ある日、突然、姪から電話があった。
「おじさん、亡くなったお爺ちゃんのバイオリンって、まだ家にある?」
「えっ?何で?確か、二階の開かずの部屋にあるかも?」
訳を聞けば、三歳の息子に、絶対音感の育つ間にバイオリンを習わせたいとの事だった。
「そうすると、将来はバイオリンニストか?」
と結局、私も夢か罠?に乗せられて、子供用バイオリン代に三万円援助する事になった。
そんな頃、ある人の講演を聞いていて、なーんだ、そう言う事なのか!と腑に落ちた。
その講演内容とは、次の通りだった。
「幼い子供が習い始めたバイオリン等で天才的な才能を発揮するのは、その子がバイオリンニストの生まれ代わりだからだ。
前世でずっとバイオリンばかり弾いていたから、ちょっと習えば、すぐに才能を発揮できるようになる。
ふつうの子供が幼い頃から始めたとしても、そうなるのは無理な話だ」
案の定、その後、電話のついでに、
「そう言えば、未来のバイオリンニストはどうなった?と聞いた。
すると、「えっ、そんな事あったっけ?いつの話をしてるの?」とけんもほろろ?の返事だった。
上記の講演の話には続きがある。
「九十祭近くになって中国語を勉強し始めた老人がいた。
もう遅いよ!どうして今頃になって?と聞くと、来世のために、暇な今の内に勉強しておくのだ!との事だった」
以上が講演内容である。
余談であるが、子供は早く習わせても無駄だ!と誤解されてはいけないので述べておく。
それは、「一万時間の法則」と言う有名な法則である。
人間は稽古事の楽器やスポーツも何事も一万時間練習すると、誰でも一流選手のレベルに達する事ができると言うものだ。
なので、既に始めたバイオリンもピアノもサッカーも、あきらめないようにしてほしい。
しかし、一万時間と言えば、一日十時間でも三年近くかかる。
なので、よほど好きとか、楽しくないと続けられないのではと思うが・・・
さて、話は変わって、
私は四十二歳の時に、突然、視覚障碍者になった。
ブラジルの農場で国際会議の準備をしていた時の事だった。
会議終了後、第一線から退き帰国して検査入院した。
そして、その後は岐阜の山奥の自然農法の塾へ移った。
そこで静養し通院しながら若い人達の育成に講師や現場指導者として取り組んだ。
私は、ある宗教を信じて実践していたから、徐々に視覚障害も治るものと思っていた。
それは病貧争を解決する教えで、事実、多くの人達の病気が治っていた。
しかし、私の場合は、月日が過ぎても視力や体調が全く回復しなかった。
なぜだろう?よほど霊の曇りがあるのか?前世の罪なのか、それとも家系の悪因縁なのか?いろいろ考えた。
いっこうに治る兆しもないので、とうとう自分も周囲の人達も、もう回復を期待しなくなった。
やがて2000年に、飛騨の自宅に帰り、文字通り手さぐり?で自然農法の実践は続けた。
また音声ソフトでパソコンを始め、ネットで視覚障碍者用のサビエ図書館の本を読むようになった。
そこで、仏教や他宗教のいろいろな著者の本も読み漁った。
どうして私はこんな障害者になったのか?また、どうして治らないのか?
この事についてはっきり知りたかったのだろう。
すると、ある日、障害者について、目から鱗が落ちるような衝撃的な話を聞いた。
それが、冒頭の講演者の話だ。
それは、当時、納税額が日本一の斉藤一人氏の話だった。
「人間は魂を向上させるためにこの世に何度も生まれてくる。
そして、生まれる前に、天界で、今回の人生ではどんな学びをするのかを神様や守護霊達と話し合って決める。
そして、自分の力より少しだけ高いハードルの課題を設定して生まれてくるので、すべての人生上の困難も自分の力で乗り越えられるはずである。
障碍者と言う課題は、人生上の最も苛酷な課題で、魂の向上のための最終段階の課題である。
なので、その境遇に生まれてくる人達の魂は、その境遇にも耐えられる神に近い素晴らしい魂の人達である」
と言う事だった。
なんだ、そう言う事だったのか。知らなかった。
と本当に目から鱗が落ちた感じだった。
すると、私は、今回の人生では、視覚障害と言う困難な課題を通して学ぶべき事がたくさんあるのか?
だとすれば、視力を治してください!と神様に頼んで、そのための努力をしても、それは的外れな事だったと言うことになる。
それよりも視覚障害と言う境遇を受け入れ、何を学ぶべきかに取り組むべきだ。
と思うようになった。
すると、私は自分の持っている潜在的な欠点も見えてきた。
ああ、この点だな、私が今回、学ばなければならない事は、と思い当たる事がいくつも出てきた。
また、他にも斉藤氏の話で、目から鱗が落ちた事があった。
私の中学校の時の同級生で、頭も気だても良い素晴らしい女性がいた。
しかし、彼女は、離婚して再婚後に生まれた子がダウン症だった。
その話を初めて聞いた時私は、あんなに素晴らしい彼女も不幸な運命の持ち主だったんだな等と、かわいそうに思った。
しかし、上記の講演の話のつづきで、
「障碍者として苛酷な運命に生まれる魂は、そんな状況でもめげる事なく愛情をかけて育ててくれる包容力や忍耐力の大きな人を母親として選んで生まれてくる。
なので障碍者の母親となる人達は、素晴らしい魂の持ち主ばかりだ」
との斉藤氏の話を聞いて、自分の考え方が間違っていた事を知った。
やはり、彼女は魂的には素晴らしい人だったんだと腑に落ちた。
それもこれも、私が障碍者になったからこそ、気づく事ができたのだと思った。
もし、障碍者にならなければ、私はそれまでの人生はかなり順調に行っていたから、今頃は他人にも厳しい自称成功者の1人のつもりだったかも知れない。
この「人間は魂の向上のためにこの世に生まれてくる」
と言う事は、それまでにも「人生は修行の場である」との教えで知ってはいた。
が、自分にとって、こんなに重要な事だとは思っていなかった。
そこで、前回の高次元世界の話では、次の通りだった。
六次元 光明界、高級霊界、天使候補生、ハイヤーセルフ
五次元 天国、善人界、魂の喜び悩み不安がなく思う事実現
四次元 聖霊界、準天国、地上圏霊界、魂霊の世界、輪廻転生する霊界
三次元 縦横高さ空間時間、物質界、肉体、五感私達が使命を持って生まれてきたこの地上世界
この中で、私はハイヤーセルフと言う言葉を初めて目にした。
エスピリチュアルの分野ではよく使われる言葉のようなので、早速調べてみる事にした。
その結果、次の通りだった。
ハイヤーセルフとは、高次元世界のもう一人の自分自身
ハイヤーセルフとは、自分の魂の高次元世界でのもう一人の自分のことを指す。
日常生活で自分が誇らしかったり嫌になったりするが、それは、自分の中の魂の高次元の部分が強く出ているか、エゴが強く出ているかの差である。
ハイヤーセルフは、魂、つまりは自分自身の学びのために、この地上に降り立つ前に今生で何をするかを決定している存在である。
そして、自分で決めた役目を全うするために、人生上でいろいろな出来事を設定したり、進む方向が間違っている時は修正させたりする。
ハイヤーセルフは、輪廻転生しても変わらない自分の魂そのものである。
そもそも、輪廻転生というものは、より高次の魂になるための学びのために、様々な時代や環境、肉体条件のもとに生まれ変わって、三次元で様々な体験をしている。
魂の進化のために、ハイヤーセルフは今の肉体を選んで生まれてきたので、この肉体の自分でなければならない必要性がある。
そしてハイヤーセルフとつながると何事もうまく行くようになる。
また、目の前で起こっている嫌な事もハイヤーセルフが魂の成長のためにセッティングしたものなのと受け止めて、学ぶべき事を学べば、嘘のようにうまく片付く。
直感は、ハイヤーセルフからのメッセージ
ハイヤーセルフはその人が幸せになるために、直感という形でメッセージを送り続けてくれる。
しかし、その声は小さくて、忙しい日常生活では、それを聞き逃してしまう。
なので、毎日一回は深呼吸をして三分でも心を落ち着ける時間を取るとよい。
ハイヤーセルフとよく混同するのが、守護霊とガイドの存在である。
ハイヤーセルフが自分自身であり、輪廻転生しても変わらない存在であることに対し、守護霊とガイドは自分以外の存在である。
守護霊は、生まれた時から守ってくれている存在で、生涯変わらない。
そして、過去生でご縁のあった存在である事が多い。
一方、ガイド(指導霊さま)は、自分が高い目的を持った時にサポートしてくれる存在で、必要に応じて交代されることもある。
いずれにしても、自分自身を守り、導いてくれる大切な存在なので、一日に一回、声に出して感謝を伝えると良い関係になる。
今、自分を取り巻いている3次元のものはすべて神様からの借り物で、本当の自分自身は魂そのものである。
なので自分の髪質が気に入らないとか、顔立ちが好きじゃないとか、もっと背が高くならないのか等の悩みは、すべて私自身や私の責任でなく、すべてハイヤーセルフが選んでくれた衣装や設定なのだ!と考えれば割り切る事ができる。
そうすれば、ありのままの自分を受け入れる事になり、生きる事が楽になる。
そして、自分に起こることは、すべてハイヤーセルフが意図した学びの場なのだと考えられるようになり、よりハイヤーセルフと深くつながる事ができ、魂のレベル向上につながる。
人は、魂の年齢がまだ生まれて間もなかったり、子供時代だったりすると低い次元の波動を持っている。
それぞれの魂は、より高次元の存在になるために、肉体をまとって地球上に降りてきていて、さまざまなことを体験することにより、一生懸命に学んでいる存在だと考えれば、皆いとおしい存在と思える。
(以上、参照、セレンディピティより)
(つづく)