9月24日(月)
日本岩手県下閉伊郡普代村第8地割 太田名部漁港
昨年三月十一日に東北大震災が発生して、地震と津波、それに福島第一原発事故の惨状にネットやテレビ報道で唖然とするだけでした。岩手県釜石港はかって二回ほど、石炭専用船で豪州粉炭を新日鐵へ輸送した経験があります。それだけに同市の被害は見るに忍びないものがありました。そんな状況の中で、村を水門が大津波から守ったニュースが報道されているのを知ります。釜石市と同じ岩手県でも北部三陸海岸沿いにある下閉伊郡普代村、初めて知る村名でした。
地震・津波・原発事故と複合災害の報道される中で、災害を防いだ普代水門を世の中が治まったら現地見学に出向こうと気持が芽ばえます。グーグル・アースで現地を眺めますと、普代川に架かる普代水門と、すぐ隣の漁港に面した太田名部(おうたなべ)集落にも防潮堤と陸閘が有り、今回の大津波を遮ぎり被害発生を防いでいます。画面には大津波で被害を受けた同漁港と対称的に集落の家々が鮮やかに映し出されています。
単独で出かけるには、岩手県北部は未知の土地、幸いFP FAIR 2012が九月彼岸連休に仙台市で開催されるのに便乗して、二日前に現地訪問を企画しました。初日は久慈市泊り、ここで宿泊した旅館の隣が魚屋で、店頭に三陸沖で採れた鮮魚が並べられております。この豊富な魚類にヒントを頂きました。つまり東北地方東岸の福島県・宮城県・岩手県のリアス式海岸、沖は黒潮の暖流と親潮の寒流がぶつかり合う世界でも有数の漁場であります。中学校地理科の授業が思い出されます。
東北新幹線を二戸駅で下車してバスで久慈市へ向かいますが、途中で目にするの痩せた山地と狭い農地、漁業が岩手県の生計を支える下地を見物する一時間余りのバスの旅です。二日目、久慈市から普代村まで三陸鉄道北リアス線を電車で向かいます。季節が雪の降らない九月だけに、まだ冷え冷えとした光景は見受けません。駅を降り立ちますと。現地まで徒歩で向かう事にしました。片道、四キロ程度とみて、往復を徒歩で済ませました。現地の見学時間を含めて二時間三〇分間の視察です。
普代水門、高さ十五.五メートルと聴きましたが、途中で村役場総務課に寄り道して情報収集しますと、現地は補修工事中との事です。現地へ出向いて判明した事は、その後の津波対策として、水門と防潮堤の高さを一メートル程嵩上げ工事中でした。まず道順に従い、最初に普代水門を眺めます。遠目には普通の水門にも見えます。村議会での反対を押し切って村長が水門設置に説得したと聞きます。岩手県主管の工事と。村役場の説明では昭和四二年に竣工。普代水門近くには人家もまばらで水門の内側には津波被害の爪痕は見受けません。水門の海側では津波の爪痕を数カ所に渡り見受けました。これが思い立って一年半ぶりに出かけた現地訪問の現場です。
続いて太田名部漁港へと向かいます。県道のトンネルをくぐり抜けると漁港が目に前にあり、漁港復旧工事は現在も継続中で、漁港内には漁船がずらりと並んでいます。震災後にグーグルアースで眺めた同港には漁船の姿は津波で陸に打ち上げられたものしか見受けませんでした。震災後一年半でかなり震災前の状況に戻っています。漁船の数では鹿児島県内之浦漁港と同じ程度か、沿岸用の漁船が大半と見ます。
まもなく、太田名部防潮堤が見えて来て、集落へ通じる陸閘をくぐり抜けますと、そこには津波から難を逃れた百戸余りの家屋が山間に列なっています。(世帯数一〇五戸、人口三二六人 8/31現在)。この家並みを眺めて、安堵の気持ちが湧き上がると同時に、人間の本質を知る思いがします。人は生活できる場所に住み着いてしまうもので、大田名部集落は、海に面した狭い谷間に漁業を営む漁師の居宅がぎっしりと列んでおり、かれこれ何代続いているのでしょう。三陸沖と言う世界有数の漁場が、不便な土地をものともせずに、人々を定着させております。現地にで向いて初めて理解できる事柄です。水門と防潮堤が村を守った現場、政治の英知を考えます。
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車窓からながめるガレキ
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久慈市から三陸鉄道北リアス線で普代村へ向かう
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普代駅界隈の光景
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普代水門の全景
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普代水門と周囲の風景
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復旧された太田名部漁港と復興工事の看板類と防潮堤
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管理は地元消防団
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太田名部集落へ通じる陸閘と津波災害を逃れた家屋
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防潮堤上部の嵩上げ工事
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工事中の防潮堤から眺めた山側と海側
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太田名部漁港の光景
日本岩手県下閉伊郡普代村第8地割 太田名部漁港
昨年三月十一日に東北大震災が発生して、地震と津波、それに福島第一原発事故の惨状にネットやテレビ報道で唖然とするだけでした。岩手県釜石港はかって二回ほど、石炭専用船で豪州粉炭を新日鐵へ輸送した経験があります。それだけに同市の被害は見るに忍びないものがありました。そんな状況の中で、村を水門が大津波から守ったニュースが報道されているのを知ります。釜石市と同じ岩手県でも北部三陸海岸沿いにある下閉伊郡普代村、初めて知る村名でした。
地震・津波・原発事故と複合災害の報道される中で、災害を防いだ普代水門を世の中が治まったら現地見学に出向こうと気持が芽ばえます。グーグル・アースで現地を眺めますと、普代川に架かる普代水門と、すぐ隣の漁港に面した太田名部(おうたなべ)集落にも防潮堤と陸閘が有り、今回の大津波を遮ぎり被害発生を防いでいます。画面には大津波で被害を受けた同漁港と対称的に集落の家々が鮮やかに映し出されています。
単独で出かけるには、岩手県北部は未知の土地、幸いFP FAIR 2012が九月彼岸連休に仙台市で開催されるのに便乗して、二日前に現地訪問を企画しました。初日は久慈市泊り、ここで宿泊した旅館の隣が魚屋で、店頭に三陸沖で採れた鮮魚が並べられております。この豊富な魚類にヒントを頂きました。つまり東北地方東岸の福島県・宮城県・岩手県のリアス式海岸、沖は黒潮の暖流と親潮の寒流がぶつかり合う世界でも有数の漁場であります。中学校地理科の授業が思い出されます。
東北新幹線を二戸駅で下車してバスで久慈市へ向かいますが、途中で目にするの痩せた山地と狭い農地、漁業が岩手県の生計を支える下地を見物する一時間余りのバスの旅です。二日目、久慈市から普代村まで三陸鉄道北リアス線を電車で向かいます。季節が雪の降らない九月だけに、まだ冷え冷えとした光景は見受けません。駅を降り立ちますと。現地まで徒歩で向かう事にしました。片道、四キロ程度とみて、往復を徒歩で済ませました。現地の見学時間を含めて二時間三〇分間の視察です。
普代水門、高さ十五.五メートルと聴きましたが、途中で村役場総務課に寄り道して情報収集しますと、現地は補修工事中との事です。現地へ出向いて判明した事は、その後の津波対策として、水門と防潮堤の高さを一メートル程嵩上げ工事中でした。まず道順に従い、最初に普代水門を眺めます。遠目には普通の水門にも見えます。村議会での反対を押し切って村長が水門設置に説得したと聞きます。岩手県主管の工事と。村役場の説明では昭和四二年に竣工。普代水門近くには人家もまばらで水門の内側には津波被害の爪痕は見受けません。水門の海側では津波の爪痕を数カ所に渡り見受けました。これが思い立って一年半ぶりに出かけた現地訪問の現場です。
続いて太田名部漁港へと向かいます。県道のトンネルをくぐり抜けると漁港が目に前にあり、漁港復旧工事は現在も継続中で、漁港内には漁船がずらりと並んでいます。震災後にグーグルアースで眺めた同港には漁船の姿は津波で陸に打ち上げられたものしか見受けませんでした。震災後一年半でかなり震災前の状況に戻っています。漁船の数では鹿児島県内之浦漁港と同じ程度か、沿岸用の漁船が大半と見ます。
まもなく、太田名部防潮堤が見えて来て、集落へ通じる陸閘をくぐり抜けますと、そこには津波から難を逃れた百戸余りの家屋が山間に列なっています。(世帯数一〇五戸、人口三二六人 8/31現在)。この家並みを眺めて、安堵の気持ちが湧き上がると同時に、人間の本質を知る思いがします。人は生活できる場所に住み着いてしまうもので、大田名部集落は、海に面した狭い谷間に漁業を営む漁師の居宅がぎっしりと列んでおり、かれこれ何代続いているのでしょう。三陸沖と言う世界有数の漁場が、不便な土地をものともせずに、人々を定着させております。現地にで向いて初めて理解できる事柄です。水門と防潮堤が村を守った現場、政治の英知を考えます。
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車窓からながめるガレキ
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久慈市から三陸鉄道北リアス線で普代村へ向かう
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普代駅界隈の光景
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普代水門の全景
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普代水門と周囲の風景
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復旧された太田名部漁港と復興工事の看板類と防潮堤
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管理は地元消防団
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太田名部集落へ通じる陸閘と津波災害を逃れた家屋
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防潮堤上部の嵩上げ工事
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工事中の防潮堤から眺めた山側と海側
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太田名部漁港の光景
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