ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

ますます進む、フランス人のワイン離れ。

2011-07-20 21:01:53 | 社会
4月から大学院の授業を受けており、自分の発表直前には、年取った学生は呻吟・苦悩、ブログの更新もままなりません。10日ほど間があきましたが、再開です。

浅学菲才の身を顧みず取らせていただいている授業の準備で頭を抱えている間にも、世の中ではいろいろなことが起こりました。特筆すべきは、なでしこジャパンのW杯優勝! 発表準備で時間がないとか言いながら、ライブで観てしまいましたが、見ごたえバッチリ、見どころ満載で、すばらしかったですね。何しろ、世界一。しかも、ビジュアル系もそろっているのですから、メディアがほっておくはずがありません。19日・20日とテレビに出ずっぱり。しかし、週末にはなでしこリーグが再開。体調管理が心配になってしまいますが、女子サッカーの普及・振興にはいいチャンスです。

なでしこジャパンの優勝をファンはさまざまなカタチで祝っていました。ハイタッチを繰り返す人、万歳三唱をする人、飛び跳ねる人、感涙にむせぶ人・・・中には、マスターの粋な計らいでシャンパンの栓を抜いた店も。もちろん、ビールで乾杯、あるいはワインで乾杯。

世界一になると、対戦申し込みも増えるようで、さっそく、8月21日のなでしこリーグ・オールスター・ゲームを、9月にあるロンドン・オリンピック・アジア予選へ向けた強化試合にする案が浮上。対戦候補には、ブラジル、フランスなどが挙がっているようです。

ワイン、フランス、と続いたところで、ちょっと強引ですが、今日の話題は、ワインの本場・フランスでワインの消費が減っている!

数年前からフランスのワイン消費量が減っていると報じられていましたが、最近の調査でも、確認されたようです。14日の『ル・モンド』(電子版)が伝えています。

研究者たちによると、フランスにおけるワイン消費量の減少に今後いっそうの拍車がかかるだろうとのことだ。実際、18-30歳の世代にとってワインを飲むことは普通の事ではなくなっており、この世代は今後もワイン消費量の少ない世代になるだろう。

ここ8年で、フランスのワイン消費量は17%も減少している。65歳以上のヘリテージ世代(la génération héritage)、30から40歳のジェネレーションX、18から30歳のジェネレーションYという三つの世代に対して行った聞き取り調査が、世代ごとのワインに対するイメージとその消費傾向を明らかにしている。

調査に関わった研究者の一人は、ワインとの対し方に世代による大きな違いがあると、次のように述べている。「世代ごとにワインに対するイメージがある。65歳以上にとってはテーブル・ワインであり、30代にとってワインとは“AOC”(Appellation d’origine contrôlée:原産地呼称統制銘柄)であり、18-30歳にとってはワインはブドウの品種と結びついている。」

三世代ともに、ワインを飲めば和気藹々としてくるという点では一致しているが、飲酒頻度は大きく異なっている。65歳以上は定期的に、あるいは毎日ワインを飲んでいるが、30歳代はお祝い事などがあるときに飲み、30歳以下は健康への影響を心配したり、ワインは贅沢品だと見なしているため、彼らにとってワインは身近な飲み物ではなくなっている。

2010年の一人当たりワイン消費量は、フランスが50リットルでまだ世界一の座を保ってはいるが、世代が下るにつれワインを飲む人の割合が減っている現実を考慮に入れれば、ジェネレーションXやジェネレーションYの影響によりフランス国内のワイン消費量が全体として減少し続けていくだろうことは容易に想像できる。実際、コンスタントにワインを飲んでいる人の割合は、1980年の51%が今日では17%に減っており、2015年には13%程度まで落ち込むだろうと予想されている。逆にワインを一切口にしないという人の割合は、1980年の19%が2010年には38%に増え、2015年には43%まで増えるだろうと言われている(半分近くのフランス人がワインを一滴も飲まない時代がすぐそこまでやってきています!!)。

・・・ということで、ワイン大国・フランスも、しばらくすると、ワイン生産大国、ワイン輸出大国ではあっても、ワイン消費大国ではなくなってしまうかもしれません。ボジョレ・ヌーヴォーの輸入が一気に増え、日本がワイン消費大国になるのではと言われたものですが、バブル崩壊とともに、世界一は遠くにかすみ、21世紀になるや中国が怒涛の勢い。ワイン消費でも、中国が世界一になる日もそう遠くないのかもしれません。ただし、一人当たりの消費量では、13億以上の人口を抱える中国、そう簡単にはトップになれません。GDPと同じ状況です。

中国とワインと言えば、10年以上も前の駐在時代、赤ワインを炭酸で割る飲み方が多くみられました。今でも同じ状況なのでしょうか。それとも、時代は代わって、うんちくを傾けながら飲むようになっているのでしょうか。自分がおいしいと思うワインがいちばんだと考える人間にとっては、どちらもどちら。炭酸割りは甘みも加わり、飲みやすいとは思うのですが、はじめに知った味を舌が覚えてしまうと言いますから、もったいない気もします。しかし、日本でも、昔は赤玉○○○でしたから、他人様のことは言えません。

他人様とアルコールと言えば、タイのビールはアルコール濃度が高かった(今でも?)。どうしてか・・・ここではビールの炭酸割り。炭酸で割って飲むのにちょうどいいアルコール濃度にしてあったと記憶しています。

ワインやビールを炭酸で割るなんて・・・しかし、ウィスキーを炭酸割りで飲んでいる国々もありますから、飲み方自由自在でいいのではないでしょうか。国により、個人により、飲み方、いろいろです。