クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

PC版テンプレート画像は
朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

珍しい色のヤマトタマムシ

2021-12-18 02:18:02 | その他の昆虫

カマキリ名人のKさんから珍しい色のヤマトタマムシをいただきました。

このヤマトタマムシは

今年の8月中旬にKさん宅の倉庫前で生きた状態で捕獲され

その後も暫くは生存していたそうです。

 

↓ 左:5頭は本来の色合い  右:2021年8月中旬捕獲個体

↓ 上翅の大半は黒みがかり光沢も弱い

↓ 体表の汚れを拭き取ったが色彩に変化なし

↓ 腹面は一般的な色合い

 

念のため、似たような事例を探してみましたが見つかりませんでした。

一般にヤマトタマムシやニジイロクワガタなどのような発色を有する昆虫は昼行性が強く

その発色で同種には自らの存在を知らせ

鳥などの捕食者に対しては、好まれない色彩で身を守ろうとしています。

 

↓ 腹部末端形状からオスと判断できる

 

野外に於いてクチクラの構造に異常を持ち(?)本来の発色を失った個体が

捕食者をすり抜け子孫を残せる確率は

一般的な発色個体より低くなると思えますが

偶然にもKさんにより捕獲されことで珍しい個体を見ることができました。

 

 


水辺の探索

2020-02-10 23:02:52 | その他の昆虫

先週、水性生物に詳しいTさんと

市内の水辺探索をしてきました。

 

日時:2020年1月31日  13:30~17:15

天候:晴  気温:10度前後

探索した場所は

子供のころタガメを見た場所周辺と

現在住んでいる町近隣です。

 

昔見たタガメ

40年以上前、夏休みのこと

ラジオ体操に行く途中の水銀灯下で

カブトムシやクワガタを探し

体操の後は雑木林に向かうのが私の日課でした。

ラジオ体操は、その繋ぎでしかありませんでした。

 

ある日、水銀灯下の道路に

大きなものがへばりついていました。

「おっ!カブトムシが車にひかれている」と思い

近づくと、それはタガメでした。

初めて見たタガメはとても大きく

露骨なものでした。

 

↓ 参考画像:2017年に県下別地域にて

 

子供のころに見たタガメは

今でもあの地域いるのかなぁ?

この時期に水辺をガサガサしても

仕方ないことを承知の上

玉網を持って出かけました。

 

現地に到着し

当時の場所を転々とたどると

新しい住宅や施設が目立ち

昔あった小さな池や水溜りは

ほとんどなくなっていました。

そして、発見できたのは

エビやアメリカザリガニばかりでした。

 

↓ 2種のエビ

↓ 石で組まれた昔ながらの溝

↓これがいるとよろしくないらしい!

 

次に向かったのは現在住んでいる近隣地です。

そこは、最初の場所より明らかに

開発の進んだエリアなのですが

ある溝ではメダカやシジミ

ドジョウなどが沢山網に入りました。

 

↓ ドンコとメダカ

↓ シジミ 

↓ マツモムシ これに刺されると痛いらしい

 

最後に向かった場所は二つ隣の町で

谷あいにある集落の一番上にある池です。

ここでは側溝でエビを発見した程度でしたが

その池は、あまりにも綺麗で

しばし見惚(みと)れていました。

 

↓ 足元にまで雲が届く

 

最後に

暖冬の水性生物探索で

昆虫類はほとんど発見できませんでしたが

これまであまりしてこなかった

”水辺でガサガサ” も

なかなか面白いということを実感でき

夏の行動範囲が広がったような気がしました。

 

タガメは

「特定第二種国内希少野生動植物種」の指定を受けて

本日(2020.2.10)より

販売や販売目的での採集が禁止されました。

そして、施行のはざまでは

沢山の個体が売買されていました。

 

↓ 側溝のタガメ(2017年県下にて)

 

これからのタガメ採取で

その目的を問われる状況になったとき

過去に販売歴があれば

少しややこしくなる可能性もあります。

 

また、タガメの規制を受けて

今後は外来のタガメ生体なんかも

規制されるかもしれませんし

ゲンゴロウもそのうち保護種になると考えるのが

自然な流れのように思います。

 

↓ タガメの卵 (2017年7月 県下にて)

 


ゴミムシとハリガネムシ

2016-11-19 20:26:10 | その他の昆虫

今日、車庫でハリガネムシ付ゴミムシを発見しました。




ハリガネムシの幼体は、水中で昆虫の幼虫等に捕食されます。

捕食されたことで仮の宿主を得たハリガネムシは

仮の宿主が成長して活動し

カマキリやカマドウマやゴミムシなどに捕食されるのを待ちます。




運よく? 仮の宿主がカマキリなどに捕食されると

ハリガネムシはその体内で成長し

ある時点で宿主の脳に悪さをして水辺へと向かわせます(光と関係?)

そして、水と接触した宿主から脱出し

同様にしてたどり着いたであろう仲間と水中で繁殖します。

これの繰り返し。

食物連鎖に便乗したものすごい生活史です。


夕べから雨が降ったり止んだりして

宿主(ゴミムシ)が水気に反応したのでしょうか。

試しに水を地面に撒いてみました。

撒いた水溜まりにゴミムシがとどり着くと

ハリガネムシは完全に脱出しました。


↓ 脱出



2cmほどのゴミムシから

太さ1mm程度、10cm以上のハリガネムシが出てきました。

ハリガネムシが出て行ったあとの宿主の行動が気になり

暫く見ていたのですが

どこに行くでもなく、あたりをうろうろするだけでした。




ハリガネムシに寄生された宿主には

”いずれ水辺に向かう” という共通点があります。

今思えば、2か所に水を撒き、ライト照射有無で

宿主の反応を見ておけばよかった・・・


これまでにカマキリから出てくるハリガネムシは

何度か見たことありますが

ゴミムシから出てくるハリガネムシを見るのは初めてで

今夜あたり、夢にも出てきそうです。


神戸・昆虫展2016

2016-08-01 21:59:49 | その他の昆虫

神戸ハーバーランドで開催されていた

昆虫展(小動物)で

たくさん画像を撮らせていただきました。



今日は、画像を中心にその展示物の一部を載せます。


水生昆虫

↓ゲンゴロウの幼虫、蛹化が近い


ゲンゴロウ




コオイムシ


タガメ




水性昆虫は他にも

ミズカマキリ・ガムシ・タイコウチなど

沢山の生体が展示されていました。


小型サンショウウオ

めったに見ることのできない

清流に棲む小型のサンショウウオたちです。

イシズチサンショウウオ


コガタブチサンショウウオ


ヒダサンショウウオ


ブチサンショウウオ


ハコネサンショウウオ


サンショウウオは

限られた範囲で棲息していることが多いため

未知な種がまだいるかもしれません。


チョウ類

↓ジャコウアゲハの幼虫




↓キアゲハ(パセリ摂食中)










蝶の標本は棲息環境ごとに箱に詰められたものが

たくさん並んでいました。


カミキリムシ



↓ラミー


↓キボシ


↓ゴマダラ


この他にもミヤマカミキリ・シロスジの生体や

外産含む数箱の標本が並べられていました。

展示生体のエサは、イチジク。


コガネ虫類

改めて見るとカナブンは綺麗


↓オーベルチュールオオツノ


↓日本産


↓ゴライアス














カブト虫

生体ではヘラクレスを筆頭に

コーカサス・グラントシロ・サタン・アクティオンなどが

展示されており

子どもたちの人気を集めていました。

↓グラントシロ
















タマムシなど



タマムシの他に巨大なゾウムシ類の標本もありました。


クワガタムシ

離島のクワガタ

↓ヤエヤママルバネ



↓↑おもしろいサキシマヒラタ♂発見!!


↓ダイトウヒラタ



↓↑トカラノコは綺麗


↓スジブトヒラタ


↓淡路島のノコギリクワガタ



↓↑すべて昭和に採集された個体(関西産)


↓ラフェルトノコ


↓マキシムスマルバネ




↓ニジイロは腹のほうがきれい



このほかにもたくさんの

クワガタ生体・標本が展示されていました。


カエル

モリアオガエル・シュレーゲル・ヒキガエルのほかに

数種のカエルが展示されていました。

↓モリアオガエル



この昆虫展は

昆虫だけでなく、普段なかなか見ることのできない

小動物が毎年展示されています。


昆虫展・神戸

2015-07-30 00:50:28 | その他の昆虫

神戸のハーバーランドで開催されていた

昆虫展に行ってきました。




この昆虫展は

夏休みの子供向けに7月19日から26日まで開催されていたものです。

この季節、各地で昆虫展が開催されているようですが

カブト虫・クワガタ虫だけでなく、

水性昆虫からサンショウウオや爬虫類の生体から標本まで

バラエティに富んだ展示だったので

ゆっくり時間をかけて見てきました。




そして、沢山の写真を撮らせて頂いたので、一部を掲載させていただきます。


↓ 水生昆虫 ミズカマキリ


↓ ヒキガエルや、カジカガエルなど数種のカエルもいました。


↓ イモリ 


↓ コオイムシ


↓ ゲンゴロウ



↓↑ タガメ 期間中産卵もしたそうです


↓ 日本の身近な蝶類


↓ オオムラサキの幼虫


ここからは画像を連ねます。






















 




















↓ 最後はオオクワガタ 昭和の時代に採集された野生の個体



飼育品の心配がほとんどなかったころのオオクワガタです。

細めの個体から太めの個体まで様々でした。

標本はざっと数えたところ50箱、

セミやバッタ類もありました。

多数収蔵されている中から

子供たちに喜んでもらえそうなものをピックアップされたそうです。

一週間の開催で来場者は5000人を超えたとのこと!!


バナナムシ

2014-09-29 19:39:40 | その他の昆虫

ツマグロヨコバイ

関東ではこの虫を「バナナムシ」と呼ぶ地域もあるそうです。




ツマグロヨコバイはカメムシの仲間で、体長4~6mmほど。

この時期によく見られる稲の害虫とされている種です。

この虫は口吻を人の肌に差し込み チクリとやります。

特別痛いわけでも毒があるわけでもないのですが

気持ちの良いものではありません。

こうやって写真をみると結構綺麗で

稲の葉と穂に見せた色合いが 少し意気です。


赤トンボの秘密

2014-08-30 23:20:38 | その他の昆虫
今日、兵庫県北部の高山帯に行ってきました。

本当は9月に入ってから行くつもりだったのですが

これといった用事もなかったので ぶらりと・・

標高1000m付近 ところどころ霧で覆われていました。

雨も少し降ったようです。




やっぱり山の天候は移り変わりが激しく

実際に行ってみないと判らないものです。





少し開けた所には赤トンボがいます、アキアカネです。

赤トンボという種類のトンボは実際にはいないのですが

一般に赤トンボと呼ばれるトンボは 

このアキアカネを指すことが多いです。





アキアカネの卵は田んぼの中で冬を越します。

卵休眠というやつです。

そして春 卵は田んぼに水が張られると孵化します。 

ヤゴの誕生です。

ヤゴはミジンコが大好物。

ミジンコをいっぱい食べて育ったヤゴは6月の夜に羽化し

成虫アキアカネの誕生です。


アキアカネは暑さが苦手で

初夏には気温の低い所を求め山地に移動を始めます。

最初はオレンジ系だったアキアカネの体色は10月位になると

綺麗な赤色になり 繁殖も可能になります。





アキアカネは、トンボとしては性成熟に時間のかかる種で

何らかの仕組みで性成熟を制御しているものと思います。

10月にもなると平地でも気温は下がり

いよいよアキアカネの集団下山が始まります。





目指すところは故郷、田んぼ。

そして、稲刈りの終わった田んぼの水たまりや湿った場所に産卵します。

卵の数はおおよそ2000個ともいわれています。

産み付けられた卵はそのまま冬を越し、翌春の田んぼに水が張られるのを待ちます。

アキアカネは、これを毎年繰り返してきました。


アキカネが性成熟するのに数か月もかかる理由は、早い時期に産卵をしてしまうと

その年に卵が孵化してしまい 幼虫が(ヤゴ)冬の間に死亡するリスク回避しているといわれています。


中には下山することなく果てる個体も…





アキアカネは田んぼに依存したトンボ。

つまり 人との関わりが非常に深いトンボであることが判ります。

稲作がアキアカネの生態や繁栄に影響を与えたことはまちがいない。




林道沿いのヤナギの木




このヤナギ、特に珍しい木では有りませんが

今から5年ほど前

このヤナギに56mmのヒメオオクワガタが付いていました。

ヒメオオクワガタは、高山性のクワガタムシで

関西地方では 標高850m位から1000m付近の

ブナ帯に分布しています。


このヤナギで発見されたヒメオオクワガタは

私がこれまでに見てきた最大でした。

しかも この山はヒメオオクワガタ未記録の山で

毎年必ず発見できる秘密の場所です。


この山にはヒメオオクワガタが薄く広く分布しています。

残念ながら今日は見つけることが出来ませんでしたが

これから10月上旬ころまでの天気の良い日には

その姿を見ることができると思います。



カメムシ集団

沢山のカメムシが付いていました。

少しきしょく悪い10mmはどのカメムシでしたが 

よく見ると背中の模様は人の顔のようにも見え 

可愛いものです。








この集団もやがて厳しい高山帯の冬を迎えることになります。

抜け殻とトンボの硬直

2014-08-27 23:39:59 | その他の昆虫

今夜は少しだけ気温が下がりました。

窓を開けていると心地よい風も入ります。



今朝 見つけたトンボの死骸。




ハグロトンボ

オスは腹部が緑系の金属光沢なので

この個体は恐らくメスだと思います。





見事なまでの硬直。

前の羽を前方に広げ、後羽は後方に畳んでいます。

更に近づくと 脚部には細い刺毛が生えています。

意外と長い。





う~ん 寄生虫対策かな? 





茶黒っぽい羽で

比較的低い所を数匹でフアフアと飛行するこのトンボは

少し不気味な印象があり

さわやか系ではありません。

そっとしておきたい気もします。






こちらも今朝見つけました。

カマキリの脱皮殻





綺麗な状態で見つけました。

ハラビロカマキリなら、まだ幼虫だと思います。





いや 待てよ もしかして・・・

ムネアカハラビロカマキリ?


ムネアカは2012年に報告された中国原産の外来種。

近年各地で分布が確認されており

在来カマキリとの競合が懸念されるやつです。

今年の春に そのムネアカの卵のうを隣町で見つけました。

ちょっと気になります。


タマムシとアリ

2014-08-26 21:59:24 | その他の昆虫




犬の散歩中、アスファルトの上でタマムシが転んでいました。

タマムシ、死骸とはいえ 裏返しとはいえ

とても綺麗な虫です。





タマムシには15mmほどの 

これまた綺麗なアリが付いていましたが

近づくとさっと散らかり 半分以上が姿を消しました。

体のわりに 警戒心の強いアリです。

特徴は画像の通り 黒と薄いブラウン系で 配色がよく

アリの中でもオシャレなタイプです。




早速アリの種類を調べたのですが 同定ミスをする可能性があるので

とりあえず「アリ」としときます。

タマムシはエノキに産卵を終えて命を繋いだのでしょうか。

そして アリもタマムシで命を繋ぎます。

こんな光景を目にすると

夏も少しずつ終わりに近づきつつあるのかと思いきや







木の上ではアブラセミが 

庭では夏の花がまだまだ盛り上がっています。









あとしばらく夏は続きそうです。


肥料を食べる

2014-08-18 00:41:46 | その他の昆虫



お盆の最終日

自宅の庭で見つけた光景です。

葉の上に取り残された化成肥料をバッタの幼虫が食べていました。

このバッタは羽の感じからしてまだ成虫ではないと思いますが

肥料を食べているとは 驚きです。


近づきすぎて警戒されました。





小さな庭ですが 結構沢山の昆虫が暮らしています。

バッタのほかにも カマキリ、ナナフシ、ハムシ、蝶の幼虫などなど

たまに オオセンチコガネやオオスカシバもやってきます。

綺麗なうぐいす色です。





明日から仕事、早く寝なければと思いながらも

休み間に癖が付き なかなか布団に入れません。