飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

(続)連載小説「幸福の木」 308話 夜空の華やかな光!

2022-04-29 21:13:34 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、いよいよ大型連休に入りました。
久々に多くの方々が里帰りや家族旅行に出かけるようです。
「もうふつうの風邪やインフルエンザ並みで、ちょっと恐れ過ぎじゃないですか?」なんて、
ワクチンも打たないウチの先生が呑気な事を言ってます。
中国も、人間力や強権では抑え切れないよ!なんても言ってます。
はい、何はともかく、原稿が届きましたので、早速、小説に参ります、はい、では開幕、開幕!

308 夜空の華やかな光!

皆の目は暗い山影の頂きの小さな岐阜城に釘付けになっていた。
「ドッカーン!ドドドドカーン!」
また空気を震わせる大きな音がした。
暗い夜空に、今度は大音響と共に、美しい光が岐阜城を中心にして四方八方へ広がった。
「えーっ、何だ、あれは何だ?」
太郎が皆に代わって思わず叫んだ。
「えーっ、あんな風に火花が飛ぶのはどうしてじゃ?なぜじゃ?あれは魔法か?」
長老が言うと、修験者も続けた。
「そうじゃ魔法なら、きっととんでもなく大勢のはずじゃ」
ハナ達は恐怖心が消えて、好奇心が勝った。
「わーっ、なにー?あれー?あーっ、綺麗ー!」
「わーっ、あんな綺麗な火って、見たことないわ」
ハナやハナナ達の声はいつしか歓声となった。
太郎達も長老達もただ驚くばかりで、魂が抜けたように口だけを大きく開けて唖然としていた。
外国の家族は、花火よりも皆の大袈裟な反応に驚いていた。
「ああ、そうでしたね、皆さん方は花火を見るのは、今回、生まれて初めてだったんですね?」
木花咲姫は、少し恥ずかしそうに顔を赤らめて笑っていた。
青い制服の彼女が謝った。
「あああ、ごめんなさい、遅れてしまいました。もっと早く言うべきでした。
早くお知らせするつもりだったんですが、話に夢中になっている内に時間が来てしまいました。
ごめんなさい、今回は外国家族の歓迎のための花火を打ち上げると聞いていました。その時間が来てしまいました。驚かせてすみませんでした」
青い制服の彼女は、何度も頭を下げていた。
「ああ、いいんですよ、サプライズのつもりだったんでしょ?外国の家族の方々は大喜びですので良かったじゃないですか?
わたくしの連れてきた皆さん方には、すこしショッキングな花火の初体験になってしまったようですけれど、きっといい思い出になると思います」
と木花咲姫はずっと笑っていた。
「なに?いい思い出じゃと?ああ、決して忘れない思い出じゃ」
「ワシは、心臓が止まりそうになった思い出じゃ、忘れようにも忘れられないじゃろう」
長老達や太郎はやや怒っていた。
「ドドドドカーン」
また大音響がした。
「あっ、今度は三尺玉です、現在一番大きな花火で、直系が約一メートル近くあります。花火は数百メートルの範囲に広がります」
「ひゆーーーー、ドッドッドカカーン!」
見上げる夜空いっぱいに、無数の美しい火花が広がった。
文句を言っていた太郎や長老達も、それにもちろんハナ達も、何もかもすっかり忘れて口を大きく開けたまま夜空を見上げていた。
やがて花火が終了して夜空には静けさがもどった。
「わーっ、すごかったわ、綺麗だったわ、あっと言う間だったわ」
ハナ達が満足そうに感想を述べた。
「ああ、すごかったな、見上げてばかりで首が疲れてしまった、それに腹も減ってきた、よーし、また食べよう、飲もう、なあ爺さん達よ」
太郎は起源良さそうに長老達の肩を叩いた。
青い制服の彼女は、皆のご機嫌な様子を安堵の顔で見ていた。
「あの、皆様、今度は早目にお知らせしておきますが、・・・これから一時間ほど後に、また夜空を御覧になってください。
今度は花火ではありませんが、同じように素晴らしい別のショーが見られます」
ハナナが、振り向きながら
「えっ、何?今度は何が見えるの?」
と友達に話すように無遠慮に聞いた。
「はい、それは見てのお楽しみで・・」
と彼女は教えてくれなかった。
「あーっ、ずるい、ずるい、教えて教えてー」
ハナナが児童のように甲板を踏んでいると、太郎が叱った。
「こらっ、ハナナ、うるさい!そんなのは聞かなくても決まってるじゃないか、この前、テレビに映っていた奴だよ、あれだよ、レーザー光線とか言う奴だよ、いろいろな色の光線でショーをするんだ」
と太郎が、自信満々に言った。
するとタタロも言った。
「ああ、見た事がある、きっとそれだよ」
「なーんだ、そんなのなの?たいした事ないじゃないの?」
がっかりしたハナナがつまらなさそうに言うと、制服の彼女が、
「さあ、どうかしら?それは見てからのお楽しみですね、また感想を聞かせてくださいね?」
と何やら自信ありそうに頬笑んだ。
さて、皆はその夜の宿泊は、観覧船内か、それとも長良河畔のホテルか、どちらか自由に選べた。
が、皆は夜のショーを甲板で寝ころんで見たいからと観覧船に泊まる事にした。
甲板に薄いクッションを敷いて、上を向いて寝ころんでいた。
やがて岐阜城のライトアプも消えて、街の灯りも余分な証明が消され真っ暗になった。
皆の目も、やがて暗さに慣れて見上げている夜空に、星々が少しづつ見えてきた。
近年の環境対策も効果が現れて、数年前から都会の空気も川の水も昔のように澄み切ってきていた。
「あっ、天の川が見える」
ハナナが叫んだ。
「あっ、ほんと!いつも見ていた天の川だわ、天の川って、昔も今も変わらないわね」
ハナが懐かしそうに答えた。
すると、せっかくの思いを壊すように太郎が怒鳴った。
「おい、まさか、素晴らしいショーって、この天の川の事じゃないだろうな?
都会でも、今まで見えなかった天の川が、今ははっきり見られるようになったとか?」
すると、がっかりした様子で長老が言い出した。
「おいおい、それじゃ、何かい?ワシ等はそんな事のために、わざわざホテルのベッドを断って、こんな甲板の薄っぺらい布の上に寝ているって事かい?そんな事だったらワシは嫌じゃ、こんなの止めてくれー」
ハナやハナナ達は、首を横に振って、すぐに否定した。
「でも、素晴らしいショーって言ったでしょ?」
「見慣れた天の川が素晴らしいショーって事はないはずよ」
「だったら、いったいどんなショーなんだ?」
甲板上に寝ころんで皆が好き勝手に話していると、
「あっ、あれ、あれ何?」
「スーー!」
明るい光が夜空を東に向って流れた。
「あっ、流れ星だ!」「流れ星だわ!」
皆がそれぞれに叫んだ。
その流れ星は夜空全体を横切るように長く光りながら流れた。
「へえーっ、それにしても大きな流れ星だったな?」
「そうじゃ、珍しく大きかったぞ、隕石が落ちたかも知れんぞ?」
「あれって、火球(かきゅう)って言うんでしょ?」
「そうよ、あんなに大きいのは珍しいわ」
皆が夜空を見上げながら話し合っていると、また大きな流れ星が出現した。
そして、広い夜空を長く横切った。
「わーっ、まただわ、今度も大きいわ」
「ああ、大きいな、しかも前と同じ方向へ東に流れたぞ」
「二回も大きな流れ星を見るなんて、めったにない事だ、縁起がいいぞ」
「ワシも長く生きているが、あんな大きな流れ星は初めてじゃ、しかも二度も立て続けに見るなんて、全く、何と縁起のいい事じゃ」
と長老達は興奮していた。
皆も静かになって、星が流れた跡の夜空を改めて見上げて感動した。
そして、久々に見た流れ星を思い出し、その余韻に浸っていた。
その時だった。
また大きな光と共に、流れ星が次々に出現した。
「わーーーっ!」
驚く事に、何十と言う明るい流れ星が、一挙に西の空に出現したのだ。
そして、それぞれが交差する事なく、長い光の線となって東の空へ川のように流れた。
(何って事じゃ。こんな流れ星なんて、見た事も聞いた事もない)
長老達はもちろん、ハナや太郎達も、驚きの限界も超えて、もう声すら出なかった。
見上げる夜空いっぱいの、そのスケールが大きかった。
少し前に見た花火とは比べものにならないほど、迫力が違った。
遠くて見渡す限りの広い夜空、その奥いきまですべてを使って広げられた誰も見た事のないような雄大で壮大な光のショーだった。

(つづく)

さて、ここまで載るかな?

意識が先、現実は後! (その 2 ) 思考は現実化する!

2022-04-27 13:59:38 | エッセイの部屋

前回では、肝臓のγgtの232だったのが、72に下がって喜んだ事を述べた。
しかし、正直なところ、去年の正月以来ノンアルコールビールに変えてアルコールを一滴も飲んでいなかったのに、年末の検査で232に上がっていたのは予想害の悪結果でショックだった。
もし、アルコールが原因でないとすれば事態はもっと深刻である。
ダイエットや筋トレは何とか続けていたから、他に改善する予知はもう精神生活しかなかった。
そこで私の日頃の漠然としたはっきりしない考え方、即ち信仰姿勢を改める事にした。
まず、一番根本的な考え方、つまり、心の奥のいつも思う信念のような考え方を次のように決めた。

もう地球は何千年の夜の時代から昼の時代に変わった。
そして、今の地球は三次元物質世界から五次元の天国世界に移りつつある。
私達は今既に天国に住んでいる天国人である。
天国人ならば病気も貧困も争いも無いはずである。
私は、常に主神の元に教祖や聖イエスやその他の方々の住む天国の神の家に住んでいる。

このように、いつもいつも心の中で思うようにすれば、私の魂や霊はそこに住む事になる。
自分の霊や魂が天国に住めば、「霊主体従」の法則によって、「体」の肉体も天国人らしくなり病気も無くなるはずだ。
よし、これを心の底から信じよう、信念としよう!
そして、自分の体の事は神様にお任せして、もう心配するのは止めよう!
それよりも、もっと大切な神様への奉仕に取り組もう。
それは、ご先祖様方や身近な方々や知人達を心の中で天国へ案内させていただいて、皆さん方が主神の子メシアとして新しく生まれさせていただく事だ。
そうなるように毎日祈らせていただこう。
一日に30分ほどお祈りしよう!

と決断した。
これが、改善した私の新たな精神生活だった。
そして、その後は、いつものダイエット、散歩や筋トレ、そして午後4時頃に30分程のお祈りを続ける事にした。
すると、どんどん体調も良くなり、筋肉も付いて心も体も、健康になっている感じがした。
これなら肝臓や他の臓器も、きっと良くなっていくだろうと思えてきた。
時々、フと心配が湧いてきた時には、
「もう私は天国に住んでいるんだ、天国や天国人には心配事などないはずだ、すべて神様にお任せしてあるから大丈夫、余分な心配心は捨てよう!」
と忘れるようにした。
そして、他の楽しくなるような事ばかりを考えるようにした。

こんな風に取りくんで来たところ、前述のように、願っていた以上の素晴らしい結果となった。

後になって考えてみると、やはり心配心を捨てた事も良かったと思う。
そう、心配も立派?な意識であり、思考である。
だとすれば、意識や思考は現実化すると言う事だから、心配事が現実化する事になる。
この時、以前に学んだ言葉を思い出した。
それは、
「不平は不平を呼び、喜べば喜びが来るぞ!」
感謝は感謝を呼び、不平は不平を呼ぶ!
と言う、大本教教祖やメシア教教祖の言葉だった。
 この教えもよくよく考えてみると、
意識が先、現実は後! 思考は現実化する!と同じ意味の事である。
つまり、喜んだり感謝すれば、その意識や思考が、新たな喜びや感謝事を現実化する、と言う事で、結局、同じ内容を言っているのだ。
なので、同様に、
心配をすると、その意識や思考がやがて現実化して、実際に心配事が起こる、と言う事になる。
だから、スピリチュアルでは、これを、
「ネガチブな事にフォーカスすると、それを呼び寄せてしまう、なのでネガチブな事にフォーカスしない事」
と言われる。
フォーカスするとは、集中して意識や思考する事である。
だから心配や恐れやさらに怒り恨み妬み嫉み等のネガチブな思考はフォーカスするのを早く止めた方が良い。
そう言う暗い事は、すべて表裏をひっくり返して見直せば明るい感謝やポジチブな思考に変える事ができる。
例えば、心配事や恐れなら、これがあったので神様に祈る事が学べたとか他人の痛みも理解できるようになったとか。
また、いじわるされた場合は、怒りや仕返しを考えるよりも、私がこれで鍛えられるのだとか、前世の厄落としやカルマの解消でこれが済めば、これから人生良くなるかも知れないとか、前向きに考えれば、ネガチブ思考を感謝やポジチブ思考に変える事ができる。
と言うように、どんな場合でも、いつでも心には明るい感謝やポジチブ思考を持っているのが天国人である。
それが今の私なのだ。
感謝やポジチブ思考の人には心に闇ができないから、悪とは無縁である。
しかし、心配や恐れや怒り妬み嫉み等の暗いネガチブ思考は、心の中に悪を喜ばせ成長させるエネルギーとなり、小さな闇が生じて悪が忍び込む隙が出てくる。
繰り返しになるが、ネガチブ思考は表裏ひっくり返して常に持ち続けないように心がける事が大切だと思う。
または、ネガチブ思考はすべて正直に、信じている神様や天にお委ねしたり預けたりして、自身が離れる方法もある。

さて、こうして述べていたら、次の言葉を思い出した。

「正しい願いは叶えられる」  神様

「私の辞書には不可能はない、なぜなら実現するまであきらめないからだ」  成功者

「百m選手の試合前のイメージトレーニング」  スポーツ選手全般

等々、これ等は、思考が先、現実は後、思考が現実化する!の具体例と思える事だ。
この例は探せば、他にもたくさん見つかりそうだ。
あっ、そう言えば、もうひとつ私の例を思い出した。

数年前に飛騨地区に教会の若い先生が赴任してきた。
教会の本部では春と秋の大祭に奉唱する献花を全国から募集していた。
その時、私は「よーし、奉唱歌を飛騨地区の私達だけで独占してやろう!」
ととんでもない事を言い出し、皆にも呼びかけ私自信も率先して初めて応募を始める事にした。
予想通り「そんな大きな目標なんて!」と新任の先生が目を丸くして驚き、愉快だった。
その先生がこの春に他の地区へ移動する事になり、責任者としての最後の春の大祭となった。
その時、奇しくも私の応募した献花が、初めて五首の奉唱歌に選ばれ、しかも一番始めに奉唱される事になった。
一首だけだったが、とんでもない大ホラの夢が実現した。
大祭当日にすぐ先生からの祝いの電話があった。
先生の担当中の最後の最後に間に合った!と私は願いが叶った事に感動した。
しかし、選ばれた歌は、私の自信作ではなく、おまけ?の歌だった。
応募時に電話で、もう一首書けるよ!と友人に言われたので、それならついでにと伝えた歌だった。
なので・・・?

(つづく)

(続)連載小説「幸福の木」 307話 クリスタル列車!

2022-04-23 16:03:17 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、暖かくなりました、南飛騨も村祭りも花さくらも終わって、緑萌ゆる季節となりました。
世界は旧いものの破壊と新しい萌芽が混沌として複雑です!なんてウチの先生が最近やや元気になって若作りしながら悟ったような事?を言ってます。
はい、何はともかく原稿が届きましたので、早速、小説に参ります、今回は、まちがいなく途中切れしますので、悪しからず、またのお運びを願います、はい、では開幕開幕でーす!

307 クリスタル列車!

「僕、やっぱり高い山に登って岩魚を釣ってみたいな」
この僕の一言が、予定を大きく変えるきっかけになってしまった。
「だったら、あたい達と一緒に旅すればいいよ、両親に聞いてみたら?」
ハナナが賛成すると、男の子は早速、両親に尋ねた。
両親は、遠慮がちに皆さん方がokならいいと答えた。
「それじゃあ、決りね、あたい達はokよ」
ハナナは笑顔で太鼓判を押して、隣のハナに了解を求めた。
それを見て、長老達が渋い顔で言い出した。
「ちょっと待て!それはまずいじゃろう?いくら何でも、ちょっとやり過ぎじゃ」
「そうじゃ、子供の頃にあまり甘やかし過ぎると、大人になってまちがいなく不良になるからな」
長老と修験者は、両親には聞こえないように小さな声で反対した。
「別にいいじゃないの?あたい達は元々大勢なんだから、少しぐらい増えても何でもないわよ」
性格が大ざっぱなハナナは爺達の懐の小ささに少し腹立たしいかった。
やがて太郎も口を開いた。
「別に俺達は元々予定なんか無さそうだし、どちらでもいいんじゃないかな?旅は大勢の方が面白いし・・」
太郎は自分が言い出した岩魚に、男の子が興味を持ってくれた事に気分良くしていた。
ハナは何故か爺達と同じ渋い顔で言い出した。
「でも、鷹コプターがもう一機必要になるわ、それに皇室の人達って、落ちたら大変だから、ミニ飛行機なんか乗らないと思うけど」
と現実的な事を言い出した。
「おお、そうじゃ、そうじゃ、落ちたらどうするんじゃ?誰が責任を取るんじゃ?」
勢いを得た爺達は、もう小声でなく大声だった。
「あの、わたしも少し事情を説明させてもらってよいでしょうか?」
話の流れを遮るように、急に、青い制服の彼女が言い出した。
「あの実は、このご家族はヨーロッパの小さなある国のロイヤルファミリーの方達なのです。それで、このお子さんは先々には皇太子や国王になる可能性のある方です。
今回は将来に備えて日本の観光事業の視察を兼ねて来日されたようです。
なので日本の皇室からも、くれぐれも丁寧に対応するようにと依頼されています。私達もできるだけご希望に添えるように努めております」
そう言いながら、彼女はなぜか甲板の片隅にちらっと目を向けた。
見上げていたケンが、すばやくその視線を追うと、黒い影が消えた。
皆はそんな事は気づかず、気にも止めなかった。
ロイヤルファミリーと言う、この突然の彼女の説明に、驚いた爺達は黙ってしまった。
すると、静かに見守りながら聞いていた木花咲姫が、口を開いた。
「あの皆さん、わたくしが思った事を申しますと、そうですね、、抑々私達がこの豪華な観覧船に乗る事ができたのも、このご家族の了解があったからです、なので互いに協力し合う事はどちらの国のためにも良い事だと思いますよ」
とニコニコ顔で答えた。
すると、太郎が隊長のように宣言した。
「それじゃ、これで決りだ!で、もう一機のこの家族用の鷹コプターはどうするんだ?」
太郎が命令するように皆を見回した。
すると、長老が、
「いや、この人達には操縦は無理じゃ、誰かが代わって操縦してやらなきゃ、そうじゃ、タタロじゃ、タタロが良い、ついでに小さな男の子はハナナの隣に乗ればよい、お似合いじゃ、これで決りじゃ、はっはっはー」
と村の会合のように、ひとりで決めて、ホッと満足したように笑った。
「ワンワンワンワン!」
またケンが甲板の片隅に向って吠えた。
ゴクウが内緒のように小さな声で言った。
「あの、さっきから、男の人が甲板の隅から、ずっと私達を監視しています」
「えっ?ああ、そんなの別の料理人か船の係の人じゃろ?気にする事じゃない」
修験者が無視した。
すると、木花咲姫の侍女が、
「ああ、たぶんシークレットサービスでしょう、私達は気にしなくてもいいですよ」
と何でもない口調で静かに言った。
「えっ、シークレットサービスって何だ?」
太郎には、何でもない事ではなかった。
「見張りじゃ、見張りじゃ、見てるだけじゃ、気にするな」
修験者が太郎の肩を叩いた。
すると、青い制服の彼女が補足した。
「はい、いわゆる秘密警察の方達ですね、皆に気づかれないように皇室や偉い方々を警護している人達です。
いつもどこかで見張っていて、いざと言う危険な時には、体を張って護衛します」
それを聞いた太郎は驚いて、
「えーっ、この子達はそんなに偉い人達なのかい?それじゃ、飛んでいるミニ飛行機なんか、どうやって守るんだ?」
と、思わず大声を出した。
「はい、その通りです。やはりミニ飛行機に乗るのは無理だと思います。その代わりに、いい方法があります。
幸いこの岐阜から長良河に沿って観光用の「クリスタル列車」と言う新しい列車が走っていますので、ここからはその列車で行かれた方が良いと思います。
今はこの「クリスタル列車」は子供にも大人にも大人気の列車なので、きっと気に入られると思います」
と明るい声で勧めた。
すると、木花咲姫が、
「そうですね、クリスタル列車はわたくしも調べてみましたが、長良河列車と飛騨川列車の二つがあるようです。これ等は美濃駅と美濃太田駅でどちらにも乗り入れしています。
ですから、ここ岐阜で乗って途中から長良河を離れて飛騨川沿いに行きましょう。そうすれば高山本線を北上して、ずっと奥の北アルプスふもとまで行けますから」
と言った。
「よし、そうと決まったら、今夜は思いっ切り食べたり飲んだりしよう、二日酔いでも列車なら、うるさく禁止されている飲酒運転にはならないからな」
と太郎が喜びの声を上げた。
「それを言うなら、飲酒運転じゃなくて、飲酒操縦でしょ?」
ハナが太郎の浮かれた気分に冷水を浴びせた。
「あの、そのクリスタル列車って、何がクリスタルですか?」
お姉ちゃんの女の子が英語で質問した。
「はい、クリスタル列車と言うのは、列車の外観が六角形の水晶を横にしたような形なので名づけられました。
もちろん窓や天上や横壁が水晶のように透明な物で作られていて、外の景色が丸見えです。なので大自然の中を走っているような体感が味わえます。
特に川の上の鉄橋を渡る時は真下が見えて恐いくらいなので、遊園地のジェットコースターのようなスリルがあると子供達には人気があります」
「へえーっ、そんなにスリルがあるの?でも、まさか落っこちたりはしないんでしょ?」
ハナナが興味深々になった。
「そりゃ、そうよ、落っこちたら、それこそ大変よ、秋には紅葉の深い深い渓谷も続くんでしょ?」
ハナは綺麗な紅葉谷を思い描いていた。
「はい、この列車は全体が鉄より堅くて丈夫な特殊なプラスチックで造られていますので、重心がずっと低くて、一般の列車より安定が良いのです。
さらに、地震の時には、すぐに軌道を掴む装置が働きますので脱線はしないそうです」
太郎は、詳しくは理解できなかったが、わざとそれを隠すように言った。
「へえーっ、そりゃすごい!最新の技術を取り入れたなかなかな列車だろうな?」
彼女は、それを質問だと思って丁寧に答えた。
「はい、ここの鉄道は電線無しの電化されていない鉄道だったので、今までは重油を燃やすディーゼル車でした。
しかし、このクリスタル列車は最新の燃料電池を利用したモーターで動く電車です。
ディーゼルでなく電気モーターなので、づっと静かになりました。
でも、昔のディーゼルの音が好きだと言う人達のために、水素エンジンを搭載した列車もあります。
どちらも燃料には、石油でなく水素ガスを使用します。
カーボンニュートラルの影響で、現在は列車だけでなく、乗用車やバスやトラックにも、石油から造られるガソリンや重油の代わりに水素が多く使われるようになりました」
早速、ハナが質問した。
「あの、水素水素って、その水素って、どうやって作るのですか?」
「はい、今、日本では太陽パネルで発電した電力で水を分解して作っています。また夜間に余った原発の電力を利用して、同じように水を分解して作っています。
また海外のオーストラリアや砂漠の国で共同開発して造った水素を輸入しています」
すると今度はタタロが質問した。
「あの、水素ってガスだったよな、火を付ければ燃えるんだったよな?爆発だってするんじゃないかな?危なくないですか?」
「はい、それは大丈夫です。液体にしたり、吸着剤に吸わせたりしていて安全に・・」
と彼女が説明していると、甲板上の夜空に変な音がしたので話が中断した。
何かな?と皆が思ったまもなく、
「ドドドカーン!・・ドドドカーン!」
と周りの空気も震わせたものすごい爆発音がした。
「きゃーーっ!」ハナやハナナは真っ先に悲鳴を上げた。
太郎や長老達もアーッと思わず驚きの声を上げた。
「あっ、山の上のお城が爆発したわ!」
「いえ、お城じゃないわ、あの山が、山が爆発したのよ」
「いや、爆発じゃない、噴火だ」
「いや、水蒸気爆発じゃ、噴火じゃ」
「いやいや、これから噴火するんじゃ、前ぶれじゃ」
皆は甲板の上で大騒ぎになった。
皆の目は暗い山影の頂きの小さな岐阜城に釘付

「穀雨」の晴れ! 緑萌ゆる飛騨

2022-04-19 21:11:37 | 俳句日記の部屋

花散りて 緑萌えゆず 飛騨路かな  湧水

春草を 刈れば小さき ボールかな  湧水

春ボール 埋まらぬように 草集め  湧水

返そうと すれど隠れし 春ボール  湧水

告げられて 触れし高さに チューリップ  湧水

チューリップ 茎元の草 柔らかき  湧水

電線に まだ来ぬつばめ 花畑  湧水

村のどか 人もつばめも わずかなり  湧水

電線に あまたつばめの 水田(みずた)かな  湧水

畦踏めば もぐら穴落つ 水田かな  湧水

賑やかな つばめかえるや 昼水田  湧水

店変わり 愛妻べんとう ごとき昼  湧水

川柳

あこがれの 愛妻弁当 ひとり身爺  いつもの弁当屋が倒産、小さな店に変わった

ようやくに 懸垂三回 筋トレ効果  下がるトレーニングで上がれるようになった

小さなる すみれは咲かず 女囲碁棋士 すみれちゃん残念、でもまだ13歳がんばれ!

意識が先、現実は後!

2022-04-18 22:47:33 | エッセイの部屋

思考は現実化する!
と言ったのは、少し昔の有名なナポレオン・ヒル氏である。
このタイトルの成功の哲学を学ぶための自己啓発書が有名である。
しかし、最近、思考が現実を造る!と唱える人達が多く出てきた。
特にスピリチュアルの分野では多くの人がそうだ。

私もついこの間、そんな体験をしたような気がする。
と言うのは、実は・・・
と長々と事情を述べようと思ったが、なかなか気が乗らず筆が進まない・・
その結論と言うのは、ブッチャケ、つい先週、病院での肝臓のγgtの値が下がって安心したと言う話だ。
・・どうも文章を第一人称で書こうとするから筆が進まないのかも?だったら第三認証で書いてみよう。

湧水は二年前の年末の人間ドッグの悪い結果に大ショックを受けた。
そこで、一年前の昨年の正月からダイエットと運動と精神生活改善に命をかけて?取り組んできた。
ところが、一年経った昨年末の人間ドッグの結果は、全体的に多少は改善したものの、一部でははかばかしく無かった。
それが肝臓のγgt値だ。
一年も禁酒しているのに、γgt値が下がっていなかった。
いや、それどころか上がっていた(200越えていた)。
だとすれば、原因は酒のせいではない、他の原因かも?
だとしたら?と想像するとお先が真っ暗になった。
そこで、またまた心配となり、改めてダイエットと運動と精神生活の見直しに力を入れた。
ダイエットと運動は続けているが、精神生活に欠けている面があるのだろうか?
見直そう、足りないと思った事は追加しよう?
・・いや、きっと大丈夫だ、良くなるだろう、おまかせだ!
・・・
で、結局、4月14日に病院で知らされた結果は、γgtが下がっていた。
しかも今までに無かった低い数値だった。(正常値をほんのわずかオーバーしているだけ?70前後?)
湧水は良かった良かった!これで安心だ!と感謝した。
過去の数値は最悪の年は350で、その後は酒を減らして120~150だったが、前回はそれが200を越えていた。
今回病院でお医者さんは、他の臓器の話ばかりで肝臓の事は数値が低かったためか話題にしなかった。
湧水は嬉しくなって希望が湧いてきた。
これで肝臓は良くなった、よーし、それなら今度は膵臓と腎臓だ。
やはり、思考は現実化する!と言うのは、確かかも知れない。
もう一度、試してみよう!
と湧水は思った。
その思考の詳しい内容については、湧水自信がまだ説明の整理ができていないので、次回にしようと思った。

(つづく)