飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

(続) 連載小説「幸福の木」 287話 輪廻転生と魂のゴール?

2021-11-29 14:42:43 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイおまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、いやいや急に寒くなりました。ウチの先生の古民家の中は朝は4度です、もちろん外は霜や氷でしょう?(確かめんかい!)
そうそう、急にオミクロンとか、やはりワクチンや金や強権でコロナを塞ごうとしても無理なようです。強権が目立つ中国のオリンピックも無理かも知れません。
はい、良い話題ですが、ウチの先生のパソコンの音声ソフトも数ねんぶりに最新に代わりました。
また先週は無事に人間ドッグにも行けましてヤレヤレだそうです。
はい、てな訳で、遅れながらも原稿が届きましたので、早速、小雪いや小説に参りたいと思います、はい、では、開幕、開幕!

287 輪廻転生と魂のゴール?

皆の前に立つ木花咲姫は、いつも優しい笑顔だった。
「はい、それでは魂が向上すると、どんないい事があるのでしょうかと言う質問でしたが、さあ、どのように説明いたしましょうかね?
長老さんや修験者さん達のように、いろいろなよい事がたくさんあるんじゃ!と言っても、それは、甘い柿を食べた事が無い人に、美味しいと説明するようなものですね?
本人が食べる前から俺は嫌いだ!とか食べる気など全然しない!等と言われたら、美味しさを分かってもらう事は難しいでしょうね。
まして好きになってください!とか、楽しんでください!等はもっと難しくなるでしょう。
なぜなら、前にもお話しいたしましたように、あなた方地上に生まれた人達1人1人には、何事にもどちらを選ぶかと言う選択の自由が与えられているからです。
生まれる前の天国にいた頃の神様に関する知識や霊界の知識などの記憶が消されていなければ、すぐに一瞬の迷いもなく善い選択をなさるでしょうが、地上には悪の誘惑がたくさん存在し、神様や天国から引き離そうとしてます。
なので、魂の向上なんてちっとも善い事はない、堕落した方がもっと面白いぞ!と言う闇の勢力の影響を受けるのです。
あなた方に魂の向上と言うお話をするためには、人間の生まれ変わりと言う「輪廻転生」についてもお話ししなければなりません。
益々混乱するかも知れませんが、できるだけ簡単にお話しいたしましょう」
木花咲姫は、改めて皆に向き直った。
太郎を始め、皆も同じように、きちんとして背筋を立てる事になった。
「それでは始めましょう。まず、あなた方は地上に生まれたと言う事は、天国から寄宿舎付きの遠くの学校へ送り込まれた子供達のようなものです。
もちろん、魂の学びと成長をするためにです。
初めは小学一年生です。
そこで一定の期間学んで成長して進級試験に合格すれば二年生に進めます。
はい、そうです、一年生ですから、学びの内容も成長の程度も優しくて、それほど難しくありません。
この一学年の期間と言うものは、あなた方は一年間程度と思うでしょうが、違います、もっともっと長いのです、そう、一生なのです」
この説明に皆は驚いた。
「えっ、一生ですって?そんなに長かったら・・??」
思わずハナや太郎達のつぶやきの声が大きくなった。
「そうです、あなた方が赤ん坊として生まれ成長して、大人になって老いて死ぬ、これが魂の学校の一学年なのです。
つまり、地上での一生が、魂の一学年の期間なのです。
なので、あなた方が地上に生まれ、予定通り学び成長して人生を終えて天国へ帰れば、進級試験にも合格して、次回には二年生になれます。
次回とは、再び地上に生まれる次の人生の事です。
このようにして、あなた方人間は、今までに地上に生まれて死ぬと言う事を何回も繰り返して来たのです。
そして、魂の学校の小学校から中学校さらに高校、そして大学へと進級を続けているのです。
しかし、何回目の時でも、地上に生まれる時には、必ずそれまでの人生上の記憶はすべて消されます。
なので、あなた方は毎回頭脳は白紙状態の赤ん坊として生まれるのです。
先ほどは、魂の小学校は、人生上の学びも優しいと申しました。
例えば、平和で幸福な家庭の、優しい母と父を選んで、その子供として生まれてきます。
そうした環境には人生上の大きな困難もなく、父母兄弟とも仲良く一生を幸せに過ごせると言う、最も優しいコースなのです。
しかし、学年が上になりますと、学ぶべき課題も増え、学びの内容もだんだん厳しく難しくなります。
しかし、心配する事はありません。
その人生上の課題や困難は、あなた方が越えられないほどは高くないからです。
そうです、自分から投げ出さない限り、必ず越えられるのです。
と言うのは、前もってあなた自身が、そのように設定したからです。
例えば地上の一学年を終えて、天国にもどってきた時に、あなた方はそれまでの過ごしてきた一生を反省し復習します。
そして、次回の学びの課題や内容の計画を立てます。
実は、この作業はあなた1人で行うのではありません。
あなたを手助けしてくださる方々が一緒に加わるのです」
と言って、木花咲姫が皆の顔を見渡した。
すると、長老達がうなづいた。
「そりゃ、そうじゃろう、天国には神様も亡くなった父母や先祖方もたくさんいるからのう」
長老に続いて修験者も言い出した。
「しかしじゃ、あまりにも多過ぎてうるさいくらいじゃないかな?」
ハナや太郎達は顔を見合わせた。
「でも安心したわ、手助けしてくれる人がいるなんて」
ハナとハナナがうなづき合った。
皆の様子を見ながら木花咲姫が話を続けた。
「はい、そうなのです、あなた方は自分はこの世でたった1人で自由に生きていると思われるかも知れませんが、実は傍にいる何人かの方々によって支えられているのです。
少し前に、霊線でつながった幽魂、ハイヤーセルフについてお話しいたしました。
その方とは別に、あなた方の周りには守護しておられる方々がいらっしゃるのです。
よく守護霊とか、指導霊とか呼ばれている方々の事です。
もちろん、あなた方の目には見えませんので、言われなければ気づきません。
守護霊には、あなたのご先祖さんの中の高級な方がなっております。
また指導霊には、あなたのその時の立場や環境に応じて相応しい力ある方が、なさいます。
こうした方々と共に、あなた方は、天国で次回の地上での学びの目標と内容を決めて、また新たに地上に赤ちゃんとして生まれて来るのです。
もちろん、記憶は消されますが、あなた方が自力で越えられると納得して設定した人生上の課題ですので、あきらめなければ必ず越えられるのです。
しかし、中には途中で投げ出してあきらめてしまう事もあります。
その時には人生を終えて天国に帰ってきても進級試験は不合格となりますので、次回の人生では落第生として同じ課題に挑戦する事になります。
このように地上には、魂の学校の小学生から大学生までのの様々な方達が大勢生まれてきています。
ですから、中には見かけは年少でも魂は大学生と言う方もいらっしゃいます。
また逆に、見かけは高齢でも魂は小学生と言う方もいらっしゃるのです」
これを聞いて太郎達が沸き立った。
「えーっ、ハッハッハー、そう言う事だったのか?なるほど、それでだ!・・納得、納得」
と太郎が大きく振り向いて爺達を見て笑ったので、ついタタロやハナ達もつられて笑った。
長老達は、面食らったように苦笑いした。
「いやいや、まいった、まいった!なにかワシ等の年寄りの立場も危うくなってきたな」
すると修験者が話題を変えるように言った。
「ああ、そうじゃ、そう言えばゴクウじゃ、ゴクウは若い猿じゃけど、魂の学校では間違いなく大学生じゃな、実に落ち着いていて、言う事も賢いからな」
すると、皆がゴクウの方を見て、そう言えばそうだ!としげしげと見つめた。
話題反らしに成功した修験者がこっそりほくそ笑んだ。
一方ゴクウが皆の注目を押し返すように口を開いた。
「あのー、先ほど学年の進級試験に落第すると、また同じ学年を繰り返すと言うお話しでしたが、学年が下がると言う事はあるのでしょうか?
それに次の課題を設定すると言う話でしたが、課題とは例えばどんな内容ですか?」
皆は、爺達でもできないような質問の内容に少し驚いた。
「あらあらあら、お猿さんもわたくしの話を真剣に聞いていてくださっていたのですね、大変良い質問だと思います。
まず学年が下がる事はありますか?と言う質問でしたが、はい、あります、大きく下がる事もあります。
学年は、霊界における魂の階級のようなものです。
魂の階級とは、あなた方の魂が、つまり幽魂、ハイヤーセルフが住む世界の事です。
霊界では階級がたくさんの層に分かれていて、上の方が天国で、下の方が地獄です。
上へ行くほど光や愛が強く波動も細かく軽いのです。
また下へ行くほど光や愛が減り闇となり、波動も荒く重いのです。
層と言っても、別に区切られている訳ではありません。
ちょうど山を登る時のように、上がるにつれて光や愛がグラデーション的に増えて行くのです。
最も上の方には主神や高級な神様方がいらっしゃいます。
逆に、下の方には邪神や悪魔達がいます。
魂の向上とは、こうした霊層界での自分の魂の居場所を高めることなのです。
そうです、一歩でも少しでも、上にいらっしゃる神様方に近づく事なのです。
そのそのためには、いつも周りの人々の幸せを願い、愛を注ぎ、日々神様を敬い感謝する。
と言うような生活を送れば、光が増し愛が深く大きくなり魂が向上するのです。
しかし、逆に悪人の考えに染まって強盗や殺人などの人々を苦しめる悪行を行うようになると、自身の光も愛も減ります。
そして、霊層界の居場所も下がり地獄に近くなります。
地上での人生を終えて再び天国に帰ってきた時に、魂が堕落して下に落ち

暦通り小雪の飛騨 初雪路の人間ドッグ!

2021-11-25 11:50:46 | 俳句日記の部屋

ジーパンが 暖パンとなる 雪の飛騨  湧水

山半分 白き帽子や 雨雪路  湧水

雨や雪 ヘルパー車なれば 安心かな  湧水

十キロも 痩せた!と雪の ドッグかな  湧水

一年前 精検告げられ 凍りし我  湧水

ドッグ前 採取練習 冬トイレ  湧水

検体を 無事とれ雪の 峠越え  湧水

出発前 何度もトイレ 冬ドッグ  湧水

今冬も 新しきエコーの 検査技師  湧水

帰り車 買い物三昧 冬ドッグ  湧水

店寄れば 百合チューリップの 残球根  湧水

雨上がりて なぜか冷たき いつもの道  湧水

川柳

冬ドッグ 雲水ごとく 検査前  食物も心もつつましく清く?

体内年齢 自慢す今年の 冬ドッグ  エコーの忙しそうな新米らしき技師に

半値になり 我を待ちたる 球根かな  買いたくてもなかなかチャンスが無かった!


(続) 連載小説「幸福の木」 286話 永遠の伴侶とハイヤーセルフ?

2021-11-21 22:27:26 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイおまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、いやいや、やはり大谷選手が獲得しましたね、藤井棋士と大谷選手にはウチの先生も、いや日本中が大喜びです。
はい、もう大勢が語っていますので、原稿もギリギリ届きましたので、早速小説に参りたいと想います。
はい、では開幕開幕!

286 永遠の伴侶とハイヤーセルフ?

「さて、あなた方が地上に生まれる時、半身が天国に残って、地上のあなた方を見守ると言う話をいたしました。
天国にいるあなた方の半身は、目には見えない霊線で地上のあなた方と結ばれていて、昼も夜も常に交流しています。
天国にいるこの半身を、人々は「幽魂」とか「ハイヤーセルフ」と呼んでいます。
ところで、あなた方地上に生まれた方々は、神様からとても大きな自由を与えられていますので、良い事も悪い事も両方ともできます。どちらでも自由に選べるのです。
もし、あなた方が地上で悪い事ばかりしていると、天国の半身が大変困り、心配します。
そして、悪い事をやめるように霊線を通じてあなた方の心に訴えます。
例えば、あなた方が、後になって悪い事をした!と反省する時は、たいていこの半身が注意しているのです。
また、喧嘩などで逆上して人を傷つけようとした時にも、この半身が注意して落ち着かせようとします。
しかし、天国の半身は、地上のあなた方をコントロールする事はできません。ただあなた方の心に注意するだけで、無視される場合も多いのです。
なぜなら、先ほど申しましたように、地上に生まれたあなた方が自由に行動する事が神様から許されているからです。
逆に言えば、天国では地上のように少し悪い事をしてやろうなんて自由は許されません」
「・・・・」
ハナ達皆は顔を上げて木花咲姫の話を聞いていたが、何の反応も示さなかった。
「あの、・・天国って言うけど、どうして天国があるんですか?」
突然、ハナナが質問した。
皆は慌てたのか、あきれたのか、沈黙した。
すると、ハナが言い出した。
「あの、私も同じように想います、私達は地上に住んでいるんだけど、どうして天国なんてあるのですか?地上だけでいいと想いますけど・・」
「・・・」
また周囲に冷えた沈黙が流れた。
困ったな!と皆が想ったその時、
「ハッハッハー、そうじゃ、そうじゃ、全くその通りじゃ、昔、ワシが村の子供達に海を見せに連れて行った時の事を思い出した」
と長老が、大笑いした。
皆があっけに取られ長老を見た。
「その時じゃ、地元の漁師が、ワシはこの海の事はすべて分かっている、どんな魚がどんな場所にいるか、どんな餌で釣れるか、何時が釣れるか、すべてを知っている。
さあ、何でも質問してくれ、この海については、ワシに答えられない事など何もない、さあさあ、質問は?・・、ほれっ、そこの賢そうな坊や、どうじゃ?」
と聞くので、その坊やが、
「あの、この海だけど、こんなたくさんの水はどうしてできたんですか?どこから来たんですか?」
と大真面目な顔で質問したんじゃ。
すると、それまで得意満面だった漁師の顔がまっ青になったのじゃ、その時の事を思い出したわ、ハッハッハー」
と長老がまた笑うと、修験者も一緒になって大笑いした。
ハナ達や太郎達は笑えなかった。
「ホホホホホ、面白い話ですね、その漁師さんはきっと困った事でしょうね、小さなお子さんに、そんな予想外の大きな質問をされて、さて、どんな風に答えたのでしょうか?ホホホホホー。
さて、それでは、今度はわたくし達の事ですが、さてさて、どうして天国が在るのでしょうか?と言う質問でした。
はい、それではお答えいたしましょう。少し難しくなるかも知れませんが、付いてきてくださいね。
地上の上に住んでいるあなた方にとって、天国なんか必要ないのではないか?と言う疑問でしたが、実は、先に天国があったのです。地上の世界は後でできたのです」
「えっ???」
聞いていた皆の頭が混乱した。
「はい、そうなのです、つまり、先に天国があったから、地上世界ができたのです、天国が無ければ地上世界もできませんでした」
「えっ?逆と言う事なの??」
「あなた方は地上に生まれて地上で育ってきたので、地上だけが世界のすべてだと思っているのも無理ありません。ところが、違うのですよ。
びっくりするかも知れませんが、実は地上と言うのは、あなた方が一時的に住む仮の世界なのですよ。
そうです、あなた方は元々、まだ地上の世界が造られていない頃は、天国に住んでいたのです。
しかし、天国は刺激が少なく単調なので、あなた方の魂が成長したり、向上したりするのに大変な時間がかかります。
そこで、神様が、あなた方が短い期間に色々な経験を積んで魂を早く向上させるために、特別な世界をお造りになりました。
それは、この天国とは全く違った、三次元的な物質でできた世界でした。
三次元空間(宇)と時間(宙)でできた世界なので、宇宙と呼ばれたり、または時空と呼んだりしました。
そうです、その中に地球と言う星を造り、地上世界をお造りになったのです。
そこに、あなた方が一時的に生まれたのです」
ポカーンと口を開けて聞いていたハナナが、思わず口を動かした。
「えーっ、それじゃ、あたい達の故郷って?あたい達の帰る場所って、生まれた村じゃないの?」
すると、兄のタタロが答えた。
「ハナナ!そう言う事じゃないよ、俺達の故郷は生まれた村だよ。ただ俺達の心や魂の故郷と言うのが天国って事だよ」
すると、長老がうなづきながら、
「おお、タタロよ、よく理解できたのう、お前はなかなか賢いのう。ところで、今ワシ等は木花咲姫様からとんでもない事を聞いたな、分かるかのう?・・・
そうじゃ、ワシ等が何故この地上に生まれたかと言う事じゃ、太郎やハナ達は分かったかのう?」
すると、隣の修験者も言い出した。
「ああ、ワシも驚いた、ワシ達は魂を向上させるために、この世に生まれてきたとはのう、いやいや、何となくこの世では善い生き方をしなければ!とは思っていたが、はっきりとは知らなかった」
すると、今度は太郎が言い出した。
「あのさ、でもよ、地上のこの世に生まれてきたのは俺達の半身だろっ?残りの半身は天国にいるんだろ?ちょっとややこしいな、そこん所は、いったいどうなっているのかな?」
「・・・」
答えられる者がいないのか、皆は沈黙した。
「はい、そうですよ、それでいいのですよ、皆さん方は半身が地上に生まれて、いろいろ経験し、また善い事を続けて魂を向上させます。その時、天国の半身も霊線を通じてすべての経験と魂の向上も共有するのです。
なのでこのように魂が経験したり向上する場合は問題はありません。
しかし、地上に生まれた半身が悪い友達に誘われたりして悪い事や罪な事ばかりしていると、魂が向上するどころか堕落するばかりなので、天国の半身がこれは一大事!とばかりに、それを止めさせようとします。
それは先ほど話したように霊線を通じて心に働きかけるのです」
「ああ、思い出した!お婆ちゃんが教えてくれた良心だわ」
ハナとハナナが思わず声を上げた。
しかし、太郎は何故か、その言葉に反発した。
「ちっ、良心か?良心って、昔婆ちゃんが言ってたな、けど、村の子供達にいじめられた時は、あいつ等には良心なんて無いと思った。婆ちゃんの教えてくれた事は嘘だと思った。その頃から俺はこの世では悪い奴や強い奴の方が得だと思ったんだ婆ちゃんには悪いけど・・・」
と太郎は昔の無念さを思い出した。
「でも、婆ちゃんは間違っていないわ、それは違うわ」
ハナが激しく反論した。
すると太郎はますます興奮した。
「フン!そうかい、フン!でも俺はそう想わない、何だ?生まれた目的は魂の向上だって?クソ食らえってんだ、別に俺は魂が向上しなくてもいいんだ、魂の向上が何だってんだ、向上したらいい事があるって言うのかい?いったいどんないい事があるって言うんだ?」
太郎の貯まっていた不満が爆発した。
「・・・」
皆が言葉が見つからず沈黙した。
すると、木花咲姫が静かに口を開いた。
「はい、そうですね、太郎さんが言う事ももっともで、わたくしもよく理解できます。はい、実は、地上では大勢の人達が、そう言う考え方に染まってしまいます。
どうしてかと言えば、あなた方が地上に生まれる時に、天国や神様や霊界の事等すべての大切な記憶も消して白紙の心になって生まれるからです。
白紙の心の子供達は、父母の生き方や村人や環境に染まります。
また地上では善と悪が互いに影響力を強めようと戦っています。
そして、地上に生まれた白紙の心の人達には、どちらを選ぶかについては自由が保証されています。
つまり、善の考え方を選ぶのも、悪の考え方を選ぶのも、本人が自由に選べるのです。
なので、多くの人達が、太郎さんのような悪の影響を受けた考え方に染まってしまうのです。
しかし、そこに、天国では経験できない、悪に染まり罪を犯し罰を受け悔い改めると言う学びの機会があるのです。
繰り返しになりますが、天国の半身は、常に魂の向上をうながし善の考え方や善行を勧めます。
しかし、地上のあなた方は、地上では善よりも、悪の方が魅力的で楽しさも大きいので、悪い事と知りながらも、つい悪に惹かれてしまいます。
その悪行は、いづれ自ら罪を償なわなければなりません。
それはそれで、良い経験となって、これからの魂の向上の糧となります」
この話を聞いてハナは心の中で思った。
(太郎兄ちゃんの事は放っておこう、やっぱり自分で痛い目に会わないと駄目だわ、他の人が注意したって納得できないし、本人も悟れないから・・)
ハナがそう思った頃には、太郎は興奮も醒めて落ち着いていた。
そして、木花咲姫に向って言った。
「あの、ちょっと知りたいんだけど、魂が向上したら、どうなるんですか?向上ってそんなに大切な事なんですか?」
それは、太郎にとって、心からの素朴な質問だった。
長老と修験者が互いに顔を見合わせた。
「何?魂が向上すると、どんないい事があるかだって?そっ、それはだな、そりゃいろいろあるさ・・・」
と長老が口を濁らせると、修験者が、
「まあ、いろいろあって、一言では言えんのう、そんな事は人に聞く前にだな、自分で・・あっ、そうじゃ!太郎よ、お前の幽魂かハイヤーセルフに尋ねたらいいんじゃないか?たった今教えてもらったばかりじゃ、ハッハッハー」

(つづく)

ハイハイハイハーイ、いやいや天国もこの世もなかなか複雑なようです。ここんところ亡くなる人や生まれる赤ちゃんなど、いやいや、けっこう忙しくて目が回りそうです。
はい、てな訳で、またのお運びを願いまして、バイバイバーイです。
寒くなりそうなので暖かくしてお過ごしくださーい!

天才、藤井棋士と大谷選手と一万時間?

2021-11-18 10:54:50 | エッセイの部屋

数年前に野球界に登場した大谷選手。
その大谷選手を見て、大先輩の張本氏がテレビで毎年同じ事を言っていた。
彼が大選手になるには打者か投手かどちらか一方に専念すべきだ!
しかし、このような内外のアドバイズに反して、大谷選手は、打者と投手の両方に挑戦し続けた。
そして今年、米国メジャーでベーブルース以来の歴史的な記録の一歩手前と言う大成果を上げた。
一方、愛知県瀬戸市の若き棋士の藤井少年は、つい先日に「竜王」を勝ち取った。
そして、歴史上の最年少の「四冠」となった。
両者とも今までにない歴史的な成果である。
野球界では、打者か投手かは、どちらか一方に集中すべき!が今までの成功の常識だった。
また、藤井少年も、将来棋士で生きていくとしても、高校ぐらいは卒業しておくべき!
が周囲や一般社会の常識だったと思う。
しかし、彼は卒業までわずか二か月の直前で退学した。
両者とも、自分の信じた道は、可能な限り真っ直ぐ進んで行くと言う心持のようだ。
つまり、今までにない未踏の道を歩み続け、切り開こうとしている。
その意味では、新時代の開拓者と言えるかも知れない。
さて、二人とも、世間では天才と呼ばれている。
私は、たまたまひと月ほど前に図書館で紹介されていた次の本が目につきすぐに読んだ。
天才! 成功する人々の法則 マルコム・グラッドウェル著 勝間和代訳である。
この本の内容に「一万時間の法則」がある。
この「一万時間の法則」については、何年か前に私は何かで初めて知ってかなり感動した。
そのためブログにも言及した事があった。
「一万時間の法則」とは、私は始めは、スポーツに関する法則だと思っていた。
一万時間も練習すれば、体も脳も熟練し、プロ選手になれる、と言う事だと思っていた。
しかし、これはスポーツだけの事ではない、他の事にも通用すると思った。
ピアノバイオリン練習等楽器、書道舞踊等お稽古事全般にも通用する。
書道では、自分の背丈ほど半紙が積み上がるくらい練習しないと上手になれない!と聞いていた。
なので、これは一万時間の法則と同じ内容だと思った。
ところが、上記の本を読んで驚いた。
一万時間の法則は、あの有名なビートルズにも、マイクロソフト創業者のビルゲイツ氏にも通用していたのだ。
ビートルズは大ヒットして有名になる前に、西ドイツの安ハウスで終日演奏させられていた。
またビルゲイツ氏は、学生の頃から運よくコンピュウターを制限なく自由に使用できるチャンスを獲得し、プログラミングに打ち込めた。
両者は来る日も来る日も演奏に、またはプログラミングに、休む間もなく数時間以上取り組んだ。
一日15時間取り組むと、1年360日で5400時間となる。
この生活が2年ほど続けば一万時間を越える事になる。
一万時間を越えた頃、ビートルズの音楽は超一級の音色となり、ビルゲイツ市は超一流のプログラマーとなった。
後はその時代の成功街道をまっしぐらに突き走った事は、皆さんがご存知の通りである。
実は私も大学時代に情報工学部の前身となる講座に在籍し初期のプログラミングを学ぶチャンスに恵まれた。
ビルゲイツ氏より数年遅れた時代で、ようやくミニコンが出た頃だった。
私はプログラミングは何故か得意で楽しかった。
他の人より上手?で、自分には向いている分野だと思った。
しかし、大きなプログラム作成となると、内容も膨大で、取り組み始めると、自分がプログラムの世界に毎日没頭しなければ完成できない事が分かった。
もし、これを生涯の仕事にすれば、他の事には目もくれず、毎日プログラムの世界に住み続けなければならなくなるだろうと思った。
私は、この世では他にもしたい事もあったので、プログラミングの世界からは離れ、就職した。
もし私が、あのままプログラムの世界に進んだとしても、おそらく一万時間達成前に飽きてしまった事だろうと思う。
人は誰でも、楽しくなければ長続きしない。
何度やっても楽しいと言う事は、大好きだからだ。
大好きだから、暇さえあれば、そればかりをしている。
藤井棋士も暇さえあれば将棋関係の事ばかりしてるだろう。
また、大谷選手も暇さえあれば野球関係の事ばかりしているだろう。
今は、年少の頃からピアノ練習、サッカー練習、野球練習、ゴルフ練習と親達が将来のプロ養成に熱心である。
しかし、一万時間達成まで続けられる子供は、ほんのわずかだ。
が、もし、一万時間が達成できれば、間違いなくプロ並みの才能を発揮できる。
一万時間とは、一日10時間ならば連続365日で3650時間となり、約3年弱かかる。
一日5時間ならば、その2倍の約6年かかる。
一日3時間ならば約10年かかる。
石の上にも3年、10年で一人前!とはよくぞ言ったものである。
子供が生まれると両親は夢を見る。
数年前に私の畑の隣に新築した若夫婦が、庭を舗装してバスケットのリングを設置した。
小学生らしい男の子が毎日ボール入れを練習していて、時々父親も参加していた。
私は「一万時間」の法則の事をその男の子に知らせようと思っていたが、いつの間にかもう練習のボールの音が聞こえなくなった。
また、姪が、幼少の息子に、「絶対音感の育つ内に稽古させてバイオリンニストにしよう」と、私もバイオリンの購入代金をせびられた。
翌年のお盆に家へ来たが、バイオリンの話など全く無かった。
子供の頃、自転車でもスキーやボードでも何でも始めは練習しても、すぐにはうまくできない。
が、すこしうまくできたり上達したりすると練習が好きになる。
この時に、親や周りがやたらに褒める事が、本人の意欲を育てるようだ。
母親が、褒める事によって、子供に練習を楽しい遊びと思い込ませ、暇さえあればその遊びを続け金メだルを獲った有名な体操選手もいると聞く。
そう言えば、学生時代に読んだ孔子の論語に
「これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」
とあった事を思い出した。
ああそうなんだ、今まで述べてきた事は、昔からの旧きこの格言に如かず?!とは、いやいや、参った参った!

(おしまい)

小春の飛騨 希望の新ヒーロー!

2021-11-16 20:42:53 | 俳句日記の部屋

コロナ渦に 新た若棋士 冬はじめ  湧水

初冬(はつふゆ)や 大和(やまと)ヒーロー 米野球  湧水

立冬や わが道真っ直ぐ ニューヒーロー  湧水

冬始め 未踏を開拓 ヒーロー達  湧水

冬はじめ 日々進むのみ 若ヒーロー  湧水

テレビ断ち 出(い)でば小春や 村の道  湧水

立冬や 薄きベストで 事足れり  湧水

小春道 やや若逝去の 後輩かな  湧水

万人の 母等も逝きし 冬はじめ  湧水 寂聴さんも

冬逝去 「らしく」は旧き 男女観  湧水 女性らしくを説いた細木数子氏も

川柳

暖かく 便利なポケットの 薄ベスト  友人の贈り物、一枚あれば冬が越せそう!

新型は 鶏豚も人も 「密」を禁じ  これからは肉食を止め大豆肉にせよ!だって