飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

春一番 浅田真央ちゃんとぶ!

2010-02-24 18:51:34 | 俳句

氷上に 真央ちゃん飛んで 春一番  湧水

バンクーバにようやく浅田真央ちゃんのお出ましとなった。
なにせ未だ金メダルが一個も取れていない日本では、前回の荒川静か香さんのように最後に有終の美を飾ってほしいと、おばさん達や婆ちゃん達がテレビにかじりついている。
あっ、一番はキムヨナさんだったっけ?すると冒頭の句は、春一番じゃなくて、春二番かな?まあ、あさってもあることだから、春一番でいくことにしよう。
昨日か一昨日だったか、福井県で春一番が吹いたと言うニュースを聞いた。
とたんに昨日今日と全く春になってしまった。北風に取って代わって暖かい南風、こち吹かばではないが、嬉しさでいっぱいになった。

張り詰めし わが身ほぐして 春風かな  湧水

地鶏小屋 ひっくり返して 春一番  湧水 

放し飼いの休耕田のど真ん中の鳥小屋。
寒い北風に備えて板壁などあるが、南側は暖かい陽射しを取り込まんと大きく開いている。その鶏小屋が強い南風でひっくり返った。
コーココケッツココーともう鶏達は大騒ぎ。さぞびっくりしたことであろう。餌をくれる人間様が気づいて小屋を元へもどしてくれるまで、コケコッコーと訴え続ける。それはたぶん人もそんな目に会えば同じことをするかもしれない。よく災害に会ったお婆さんのインタビューなどでそんな光景を目にする。

現在は二十四節気の大寒、立春、雨水、啓蟄、の雨水と啓蟄の間にある。雨水とは文字道理雪が雨になる頃で、啓蟄とは冬眠していた虫達が出て来る頃と言う意味だそうだ。

ゾロゾロと 老い等バス乗る 啓蟄かな  湧水

老いの談 バスに花咲く 飛騨に春  湧水

いや、驚いた!暖かくなったら急にお年寄りの人たちが大挙して路線バスに乗り込んで来るようになった。皆暖かいためかニコニコ顔である。啓蟄とは土中の虫のことばかりではなさそうだ。
それともうひとつ。
キムヨナちゃん転べ!なんてはしたないことを思うのはやめましょう、前回のワールドカップで日本が韓国を「共に決勝リーグへ進もう」と応援している光景を見て、「いや日本を見直した」と感動した韓国青年が多くいたとのこと。ライバルがいてこそ、互いに伸びるらしいから、正々堂々フェア精神で!


プラスチック容器シュレッター試作に向け 第弐弾!

2010-02-22 15:57:16 | アイデア

今日は平成22年2月22日、2の数字がよく並ぶ、記念に何かするといいかななんて思いつつ。
気候の変わり目のためか、体調が悪い。それにバンクーバのテレビのせいか、何故か落ち着かない。
さらに、外付けきーぼーども慣れず使いにくいなんて言ってると、いつまでもヴログが更新できないからと思って、pcに向かってみた。
つい先日、ある知り合いと話していたら、仕事がないと言っていた。
それで前回提案したプラスチック容器のシュレッターを早く製品化できないかと、さらに具体的に試作方法を考えていたら、前回の案ではぷらすちっく容器の切断がうまくいかないことが判った。志行実験ならぬ思考実験である。
それで今回修正案を掲載するが、これなら、まちがいなく製品化しても大丈夫だと思う。

前回は二つのローラーでプラスチック容器をはさんで、回しながら一方についているドーナツ形の刃で切断すると言うもの(ドーナツ形の刃は2~3センチ間隔に付いていてプラスチック容器を細長く切断する)だったが、今回の案では、もう一つローラーを増やして、三個のローラーを使用するものである。
初めの二個のローラーでプラスチック容器をしっかりはさみ、回しながら確実に奥へ押し込む。次に二番目のローラーと刃のついた三番目のローラーで切断するのであるが、この刃の付いたローラーは回転を少し早くして、刃がプラスチック表面をこするようにする。
こうすれば前回より切れ味が良くなる。
構造は、上からプラスチック容器を入れて、下に細長く切断されたものが落ちるようにする。下には燃えるゴミ袋を入れる木製の箱を設置する。動力は、初めは手で回す手動式で、次にモーターを使用した電動式を考える。

① まず、一番上に表面をすべりにくいゴム層等で覆ったローラーを設置する。その真下に、ドーナツ形の刃の付いたローラーを、触れない程度に離して設置する。
② 次に、二番目のローラーを上記の二つのローラーの間に双方に接するように横に設置する。このローラーは前回のように、三番目のローラーの刃がキッチリ収まる溝が付けてある。また表面は一番芽のローラー同様にゴム層で覆っておく。
③ 二番目と三番目のローラーは歯車等で回転力が伝わるようにして、三番目の刃の付いているローラーの回転は他のローラーより早くなるようにする。手動の回転レバーは3番目か2番目のローラーの軸を回すようにする。
これで、全体の構造はごみ袋の入った大きな木箱の上に、木製のカバーで覆われたローラーがあり、一番上と二番目のローラーの接触部分が見えるように細長い四角の口があり、そこへプラスチック容器を押し込むという格好となる。
言葉だけの説明なのでわかりにくいが、図に描けばもっと簡単にわかると思う。
と言うことでどなたか製品化してください。売れることはまちがいなし。



西行と如月

2010-02-16 22:55:34 | 俳句

バスと春 待つ身吹き打つ 寒風かな  湧水

春がすぐ来ると思っていたら、案の定まだ如月(きさらぎ二月のこと)、そうは問屋がおろさない、またまた寒風が吹きすさぶようになった。春まだ遠しと言った感じである。
西行の有名な歌に、

願わくば 花のモトにて 春死なん その如月の 望月のころ 

と言うのがある。この歌の花とは桜のことで、歌の意味は桜の花の下で満月の時、死にたいと言うもので、西行法師は、その望みどうり2月16日に亡くなったらしい。
と言っても、これは陰暦の2月16日で、今の暦では三月末か四月初めだろう。その頃ならばまちがいなく桜の花が咲いている。しかもその頃は満月だ。
ある本の西行の所を読んでいて、ふと如月の歌を調べたら、偶然にも今日が亡くなった日であった。
そう言えば、

こわくない! 皆で渡れ・・・ぬ 肺ガンかな 

友人が肺ガンで亡くなった。昨年も同様に同級の友人がなくなった。どうも今は死亡原因の第一番と言われるが、本当らしい。
私もタバコを吸っていた。幸いにも「いた。」と過去形でいえる。二十年ほど吸って、無事止めることができた。どのように止めたかはまた次回に。
小さき芽に こもりし春の 飛騨山路  湧水 

春浅き 山路は雪の グラデーション  湧水 
ようやくメダルが取れた。これでpcに向かう気になった。
が、今回、事情が出て来た。それは、今まではノートパソコンのキーボードを直接打ち込んでいたが、今回外付けのキーボードを使い始めたので、慣れないためブログの更新も遅くなりそうである。
あまり長い間パソコンに向かうと体に悪いと、友人がシールをくれたので貼ったところ静電気はなくなったが、私は音声ソフトを使っているので画面を見る必要は無いことに気づいて、外付けキーボードを使うことにした。
と言う訳で、しばらくの間更新が遅れるのでご容赦を!



連載小説「幸福の木」 その 23 話  天空の森から白峰へ

2010-02-13 13:29:27 | 小説

ハイハイハイハーイ。おまたせ、飛騨の小路 小湧水です。
始まりましたね。バンクーバ。うちの先生、急に冷凍庫から、ネットで買った米粉パンを取り出して、「パン食う番!パンクウバン!」だって。忘れていたみたい。何かかじりつきで見てるようですから、しばらくお休みですかね?
温泉に入りたいなんて言ってますけど、太郎やはなの話が年寄りくさくならなきゃいいんですが、では、早速、あっ、今日はバレンタインデーでした。郵便屋さんが何か持って来たみたい。今年はチョコレートが何個取れるか?微妙ですね。あれっ、金メダルとまちがえました。
「むずかしや今年の チョコと 金メダル」
なんて。はい、おあとがよろしいようで。
はい、では改めて、開幕、開幕!

23  天空の森から白峰へ

「何?伝言だって?おいタヌ公!いったい誰からの伝言だ?」
と太郎が怒鳴った。
「えっ、決まってるじゃないですか。あの小人達ですよ」
とタヌキは小馬鹿にしたような顔をして答えた。
「なに!あの小人達だって、いや、聞きたくもないや。どうせ、ざまを見ろ!とか言うんだろ。くそっ、白ヒゲめ」
と太郎はプイッと背を向けると、
「ああ、そうですか。聞きたくなければいいですよ。別にあっしも好き好んでやってるんじゃないんですから、それじゃ、失礼しますよ。いいですね」
とタヌキはそっけなく言いながらも、そこを離れようとはしなかった。
「ねえ、タヌキさん、小人達はどこかへ行ってしまったの?幸福の木も持って行ったのかしら?」
とはなが声をかけると、
「そっそうですよね。知りたいですよね。伝言はそのことなんですよ。ああ、いやだ、でも、しょうがない、伝える約束で放してもらったんだから。いいですか。一回しか言いませんから」
とタヌきは今度ははなやユリア達に向かって言い出した。
「やっぱり、それでお前はタヌキ汁にならなくてすんだんだ。あの白ヒゲのやりそうなことだ。おい、タヌ公、ヘタなことを言うと、お前が白ひげの代わりになぐられるんだぞ。その覚悟ぐらいはできているんだろうな?」
と太郎が口を出すと、タヌキは
「ああ、やっぱりいやな役だ。いいですか。まず、長老とか言う小人からの伝言ですが、ええーっと、まず、残念じゃが、お別れとなった。わし達はこの森を去ることになった。もう会うことはないじゃろうが、もし会うことがあれば、今度は正直になり切ることじゃ。そうすればいい案が出てくるじゃろう。では、さらばじゃ。だって」
と言うと、太郎が、
「ふーん、どこへ行くんだ?それにいい案とは何のことだ?」
と詰め寄った。
「ちょっ、ちょっと待って。そんなことあっしは知りませんよ。でっ、では、次に隊長からの伝言ですよ」
と言うと太郎がタヌキに近寄りにらみつけた。
「やっ、やりにくいな。いいですか、ええーっと、おい、お前達がここへ来ることはわかっていたから、ここにタヌキを待たせて伝言をするが、このタヌキもお前達も初犯だから一回は更正のチャンスを与えることにしたんだ。よく反省して今後は何事も正直に生きろ、そうすれば考えてもよい。だが、我々は遠くへ行くから、もう会うこともないだろう。だって」
とタヌキが言うと、太郎やはな達は黙ってしまった。
ひとしきり、沈黙が続いたが、やがて太郎が
「ふーん、遠くへ、うーん、どこへだろう。まあ、仕方ないなあ、我々もこの森を出て追いかけるしかないな」
と、つぶやくように言った。
「でも、この森を出るのも大変よ。まっ先に、あの大蛇がいるわ」
と、はなが言うと、太郎は、
「ここにいい奴がいるじゃないか。タヌ公だよ。今までの罪ほろぼしに今度は自分が食べられるんだ」
と、あっさり言うと、タヌキは顔色を変えて、
「とっ、とんでもない。そっ、そんな話になるんなら、来るんじゃなかった」
と、あわてて逃げようとした。
「でも、タヌキさんの罪ほろぼしで、入り口を通れても、あの金竜の前も通らないと出られないわ」
と、はなが付け加えると、太郎はブルッと体を震わせて
「いや!止めてくれ。思い出すだけでぞっとする。絶対に嫌だ。そう、あの山を越えるしかない。山越えの道を歩こう」
と言って、白く聳える連山を指差した。
「えっ、山を越えて行くんですか?そんなことできるんですか?聞いたこともないですけど」
とタヌキが驚いた。
「ああ、そうだよ。おい、タヌ公、お前も行きたいか?行きたいなら連れていってやってもいいぞ」
と太郎が言うと、タヌキは
「えっ、本当ですか?そんなことができればこれから、あの大蛇の穴を通らずすむので、もう嬉しいなんてもんじゃないけれど、本当に本当ですか?」
と念を押した。
「ああ、本当だ。お前が一緒だと俺達も都合がいい」
と太郎が答えた。
「いえ、あっしが一緒でも、山越えの道は全然知りませんよ」
とタヌキが言うと、
「いや、道に迷って食べ物がなくなった時、十分役立つよ」
と言って太郎がクスクス笑った。それでもタヌキは
「ええーっ、どうしてかな?他にあっしが何か知ってることがあるかな・・」
と考えていると、
「汁、汁だよ、タヌキ汁だ、馬鹿だな」
と言ってゲラゲラ笑った。タヌキはまっ赤になって、
「ひどい!真面目に話してたのに、もう、勝手にしろ」
と怒って立ち去ってしまった。
「タヌ公め。あれで、いい薬になったろう。今回相当こわい目に会ったから、これからは、もう悪どいことはやらないだろうよ。かなりおくびょうな奴だからな」
と、太郎は、去っていくタヌキのコセコセとした後姿を見ながら言った。そして、フッと白ヒゲの隊長が、タヌキをこらしめただけで許したのだろうと感じた。
あの白ヒゲも、話せばいい奴かも、と太郎は思った。
タヌキの姿が見えなくなると、
「それじゃ、私もここでお別れの時が来たようね」
と白ウサギのユリアがそっと言った。皆がビックリして顔を見ると、
「私は女王様に言われて来たのよ。事の次第は伝えておくわ。とにかく、あなた方が無事だったから、私の役目もうまくいったことになるわ」
と、何か悲しい別れの気持ちを振り切るように言った。
「ええーっ、ユリアさんも帰ちゃうの?せっかく仲良くなれたのに」
と、はなが泣きそうになった。
「いえ、はなさん達はずいぶん成長したわ。もう私なんかいなくても大丈夫よ、ゴクウさんもケンさんもいることだし」
とユリアははなの肩を撫でた。
「いや、僕も去る日が来ますよ」
と急に言うゴクウの言葉に太郎とはなはドキッとして顔を見た。
「そんなはずはないよ。ゴクウはこの森にタヌ公と一緒に住む訳じゃあるまいし、・・」
と太郎が言うと、
「ははは!あのイブですか?いや、冗談ですよ。もっと先のいつかですよ、ははは」
と、ゴクウが舌を出して笑うと、はなやユリアや太郎も笑い出した。ケンもシッポを振ってワンワン吼えた。
「よし、今夜はお別れ会をしよう。ちょうど宴会の残りの食べ物もあるし、そうだ、ついでに今までの疲れを取って新しい出発するための祝いもしよう」
との太郎の掛け声に、焚き火を起こし、皆で宴会の準備に取りかかった。
そして、ちょっと欠けた満月が森の上に昇ると、その光の下でいつまでも騒いでいた。
翌朝、目が醒めると、ユリアの姿はなかった。
「あっ、ユリアさんはもう発ってしまったのね。リボンをあげて、さよならを言いたかったのに」
と、はなが残念そうに言うと、ケンがワンワン吼えた。
「あっ、ひょっとしたら、ユリアさん?」
とケンの吼え続ける方を見ると、タヌキのあわてて隠れる姿が見えた。
「何だ、タヌ公か。あいつ、まだこの辺をウロチョロしてたのか。いいから、放っとけ」
と太郎が言い捨てると、皆は新しい旅の支度に取りかかった。
「さあ、この森を取り囲んでいる連山で、どこが一番低そうか見てみよう。そこへ向かって進むんだ。この森もかなり大きいから、その山のふもとに着く頃にはもう春になっているだろう」
と言うと太郎は遠くの白い峰峰を手をかざして仰いだ。
その時、
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」
とトビの声が久しぶりに聞こえた。
「あっ、タカコだわ。また、タカコは村へ行ってたんだわ。おかえり、タカコ」
と、はなは空を見上げて手を大きく振った。
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」
タカコも嬉しそうに鳴き返した。
「おーい、タカコよ、どっちの山へ行ったら越えられるか教えてくれ、わかったかーい?」
と太郎が叫ぶと、タカコは急に向きを変えて、北西の方へ飛んで輪を描き始めた。
「おーい、ありがとうー。わかったよ。そっちの方向へ進むよ」
太郎は手を振ってお礼を言った。
「よーし、目指すはあの峰だ。さあ、新しい旅の出発だ」
太郎の掛け声に皆で歩み始めた。
ところが、いつもなら、先頭をゆずらないケンが後でキョロキョロしている。
「おい、ケン!何をしているんだ?早く前を進め」
と太郎が怒鳴ると、ケンがワンワン吼えた。その先に、またタヌキの姿が見えた。
「あっ、タヌ公か?はーん、あいつもひとりぼっちで、誰か話し相手がほしいんだろう。そうだ、また、温泉の場所を教えてもらおう」
と言うと太郎は
「おーい、タヌ公、仲良くしよう。温泉の場所を教えてくれたら、仲間にしてやってもいいぞ」
と叫んだ。するとタヌキはすぐやって来て、
「ほっ、ほんとうですか?この先に温泉ならいっぱい有りますよ。そりゃいい湯ばかりで、はい、あっしも久しぶりにゆっくり入りたくて、ええ、この森もおとなしいつまらない奴ばかりで・・・」
と早速話し始めた。そうこうしているうちに、皆で昼間から温泉に入るはめになった。
「ああ、いい湯だな。そう言えば本当に久しぶりだな。ああ、気持ちいい。疲れが去っていく気がする。なあゴクウ」
と太郎がご機嫌で言うと、ゴクウもケンも気持ち良さそうにお湯の中で合槌をうっていた。はなは離れた所で洗濯をしていた。
「ところで、タヌ公よ、フト思ったんだけど、お前、どうして、大蛇に化けてあの洞窟を通らないんだ?それに、どうしてこんないい所を出たがるんだ?冬も暖かいし、食べ物も年中有るし、言うことないじゃないか」
とタヌキに聞いた。タヌキはキョトンと手を止めて、黙っていたが、やがて、
「いや、確かに。そんなことヘビに化けるなんて、思いつきもしませんでした。ああ、そう言えばそうですね。どうして今までそんなことに気づかなかったんだろう?」
と太郎の意見に感心すると、太郎はますます機嫌が良くなった。
「それに、ここは寒さや食べ物には不自由なく、苦労も無いけれど、何かつまらないんですよ。何かドキドキワクワクすることをしたいんですよ。せっかく生まれて来たんだから」
と、タヌキが言うと、太郎は
「へーっ、ぜいたくな悩みだな。世の中は広いな。そんな悩みもあるんだ、きっと村の人達は信じないだろう」
と感心していた。
「いや、それは無理でしょう」
と突然ゴクウが会話に割り込んできた。
「えっ、何が無理なんだ?ああ、化けること?なんでなんで無理だとわかるんだ」
タヌキと太郎が同時に聞き返した。
「タヌキさん、あなたがだませるのは人間だけでしょう。要するに知能のある動物だけですよ。相手にそう思い込ませるだけですよ。目の悪いヘびから見れば姿は何も変わっていないですよ。それに匂いも変わらないから、人間以外は無理でしょう」
とゴクウが説明すると、
「なるほど、確かにその通りだな」
と太郎とタヌキは感心した。
「ああ、やっぱり、山越えしかあっしの出口は無いか!」
とタヌキは嘆息した。
そんなこんなで、結局太郎達はのんびりした温泉旅行を続けていた。そのうち、ようやく、西北の山々の懐に到着した。
ここからは、平らな森は終わり、急斜面の山道となり、その先は巌の険しい道が続いていた。
「さあ、いよいよ、ここからが本当の第二の旅だ。今までは骨休みみたいなものだ。タヌ公、お前はどうするか知らんが、我々は心新たに出発するぞ」
と太郎が言うと、はなやゴクウやケンは、目の前の山々を見上げて、身も心も引き締まった。タヌキはまだ迷っていた。その時、一陣の春風が皆の中を吹き抜け、はるか前方の高い峰の方へ吹いていった。
「さあ、出発!」
太郎の声に先頭のケンが元気よく駆け出した。

「幸福の木」 第一章 終わり

ハイハイハイハーイ。とうとう第一章の終わりとなりました。長かったですね。いや、いろいろと大変な旅をしましたね。太郎やはなもけっこう大人になったみたいです。けど、目的はまた遠くへ去ってしまったようで、仕切りなおして出発しないと、この先、うちの先生はどうするつもりですかね?テレビとパンにかじりついてますけど、ではまた次回のお運びをお願いいたしまして、バイバイ!


雪解け カニ、トロ

2010-02-12 13:47:02 | 俳句

なんだかんだと言いながらも、時はとどまることなく、あの冬将軍も小さく見えてきた。旗色が悪くなって、退散の気配である。そして、耳をすませば飛騨にも、春の足音が聞こえる。

雪山の 山の数だけ こだまかな  湧水 

雪桧 億本の香の 飛騨の春  湧水 

踏み雪の 柔きが告げる 飛騨の春  湧水 

雪川は 別れ旅立ち 運び来る  湧水 

そして、雪解けが始まる。春光にとけた雪水はつららや氷となって、最後の輝きを放つ。

消ゆる白 すべて集めて 氷縛かな  湧水 

雪かきは 春日にまかせ 山散歩  湧水 

亡き父が 雪おろす音 春びより  湧水 

さえずりに さそわれ散歩 雪山路  湧水 

早春の ちぢみし体に 重き服  湧水 

雪消飛騨 山路はすでに 散歩人  湧水 

絹雪の 君が朝路も コチ吹かん  涌水 

春来るに 訳なく雁の 北帰行  涌水 

透きとおる 白魚はねて 初帆風  湧水 

光り野や 靴溝減らす 雪解道  湧水 

色白く 影にひっそり 残り雪  湧水 

遠歩き 足にやさしき 残り雪  湧水 

まもなくバンクーバの冬季五輪が始まる。それに日本の国会も騒がしくやっている。散歩の間はそんなこともどこかへ消えてしまい、飛騨の眠る大自然の懐に抱かれている感がする。
が、人の世の中はいろいろと大変そうだ。なんて重いながらも、つい気になってしまう。

先日、テレビニュースでecがモナコの提案した地中海大西洋の黒マグロ取引禁止案に賛成することを決めたと言ってた。黒マグロが絶滅するからとのこと。完全に日本や今後の中国などのへの輸出禁止を狙ったものである。
私はエビを食べないようにしている。きらいではない。が、以前海外で日本人はエビを食べすぎに、金を払うから、貧しい国の環境を破壊していると言われたからだ。
確かに日本人は皆が流行のように同じ物に集中する。今はズワイカニやマグロの大トロだ。家族の中で父親だけがひとりでエビやカニやマグロを八、九割食べてしまうとしたらどうなる?程を知ることが大切、金が有るからと言って天が与えた以上に食べると・・カツ!喝!かも。、お互いに、飽食に気をつけましょう。不自由している人もいるんだから。

+++裏方やっとかめコーナー

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イチロウは今年もイチロウ 俺弐浪

+++そしゃ ためらって。