ハイハイハイハーイ、オマタセ、イヤイヤ大晦日ニナッテシマイマシタ。
ウチノ先生ガ原稿ノ途中デ歳取りノお供えヤ鏡餅飾り付け等ヲ始めテシマイ、原稿モ遅れテ、コンナ時間ニ届きマシタ、マアモウ今年モ終わりデスノデ、良かった良かった!ト言う事ニシテ、ハイ、早速小説ニ参りタイト想いマス、ハイ、デハ、開幕開幕!
291最後の審判とメシア降誕?
機花咲姫の話は途中で休憩となった。
ハナ達や太郎達は侍女が配ってくれた飲み物とお菓子に飛びついた。
「ボリボリ、ただ話を聞いているだけなのにお腹が空いたわね」
「そうね、ボリボリ、でも、あのさ、頭を使うとすごくお腹が減るんだって、村一番の将棋爺さんが言ってたわ、ボリボリ」
「それって本当みたいね、だったらあの爺さんは食いしん坊じゃなかったのねボリボリ」
そんな話を聞いていた長老と修験者が、ゴソゴソと話し始めた。
「やれやれ大変な話を聞いてしまったもんじゃ、これから四万年後の事じゃが、その頃にレムリア大陸とアトランチスとか言う大陸が海底に沈んで、それだけじゃなくワシ等の住んでいる大陸も大洪水が起こるそうじゃ?」
その長老の言葉に、修験者も同じ渋い顔で合槌を打った。
「まったく、だとすると、その頃に生きている人達は大変なんてもんじゃない、ああ、ワシ等も、できたらその頃には生まれたくないのう」
長老は渋い顔をさらに渋くして言った。
「そうそう、どうせ生まれるなら、四万年後のその大陸沈没や大洪水の後の方がいいのう?」
修験者は首を横に振った。
「いやいや、まだまだじゃ、その後も一万年ほど経って人口が増えると、また人間は戦いや争いばかりするそうじゃ、困ったもんじゃのう?」
すると、長老は少し明るい顔になった。
「そうじゃ、その頃イエスキリストと言う偉人が生まれると言うから、どうせ生まれるなら、その頃がいいかな?」
しかし修験者は首を振り続けた。
「いやいや、まだまだ戦いや争いはすぐには無くならないから、その後の、さらに2000年後のもうひとりの偉人が出てきた頃がいいのじゃないかな?」
すると長老もうなづいて、
「そうじゃ、そうじゃった、その頃はもう新しい平和な時代が始まったところじゃからな、きっと希望いっぱいの楽しい時代じゃロウ」
と二人は元々の明るい陽気な顔にもどった。
ハナやハナナ達にも爺達の話が聞こえていた。
突然、ハナナが言った。
「あのさ、変だわ、洪水の一万年後に神様が選んだ偉い人が出てきて、戦いを止めるように言ったのでしょ?どうして人間はその声に従わなかったの?」
「そうね、それに次の偉い人が出て来るまで2000年もかかっているなんてどうしてなの?」
ハナもハナナに続いて愚痴った。
長老や修験者達は、すぐには答えられなかった。
しばらくすると、誰かガボソッとつぶやくような声がした。
「それができるくらいなら、大陸も沈む事は無かったさ」
皆が顔を向けタ先ニハ、ゴクウの遠慮がちな顔ガアッタ。
ゴクウは同じ調子で言い続けた。
「結局、人間は悪の誘惑に負けて、どんどん悪に染まってしまったのだと思うよ。だから文明が堕落して自ら滅びる運命を引き寄せたんだ。・・そんな事を昔に父の白猿から聞いた気がする」
「・・・」
皆は黙ってしまった。
が、ハナダケは白猿という言葉を聞いて懐かしくなった。
そして、一緒に旅した時の事を思い出していた。
やがて木花咲姫が口を開いた。
「はい、皆さん、頭の疲れは取れましたでしょうか?甘いお菓子ですから美味しかったと想います」
とハナやハナナに頬笑みかけると、特にハナナは満面笑顔ニナッタ。
「さて、先ほどは、皆さん方で話し合いをされていたようですが、わたくしは離れた所で聞いておりまして、大変素晴らしい内容だと感心しておりました。
本当に、賢いオ猿サンノ言った通りで、人間は悪に負けてお互いに争いや戦いばかりをしてせっかくの文明の利器も悪用して、自らの文明を滅ぼしてきたのです。
しかし、地球モこの世モ主神が創造されたものですから、主神はいつまでもそんな事は許されません。
深い訳があって、それまでは悪が比較的に強い時代だったのです。
このような悪の強い時代を「地球の夜の時代」と呼んでおります。
ところが、主神はある時を境にして、この「夜の時代」を打ち止めにして、善の強い時代つまり「昼の時代」にします。
その時と言うのが、約五万二千年後である、イエスキリストが生まれてから二千年後の時代です」
話を聞いていたハナやハナナ達は、
(また五万年だわ、ずっとずっと先の話だわ)
と興味ヲ失いかけた。
「あの、皆さん方は、遠い先の話だと想っておりますが、皆さん方もきっとこの時代に地球に生まれているのですよ、その頃は地球の人口がたくさんになりますので、多くの人達が地球上に生まれる事になります。決して他人事ではありません。せっかくのチャンスですからしっかり話を聞いておけば、その時代に皆さん方が間違った方向へ進む事は避けられますよ」
と諭した。
この言葉に、皆は背筋を立て直した。
サラニ木花咲姫ハ、
「アナタ方ハ、今聞いてモ、ソンナニ遠い未来ニハ忘れてシマウワト想うカモ知れませんガ、ソンナ事ハアリマセン。絶対に忘れない!ト魂ニ刻めば、例え忘れても、アレッ、コレジャナイワ、何か違うワ!ト潜在意識ガ働きマス、ナノデ今真剣ニ学んでオク事ハ無駄デハナイノデスヨ」
ト付け加えタ。
「あの、イエス・キリストって言う人は、どんな感じの人なんですか?」
何を想ったのか、不意に太郎が聞いた。
「へえーっ、太郎兄ちゃんがそんな質問をスルナンテ?
言ってオクケド、魔術を使いこなす祭主や王様みたいなタイプじゃないわよ」
トハナがからかった。
「そうよ、綺麗な女王の奥さんや王女のある、多勢の兵士を従えた大王とも違うわよ」
ハナナも冷やかした。
スルト、ムッとしタ太郎が怒鳴った。
「こらっ、何も知らないお前達は黙っていろ!俺は真剣に聞いているんだ」
ハナ達は少し太郎の態度が変だなと想ったが、とりあえず黙った。
「はい、大変良い質問でした。わたくしもお話ししようと想っていた所です。
後に、地球上ではこのイエスキリストの生まれた年を起源としる暦が世界中に流通しました。
その暦は西暦と言う呼び名で、イエスが生まれた年が西暦元年です。
その暦で言えば、今わたくし達のいる時代は約五万年前と言う事になります。
サテ、イエスノ頃は、世界中で中東でも多くの民族が集まって国が成立していて、各民族や各国はそれぞれの民族の神を崇拝スルノデス。
例えばエジプトでもギリシアでも中東でも神話を中心にしてそれぞれの神様達を崇めルノデス。
しかし祭る神は、創造主である主神でなく、主神の下で働いている様々な神達なのです。
そのために、自分達の神の方が正しいと言う争いが起こるのです。
そこで主神はそうした神々ノ違いニヨル人間達ノ争いを止めさせ、人類の今までの罪をモ赦し、争いや病や貧しさの無い理想ノ地球創造ノ目的ヲ完成サセルために、とうとう最後の手段を行う事になるのです。
それがイエスです、イエスと言う神の子をこの世に送り出すのです。
スルト、まず、このイエスキリストは人々にやがて平和な幸福な世界が来る事を福音として伝えます。
そして、最後に自ら人類のすべての罪を背負って「あがない」として十字架に貼り付けになルノデス。
この刑デ流された血ノアガナイによって、全人類の今までの罪ヤ未来ノ罪が赦されるのです。
ソウシテ、その後、このイエスキリストの教えは中東から地中海周辺のローマ帝国に広がるのには多数の殉教者が犠牲になルノデス。
しかし最後にはローマ帝国の国教となり、その後ヨーロッパ全土や世界各地へ広がる事になるのです。
そして、その二千年後には世界中にひろがって、東の果ての日本と言う国にまで伝わるのです。
ソシテ、イエスの「神の国が近づけり、汝(なんじ)ら悔い改めよ!」と告げた福音も世界の果てまで伝わるのです。
まさしくその時に、世界の東の果ての日本に、顕著な奇跡を現すモウ1人ノ偉人が生まれ、宗教を立ち上げるノデス。
そして、地球ノ夜昼転換が始まった事ト、イエスの福音の天国は今から造られる事ヲ伝えるノデス。
サラニ晩年ノ昇天直前ニハ、ソノ教祖ノ中にメシアガ降誕した事ヲ伝え、やがて全人類ノ心の中にも同じメシアが降誕する事ヲ伝えるノデス。
コレハトテモ画期的ナ事デ、ソレマデノ2000年間メシア降誕とはイエスキリストが再臨されると思い込んでいた信徒ノ人々も驚く事になるのです」
ト言って木花咲姫ハ口ヲ閉じた。
(ツヅク)
ハイハイハイハーイ、イヤイヤ話ガ少し込み入ってマイリマシタ。
マア、世の中モ過渡期デ込み入ってイルヨウデスノデ、話モソウナルノデショウ。
ハイ、ドウカ文字オーバーニナリマセンヨウニ!ハイ、今年一年間お世話ニナリマシタ、デハ、良い新年ヲ!!!