飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

脱原発か、ミックスか? それが問題だ! たまる核糞尿?

2011-06-30 17:54:06 | エッセイ
脱原発か、ミックスか? それが問題だ! たまる核糞尿?

福島の原発災害をきっかけに、世界的に「脱原発」自然エネルギーへの転換が叫ばれるようになった。
ところが、フランスの大統領は、もっと安全な次世代の原発を開発すると公言した。
オバマ大統領のアメリカやロシアの原子炉輸出国はもちろん、これから電力を必要とする中国やインド等も、今更動き出した巨船のカジなど切れないと、原発の増産を進めるようだ。
一方、イタリア、ドイツ、スイス等では、脱原発にカジを切った。
日本では、現在、賛否両論で割れている。
、一般市民は「脱原発」、政治家、産業界は「継続」である。
「継続」」派の人の意見に、「現在利用しているジェット機だって、百%安全とは言えない。同じようにリスクを承知で利用すればいいんだ!」とあるが、ジェット機と原発とは、あらゆる観点でスケールが違う。
原発は、ジェット機に例えるならば、翼が数十kmと言う大きさで、乗客も百万人近くなる。墜落したりすれば、一つの地方や県を完全に破壊してしまう。
さらに、ジェット機は、離陸しても、危険を感じれば、数十分で引き返して着陸でき、元の安全な状態にもどることができるが、「原発」機は、一度離陸すると、何十年以上着陸できず飛び続けなければならない。いくら発電を中止しても、着陸できず、いつまでも低空飛行を続けなければならないようなものだ。
このようにジェット機と原発機は、人の生命や国土と言うリスクにおいても、スケールが比べものにならないくらい違うのである。
元々、とほうも無い時間をかけて、この地球を造って来たのが原子核である。そのエネルギーを取り出して利用する「原発」は、原子核分裂によって不安定な放射性廃棄物を大量に造りだす。
それらは、半減期に見られるように、その時間的スケールは、短くても数十年、長ければ数百年単位である。
今回のように、一度汚染された場合、健康のことを考えれば、その場所を離れて少なくとも数十年待たなければ再び元の場所にもどることはできない。見えない感じないと言って、寝ても醒めても放射能を浴び続けることは危険である。
と言うのは、長年放射能を受け続けるとどうなるかについては、アメリかのカールモーガン博士やマンクーゾ報告書等、厳しい狷介を示した人達の説が押しやられ、安全だ、心配ないと言う人達の声が大きいからである。(モーガン博士は、内部被曝を考えると原発は運転できない、と言い、マンクーゾ報告書では、外部被曝は、作業者でも年間1mシーベルト以下と言う)
さらに問題なのは、原発の持つ放射性物質の量の巨大さである。
あの広島に落とされた原爆の放射性物質の量は10kgだった。
(ウラン235は、10kg以上一箇所に集めると、互に出す中性子で核分裂を促し連鎖反応を起こして「臨界」を越え、大爆発をする。これが、原爆である。原発は、ウラン235は数%で残りは他ノウランと言う「濃縮ウラン」を使用するため、急激な爆発は起こらず、中性子を吸収する黒鉛をはさんで「臨界」を中止したり、多少コントロールできるが、中止しても、まだ莫大な発熱は止められない。これが問題で、冷却を怠ると、どんどん温度は上がり数千度に達し、様々な問題を起こす)
チェルノブイリの事故では、10トンの放射性物質が周囲に飛散したと言われる。広島の千倍の量である。そのため数十kmの範囲で子供達の甲状腺ガンを起こした。
さて、福島の原発は、全部で6基有るが、その1号基は、発電量約46万kwで、毎年約70トンのウランを使用する。2号基は毎年94トン、3号基は毎年94トン、4号基は94トン、5号基は94トン、6号基は130トンのウランを使用し、これらは、減ることは無く、放射性廃棄物として残る。しかも、発熱し続けるので、水を入れたプールで冷却し続けなければならない。
今回は幸い4、5、6号基は、運天を中止していたが、1、2、3号基が運転中に地震と津波が来た。
急遽、運天を中止できて「臨界」は止められたが、膨大な発熱の冷却機能が不能になって、中のウランが高熱で溶け落ちてしまった。
中に入っていた、ウランの量は、おそらく数十トンだろう。6基全体で、毎年約600トン近くの放射性廃棄物が貯まるのである。1号基は、もう発電開始以来30年、70×30=2100トンとなる。いったい、福島第一原発だけでも、全部で、どれほどの放射性廃棄物が蓄えられているのだろうか?
日本には、54基有ると言われるが、継続する限り、それが毎年増え続けるのである。考えるだけでも恐ろしくなる!
誰かが、原発は、「トイレの無いマンションだ!」とか言ったと聞くが、正にその通りで、クリーンなエネルギーだなんてとんでもない嘘である。巨大な糞尿を隠して子や孫の世代に残すようなものだ。
今回の脱原発運動を「集団ヒステリー!」と言った政治家がいると聞くが、こうしたことまで分かっているのだろうか?
糞尿と言えば、日本の顔の富士山の裏側にトイレから落とされた糞尿が寒さで分解されず、トイレットペーパーとごっちゃ混ぜになって、巨大な糞のように兆条からぶら下がっていて、それが、世界遺産登録の障害になっていると、聞いたが、あの糞尿はもうきれいに除去されたのだろうか?
観光立国を目指すならば、政治家は一刻も早く、国として予算を取って取り除くべきである。
水俣病やイタイイタイ病で、廃棄物の処理の大切さを学んだ日本の産業界、
自然の処理能力に合わせた「野糞」ならいいが、自然の処理能力を超えるならば、古代ローマのように上下水道を完備しなければならないのだ。
その技術が無いならば、現在のイタリアのように、「脱原発」を決定して、他の方法を摸索すべきだと思うが、いかが?

以上



蒸し暑い梅雨晴れ! 水もしたたる青葉飛騨

2011-06-28 18:06:17 | 俳句

蒸し暑き 思いははるか 高原かな  湧水

昨日は雨がよく降った。飛騨に大雨警報が出ていたようだ。今日は一転、晴れた。だが、水びたしの大地のためか蒸し暑い。
濡れタオルを手に、炎天のバス亭に立っていると、涼しい御岳の高原を思い出した。

梅雨バスの 運ちゃんはりきる 女子校生  湧水

また、中間テスト?か?、高校生が多勢、正午近くのバスに乗った。
運ちゃんは若いお兄ちゃん、いつもは、人の話など聞かないお婆さんばかり。梅雨晴の天気のように元気よく張り切っていた。

濡れタオル 必ずどこかへ 置き忘れ  湧水

こう言うことがあるので、外出時は、新しいタオルに。一度、恥ずかしくて私のタオルと言えないことがあった。

瑞々しい 雨の飛騨路の あじさいかな  湧水

池の面に 高さそろえて はなしょうぶ  湧水

背くらべも 中途でやめしか はなしょうぶ  湧水

花を観る 視線も水平 あやめかな  湧水

蒸し暑いのは、どうも気候のせいだけで無いようだ。夏風邪をひいたらしく、さかんに鼻水が出る。

半蒸しの 心地のわが身 梅雨風邪  湧水

夏風邪や 暑さと冷えを ごっちゃ混ぜ  湧水

身は暑き 風は冷たき 夏の風邪  湧水

雨間が有れば、一日一回は散歩する。

打ち雨に 負けぬ陽射しや 梅雨山路  湧水

雨と陽に かえるとせみが 応援歌  湧水

ゴロゴロに かえる鳴き出し せみ黙る  湧水

パラパラと 気まぐれ雨や 梅雨の昼  湧水

気まぐれの 雨にイチイチ 鳴くかえる  湧水

気まぐれの 雨に生真面目 かえる歌  湧水



連載小説「幸福の木」 その86 話 花盛りの沼々

2011-06-26 18:01:05 | 小説

ハイハイハイハーイ、おまたせ!飛騨の小路 小湧水です。今回は、ギリギリセーフですかね?
いや、今日は暑くなりました。あのクールビズっていいですね。もちろん、あっし達、落語家は、江戸時代からこのノーネクタイ姿ですが、ウチの先生なんか、夏は短パンにTシャツですよ!年を取ったことを忘れているみたい。自分でも似合っていると、思い込んでいるようです。鏡を見ても分からないですからね。
それはそうと、先生宅のキウリが獲れ始めたようです。しかも初物をお隣さんが収穫してくれたみたい。去年は自分で収穫してたが、今年は一度も畑を見てないようで、いいんですかね、あんないい加減な農業で?
ナスやトマトも順調そうで、農作業をしてくれる爺さんが、「順調だ!」なんて言うので、安心してるみたい。まあ、そのうち、あわて出すでしょう。はい、そんなこんなで、はい、ゴロゴロと夕立ちもやって来たみたいで、はい、そうでした。早速、肝心の小説に参りたいと思います。はい、最近は、小説の季節の方が遅れ気味で、どなたか、先生の尻を競馬のようにピシピシとムチを入れてくださる方はおりませんかね?
はい、では、開幕、開幕!

86 花の沼々

九頭竜は、川の上に来ると、水面すれすれに旋回した。
今回の旋回は、先回の旋回より極端で、まるでヘアスピンカーブを廻るレースカーのようだった。
「ワワワワー!」
太郎を初め、全員が竜のゴツゴツした首にしがみついていたが、ものすごい遠心力に力尽きて、とうとう振り落とされてしまった。
「ドッボーン!」、「ドッボーン!」、「ドッボーン!」、「ドッボーン!」、
静かな緑色の川面に、大小の白いしぶきが上がった。
ハナは、「どうして私もなの?あの、バカ兄だけでいいのに」と怒れてきた。
「冷たい!誰か助けて!」
ハナは、顔に感じた冷たさに、思わず叫んだ。

「おいおい、ゴクウ、起こしてやれ!何か寝言を言ってるぞ」
太郎の声が聞こえて来た。
「はっはっ!冷たいとか言ってましたね。ああ、ちょうど、しずくが顔に落ちてます」
ゴクウの声もした。
「ワンワンワンワン!」
耳元近くで吼えるケンの声に、
「あらっ!私って、今、夢を見ていたのかしら?」
とハナは目を開けた。
真上に巨樹の太い枝が見える。その間の葉から、キラキラ光る物が落ちて来た。
「何、これは、朝露のしずくだわ。よりによって私の顔の上に落ちて来るなんて!」
ハナは、ガバッと怒ったように上半身を起こした。
「はっはっはっー、何て便利な寝床だ。顔を洗う水が自動的に落ちるなんて、まだ蝉のシッコじゃなくてよかったな。いい加減に起きろってことだ。はっはっはっー」
太郎は、大笑いした。
ハナは、今まで見てきた空の旅が、夢だったのかと思い始めると、少しがっかりして来た。
太郎は、めずらしく反論して来ないハナに、変だと思ったがそれどころではなかった。
「よし、ようやく、これで準備できた!」
と、焚火を前にして汗だらけの真赤な顔で叫んだ。
「よし、ゴクウ、ケン、これで、石板も壷の水も熱くなった。あとは、目玉焼きでも、ゆで卵でもokだ。さあ、さっきの卵を持って来い!」
太郎が言うと、ケンがシッポを振って、近くに置いていた大きな卵を口にくわえて来た。
「おお、いいぞ、いいぞ、ケン、もっと卵は無いのか?一戸だけじゃ、目玉焼きか、ゆで卵か、迷うじゃないか」
太郎は上機嫌で、ケンの口から卵を取った。
「たっ、たまご!卵!ちょっ、ちょっと待って!」
ハナは、ビックリして、起き上がった。
そして、あわてて焚火の傍の太郎に詰め寄った。
「なっ、なんだ、突然?」
太郎の方が驚いた。
「そっ、その卵を、食べるの?」
ハナが言葉にならないくらいあわてて聞いた。
「なっ、何だよ!今更、だから、言ったじゃないか、そのために、今までかかって準備して来たんだ。この石板もこの熱さにするには大変だったんだ」
太郎は、もうハナの相手をするのが、面倒になった。
「ええ、邪魔くさい!あっちへ行け!おい、ゴクウ、ハナの相手をしろ」
そう言うと、太郎は一個の卵を顔の前に持ち上げて、
「さーて、目玉焼きか、ゆで卵か、どっちが美味いかな?」
と嬉しそうにつぶやいた。その卵は、ニワトリの卵より、かなり大きく、ボールくらいの大きさだった。
ハナは、ゴクウに何か心配そうに耳うちしていた。
「あっ、あの、太郎隊長、その卵、大丈夫ですか?」
ゴクウが急に言い出すと、
「えっ、大丈夫って?何が?」
と、太郎は、不思議そうにゴクウを見た。
「いっつ、いえ、もし、目玉焼きにしようと割ったら、大トカゲや大ヘビの子が出て来たり・・・」
「いやーっ、気持ちワルーッ!やめろ、せっかくの料理がまずくなる」
と太郎が怒り出した。
「でも、その可能性があります。私も言い出さなかったのですが、その卵の匂いは鳥ではなさそうです」
とゴクウが言うと、ケンまで、ワンワン吼えた。
「何?鳥じゃないって?うーん」
太郎は、思いがけない言葉にうなってしまった。
「よし、それじゃ、割って見てみるか」
と、石板に卵を打ちつけようとした。
「まっ、待って!ちょっ、ちょっと待って!それじゃ、死んじゃうわ!死んじゃったら大変よ」
ハナが大声を出した。
「けっ、たかが、卵ひとつで、そんな大声を出しやがって!いったい何なんだ?」
太郎も、ハナのしつこさに切れたのか大声で怒鳴った。
「あっ、あの、ケンが卵を見つけて来た場所へ行けば、何の卵か、すぐ判ると思いますが・・・」
ゴクウが言うと、
「けっ、それなら、もっと早く言え!今頃になって」
と太郎は声を荒げて憤然と立ち上がった。そして、ケンに合図すると、
「もし駄目だったら、俺の今までの準備は、いったい何だったんだ!」
とブツブツ言いながら、ケンに案内させて、森の中へすごい勢いで歩いていった。
深い森を抜けると、草原のような所に出た。
背の高い青草の中に、、枯れ草で作った巣のような物があった。
ケンは、そこに近づくと、ワンワン吼えた。
「ああ、ここか、ここか、これは、やっぱり鳥だろう」
太郎が大声で叫んで、後からやって来るゴクウやハナに振り向いた。
「しかし、この卵の大きさにしては、小さな巣ですね。変ですね。こんな大きい鳥なら、巣ももっと大きいはずですが・・・」
ゴクウが小首をかしげた。
「そう言えば、鳥の羽根らしき物も落ちていないわ」
ハナもしゃがみ込んで観察した。
「けっ、面倒くさいことを言って!鳥であろうが、トカゲだろうが、黄味と白味が有れば、どっちでもいいんだ」
と太郎は、はっきりしない返答にイライラしていた。
「ワンワンワンワン!」
ケンが突然吼え出した。
その吼えている方を見ると、大きな卵形の白い石が二つ並んでいた。
太郎やハナ達は、その光景に、目を奪われた。
「あらっ、この景色、確か、どこかで、見たような・・・」
ハナがつぶやくと、
「おお、俺も、見覚えが有る。確か、どこかで・・・」
と太郎も言い出した。
すると、ゴクウが手を打って、
「あっ、そうだ!分かりました。あそこです!小人達がお祭りをやっていた森の中の草原ですよ」
と、答えた。
「ああ、そうだ、そうだ。お祭会場の昼間の姿だ」
太郎やハナ達も、思い出して、興奮した。
「ちょっと待て、夜になると、大きくなるんだから、この卵も同じように大きくなるのかな。そうなると、中味が何かで、大変な事になる」
と、太郎は、あわてて卵を巣に返した。
そして、ホッと胸を撫でおろしていると、
「あのさ、そんな事よりも、私達の目的はいったい何?」
ハナが青い顔をして言い寄って来た。
「そっ、なっ、何を、今更、そりゃ、木よ、幸福の木だよ」
太郎が答えると、その言葉に、アット気づいたのか、ゴクウと顔を見合わせて、
「あっ、そうだ!幸福の木だ!」
と叫んで、皆でいちもくさんに、卵型の石の裏側へ駆け込んだ。
そこには、小さくなった幸福の木が有るはずだった。
「ありゃーっ、ありゃーりゃーっ!無い!無い!」
全員、顔色を失った。
と言うのは、小さな木は有ったのだが、その隣には、ちょうど根ごとすくい取られたような穴が空いていたのだった。
「しまった、遅かった。奴等が移動した後だ。残念!」
太郎やハナ達は、前回、幸福の木が小人達と共に消えた苦い経験を思い出した。
しばらく、お互いに顔を見合わせていたが、
「いや、しかし、あの金目鯛の言ってたことって、本当だったんですね。こんな所に小人達がいるなんて!私はどうかなって思っていましたが・・・」
とゴクウが頭をかきながら言った。
「ええーっ、ゴクウ、お前もか!俺なんか、初めから信じてなかったぞ。他に当てが無かったからハナの案に従っただけだ。まさか、本当とは、今更、びっくりだよ」
と太郎は、大笑いした。
「っつたく!だから、遅れたのよ。初めから私のように信じていれば間に合ったかも知れないわ」
ハナは、あきれたように言って、近くを歩き始めた。
「いやいや、まいったな!本当だったとは、まあ、いいさ。さて、帰って飯でも食ってから、出直すとするか?」
と太郎がトボトボと元来た道をもどり始めた。
「ゴクウは、卵型の石の上に乗って、
それにしても、この先は、変わった風景だ。森のような木が少ない。と言って、草原にしては、背の高い草が少ない。ひょっとしたら、岩か、沼や池がたくさんあるのだろうか?」
等と思いながらキョロキョロと遠くを見回していた。
ケンは、太郎が卵を返した巣が気になるのか、盛んに匂いをかいでいた。
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
遠くでトビの鳴き声がした。
「あっ、トビだ。森の反対側のかなり遠くだ」
ゴクウだけが、その泣き声に気付いた。
その時、ハナの大声が聞こえた。
「有った、有った!やっぱり有った!」
ゴクウとケンがハナの方を見た。
まさか、幸福の木じゃないだろうが!と思いつつハナのいる所へ行った。
ハナは、森から、かなり離れた場所にいた。そこは沼の始まりだった。やはり、この先は沼になっているのか、とゴクウは思った。
トビが鳴いていたのも、その先の空だった。
「ああ、ゴクウさん、見て見て!これを」
ハナが棒切れで示す地面には、泥の上に凹んでいる足跡が有った。
「ねえ、まちがい無いでしょう?小人達の足跡だわ」
ハナは、自信ありげに言った。
幼児の素足のような小さい足跡がたくさん付いていた。
「ええーっ!、小人にしては、少し大きくはないですか?」
と、ゴクウが答えた。
「小人って、体が小さい割には、足は大きいのよ!」
と、ハナは、もう確信しているようだった。夢で空から小人達の行列を見たからだ。
その時、
「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ、ピーヒョロロ!」
またトびの泣き声が聞こえた。
今度は、大きな声で、ハナにもケンにも聞こえた。
しかも、その方工は、ハナが見つけた足跡が向かっている先の空だった。
「あっ、タカコだわ!やっぱりまちがい無いわ。この先に、小人達がいるのよ」
ハナは嬉しくなって、大声で手を振った。
「はーい、タカコ!久しぶりね。今、そっちへ行くからね」
と叫ぶと、ケンと一緒に進み始めた。
そして、ゴクウには、太郎のいる森へ行って、二人で荷物全部持って来るよう頼んだ。
ハナとケンは、固い土を探して一歩づつ進んだ。
小人達の足跡が付いている場所は、足を踏み入れると、体重で深く沈んでしまう泥だからだ。だが、見慣れた雑草の生えている場所は、土が堅かった。
どんどん進んで行くうちに、大きな池があり、周囲に紫や赤や白の花が咲き乱れていた。
「わーっ、きれい!まるで花園みたい」
ハナは、立ち止まって見渡した。
「あれっ、やっぱりこの景色って、夢の中で見たわ」
そう思うと、ハナは、夢のことを詳しく思い出し始めた。
「ケン、ちょっと、ここで花を見ながら太郎兄ちゃんやゴクウさん達が追い着くのを待ちましょう」
ハナが、青草の上に腰を下ろすと、目の前の池には、かきつばたやあやめのような背の高い花と緑の葉で溢れていた。
水面には、所々水蓮のような花が浮かぶ以外は、青い空を映して、さながら巨大な公園のようだった。
「あの青い水面を小さな舟に乗ってアチコチの花々を見たら素晴らしいでしょうね!」
と、ハナは夢見る少女になっていた。
ハイハイハイハーイ、お時間となりました。あの竜の空の旅は夢だったんですかね?小人達の足跡って素足だったんでしょうか?はい、さてさて、この先どうなることやら、先生にも、さっぱり分からないようです。「夏風邪を半分ひいた!」とのことで、はい、「ハックシ、ション!」の前半分の、「白紙ハクシ」だそうです。
実に、くだらないダジャレでした。サムーイ!こっちの方が、風邪ひきそう!はい、失礼しました。
では、これにも懲りず、またのお運びをお願いいたしまして、バイバイとさせてください。はい、サイサイサイナラ!



新災害用仮設住宅! 和式トレーラーハウス セカンドハウス

2011-06-25 07:57:55 | アイデア

今朝、テレビで、ある民間の支援団体が東北の被災地に20台のトレーラーハウスを送って大変喜ばれ、新しい仮設住宅として注目を集めているとのニュースが報道されていた。
そのトレーラーハウスは、アメリカ?からの輸入品で、一台300万円、民間からの寄付で購入し、被災地へ送ったようである。
被災地では、仮設住宅の土地が見つからないとか、いろいろな事情で建設が遅れているケースが多いが、そんな場合、このトレーラーハウスが力を発揮する。
しかも、壊れた自宅の近くに短時間で設置できるため、被災者が精神的にも安眠できるとのことだった。
このトレーラーハウスは設置も邯鄲だが、移動も邯鄲。また、必要無くなれば、別荘のように利用したり、増築の代わりにもなる。そして、また災害等で必要になれば、車で引いて現地で活躍できる。まさしく、究極の救援物だ。(中の冷蔵庫に食料が、九級箱には薬が、ラジオ、テレビも、布団も服も万杯にして現地へ送る)

実は、私もこのトレーラーハウスの利用について、昨年の夏に提案していた。それは、山間地の間伐材利用と大工サン達の雇用対策を兼ねての提案だった。もったいない?ので、再度、掲載しようと思う。悪しからず!
昨年の八月掲載!

新企画!伸縮式トレーラーハウス(災害対策用)

ハイチ地震の復興支援に自衛隊が派遣された。自衛隊は戦争に備えて、また抑止力として存在するのであるが、平和な時は見張りと訓練などが主な業務であろう。その訓練や体力づくりに次のようなことを加えたらどうだろうか?
それは、災害から自衛すると言う意味を加えて、災害防止や復興支援を通常業務として国内海外の現場に派遣すると言うものである。そうすれば平和時でも、人々や社会のためにかなり役立つのではないか。
アメリカの消防隊がヒーローとして市民から尊敬されるように、自衛隊も市民や自治体から頼もしい存在として尊敬され、自衛隊自信や家族もより誇りをもてるのではないか。
現在では、台風時の水害防止、降雪時の家屋道路などの除雪等は県知事の要請があった時のみの支援だけと聞いている。だから、今後、通常業務とすれば、事前の情報収集や対策なども綿密に準備するだろうから、今までのような災害も相当減少するだろう。さらに、
例えば日本国内の放置されている間伐作業をしたり、荒れたり放置された山の植林、天然林にもどす植林り、また、過疎地や棚田など景勝地の国土保全なども、今後通常業務に加えれば、かなりの人数が投入されるのであるから、それに自治体や市民も加わるだろうから、見違えるような成果が上がるだろう。
さて、自衛隊の話はこのくらいにして、本題に入ろうと思うが、
地震などの災害時によく仮設住宅が必要となるが、雪や地盤が悪いと完成するまでにかなり時間と人員、経費がかかってしまう。
そこでもっと早くできる住宅を考えてみようと思った。
以前、テレビで竹を利用して短時間で組み立てられる住居とか、ダンボールを利用して、同様短時間で組み立てられる住居の研究とかが紹介された。
これらは仮設住宅が完成するまで住むもので、数時間で組み立てられるというものだ。災害を受けた人達にとっては、本当に有りがたいものだろう。
そこで、私も仮設住宅より早くできる住宅を考えてみた。それはトレーラーハウスのような移動できるものだ。これはふだんはキャンプハウス用や海の家や仮設事務所や休暇中の仮設住宅などに使え、いざ、災害時には折りたたんで小さくして、トレラーハウスとして現地に移動し、そこで元の大きさにもどして仮設住宅として使用するというものである。
日本ではアメリカのように道路が広くないから、また道路交通法でアメリカ式のトレーラーハウスの通行は無理だろうから、小さくたたみ込んで通行し、現地で元の大きさにするという方式である。
この日本式トレーラーハウスの特徴は、前述の小さくたたみ込めるということと、もうひとつは木製であるということである。
飛騨などの大工さんの多い地方で製造し、地元の新しい産業として、間伐材を多く利用し、林業をも活性化する狙いもある。
トレーラーハウスは狭いスペースにヨットのように台所、トイレ風呂などすべての住宅の機能をコンパクトに持たせなければならない。そのためには飛騨の匠のような細工技術が不可欠で材料も小さな間伐材で十分である。小さいながらも和風の床の間や玄関(欄間や天井、壁、窓も和風にして、全く小さくしただけの和風建築とする)などあれば、一般の人のセカンドハウスとしても需要が生まれるかもしれない。
構造は左右二つの車輪を持つ、車軸や家全体を支える土台を鉄骨を溶接して作る。
その上に一般住宅のように、やや細い柱や梁(はり)など組み立て、壁や屋根などつくる。この鉄骨の上の間には台所やトイレ風呂(シャワー付き)を設置し、この部屋に収納している畳の大きさの床材壁材を、現地では取り出して、横にもうひとつの和室を組み立てるというものである。
横にはみ出しているヒサシや拡張部の屋根の一部は、上に折りたたんだり、はめ込み式にして、運送時は車輪の部屋に収納する。
拡張部の基礎は鉄骨を組み立てるか、引き出し方式にする。それとも、拡張部全体を引き出し方式にしてもよい。
等々、細部のことはキリがないが、全体として、以上のようなミニハウスのアイデアはいかがですか?また、暇があったら考えて見てください。
以上


夏の暑さ対策 (その 2 ) 涼しい家と風通し

2011-06-23 23:22:08 | アイデア
先日、屋根用のスプリンクラーと水中ポンプを近くのホームセンターで買ってきた。ついでに、穴のたくさん空いたビニールホースも売っていたので、家の周りの打ち水ように、20m分と接続部品と共に買った。
あとは、友人の大工さんの暇な日に設置してもらう予定だ。
ところで、先回、(夏の暑さ対策)で、地下の冷たい空気をエアコン代わりに利用すると良いと述べたが、気をつけなければいけないことを忘れていた。
それは、カビである。テレビを聞いていたら、あの華道のカリヤザキ氏が、新築で地下室を造ったところ、湿気が上がって家中がカビだらけになったそうだ。
地下を掘ってみて、湿気が多いようならば(冬に乾いていても、梅雨時に水が湧いてくることもある、こう言う場合も含めて)地下室と地上部を完全に仕切って湿気が来ないようにする必要がある。そう言えば、縄文時代の竪穴住居も、このためか、必ず排水の良い高台にある。
ついでに、前回言い忘れたことを付け加える。
地面は夏でも涼しく、現在以上に暑かった縄文時代の夏も、竪穴住居は寝やすかったのだろうと述べた。
しかし、それが時代と共に高床式となったのは、気候も関係していると思う。弥生時代の高床式住居は、元々稲作の湿地から稲を乾燥貯蔵するための高床だった。
ところが、その頃、温暖な気候が冷涼な気候に変わったため、竪穴の涼しさは必要なくなった。それで、裕福な支配層の人達から、より湿気のない、清潔な住居として高床式が採用されるようになったのだろう。
参考までに、地面が涼しいのは、水分の蒸発のためである。また、土の断熱効果は大きく、真夏に地表の温度が50度近く熱くても、10センチ下は30度以下である。
オーストラリアのカンガルーは、灼熱の砂漠の中で、真昼に、砂を掘って地下の冷たい砂の上に座って休むそうである。

暑さ対策と消費エネルギー

さて夏の暑さ対策の涼しい家について述べる前に、寒さ暑さ対策の基本について考えてみよう。
暑さ寒さとは、人間の体が感じることである。だから、人間の体に近い所から対策した方が安上がりとなる。
一番安上がりな(消費エネルギーが少ない)方法は、冷たい水を飲んだり、熱いお茶を飲んだり、体の中を直接冷やしたり暖めたりすることだ。夏のスイカやアイスクリーム、冷やし物等、冬の卵酒、なべ料理等。
次に安上がりな方法は、体の皮膚や肌を直接冷やしたり温めたりすること。水浴び、濡れタオル、扇子、扇風機等、冬の厚着、ポカロン、コタツ、電気毛布等。
次の対策は、人間の体の居る部屋や周囲の空気を冷やしたり暖めたりすること。エアコン、冷房、暖房、ファンヒーター、電気ストーブ、電気絨毯等。
次は家や建物全体を冷やしたり暖めたりすること。エアコン、クーラー、セントラルヒーチング等。
その次は街全体や巨大な空間を冷やしたり暖めたりすること。巨大空調設備エアコン、冷房暖房設備等、巨大ガラスハウス、ショッピングモール、ドーム、巨大建造物、高層ビル、砂漠の都市のドバイ等で使用されている。
このように、規模が大きくなると、消費エネルギーも膨大なものとなる。
しかし、考えて見れば、今から50年前は、エアコンなど無かったのだ。それでも、世界中の人間が何の問題もなく生活してきたのだ。
と言っても、最近の日本の住宅や都市が既にエアコン設置を前提として造られているし、温暖化の影響もあるから、今さら「昔にもどれ!」とは、言えないが、今後新たに新築改築する人達のためにも、昔からの日本の伝統的な知恵のような、より節電的な住居(エコハウス)の在り方について考えて見ようと思う。

和風建築の基本は風通し

例えば、平安時代の頃の暑さ対策を考えると、扇や団扇、濡れ布、行水、西瓜など。
それに、寝殿造りに見られるように、風通しの良い高床式の建物である。南風を床から天井まで開けて取り込み、同様に北へ通り抜けられるようにした。
さらに、住宅の周囲に、緑の草木を植え、池や流水を造って、空気を冷やす機能を持った涼しい庭を造り、その風を高床の屋敷に取り込んだ。南側に池があると、夏の南風がその冷たい空気を屋敷の中へ運んでくれる。
また、住宅の屋敷も屋根には瓦を使用するようになり、夏の熱い陽射しを防いだ。
以前、設計士から戦前の日本の住宅設計の基本は、第一に風通しを考えることだと聞いたことがある。これは、夏の暑さ対策と、同時に、湿気によるカビ対策のようだ。
また、平安時代の清少納言の枕草子にも、家は、寒い冬よりも、暑い夏を過ごしやすいように造ると書いてあるようだ。
私の現在住んでいる家も、もう築100年近くになるが、振り返って見ると、父母等が改装する度に、風通しが悪くなり、とうとうエアコン無しでは住めなくなってしまった。
昔は、夏には、南側の戸を開けて、同じように北川の戸を開けると、家の中を涼しい風が通り抜けていった。家の中は、フスマや戸をすべて片付けてしまって、風通しの良い竹のすだれがかけてあった。
その頃は、エアコンはもちろん、扇風機さえ無かった。暑さ対策と言えば、団扇ぐらいのものである。
特に、風の無い夕方は、皆で家の外に出て、夕涼みをした。その時、子供達は、大人や先輩達から花火やこわい話しやギター等の音楽を聞かされた。
ところが、改装する度に、南側の戸が窓になり、風が上半分しか入らなくなった。台風に備えてそうしたのだろうが、今思うと、これは、失敗である。
南側には、池も造って、涼しい空気があるのだが、窓を開けても、昔のような涼しい風が入ってこなくなってしまった。
と言う訳で、家の周りを涼しい庭や打ち水して、その冷たい空気の風が家の中を通り抜けるようにすることが最も効果的な暑さ対策だと思う。