激しくなるので段ボール等を敷いて多少和らげています。




また、ある程度湿度が保たれたマットの幼虫はほとんどが2齢出あったのに対し

乾燥気味の容器(マット)から出て来たのは初齢が主でした。

やはり、水分は幼虫の成長に影響を与えるようです。

↓ よく育った2齢





↓ 一部はもとの容器のままで多頭飼育



これで今年も何とか3系統残せそうですが

この種は繊細でなめてかかると全滅しかねません。


↓ 次期採卵用マットも確保




おまけ

停滞していた生体の小屋移動も終えました。


↓ フィギア也!



オキナワマルバネ・21-採卵終了

2018-10-06 17:30:11 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採集等はできません。

*タイトルにNo.がある記事は
カテゴリから入ると飼育過程等が繋がります。

オキナワマルバネの今年の採卵を終了しました。

3つの産地(3メス)のうち、1産地は5卵を産んで間もなく死亡しましたが

残り2産地は継続するのに安心な数を産んだため今日でセットを解除しました。




↓ 掘出し 2018年9月24日









↓ プリンカップに一時小分け

↓ 再びセット

↓ 10月6日 掘出し前(2産地)

↓ よく産んでいる





↓ こちらのメスはあまり産んでいなかった






採卵を終えて

今日の掘り出しで3回目になりました。

残念ながら1メスは5卵で死亡となりましたが絶やさずに済みました。

そして、採れた卵はもとのセット容器に埋戻し

温室で来年の春まで集団生活してもらいます。

↓ 卵はセット容器で来春まで暮してもらう

↓ 一部成虫は暫く飼育

↓ オスの採餌の様子





昨年は羽化する個体がおらず物足りない秋でしたが

今年はガサガサとちょっと賑やかめの夜が続きました。

↓ 9月の堀出し直後


次はチャイロマルバネです。


オキナワマルバネ・20-産卵

2018-09-09 14:41:14 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採集等はできません。

2018年9月9日、長雨

オキナワマルバネの産卵セットをしてから3週間が過ぎました。






前週あたりからメスがマットに潜り始めたので産卵の有無を確認してみたところ

3メス(3産地)セットのうち、2メスから産卵が確認できました。

↓ 止まり木をどけると潜ったあと



↓ このメスは、2卵だけ

↓ こちらは5卵



卵は2セット共に比較的浅い場所で見つかり

底部までメスが潜った形跡がありませんでした。

↓ 水分は良いけど硬く詰め過ぎた?



産卵初期は、餌台や止まり木の直下で卵が見つかることもよくありますが

セットするとき粘土のあるマットを深く、硬く、詰めたため

潜りにくかったかもしれません。

↓ 再セットは、げんこつで軽く詰める程度

↓ それぞれの種オスで追い掛けをして再セット







すでに2メスの産卵スイッチは入っているのでもう少し産んでくれると思います。

また、マットは悪くないので残り1メスもそのうち産みはじめると思います。


余談

産卵セットに使用したマットは昨年の使い回しです。

幼虫飼育にもリサイクルマットは使います。

ほぼどのマットからも下画像の虫が出てきます。




大きさは、数㎜~大きいものは3㎝くらいで

体色は大きくなるほどこげ茶~黒味が増しています。

この虫は、シイの赤枯れを粉砕するときよく見かけたもので

キマワリ? コメツキ? よくわかりません。

これがマルバネに直接悪さをしているかどうかもわかりませんが

発見毎に取り除き、駆除しても消滅には至っていません。

そして、まだその成虫を見たことがなく、死骸らしきものさえ発見できていません。

見つかるのはこの形態ばかりです。

今日の掘出しでも2匹発見しました。




もしかしてこれが成虫? いやいやそれはないだろう

よく見るコメツキの類だと思うのですが・・・


オキナワマルバネ・19ー羽化

2018-08-16 13:17:16 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採集等はできません。

昨年晩秋~今年の初夏に蛹室を作った個体が這い出してきたので掘出しをしました。



↓ 蛹化の準備 2018年4月18日撮影


殆どの個体は見えないところで蛹室を作りますが、2頭は見える場所で作成しました。

↓ 2年1化:2018年6月12日前蛹

⇓ 6月18日 メス蛹化 

⇓ 蛹室 

⇓ 蛹の期間は26日でした(メス)

↓ こちらは3年1化(2018年6月28日撮影)

↓ 2年1化(2018年6月28日羽化)

↓ 水分多目のマットからは・・・



↓ 今年は死亡する個体が多かった

↓ 羽化後に死亡

↓ 這い出し組





↓ 56mm程の中~大歯型

↓ 掘り出し組の殆どがテネラル後半











↓ プリンカップで保管













↓ すぐ喧嘩をする







私のところでは幼虫時の体重が21~22gあれば大歯型の期待が持てます。

今日の掘り出しで健全なオスの最大は62mm台、メスは51mm台でした。









昨年羽化すると見込んでいた産地Aが3年1化になってしまい

今年は産地B・Cの2年1化群とかぶりました。

なかなか思うようにはいきません。

↓ これは3年1化になりそう

↓ 使えそうなマットは取り置き

↓ 二日にわたる作業終了!



産卵セット

得られた新成虫はテネラル後半、若しくは活動開始個体ですが

羽化からどのくらい経過しているのか判らないので

3系統それぞれのめぼしい雌雄を近づけてみたところ、2系統が交尾を済ませました。







↓ 2回目の交尾で精嚢排出

↓ 産卵セット(底部硬詰め)



産卵セットに使用したマットは去年の使い回しです。

採卵数は、管理能力と相談しながら3つの系統を絶やさない程度で良しとしますが

今年のような高死亡率(約40%)では不安が残ります。

次期は、最後のマット追加で水分調整をうまくしないと同じことになりかねます。


↓ 羽化後に死亡していた(これが一番大きかった)



あっ! それ以前に産んでくれるかどうか? でした。

このマットならいけると思っても産まないこともあります。

” 絶やしてしまえば、それで終わり ” それだけは避けたいものです。



オキナワマルバネ餌追加ー18

2018-02-25 13:37:49 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採集等はできません。

餌追加

少し気温が上がってきたのでオキナワマルバネの餌追加をしました。


↓ 結構場所をとる作業

↓ 屋外は13度ほど、ストーブで加温


さあ、準備は整いました。

ナイロン手袋をして作業の開始です。



産地A・B・C 3つの系統のうち、Aは、2015年生まれで全て3年1化。

どれも昨年晩秋に蛹室に入ったため何もすることなく放置です。

B・Cは2016年生れですが、B群で既に蛹室に入っている個体が1頭いました。

GW頃に這い出てくるパターンでしょうか?

↓ 変色部が蛹室


また、頭部に大きなダメージを受けながらも生き伸びる個体がでてきました。

↓ 痛々しい損傷


↑ 餌がうまく摂れないせいか成長は悪い

そして、容器のフタを開けるといきなり姿が見えたり、掘ってすぐ出てくる個体がいます。

そういうのは大方小ぶりでマットとの相性が悪かったのかもしれません。

↓ 上部に空洞がある場合は小ぶりが多い



↓ あまり成長がよくない


気になる体重は(頭部損傷個体を除く)16~23gで、バラつきがあります。

20g以下は全体の63%で、前回測定時から減量した個体が5頭もいました。






最も重かったのは23gで全体の11%でした。

また、水分過多によるマットの部分的な腐敗がある場合でも20gを超える個体がいたので

良いタイミングで腐敗部の取り除きができたと思います。

↓ 水分過多による腐敗(変色部)





↓ 最大が複数頭


3時間ほどかけて全ての餌追加を終え、改めて産地別に体重の傾向をみると

B群の体重は上下で7gのバラつきがあり、C群は最低が20g、最高が23gでした。

その差は3gです(頭部損傷個体を除く)

同じマットを食べても系統による差がでました。

↓ よく太っている

↓ このままいけば60㎜は期待できる

↓ 餌追加して上部に幼虫を入れる

↓ マットを被せて終了


マルバネの世話をするときはマットの性質上手が汚れやすく

日付けやg数などの筆記がしづらいです。

その都度手袋を脱ぐのもめんどくさいのであらかじめ紙に数値を書いておき

餌追加終了毎に当該体重の枠に置くようにしています。

↓ 紙にあらかじめg数を書いておく

↑ 後で筆記・集計

全ての作業が終わったらあとかたずけです。

冬場の洗い物はいやです、冷たいです。その気になった時、まとめてする。

昨日はその気になりました。

↓ 溜まっていたプリンカップもキレイキレイ



↓ 温室に納めてようやく終了


今回餌追加を終え感じたことは

1:この中からまた3年1化が出てきそう。

2:水分過多によるマットの変質箇所が多い。

私の作ったマットは、カブトマットの含有量と水分が豊富で変質する余地が多いにあります。

昨日の追加マットは水分を少しを押さえました。

昨年は1頭も羽化しなかったオキナワマルバネ、今年は成虫が見れそうです。


オキナワマルバネのいない秋・17

2017-09-24 17:46:54 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採集等はできません


今年もマルバネの季節がやってきました。

本来なら一つや二つオキマルが自力脱出してくるのですが、今年はまったくいません。




今年羽化見込みだった11頭の幼虫は未だ蛹化の傾向をみせず

3年1化に向かってしまいました。

よって今年の成虫は0頭になりました。

マットと心の準備は早くからしていのですがまさかこうなるとは・・・

3年1化の腹いせに(?)他の幼虫の餌交換も全て済ませ、今年のオキマル事はほぼ終わりました。

↓ 春頃の様子(2016年生まれ)







↓ 昨年生まれた一部群は6月からまとめ飼いに

 ⇓

 ⇓

 ⇓ まとめ飼いしていた群を9月から個別飼育に

 ⇓

 ⇓


今年のオキマルブリードはなくなりましたが、チャイロいのは這い出しています。




オキナワマルバネの4月No.3  

2017-04-15 18:31:24 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

連休初日、オキナワマルバネ最後の掘り出しを行ないました。

今日は気温も22度を超え、屋外作業もはかどりました。

今回は、容器にどさっとマットを移した瞬間嫌な臭いがしました。

ヘドロのようなあの臭いです。

↓ てかるほど水分があった


たまに行っていた霧吹き量が多すぎたと思われます。

移したてのマットには幼虫の姿が見えません。

あ~全滅か・・・アカマルバネの時もそやったな~

などと記憶の臭いを嗅ぎながら少しずつ崩していくと、いました、大きいのが。



終齢になっています。

結局、この容器からは2齢6頭・終齢3頭の計9頭が出てきました。



多水分ぎりぎり紙一重という感じでしょうか。

皮肉にも3回の掘り出しで一番成長の早いグループになりました。

↓ 終齢3頭


最初の卵の数はもっと多かったのですが

成長するものは成長する、死亡するものは死亡する

生死の分かれた多水分マットであったと思います。

↓ よく成長した2齢


No.1・2に次ぐNo.3で昨年セットしたオキナワマルバネ、すべての掘り出しを終えました。

3回の掘り出しを終えて感じたことは

同じ温度管理下にあってもやはり、ある程度水分があるほうが

幼虫の育ちが良い・早いということです。



今日の掘り出しではすべての幼虫がマット上~中層部にいたため

深層部は暮しにくい状態になっていたものと思われます。

もう少し掘り出しが遅くなっていたら更に腐敗は進み

快適な範囲を超えていたのかもしれません。

これで、一安心。


オキナワマルバネの4月No.2

2017-04-09 21:11:42 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

昨日発注したプリンカップが午前中に届いたので

昨日に引き続きオキナワマルバネの掘り出しを行いました。

今日は産地Bです。

Bは2ケースあるため、とりあえず1ケースだけ掘り起こしてみました。

↓ 水分はまずまず保たれている


用意した受け皿にマットをどさっと少々手荒に移します。

やっぱりこちらは沢山幼虫がいるみたいで、深いこげ茶の中に白いものが点在しています。

↓ 出てきた幼虫はプリンカップにひとまず移す



このケースは水分が適度に保たれていたせいでしょうか

掘り出した数の31%が2齢になっており

初齢の中にも加齢の近いものがいくつか見受けられました。

今日の掘り出しは数も成長度合いも昨日とは少し違います。

↓ 2齢のカップ

↓ 中にはよく成長した2齢もいた


掘り出した幼虫は昨日同様の方法で500ccプリンカップで飼育します。

↓ MIXマットを斜めに軽く詰める

↓ 基マットを足して幼虫を埋める

↓ 出来上がり


産地Bは、もう1ケースあるため同じ作業をあと一回することになりますが

マットの水分次第では幼虫の成長度合が異なっているかもしれません。



足らなかった硬質系のプリンカップはすぐ届きマットも十分あります。

後は、土手のヤナギは風任せ♪

それにしても通販は便利で早いですね。

送料を考えると余分なものまで買ってしまうけど・・・


オキナワマルバネの4月No.1

2017-04-08 19:22:13 | オキナワマルバネ

4月8日



*現在、オキナワマルバネは
国内希少野生動植物種に指定されており
例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

産地Cの掘り出し

今日はオキナワマルバネの掘り出しを行いました。

昨年の秋に19卵を確認してセット解除した産地Cです。

セットごと容器にガサッと移すと早速幼虫が転び出てきました。



この容器は通気がよく、マットが乾燥しやすいため途中で何度か霧吹きをしたのですが

思うように加湿できておらず乾燥気味になっていました。

そのせいかほとんどがまだ初齢の状態です。

↓ 19卵は14幼虫になっていた


今日から産地Cの単独飼育が始ります。

作成しておいたマットを小・中のプリンカップに5分の3ほど入れ

その上に基マットを足して幼虫を埋めます。

今回使用したマットは前記事「クワガタあれこれ」で書いたものです。

↓作成したマットを斜めに入れる

↓基マットを足す

↓ 幼虫を埋める

↓ 比較的管理しやすい数


今日はここまでで掘り出しを終えました。

時間があれば明日か来週にはもう一つの産地、Bの掘り出しを行います。

こちらは今日より沢山出てくると思います。

本日の気温は20度を超え、温室との温度差がなかったため

のんびり屋外作業ができました。




あとがき

オキナワマルバネが「国内希少野生動植物種」に指定されて1年が過ぎました。



それに付随して外国の大型マルバネ類がもうすぐ特定外来生物に指定されます。




一部のメディアによる報道では

「特定外来生物になると、~すでに飼っている個体は飼い続けることができるが~」

とあり、飼養許可までは述べられていませんでした。

「 」だけを読むと、規制前に持っていればその個体についてはそのまま飼育が出来ると

解釈してもおかしくありませんが、「特定外来生物」になると

施行際現に飼育していた場合でも許可なしでは飼育を続けることはできません。

際現から飼育していた場合は、施行から6カ月以内に「飼養許可申請」を行い

許可が得られれば、その個体に限り飼育を続けることが出来ます。

つまり、施行前から持っていても飼育を続けるには許可がいるということです。

この辺りの認識が人によって異なることを最近感じています。

施行は目の前です。




私の解釈が間違っていましたらご指摘ください。

よろしくお願いいたします。


オキナワマルバネの2月

2017-02-26 22:56:32 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは国内希少野生動植物種に指定されており
 例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

3月を目の前にして、少し寒さが緩んできました。

今日は、2015年生れのオキマル終齢幼虫の餌追加を行いました。

2年1化の場合はこれが最後の餌追加(交換)になり

春から初夏にかけての蛹室作りの助けでもあります。



追加するマットは、2週間前に水分をやや多目で調整して寝かせておいたものです。

↓ 追加したのはふるいにかけた黒いマット100%



体重の変化

2015年生まれは産地Aのみで、飼育してしてきたのは11です。




11月の体重⇒2月の体重(増減g)
①終齢初期 ⇒12g
②終齢初期 ⇒14g
③終齢初期 ⇒18g
④終齢初期 ⇒18g
⑤ 14g ⇒19g(+5g)
⑥ 16g ⇒18g(+2g)
⑦ 16g ⇒19g(+3g)
⑧ 17g ⇒20g(+3g)
⑨ 18g ⇒19g(+1g)
⑩ 18g ⇒20g(+2g)
⑪ 19g ⇒20g(+1g)


以上、どんぐりの背比べでした。





実際に掘り出してみるとマットは思ったより乾燥しており

水分やや多めの追加用マットがそれを補ってくれそうです。

計測では11頭中最も重かったのが20gで11月からさほど増えていませんが

どの個体もまだ蛹室を作るほどには成熟していません。



また、①②等はまだ若いので3年1化になる可能性があり

さほど大きくならないかもしれません。

こういうのはブリードの対象から外します。



これからの管理は、今しばらく17~20度くらいをキープして

GW以降の蛹化を狙います。






3月はすぐそこにとはいえ、作業する場所は屋外で温度は12度ほど。

温室とは6度以上の差があるため、急げ!急げ!と言い聞かすほどに手袋が脱げません。

ジャストフィットの嫌なところです。


これからのマルバネ・12

2017-01-29 16:56:15 | オキナワマルバネ

今日のニュースで既にご存知かと思いますが

日本のマルバネ保護に向けて外国の大型マルバネ10種(?)が

「特定外来生物」に指定される可能性が強くなりました。

↓ 対象種 マキシシムスマルバネ


昨年のオキナワマルバネ規制時に友人と「今度は外産マルバネが特定外来種に指定される」

などと話していたのですが思いのほか早くその時がやってきそうです。

テナガコガネの規制~マルバネへと流れはごく自然です。

↓ タイワンテナガコガネ


今となって残念に思うのは”マエダマルバネと思われる”種を飼育できなかったことです。

仮に今から幼虫を入手しても羽化するまでに規制されてしまいそうなので

これは無理です。

*規制前から飼養している場合
規制から6か月以内に飼養許可申請を行い
許可が得られた場合はその個体に限り飼養できるが
繁殖・売買・譲渡などは不可・許可期限も有

↓ 良いタイミングでマキシムスの飼育終了ができた


また、日本のマルバネに関しても

いずれ全てが何らかの規制を受ける方向に向かっているものと考えています。

昨年規制されたオキナワマルバネに関しては規制前の駆け込み需要があったようなので

種としての現在の飼育数は恐らく過去最大になっているものと想像します。

ただ、譲渡・売買等が出来ない上に飼育もそう簡単ではないので

それらの多くは残らないと思われ

来年以降はその数も減少していくものと想像します。

↓ オキナワマルバネ(規制有)

↓ ヤエヤママルバネ(一部規制有)

↓ チャイロマルバネ(一部規制有)(2013年撮影)

↓ チャイロマルバネ(終齢)


また、それ以外の種でも植物の茎を”チョキン”とするような生態の持ち主が

農作物などに影響を及ぼす可能性があると判断されると

規制されることにもなりかねません。

今年最初の記事がこれかぁ~ と思いつつ ごあいさつ

今年もよろしくお願いいたします。


オキナワマルバネ餌追加・11

2016-11-14 22:51:10 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは国内希少野生動植物種に指定されており
 例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

昨日、昨年採卵したオキナワマルバネ終齢幼虫の餌追加をしました。



観葉植物用の温室でクワガタムシを飼っているとマットの乾燥が早く

特にマルバネで使うような腐食の進んだマットは

締まりやすく、上部周辺から萎縮が始まります。

↓容器側壁とマットとの隙間が目立ちはじめる


そのまま放置しておくとマットが一つの塊になり

容器を斜めにするとマット全体が動くようになるため

気になるときは餌追加時期でなくてもマットを補充・交換して環境の改善を計ります。


赤枯れ水

追加する黒マットに加水するとき一塊の赤枯れを水でよく溶き、それで加水します。

↓追加用のマット、実際はほぼ黒

↓よくかき混ぜて溶く(赤枯れ)

↓かき混ぜ不足☓


こうすることでマット全体に赤枯れ成分が行き渡りやすいように思うからです。

特に赤枯れマットが少ないときは赤枯れ水と併用するのが良いと思います。

因みに今日の赤枯れ使用量は握りこぶしほど、一塊。

上記の赤枯れ水、それだけです。


成長の度合

餌追加時には出来るだけ体重も計測します(n=11)。

昨年秋から1年が過ぎ、もっとも重かったのが19g



次いで18g・17g・16g・・・





中には終齢初期も出てきました。

そういうのは3年1化になるかもしれません。

どの幼虫も腹部がまだ透けて見えるのでこれからも成長します。

あとしばらくは20度くらいをキープして来年2月頃の餌追加換時には

どれも20gを超えていてほしいものです。

↓ ほとんどの個体は底部で生活

↓糞を後方にため込む

↓こういうのはメス?




昨日は天気がよく、気温も20度を超え、作業のしやすい一日となりました。

餌追加のあとはクルビデンスの割り出しを行ない、次世代に繋ぐことも出来ました。

私の場合、餌交換や割り出しなどの一連の作業は屋根だけの車庫で行うので

これからの季節、管理場所(温室)との温度差が激しくなり

自分も含め、生体に与えるダメージが大きくなります。

冬は室内で作業をしようかと思うこともあるのですが

そこはどうしても越えられない一線です。


オキマル最後の掘り出し・10

2016-11-01 00:21:48 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは国内希少野生動植物種に指定されており
 例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

昨日、オキナワマルバネ最後の掘り出しを行ないました。








産卵セット解除

前回の続きで、順調に産卵を続けてきた産地Bの掘り出しです。

産地Cに続きBも予定以上の卵を産んでくれたためこれで産卵セットは解除です。


↓たまに転倒防止用の材を齧る


これまでに得られた卵は掘り出し毎にプリンカップに移し、保管していましたが

スペースと管理のしやすさなど考慮してこの掘り出しを期に全ての卵を産卵セット容器に戻し

温室でまとめ飼い~管理することにしました。

↓ まとめ飼い


親虫は、符節など飛ばないうちに標本にするつもりでしたが

いざ ”サクエチ” となると何やら躊躇してしまい

そのまま飼育することに・・・

あとどれくらい生きるのかわかりませんがやっぱり ”動く” ほうがいいですね。














余談

今週、小型の物置が届くため土日を利用して古い物置を撤去しました。



次から次へと詰め込んだ物置内は不要なもので占められていましたが

長年ため続けてきたガラクタ?の中から文字が出て来るたび手が止まり

少々懐かしみながらの作業となりました。

↓ 鞍馬山のミヤマ:クリイロとホウライ



↓こんなものも出てきました! ヤマトモンシデムシ?


処分したガラクタの多くはプリンカップや菌床等の使い終わった容器類でした。

その時は ”また使うかもしれない” と思っていたに違いありません。

実際は ”そういことはほぼない” ということを実感した連休でした。


オキナワマルバネ・9

2016-10-22 23:38:56 | オキナワマルバネ

*現在、オキナワマルバネは国内希少野生動植物種に指定されており
 例外を除いて、譲渡や売買・採取等はできません。

オキナワマルバネの産卵セット解除が近くなってきました。

最初にブリード開始した産地Cメスは☆

羽化から99日間の生存でしたが飼育するには十分な卵を産んでくれました。

↓ 産地C、合掌


次にセットした産地Bも順調に産卵しており卵の確認から逆算すると

羽化から40日を過ぎたあたりから産卵を開始したものと思われます。





Bの産卵に使用した容器は5Lほどのタッパーで

マットの量が3Lくらいのややコンパクトセットです。

セットから1週間後の掘り出しでは11個の卵が発見できました。




覚え書き

マルバネの卵は、容器底部周辺のマットが締った場所から発見できることが多いのですが

酸素不足や、メスの潜りやすさなどを考慮し

また、掘り出し時の目安にもなるのではないかと思い

マットを団子状にして埋めてみました(2セット)。

↓ 隙間が残るくらい


団子セットをしてから4日後、マットを容器に移し状態を見ると団子はほとんど判りせん。

埋めたマットとダンゴがよくなじんでしまいほぼ一体化しています。

↓ どれが団子かわからない


卵は、元団子らしき部分からも、そうでない部分からも出てきました。

2メスの産卵数は、産地B=10個:産地C=6個(2個つぶし)

結果は至って普通。

特筆すべきものはありませんでした。





上記結果から、通常のセットに戻し追い掛けをして次の掘り出しを待ちました。




↓白い粒排出(精嚢)





↓セット後すぐ潜るメス



↑↓ Bの種オス


10月19日、産地Bも既にある程度産卵しているので今度は質の異なるマットで採卵を試みました。

そのマットは他メスが産まなかったマットです。

完全に産卵モードになっているBもそのマットを嫌うかどうか試してみました。





セットから3日後の今日、掘り出してみたところ予想に反してよく産んでいました。

↓ 底部にいたメス






↓ 3日間の結果


成熟したあるメスはこのマットには全く産卵せず

別のメスはよく産む・・・どういうこと?

個体差とか餌慣れとかというやつでしょうか?

いずれにしても使えることは判ったので覚え書きしました。





最近は朝晩冷え込むようになりました。

温室のヒーターのスイッチを入れ終日20度を切らないようにしています。



クワガタに関する作業は車庫(外)で行い、マルバネの掘り出し頻度は週2回程度です。

夜間に作業を行なうときはほんのりマットの暖気を感じる

そんな季節になりました。


オキナワマルバネ・8

2016-09-27 00:20:58 | オキナワマルバネ

はじめに

現在、オキナワマルバネは国内希少野生動植物種に指定されており

例外を除いて、譲渡はできません。



前々記事「オキナワマルバネもろもろ」ではそのことにつて少し書いていますので

そちらも合わせてご覧ください。


前蛹~羽化

今年もオキナワマルバネが羽化しました。













今年は、2年1化と3年1化がいます。





産地は、A・B・C の3産地



中には幼虫時や前蛹で死亡した個体がいくつかいます。


↑↓マットにカビのようなものがあるときはほぼ死亡

↓蛹化で死亡



産卵

オキナワマルバネは、羽化して40日ほど経過したらそろそろブリード可能な状態になります。

産卵セットは、飼育するのに十分と思える数が得られた時点で解除するつもりです。

2016年8月13日、Cの交尾~産卵セット







↓ オスによる交尾後の攻撃


容器は4Lほどのタッパーを使用、マットは産卵用マット

タッパー底部3cmほどは手のひらで軽く抑え、その上に残りのマットを被せました。

↓ マットの量は2L程度で、マットの高さは5~6㎝



↑ このメスはなかなか産んでくれず

やきもきしましたが、9月に入って産卵を認めたので一安心です。


↓ 二つの卵。今回はこういうのが2例あった


Bは、メスの羽化が8月中旬であったため先日セットを組んだばかりです。


















↓ 交尾2回目・白い粒排出(精嚢)


無事に産んでくれることを願います。


↓ 飛翔



幼虫の餌追加

昨年採卵した幼虫を2Lブロー容器に移し替えたのは今年の7月です。

↓ 大型のプラフネ、作業に重宝する

↓ 前記事にあるMIXマット使用

↓ 7月の容器・餌追加

↑容器下部に追加マットを入れ、その上に幼虫の入ったマットを崩さず移します。

最後に追加マットで全体を埋めました↓


7月の容器交換・餌追加から2か月もたつとマットが沈み、上部の空間が広がります。

今月初めには目減りしたマットを補充しています。

↓ まだ2齢幼虫

↓若い終齢








来年の2月ころに餌追加をして2年1化の蛹化に備えます。


おまけ

↓ 左オキマル・右マキシムス