飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

連載小説「幸福の木」 その54 話 西方への旅立ち

2010-10-31 22:46:47 | 小説

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水です。台風一過、晴天になると思っていたら、あいにく雨になってしまいました。弐、三日前寒かったですね。今年は紅葉がきれいでしょう。急に寒くなったから。
いや、もう十月も終わりです。cop10も、上海万博も、終わりで、いよいよ明日は十一月。早いもので、そうそう、ウチの先生は、飽きっぽいと言うか、新しがりと言うか、あれほど芋芋と言ってたのに、今年は目もくれません。また、何か変わった事を考えているんでしょう。やけに静かですからね、一応、原稿がギリギリで届きましたので、早速、開幕といたしたいと思います。はい、では、開幕開幕!

54 西方への旅立ち

「太郎さん、はなさん、起きて!仙人がいません。それに、ケンもいません。もしかして、仙人を探しに行ったのかもしれません」
ゴクウの声に太郎とはなが起こされた。
「ええーっ、もういなくなったの?、まだお別れのあいさつもしていないのに」
はなは、眠そうな目をこすりながら、身を起こした。太郎は寝返りをうっただけだった。「太郎兄ちゃん、起きて!仙人とケンがいなくなったって」
はなが、太郎の体を揺さぶった。
「あーあ、何だよ。何するんだ。あーあ、まだ、真っ暗じゃないか、頼むよ、起こさないでくれ」
と、太郎は、また寝返りをうった。
「ああ、ゴクウさん、しょうがないから、私達だけで探しに行きましょう」
と言って、はなとゴクウがケンの名を呼びながら、近くを探し始めた。
東の空が明るくなって来た。
「ああ、本当にうるさいな。いなくなったって、勝手にいなくなったんだから、しょうがないじゃないか。ったく、帰りたくなりゃ、そのうち帰って来るよ」
眠りを妨げられた太郎は不機嫌そうにブツブツ言いながら、起き上がって、身づくろいをした。
「ケーン!、仙人さーん!」
はなとゴクウが大きな声で呼びながら帰って来た。
「あらっ、太郎兄ちゃん、お早う、ケンが行方不明なのよ」
太郎は返事もしなかった。朝日が昇って、明るい光が射し始めていた。
「はな!朝飯にしよう。ケンなんて、ほっといても帰って来るよ。ああ、腹が減った、早く食べよう」
太郎はもう、朝食の事しか興味が無さそうだった。
焚き火を起こして、暖かいスープのような朝食ができ上がった頃、
「ワンワン!」と言って、ケンがしっぽを振って戻って来た。
「まあ、ケン!どこへ行ってたの?仙人様も一緒だったの?」
はなが、聞くと、ケンはしっぽを振って、口にくわえていた物をはなに差し出した。
「何?あらっ、これって、タマゴの殻じゃないの」
手に受け取ったはなが、捨てようとすると、
「いえ、はなさん、その殻には何かが書いてありますよ」
とゴクウが言った。
「ええ、どれどれ、俺に見せろ」
太郎が、はなの手から卵の殻を取り上げて覗き込んだ。
「あれっ、絵と記号が書いてある。あっ、卵の絵だ。卵の殻に卵の殻の絵だ、けっ、何だ。しょうもない」
期待のはずれた太郎は、殻をいまいましそうにぽいっと捨てると、ずっと手も出さずに見守っていたゴクウがすばやく拾った。
「ゴクウ、そんな物は、誰かのいたずらだ。ほっとけ、ケンもしょうも無い物を拾って来たものだ。それよりも、早く飯にしよう」
との太郎の声に、皆は食べ始めた。
少人数の朝食で、昔に戻ったような気がした。
「あーあ、とうとう、仙人も行ってしまって、我々だけになってしまったのか、昨日までの事なんて、何か遠い夢みたいだな、あーあ」
お腹が膨れると、太郎はいろいろと思い出し、ため息をついた。
周囲を見回しても、昨日までのあの大きな騒ぎの痕跡は何も残っていなかった。ゴミも無く、焚き火の跡も仮設庵の跡もさらに大勢の足跡すら残っていなかった。
「ええーっ、どうして足跡が無いの?」
はなが、驚いた。
「たぶん、ここは聖なる山だから、帰る時、皆で元へ戻していったのじゃないですか」
とゴクウが行った。
「えっ、それじゃ、皆で山全体を大掃除して帰ったと言うのか?はっはっはー」
太郎が大笑いをして、皮肉を言った。
「そうよ、太郎兄ちゃんが誰かさんの夢を見ている時に、皆が掃除していたのよ」
はなも皮肉を言うと、
「何、そう言うお前も、寝ていたんじゃないか!」
と太郎はローザのことを言われ、ムキになった。
「ワンワン!」
ケンが口ケンカを止めるように吼えた。
「おお、ケンか、ああ、お前も掃除に行ってたんだな、あの卵の殻はゴミと言う訳か?」
太郎がさらに皮肉を言った。
その時、晴れ渡った朝の澄み切った青空に、遠くまで通る鳴き声がした。
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
「あっ、トビの声、タカコだわ、タカコだわ」
はなが叫んだ。
太郎やゴクウも見上げると、南の空遠くから飛んで来る黒い鳥の影が見えた。
「ああ、まちがい無くタカコだ。」
太郎もゴクウもケンも、もちろん、はなも、久ぶりのタカコの姿をなつかしそうに見つめていた。
「ああーっ、大変!思い出した。太郎兄ちゃん、空巣仙人よ。早く空巣仙人に聞きに行かなくちゃ」
はなが、また叫んだ。
「ああーっ、そうだった!こんな事をしてられない、急ごう、帰ってしまわれると大変だ」
太郎は、荷物を抱えると、大急ぎで空巣仙人のいる崖の方へ走り出した。ケンも太郎の跡を追いかけた。
はなとゴクウも急いで後片付けをして、荷物全部持って出発した。新しい旅立ちになると感じたからである。
「あっ、ちょっと待って!」
はなは、焚き火の跡に土をかぶせて元にもどした。ゴクウも、そのままになっていたゴミの穴に土をかぶせた。
「ああ、これで、私達も大掃除したわ。さあ、出かけましょう」
はなとゴクウは山頂の方に顔を向けて
「山の神様、いろいろありがとうございました」
とお礼を言いながら、一礼した。そして、見納めるように眺めると、ふんぎりがついたように元気に山を下った。

「太郎兄ちゃんは、うまく空巣仙人から小人や幸福の木の場所を聞けたかしら?」
はなは、細い山道を下りながら、つぶやいた。
「修験者達は、皆去ったんですから、やっぱりもういないかもしれませんね」
ゴクウも歩きながら、、少し心配そうに答えた。
崖の下まで来ると、石に腰を下ろしてしょんぼりしている太郎の姿があった。はな達は悪い予想が当たったと思った。
「あれっ、太郎さん、どうしたんですか?空巣仙人は?」
ゴクウが、はなに代わって聞いた。
太郎は首を横にちょっと振っただけで、黙ったままだった。
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
上空でタカコが大きな輪をかいていた。
「あれっ、タカコだわ。崖の上の仙人がいた松の上で鳴いているわ」
はなは、タカコを見上げて言った。
その時、ケンが崖の上から駆け下りて来て、ワンワン吼えた。
ゴクウはずっと持っていた卵の殻を見せながら、
「やっぱり、これは文字ですよ。仙人からの伝言ですよ。きっと卵の殻を見ろと言ってるんですよ」
と、はなと太郎に言った。それを見たケンも激しく吼えた。
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
タカコも激しく鳴いた。
「えっ、どう言うことなの?この記号を文字って言うの?丸の中に線が有るだけなんだけど?」
はなが、ケンやタカコにせき立てられるようにゴクウに聞いた。
「ええ、それが文字だと思うんです。確かローザさんのお婆さんの家にも書いてありました」
とゴクウが答えると、太郎が急に、
「何?ローザだって、?で、その卵の殻には何って書いてあるんだ?」
と立ち上がって、詰め寄って来た。
「いえ、私は文字は読めません。だから、仙人は私達のために絵を描いてくれてるんですよ。これを届けるようにケンに預けたんですよ」
とゴクウが言うと、ケンがまた激しく吼えた。
「分かったわ。で、それで、その絵で仙人は何って言ってるの?」
はなも詰め寄って来た。
「だから、卵の殻を見ろ、とか探せって言ってるんですよ」
とゴクウが言うと、
「ああ、そうか、卵の殻を捜せってか、でもそれをどこで探すんだ?」
と太郎が聞き返した。
ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
また、タカコが鳴いた。
「ああ、分かった!空巣仙人がいた巣だわ。きっと、そこに卵の殻が有るのよ」
はなが叫ぶと、太郎は真っ先に崖の上へと側面の林を登り始めた。
ゴクウもはなもケンも後に続いた。
崖の上の大きな松の木の傍まで来ると、太郎は目もくらむような高さに体が縮んだ。
空巣仙人がいた巣は、その松の、崖に張り出した大きな枝の上にある。太郎には手も足も出なかった。
「ああ、太郎さん、私にまかせてください」
と言うと、ゴクウはいとも邯鄲に松の枝に上り、空の巣まで行って、中を覗いた。その姿を見ながら、ゴクウはサルだったのだと、太郎とはなは改めて思った。
「あっ、ありました。ありました。卵の殻に何かが書いてあります」
そう言うと、ゴクウはその卵の殻を太郎やはな達のもとへ持って来た。
「おお、ゴクウ、ごくろう、ごくろう、さて、何が書いてあるんだろう?」
太郎が覗き込むと、はなも覗き込んんでいた。
「あっつ、お日様の絵だわ。これが、日の出で、こちらが日没だわ。それに、指が日没の方を指しているわ。そちらに、小さな小人の絵がある、ああ、判った、西へ行けって言うことだわ」
と、はなが得意そうに大声で言うと、
「うるさいな。俺が言おうとしていることを先に言うな、ちょっと、黙ってろ」
と太郎は怒った。ゴクウが、
「ああ、そうですか。西へね。空巣仙人が鳥達から聞いたんでしょうね」
と言って、西の方をながめると、
ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
と、タカコも西に向かって飛んでいった。
「ああ、賢いトビだわ。きっとタカコは、もう分かっているんだわ」
はなや太郎達がタカコをながめていると、タカコは西の空の遠くでまた輪をかいていた。
「ああ、こっちへ向かって来いと言うことか、よーし、じゃあ、西へ向かって再出発だ」
太郎の声に一同は改めて旅立つことになった。
日はもう西に傾いていた。そのお日様に向かって、気分も新たに、ケン、太郎、はな、ゴクウの順に元気よく歩んでいた。

ハイハイハイハーイ、、時間となりました。何ですか、文字が出てきましたね。昔のことだから、神代文字でしょうか?ええ、日本にはかなり古い文字が有ったと言う人もいますからね。そうそう、富山で、縄文時代前期の貝塚から骨やいろいろ出てきたようです。してみると、・・・、あっ失礼、閉幕しなきゃ、はい、では、またのお運びをお願いいたしまして、はい、おバイバイでございます。はっ、では、チャオ?




坂本竜馬と太公望  今、生まれておれば!

2010-10-28 23:18:42 | エッセイ

nhkの大河ドラマ「坂本竜馬」が、いよいよ佳境に入って来た。竜馬が、たったひとりで、後ろ盾の無く、大藩の大物達と渡り合って、そのアイデアで国を動かしていく。その緊張と迫力が見ていても文句なしに面白く、再放送まで見てしまった。
その時、この面白さをどこかで見たことがあると思っていたら、5、6年前に読んだ宮城谷昌光氏の「太公望」だった。
太公望も家や部族と言った頼れる後ろ盾も無く、たったひとりから友を増やし、仲間を土台にして、殷王朝や周王朝という大国と渡り合った。
竜馬は、個人の力で、反幕府の長州と薩摩を、さらに土佐の協力体制をつくり、幕府に大政奉還をさせた。残念ながら途中で落命したが、竜馬の、無駄な戦いをさけると言う願いは、後に西郷と勝海舟との江戸城開城の合意となって実を結んだ。
一方、太公望はやはり個人の力で、周を中心とする反殷王朝体制をまとめ上げ、「牧野の戦い」において、周王朝の勝利に貢献した。落命すること無く、後に斉の国を造った。
この両者に共通していることは、「読み」と「発想力」だと思う。相手の考えていることを読み、確実に参道する案を示す。この説得力によって個人が大国の大物達をまとめて行った。また、両者共剣の達人で、自分の身は守ったが、人を傷つけることはしなかった。それに、両者共、長い間時機到来するのを辛抱強く待った。
この二人が生きた時代は、歴史の大きな転換期だった。だからこそ、新しい発想が大物達をしてうならせたのである。
この二人の力によって、日本でも古代中国でも、新しいより良き時代が開けた。
翻って、今、私達がいる現在を考えてみる時、やはり彼等の生きた時代と同様に、新しい時代への転換期と言えるのではなかろうか?
リーマンショック以来世界経済は不景気状態が続き、米国を中心に進めてきたグローバル化もその欠陥が多く現れてきた。かつての米ソの超大国から日本や欧米の先進国サミッ(g7)トそして、今は中国、インド、ブラジル等も台頭して来て、世界経済もそうした多くの国の賛同なくしてうまく行かない時代になった。もう社会主義も崩れ、その後勢いを得たグローバル資本主義も投機やマネーゲームに走り限界に来ている。
かつて、竜馬が考えたような、新しい発想を時代は必要としているのではないか?
そのひとつが、将来の世界大統領制(世界政府、世界中央銀行)だと思うが、そんな大きなテーマを述べる前に、もっと身近な所をながめて見ると、、
先日のテレビで、数台の軽トラが、朝早く農家を回って農産物を集め、大垣市内で並んで販売していると言うニュースを放映していた。
直売なので、消費者には新鮮で安く、農家も不揃いでも出荷できて、共に喜んでいた。
また、私の近くの町では、毎週末に青空市を始め、近くの農家の野菜を販売しているが、5、6念続いて徐々に規模も大きくなってきている。
この「地産地消」の青空市は諸外国でも見られるように日本でも将来発展するだろうと思っていたが、案の定そうなりそうだ。
この「地産地消」の市場などの経済活動は日本の新しい時代の一要素になるだろう。
また現在、世界的に、失業率が高いことが問題視されている。その対策のために各国は、景気を良くして、消費を増やそうとしている。そうすれば、生産が増えて雇用を増やし失業を減らすことができると考えているようであるが、そうした従来の考え方では、問題は解決しないと思う。
今は、昔と違ってロボットや自動機械やインターネット等のコンピューターが人間の代わりをして、その分だけ仕事が減っているのである。(実際、そうして人件費を減らした企業が世界的な価格競争に勝ち残って来た)
だから、失業率を上げようと思ったら、ワークシェアリングをするか、今までに無い新しい仕事を作らなければならない。
現在、コストや人件費を減らすために少人数でサービス残業しているようであるが、逆の方法をとる。
一例を示すと、従来の産業分野では、皆一日3時間労働にして、ワークシェアリングを行い、給料の減った分は家系の出費を減らす活動をする。
例えば、空いた暇な時間を利用して、趣味と健康増進を兼ねて、野菜作り、料理作り、日曜大工、工芸、育児、子供教育、介護等の出費となる事を自分達で行う。自分が得意な事を行い、知人達と相互ボランチアで補い合う。
こうして、給料が減っても生活の質を低下させることなく、むしろ質を上げさせるようにする。
こうした新しい社会システムを作っていくと言うように、現代社会の根底的な見直しが必要となる。
また工業生産と都市集中一辺倒だったあり方を方向転換し、、食料生産や国土保全と言った分野にco2対策等の勤労価値を持たせ、その分野で雇用を増やす。
そうした意味でも、将来の観光立国を見据えて、また、生物多様性条約やco2対策の面からも、新しい里山作りに収入と雇用を増やす社会システムを考えることが欠かせない重点事になると思う。
以上、大河ドラマをきっかけに、いろいろ述べたが、経済には素人なので、多少未整理な提案のような感もする。
経済の本をもっと読み込んで、上記の提案をさらに肉付けしてみようと思う。



いつもより早い木枯らし サツマイモとキャベツ

2010-10-28 09:01:43 | 俳句

またまた寒くなった。天気予報もはずれず、期待はずれだった。しかし、厚着をしたり暖房を入れたりすると、少々暑くなって、たいした寒さじゃないと、安心したりする。
それはそうだ。雪が積もったり、水が氷ったりすることを思えば、まだまだ暖かい方だ。
この寒さを繰り返して、紅葉が進んでいくのだが、まだ我が家の近くは全然色づいていないようだから、これから三寒四温でなく四寒三温?だろう。

風の中 ふくらすずめと 薄着の子  湧水

北風に ふくらすずめの 押しまんじゅう  湧水

北風や ふくらすずめが 押しくらべ  湧水

厚着して 部屋の暖持ち 木枯らし路  湧水

厚着して ふくらすずめと 風の中  湧水

留鳥に 呼びとめられし 晩秋路  湧水

カラッとして 日ざしやさしき 小春かな  湧水

ジトッとして 風も冷たき 時雨かな  湧水

冷え冷えの 骨身にしみて 小春来る  湧水

今年も、畑と休耕田でさつまいもを植えている。休耕田は、友人達が植えて、先日に子供達と収穫したそうだ。地主の私にも分け前をもらったので試食した。やはり、自然農法産はおいしい。一揆に食べてしまった。
畑の方は、来月五日に福祉施設の人達が芋掘りに来る。
「ほしいだけ掘っていけ!」と太っ腹なところを見せようと思う。別に選挙に出ようなんて思っていないが、いや、やはり、前日に少し取っておこう。

蒸し芋や おやじのごとく 一気に食べ  湧水

焼きいも会 母ちゃん屁噴射で 立ち上がり  湧水

自然農法と言えば、いつもの自然農法のキャベツが来ないので、先日市販のキャベツを買って食べた。驚いた。まずい、何か化学肥料の匂いがする。特に軸の部分はひどい。湯で煮沸すると、やはり初めは嫌な匂いが出てきた。多少匂いが取れたがまだ残っていた。
自然農法や有機野菜はまだわずかしか市場に出ていない。大多数の一般の人達は、自然農法産を食べる機会が無いから、これがキャベツの味だと思ってしまうんだろう。
ドイツでも子供達の野菜嫌いに困って、食育に力を入れていると言うニュースをやっていた。どの国でも、こんなまずい野菜を食べさせられたら、子供達でなくても、大人の私でも野菜嫌いになってしまう。時間や暇の有るひと!是非とも、自然農法の野菜を買ったり作ったりしてみてはいかが?。文句なしに、、うまいから。

玄関から 木枯らしを見る 鉢花かな  湧水

あまりにも寒いので、鉢花も玄関内に避難した。大雨や台風の奄美大島の人達と同様、暖かい元の場所へ帰りたそう。




新発明!お湯を入れなくていい湯タンポ???

2010-10-26 08:23:10 | アイデア

お早うございます。もう札幌では雪だとか、まもなく寒い冬がやってまいります。今年の冬を暖かく過ごすアイデアをひとついかが。
上記のタイトルを見たら、「あっ分かった!」と言う方もいるかも知れないので、クイズにしてみました。

「湯タンポは遠赤外線が出て、電気アンカや電気毛布等に比べ、より健康に良く体にやさしいので安眠できます。が、毎晩、お湯を捨てたり入れたりするのが面倒で、特にお年寄りや子供達にはヤケド等の心配もあります。そこで、今回お湯をいちいち入れないでいい湯タンポを発明?いたしました?が、さて、どんな湯タンポだと思いますか?次の中から選んでください」

① 湯タンポの中に、熱帯魚水槽で使う電気ヒーターを入れる。

② 湯タンポの中に蓄熱物質を入れる。

③ 金属の湯タンポをナベのようにガスコンロで暖める

④ ガスコンロでなくigで中の水を温める

⑤ ふつうのユタンポ

⑥ ホースで風呂とつながっている湯タンポで、ポンプでお湯を送る。

はい、残念でした!正解は⑤。ごく普通の湯タンポです。
特にco2対策の面から、他の方法は失格となります。
で、どうするかと言えば、湯タンポに水を入れて、風呂の中に入れる。はい、これで、もう永久に湯を入れる必要がなくなります。風呂が終わったら、その暖かい湯タンポを自分の部屋の布団の中へ持って行けばいいんです。
朝になったら、また風呂の中へ返しておけば、一生お湯を入れなくてすみます。
はい、いかがでしょうか?正解できましたでしょうか?
ここで、さらにエコな案を紹介しますと、特に、子供さんの多い家庭で有効ですが、湯タンポの代わりに、ペットボトルに水を入れて、お湯を入れる前の風呂に入れておきます。風呂が終わったら、子供達が各自ペットボトルを自分の布団の中へ持って行く。寒がりの人は二個も三個も使用する。風呂の湯は高温でないのでタオルで包む必要は無い。
こうして、家族中が行えば、かなりのエコになります。朝になったら、また各自ペットボトルを風呂の中へ返す。これは、またいい運動にもなります。はい、以上、夜中に目が醒め、眠られなかったので、風呂のお湯を暖房に使えないかと、いろいろ考えた結果、一番邯鄲な方法として思いつきましたが、いかがでしょうか?


連載小説「幸福の木」 その53 話 さらば輝く姫ローザ!

2010-10-24 18:22:04 | 小説

ハイハイハイハーイ、おまたせ!飛騨の小路 小湧水です。本格的に秋になってしまいました。夜の寒いこと。もう暖房なしではおれませんね。飛騨も雨が降り出しましたよ。雨の後は、また冷えてきますね。まあ、サツマイモでも、食べながらのんびり行きましょう。食欲の秋ですから、でも、何となく秋って淋しいものですね。はい、原稿が来ましたので、早速、まいりたいと思います。
そうそう、はなや太郎達のいる位山では大変盛大な祭典が行われているんでした。あっ、それに太郎が何かヘマをやり出しそうな雰囲気でした。はい、いったいどうなるやら?開幕、開幕!

53 さらば輝く姫ローザ!

「ローザ!ローザ!」
太郎は久々の美しいローザの姿を見て、知らず叫んでいた。
それは、忘れていた歌姫の事を思い出したからである。ローザにそっくりの歌姫と夢でめぐり合った、その時のせつない気持ちが蘇ったのである。
「ろーざ、ローザ!」
太郎の必至の声に、ローザも答えて小さく手を振った。
「しっー、何やってるんだ?祭典中だぞ!」
周りの修験者達の非難の声も厳しくなった。が、太郎は無視するように前に出た。
「馬鹿者、大事な祭典を邪魔するな!座れ!」
だが、太郎の耳にはその声は入らなかった。上気した太郎には、ただ遠くのローザの顔と目しか見えなかった。
「座れ、座れ」
修験者達の声はシュプレヒコールとなり、やがて、それがだんだん大きくなっていった。
仙人やはな達が止めようにも、太郎は、すでに舞台の方へ進んでいた。
「座れ、座れ!」
会場全体にその声がこだました。その時だった。
「太郎さーん!」
ローザがきらめく涙目で叫んだ。
と見るやいなや、太郎は、一目散にローザに向かって走りだした。
「座れ、座れ!」
会場の罵声はさらに激しくなった。
「太郎さーん!」
「ローザ!」
二人は舞台の中央で出会うと、激しく抱き合った。
尊者の祖母も会場の人達も唖然として、二人の法要をながめていた。
「ローザ!愛してるよ」
太郎はローザを抱きしめながら思いっ切り叫んだ。
その時だった。
「太郎兄ちゃん!起きてよ。やめてよ、大きな寝言言うのは」
突然、はなの感打開声がガンガン太郎の頭に響いた。
「えっ、起きて?」
太郎は、頭の中が混乱した。
「起きて?って言うことは、俺は寝てたのか?」
はなは、にこりともしないでうなづいた。
「ええーっ!それじゃ、夢だったのか?今までのことは?」
太郎は目を大きく見開いた。そこは、まぎれも無く舞台でなく、祭典の前に仮眠した岩場だった。
「どうして、俺はこんな所で寝ているんだ。ローザさんはどこにいるんだ?」
と太郎が言うと、
「そのローザさんって叫ぶのはもうやめてよ。恥かしいったらありゃしない。私もマレオさんも、その大きな声で起こされたのよ」
と、はなは怒りっぱなしだった。
「マレオだって?あれっ、俺達は祭典に一緒に参列してたんじゃなかったか?」
「それなのよ、よく考えて、もう、お日様があんなに高いから昼に近いわ。私達は寝過ごしたみたいよ。確か、明け方の日の出の祭典を見るつもりだったけど」
と、はなが言うと、マレオが眠そうな目をこすりながら、
「そうですよね、確か、仙人が、嫌でも起こされるから、と言ったので安心して寝ていたのに、起こしてくれないなんて」
と、ベソをかいていた。
「太鼓だよ。大きな太鼓の音に皆は起きたんだ。そして皆で祭典の会場へ行ったんだよ」
と太郎がまた大声を出すと、
「ああ、まだ寝ぼけた事を言ってるの。私達、ここに寝てたじゃない。太郎兄ちゃんの寝言で起こされるまでマレオさんと三人並んで寝てたのよほら、ここで」
と、はなは寝床を見せた。確かに、そう言われればそのようであった。
「すると、あれは本当に夢だったのか?」
太郎はようやく頭が整理されて来た。
「それにしても、変だわ。ゴクウさんとケンがいないわ」
と、はなが首をかしげた。
「あっ、あちらから、誰か来ます。あっ、ケンとゴクウさんだ」
マレオが東の岩を指さした。
「ワンワン!」
ケンがしっぽを振って嬉しそうに近づいて来た。その後ろのゴクウが、
「ああ、太郎さん、はなさん達もようやく起きましたか?ずいぶん疲れていたみたいで」
と言いながら寄って来た。
「おい、ゴクウ、お前達はどこへ行ってたんだ?」
太郎が怒った。
「ああ、私とケンはあの日の出の祭典を見に行ってたんです。良かったですよ。盛大で、ローザさんもお婆さんもいましたし」
と答えるゴクウに、太郎が、
「えっ、ローザだって?こら、どうしてお前達だけで行ったんだ。俺達をどうして起こさなかったんだ」
と、胸首を掴みそうな勢いで怒鳴った。
「太郎さん、何言ってるんですか?起こしましたよ。仙人と師匠と一緒に、何度も何度も」
とゴクウが必至な顔で言い訳をした。さらに、
「はなさんとマレおさんは、もう死んだように眠っていて、全然起きなかったし、太郎さんは、分かった、俺はもうちょっと休んだら行くから、先に行っててくれ、と言うのでそうしたんですよ、そうだよね、ケン?」
と言うと、ケンもワンワン答えた。
「ええーっ、俺がそんな事を言ったって?全然覚えていないな」
と太郎は信じられないと言う顔をした。
「それなら、仙人や師匠に聞いてください。一緒に皆を起こしたんだから、」
とゴクウに言われると、はな達ももう何も言えなかった。
「でも、仙人さん達も、どうしてもっと起こしてくれなかったのかしら、大事なことと分かっているのに?」
と、はなが残念がった。
「あの、仙人さん達はできるだけの事をしたんだけど、未だ子供だから、体力的に徹夜は無理だろう、仕方がないと言ってあきらめたんですよ」
とゴクウが仙人達を弁護した。
「そうね。ゴクウさんやケンと違って、生まれてから一度だって夜中起きてたなんて経験が無いんだから、やはり無理だったのかもね」
はなは、納得したのか、ようやく静まった。
「チエッ!イヌやサルと違って、我々人間は上品過ぎるから仕方ないか」
と太郎は負け惜しみをブツブツつぶやいていた。

「ああー、いたいた。元気そうだ。ひょっとして、今まで寝ていたのかな?」
「おおーっ、相当な神経の持ち主達だ。こんな大切な時に、昼までのんびり寝ていられるなんて」
と大声であ現れたのは、仙人と師匠だった。祭典が無事終わったのか、すこぶる機嫌が良さそうだった。
「あっ、仙人様、師匠様、お帰りなさい。起こしてくださったそうで、本当は起きて見たかったのですが、残念です」
と、はなが言うと、
「ほんにそうじゃ、わし達も是非とも見せたいと思ってたんじゃが、まあ、仕方がない。また縁があれば、大人になって見る機会も来るかもしれないじゃろう」
と言って、仙人と師匠は岩に腰を下ろした。
「ところで、仙人、ローザ達はどこにいるんですか?俺達はまだ会っていないんですけど、ローザのお婆さんにも」
と太郎が聞くと、
「それじゃよ。今は山頂の庵で、遠くから来た修験者達や老幹部達と大事な話し合いをしている。その後はしばらく休憩をとられるじゃろう。ローザさんは付き添いと言うか、跡継ぎとして、秘書のように、付きっ切りじゃな」
と仙人が答えた。
「偉くなると、大変だ。祭も無事に終わって皆は酒を飲んだり、寝たり、もう家へ帰った物もいるのに、まだ会議とはなあ、わしには務まらんな」
と師匠は眠そうに大きなあくびをした。その酒臭い息を、はなや太郎が手で振り払った。
「ああーっ!太郎兄ちゃん、大変、空巣仙人よ。小人の居場所を聞く前に帰ってしまったら大変だわ」
はなは、大声を出した。
「ああ、そうだ!もう約束の日が過ぎている。大変だ、早速、今からでも、あの崖の上へ聞きに行って来た方がいいな」
太郎は立ち上がった。それを見た師匠が、
「えっ!今から?それは、ちとまずいと思うよ。なあ、仙人、まだ知らせてないんだろ?」
と、眠そうな声で、仙人の肩をつついた。
「えっ、ああ、そうじゃった。あとでゆっくり話そうと思ってたんじゃが、実は、尊者様が今夜、孫のローザさんを連れて天狗村の家へ帰るそうじゃ。だから、今夜でお別れじゃから、今はここで待っていた方がいい。今夜と言っても早くらしい、へたすると夕方かもしれない」
と説明した。
「ええーっ!今夜?夕方?帰ってしまうって?」
太郎は心臓が止まるくらい驚いた。はなやゴクウ達もショックだった。
「ああ、太郎兄ちゃん、ここにいなきゃ。いつ帰ってしまうか分からないもの」
はなの言葉に太郎はうなづいていた。
「ああ、そうじゃ、今夜はお別れの夕食会じゃ。尊者達には、会議が終わったら、すぐここへ来てもらお。さあ、最後じゃ、皆でがんばって精一杯の夕食の準備にとりかかろう。のう、隊長さん?」
と仙人は太郎の肩をたたいた。呆然としていた太郎は、
「あっ、そっ、そっそうだ」
と、頼りない返事をした。
やがて、夕暮れになってしまった。
「ああ、遅いなあ、まだ会議なのかな?そろそろお月様が昇るぞ。今夜もまん丸の十六夜だ」
太郎がつぶやいた。はなやゴクウやマレオも東の明るい空を見た。
三角の御岳の山影から、正に満月が昇ろうとしていた。
「ああ、昨晩と同じ満月ですね。今夜は静かで淋しいくらいですね。もう夕食の準備ができたんだから、早くローザさん達も来ればいいのに」
マレオが情けない声で言った。
皆が見ている中、満月が姿を見せ始めた。
「あれっ!お月様の中に何か見えない?」
はなが言った。
「ウサギだろ?耳の長いウサギが見えるってよく言われたもんだ」
太郎が、そっけ無く答えた。
「よく見て、何か動いてるわ。二つの影よ」
はなは、さらに続けた。
「あっ、本当ですね。影が二つ。いや、二人、動いている」
マレオが答えた。
「あああーっ、!ローザさんとお婆さんの姿だ」
ゴクウが叫んだ。
「ええーっ!そんな馬鹿な。あれっ、本当だ、どう言うことだ?」
太郎も驚いた。
やがて、その影はどんどん大きくなって、目の前に実物大のローザとお婆さんの姿が現れた。衣服はいつもの、見慣れた普通のものだった。
「ああ、ごめんなさい。遅れてしまって」
ローザが皆に向かって声をかけた。太郎やはなは声が出なかった。ゴクウはローザの足元を見ていた。足はちゃんと地面についていた。
「おやおや、久しぶりだね。皆元気そうで何よりじゃ」
ローザのお婆さんも話しかけて来た。
が、まだ、太郎もはなも声が出なかった。それを見て、ローザが、
「ごめんなさいね。驚かせちゃって、これはお婆さんの術なのよ。たぶん修験者達もまだ見たことないと思うわ」
とローザが言うと、近くにいた仙人や師匠も唖然としたままだった。
「あの、あの、ローザさん、お婆さん、お久しぶり、夕食の準備ができているから・・・」と、はながかろうじて口を開いた。
「はなさん、ごめんなさい。私は、もう帰らなくちゃ、ごめんなさい、もう、お別れしなくちゃ・・・」
とローザは目に涙を一杯浮かべて言った。
「ごめんよ。私の話し合いが、長引いてしまって、今夜のうちに帰らないと、」
とお婆さんがあやまった。
「本当にごめんなさい。私が一緒だから、村まで帰るのに時間がかかるのよ。今まで、楽しかったわ。太郎さん、本当にありがとう。はなさんもお元気で、それにゴクウさん、マレオさん、ケンさんもお元気で・・・」
と言って、ローザは手を振った。
「ええーっ!」
皆は口を開けたまま、見つめていた。すると、ローザとお婆さんの姿は、吸い込まれるように満月の中に小さくなって行った。そして、二つの黒い影は薄くなって、いつものウサギの影に変わった。辺りは、何事も無かったかのように、静かな満月の光で照らされていた。
「ああ、そう言うことか、ふーっ!」
ようやく、声を出した仙人はため息をついた。すると、師匠も、
「まあ、そう言うことだ。よし、マレオ、我々も今夜失礼しよう。物事は去り際が大切だ。この鹿肉と焼き魚をもらって道中で食べよう」
と言うと、嫌がるマレオの背中を押して、荷物を背に山道を下ってしまった。
「マレオさーん、お元気で、いろいろありがとーう」
はなは精一杯小さな手を振った。ゴクウもケンも姿が見えなくなるまで見送った。
が、太郎はまだ心や頭の整理がつかないのか、ポカーンとしたままだった。
「やれやれ、みんな帰ってしまったか、淋しいのう。わしも帰り時じゃが、みなが淋しがるといけないから、今夜は一緒に夕飯を食べて、傍に寝ることにしよう。さあ、腹が減った。夕食を食べよう」
仙人にせかされて、皆は夕食の席についた。会話も無く黙ったままの夕食会だった。
はなの目からは涙が止まらなかった。遠くで、ホーッ、ホーッと言うフクロウの鳴き声が満月の星空の下に響いていた。

ハイハイハイハーイ、時間となりました。クシュッ!やけに今夜は冷えますね。あっ、いけねえ、あっしとしたことが、水洟が出て。いや涙なんかじゃありませんよ。クシュン!いけねえ、またクシャミなんかして。はい、と言う訳で、次回のお運びを願いまして、あっしもお別れといたし・・、クッシュッ!いえ、くれぐれも涙じゃありませんので、はい、クシュばーい、クシュばーい!