生活習慣病対策で健康長寿！

あいち健康の森健康科学総合センター センター長　津下一代 講演より
2014年9月30日　毎日新聞

日本人男性の平均寿命は80．21歳と初めて80歳代まで寿命が延び世界4位です。女性は86．61歳で世界1位です。しかし、国の政策「健康日本21」は平均寿命を伸ばすというよりも、「自立して生活が満足にできる状態、そういう健康寿命を延ばしたい」となっています。現在男性の健康寿命は71．19歳で、女性は74．21歳です。
介護が必要な状態にならないために、生活習慣病対策が大切です。生活習慣に気をつけていても100％病気にならないわけではなく、病気を早く見つけて治療するということが、必要になりその入り口が検診です。検診では問診や検査をしてデータを出します。去年のデータと見比べて「このままだとどうなのるか」と将来を考え「ちょっと気をつけよう」と注意してほしい。
日本全国の検診データによりますと、男性は40歳代がＢＭＩ（肥満度）のピークで、女性は40歳代から70歳代まで右肩上がりに増えています。男性も女性も、お腹周りが大きくなるにつれ高血糖、高血圧、脂質が増えます。ですが10キロも20キロもやせる必要はありません。ほんの少し脂肪をジワジワッと燃焼してあげる、それも4％くらい。
3％か2％くらいの減量でもずいぶん結果が良くなることもわかってきました。ほんのちょっと下げただけで、血圧も、脂質も、血糖もいい方向へ改善します。血圧の薬は血圧しか下げません。血糖の薬は血糖しか下げません。しかし、生活習慣を見直すと、血糖も血圧も脂質も全部良い方向へ動いていきます。「生活習慣改善は万能薬」ということをぜひ知って下さい。