チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第9章 翼、もがれて その3

2013-12-23 19:31:54 | ADHDとともに「君の星座」
 悲しすぎて、何も考えられないんだけど、頭が働かないわけでもなく。
「ハルカは仕事が終わりになって、ほっとしてるかもしれないけど。」
何で!
「違う!そんなこと思ってない!どれだけショックか!」
「親のほうがもっと辛いわよ。」
どうしてそこまで私の気持ち無視するの!・・・昔から、女には心がないって言ってたそのままじゃない!
 親はとにかく、やっぱり私は発達障害だったんだ・・・アスペルガーだと思ってたけど・・・不注意って何だよ?・・・眠れない夜が明け。
 お母さんから、
『平日は、仕事の振りしてなるべく出て行って!おじいちゃんに言い訳たたないから!』
で、朝から出かけている。とりあえず、ハローワークへ。先に解決するべき問題がいっぱい出来たわけだけど、ここにも行っておく。もし、いい仕事が来てたら働いたほうがいいから。・・・だけど。何をしたらいい?私には何が出来る?医療事務はもう絶対無理。結局、何も出来ないじゃない、私・・・
 あーあ。まだ、お昼にもならない。どこへ行こうか?夕方まで家に戻れないし。お昼を食べようにも、お金が。貯金はしてきてるけど、むやみに取り崩したくない。お金かからず、長時間過ごせるところ。ファーストフード店か。
「すみません、ホットコーヒー、一つ。」
「ありがとうございます。百円です。」
また痩せるな。まあいいけど。ちょっと隠れ家っぽい位置のソファに力なく崩れる。
 スズキ内科。解雇されたあの日、ぽんと渡された金封。中身は三万円だった。
『しばらく困らないようにしてやるから。』
それだけでしばらく困らないかよ!いくら親に甘えてるといっても、三万円じゃ一ヶ月も暮らせない!次から次から簡単に仕事見つかるわけないのに!

『今月いっぱいか来月半ばには退職してください。』
『あんたは気に入らないから。今日限り出て行って!』
『お前なんか就職できない。』

 馬鹿にしてる!
「ドンッ!」
二つの握りこぶしをテーブルに振り下ろした。あ、ごめんなさい・・・ 
 ここ三ヶ月の間に、二回も解雇されてしまった。だけど、これは避けられた傷!私、気づいていたもん、発達障害だって。親にも伝えたのに!あの時、何としても振り切ってでも病院を探して検査に行くべきだった!わかっていたのに・・・

『出て行け!』
 

 
 


4 コメント

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一ケ月で三万円? (千菊丸)
2013-12-23 20:11:42
ほんと、馬鹿にしてますね。
発達障害だってはやくわかっていたら、こんなに辛い目に遭わずにすんだのに。

母親の言葉が酷いです。

娘の障碍を受け入れず、世間体を気にするなんて!
こんばんは (チコ)
2013-12-23 20:35:12
>千菊丸さん

ありがとうございます。
3万円で即日解雇。これで、いかにブラックな職場だったかがはっきりしましたね。

家族の障害受容は物凄く難しいですね。そうですね、世間体も受容できない原因のひとつなのかもしれませんね。
もし親側だったら (スモッド)
2013-12-26 09:56:45
ご両親はまだまだハルカの障害を受け入れてないですね、子供時代にそうした制度がないのもあるでしょうが、あったとしても「自分の子はそんなはずがない」と受け入れることを拒みたくはなってしまうのでしょうね、そしてハルカと同じようにそれが原因で苦しい思いをしていている方が沢山おられる、親自身がそうしたことを受け入れるのは並大抵ではありませんが機会が選らえるなにかのっかけがつくられれば世間も少しずつ「変わっていくのでしょうが
こんばんは (チコ)
2013-12-26 19:12:37
>スモッドさん

ありがとうございます。
そのとおりです。ハルカの両親はまだ障害受容していません。
どんな障害であれ、親は子どもに障害があるとわかったらショックなものです。
ある意味、本人以上に大変なのは親なんですよね。

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