飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

(続)連載小説「幸福の木」 327話 飛騨の昭和村?

2022-10-30 14:14:58 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、いよいよウチの先生が騒いでいた30日が来ました、米国時間ですのでまだですが、果たして?
さて、先回途中切れだった原稿が届きましたので、早速、小説に参りたいと思います、はい、では、開幕、開幕!

327 飛騨の昭和村?

太郎が席に座ると、すぐにママさんが聞いてきた。
「それじゃ、太郎さんは何を飲みますか?ビール?それともお酒?それともワイン?」
とまるで自分の店のように、にっこり色っぽく頬笑んで聞いてきた。
「えっ、俺っ?俺は・・」
少し紅くなった太郎は、許可を取ろうと思って木花咲姫の顔や侍女の顔を見た。
が、ママさんの態度とは対照的に二人は何も言わず笑顔もなかった。
「あ・・おっ、俺は酒・・」
待っているママさんに向って、思わず口から言葉が出てしまった。
「それじゃ、給仕さん、お酒とコップをひとつ追加してね」
ママさんが爺達に注文し、太郎ににっこりとうなづいた。
注文を受けた長老と修験者がオドオドしながら、木花咲姫様に向って聞いた。
「あっ、あの、姫様、お酒の注文とデザートと飲み物の注文を受けましたが、よかったでしょうか?・・・デザートはすべてキャビア付きですが・」
長老の顔からは冷汗が噴き出した。
「えっ、キャビア付き?」
案の定、先に侍女が驚きの大声を上げた。
一瞬、長老達は、目と頭を臥せた。
閃光の後には、必ず雷鳴が来るからだ。
が、雷鳴はなく静かな間があった。
長老達が、どうなったのだろうか?と頭を上げうすうす目を開くと、
「・・まあ、いいんじゃないですか?」
との木花咲姫の声が頭上から聞こえた。
その姫様の声に、長老達はもちろん、太郎もホッと安堵した。
その時に、背後で、誰かが駆け出す足音がした。
思わず皆が目を向ければ、グー太とケンの小さな後ろ姿だった。
「ホホホホホ!」
その懸命な忍者きどりの駆ける姿に、木花咲姫に続いて皆も噴き出した。
小さな忍者が、ハナやハナナ達の代わりに、こっそり様子を探りにきたのだろう。
そんな滑稽な姿に、ようやく緊張していた空気が和んだ。
「それじゃ、木花咲姫様、ご注文を確かに受け賜りました」
と冷や汗を拭いだ長老達が立ち去ろうとすると、木花咲姫が呼び止めた。
そして、近寄って耳を口元へ寄せるように指先で指示した。
ギクッ!もしかしたら・・気が変わったのか?・・?」
長老達が、恐る恐る近づいて聞き耳を立てた。
「あの、キャビアって、ほんの小さなスプーン一杯だけをデザートに載せればいいからね、そのようにシェフに言っておいてくださいね」
と小声で耳打ちした。
「・・・・」
やがて新しい酒も運ばれてきて、太郎の仲間入りを祝っての乾杯もなされた。
長老達も給仕として、傍に立ったまま生唾をのみながら控ていた。
すると、ママさんに勧められて冷酒を飲んでいた太郎が、間もなく酔いで気が大きくなったのか、突然大声で言い始めた。
「あの、木花咲姫様、ちょっと聞きたいんですけど、今夜の泊まりはどうなっているんですか?俺達は何処で寝るんですか?」
この質問には爺達も聞き耳を立てて、太郎と木花咲姫の顔を見た。
また、知らぬ間に、グー太とケンが爺達の背後に来ていて、小さくなって会話の内容に忍者のように聞き耳を立てていた。
「あらっ、まだ泊まる宿が決まってなかったのですか?この村には泊まる場所はいっぱいありますから、こんな時間になっても大丈夫ですけど・・」
ママが少し驚いた顔をした。
「ああ、そうだった、そう言えば、俺はまだ泊まる宿は聞いていなかったな、この村に泊まる予定とは聞いてたけど、どこの宿かまでは、まだ聞いてなかった、いや、まだ決まってなかったんだ」
とバスの運転手も合槌を打って、木花咲姫の顔を見た。
木花咲姫は、しばらく黙って侍女と顔を見合わせていたが、
「あの、もし、ママさんでしたら、何処をお薦めしますか?ママさんのご意見をお伺いいたしたいと思いますが・・」
と丁寧に聞いてきた。
「えっ、私ですか?そうね、私だったら、昭和村の古民家がお薦めですね。あそこは落ち着けるんですよ、あっ、そうでした、あそこには昔ながらの静かな高級旅館もありますから、きっとそこなら姫様方も気に入られると思いますよ」
とママが言うと、隣の運転手が反対し出した。
「いやいや、ママさんよ、ほら、姫様達には子供達やここの太郎さん達や爺さん達も、それに猿さんも犬もいるんだぞ、高級旅館なんて大変な宿代になるぞ。もっと安くて大勢が泊まれる場所がいい」
すると、木花咲姫の隣にいる侍女が言い出した。
「あの、ちょっとお尋ねしたいんですが、今回ここで夕食を食べたあの子供達は、今夜は何処に泊まるんでしょうか?あの子供達も私達と同じように今日突然予約なしで来られたようですけど・・」
すると運転手がすぐ答えた。
「ああ、それならきっと、ここだ、この船だ、この船の二階の大広間なら、あのくらいの人数は何って事はない、もっと多くの子供達も毎年泊まっているからな」
ちょうど、その時、案内嬢が皆のいるテーブルへやって来た。
「ああ、やっぱり、運転手さん、ここでしたか?良かった見つかって、あの、村長さんが電話してほしいそうです、電話が切られているので繋がらないと言ってましたよ」
と運転手に言った。
「あっ、そうだった、忘れていた!早く村長に連絡するんだった、今夜の宿泊先が決り次第連絡するんだった、ああ、もうこんな時間になっていたんだ」

と運転手は舌打ちした。
するとそれを聞いていた案内嬢が驚いた。
「えっ、まだ宿泊先が決まっていなかったんですか?もうかなり遅い時間ですよ。
今、上の甲板上にいる子供達は、全員この船で泊まりますよ、もし皆さん方もそうしたいなら、ハンモックを準備いたしますよ」
と親切そうに言ってくれた。
「えっ、ハンモック?」
太郎が大声を出した。
「ハンモックって言ったら、木と木の間に繋いで昼寝する網じゃないか?」
太郎の言葉に爺達もうなづいていた。
「はい、そうです、この建物は帆船をモデルに建てられていますので、帆船の乗組員のように全員がハンモックで眠るのです、子供達には大変好評で、毎年夏休みに来る学校もありますよ、もっとも船長室や特別なお客さん用の寝室もありますが・・」
と案内嬢が答えると、太郎を始め皆は唖然とした。
すると、木花咲姫が突然、言い出した。
「あの、やっぱりママサンが仰るように、私達は昭和村で泊まりましょう、運転手さん、そのように村長さんに伝えて手配するよう伝えていただけませんか?」
急に言われた運転手は、慌てて、
「はい、それじゃ、早速電話します」
と言って、スマホを取り出しその場を離れた。
「あの、姫様、昭和村でお泊まりなら、私の店も近くですので、是非遊びにいらっしゃってください、大歓迎させていただきますので」
とママは言いながら、太郎や長老達に笑顔を向けた。
こうして、夜もかなり遅くなって、皆はバスに乗って昭和村へ行くことになった。
建物を出る前に皆は二階の大広間を覗いた。
そこには、無数のハンモックがアチコチに吊るされていた。
子供達がハンモックの中に横たわったりブランコのように揺らして遊んでいた。
ハンモックは向きや高さもいろいろで雑然としていた。
両端は太い丸太の柱や梁に繋がれていた。
丸太はハンモックのために設置したものだろう。
よくよく見れば、アチコチに二メートルほどの高さの丸太の太い柱が立っていて、それぞれが三メートルほど離れていて、上部が同じく丸太の梁で横につながれていた。
その丸太の梁には鉄の小さな輪がいっぱい付いていて、ハンモックの端の鉄のカギをひっかけるだけでよかった。
仲の良い子供達は、それぞれ話し易いようにハンモックの向きや高さを自由に変えていた。
入口の床にビニールホースを入れた一升瓶が置いてあった。
それを見て、太郎が、
「あっ、これはグー太用だ、もしかして、お前、まだオネショするのかい?」
とからかった。
さらに、屋上を覗くと、甲板上にはいくつかのテントが張られていた。
そのテントの中には、子供達が空気マットの上に寝転んでいた。
楽しくて嬉しくて、まだなかなか寝付かれないと言う様子だった。
その時、子供の1人が、太郎達に、どこに泊まるのか?と聞いてきた。
「俺達は、こんな甲板とは違う、ちゃんとした畳と床の間のある立派な古民家の昭和村だ」
と答えると、子供達が歓声を上げた。
「わーっ、すごい!トトロのジブリ村だ、いいな、いいな!」

(つづく)

思考が先、現実は後! (その 13 ) バイデンは最後の米国大統領?10月30日に

2022-10-27 23:33:01 | エッセイの部屋

最近つくづく考える。
どうしてこの世の中には悪が存在するのだろうか?
残念ながら、世界には幼い子供達を容赦なく殺したりする凶悪犯、お金を奪うための殺人犯や人や会社を騙すサギ犯、あげくの果ては、戦争で敵国民を殺したり強奪強姦など文字にするのも耐えがたい悪行をする人々が、実際にこの世に存在している。
もし、この世を造った創造神なる者がいるとすれば、どうしてそんな悪の所業を許したのだろう?と疑問に思う。
最近感じるそんな大きな疑問に、私なりに納得できそうな三つの情報に出会った。
まず一つは、この世の成り立ちや人間はどうしてこの世に生まれてきたのだろうと言う根本的な問題にまで遡る情報である。
まず、悪は何故存在するか?と言う理由である。
引用文
「こう見てくると、悪は今日までは大きな役割をした訳になる。
と言っても悪の期間は無限ではなく限度がある。
それは世界の主催者たる主神の意図であり、哲学的に言えば、絶対者と、そうして宇宙意志である。
即ち、キリストが予言された世界の週末であり、そうして遂に来るべき時代こそ人類大望の天国世界であり、病貧争絶無の理想世界、弥勒(みろく)世など名は異なるが意味はひとつで帰するところ善の勝さった世界である。
このような素晴らしい世界を造るとしたら、それ相応の準備が必要である。
準備とは、精神、物質ともに右の世界を生成するに足るだけの条件のそろう事である。
ところが神は、その準備として、物質面を先にされたのである。
と言うのは、精神面の方は、時を要せず一挙に引き上げられるからで、
それに反し物質面の方はそう容易ではない、
非常に歳月を要するとともに、そのためには何よりも神の実在を無視させる事である。
これによって人間の想念は自然物質面に置くここに無神論が生まれたのである。
故に、無神論こそ、実は悪を作るための必要な思想だったのである。
かくして悪は生まれ、漸次勢いを得て善を苦しめ争闘を起こし人類をして苦悩のどん底に落としいらしめたので、人間は這い上がろうとしてあがくのはもちろん発憤努力して苦境から逃れようとした。
それが文化発展に拍車をかけたのであるから悲惨ではあるがやむを得なかったのである。
以上によって善悪の根本誼がだいたい解ったであろうが、いよいよ此処に悪追放の時が来たので、それは善悪境目の切換えの時であるから、悪にとっては容易ならぬ時代となったのである。
右は憶測でも希望でも推理でもない、世界経綸の神のプログラムの現れであるから、信ずると信じぜらずにかかわらず、右は人類の決定的運命であって悪の厘止まりであり、悪の自由にしてきた文化は一変して善の手に帰する事となり、ここに地上天国樹立の段階に入ったのである」

昭和27念 天国建設の順序と悪の追放 文明の創造 (未定稿)
世界メシア教教祖 岡田茂吉氏論文 教会誌グローリー10月号より

まず以上の論文を読むと、「創造主なる主神は、物質面を発展させるために無神思想を作り悪を作り善と長年に渡り競わせた」
と言う事になる。
そして物質面が十分発展した今、無神思想や悪を滅し正して善の理想世界にする時代になったと言う。
つまり、これからは今まで自由勝手にし放題だった悪が、いよいよ悪行が許されなくなり追放され、善が主となる新しい時代が来たと言うのである。
これが本当とすれば、私達にとっても人類にとっても大変喜ばしい事である。
そんな中、世界の善や悪の現状について詳しく述べた本に出会った。
それが、ふたつ目の情報だ。

バイデンはなぜ、アメリカ最後の大統領になるのか?
日本人が知るべきアメリカ崩壊の真実 
 ベンジャミン・フルフォード著 2021年2月発行

の本である。
ここには現在の世界的な悪の具体的な活動が述べられていた。
この本の内容に述べていると、文字オーバーになったり、三つ目の情報が遅くなってしまうので、省略して、
三つ目の情報を述べる。
それはスピリチュアル系の情報である。
以下のスピリチュアル情報は、上記の本を読んでアメリカの現状を知ると、よりはっきりと理解できた。
ただ、この情報は、実際の状況が変われば変わるとも言われている。
この情報はユーチューブの「ヘブンch天上界チャンネル」で入手したものである。
以下に述べる、

「・・各自の意識しだいでタイムラインが変わると日時が代わります。
このメッセージについてどう感じるか、自分自身」の導きが何であるか、自分自身のハートに落とし込んでみてください、
2022年10月10日19時30分、受け取った人、ジャネットドア
受信したメッセージのチャネリングの元銀河関連号バルトウ」

「今日、光の連合とこれまで地球の人々を奴隷にしてきた者との間で合意に達しました。
この合意は地球人類に彼等の自由を変換し、奴隷化システムの除去と自由への置き換えを開始するものです。
普遍的な宇宙の方には、神聖なる神の正義が含まれています、
他者の主権的権利を侵害した者はこの神の法にしたがってその行動の結果に直面する事、つまり結果の責任を取る事になります。
結果の責任と言うのは、惑星地球内に残るか、または地球内に連行されると言う事です。
この意向が今後数か月に渡って行われるため、およそ50万人の人々が、地球を離れる事になります。
10月30日午後0時米国東部標準時より10から14日間、通信システムの停止が始ります。
インターネット、電話、けいたい電話のサービスはすべて停止します。
通信を停止する目的は多くのシステムを新しい量子システムに秩序正しく移行させるためです。
新しい量子金融システム新しい量子選挙システム新しい量子通信システム移行期間中の10月30日以降、米国および一部の国は戒厳令下におかれる事になります。
戒厳令はアメリカ合衆国法人が正式に終了する事が発表され、アネリカ合衆国憲法に基づく新たな選挙が必要となる期間、権限と意志決定の代務を明確にするために必要となるものです。
一般に電力水道公共施設の中断はありませんが、固有の理由により特定の地域で小規模な中断が発生する可能性があります。
光の連合は米軍と協力してテレビとラジオのチャンネルを占拠して米国の住民と他の国の住民がこれらの変化に関する情報を受け取る事ができるように継続的な放送を開始する予定です。
メサラが発表され、それについての説明があります。

メサラによると既に米国法に署名されその制定後米国は120日以内に新しい選挙を行い大統領、副大統領すべての連峰上院議員下院議員その他の連峰選出の役割を担う人を選出する事になっています。
これ等の変更が中選挙にどのような影響を与えるかについては放送される情報説明会でお伝えします。

1011月7日に予定されている米国中間選挙は、新しい量子システムを使用するため同システムの米国連峰政府の変更への反映できるようになるまでは選挙は中止し、または延期されます。
この長期間の通信途絶は航空会社やその他の交通機関に大きな影響を与えるためこの期間の旅行はひかえるよう助言します。
キャッシュレス社会への移行に伴い10日から14日すべての吟行が閉鎖されるため・・」
(以上、テープ起こしのように音声を聞いてパソコンで文字起こしをしていたが、疲れてしまった。なのでこれ以上は中止します)

と、現金や食糧や医薬品等の必需品を備えておくよう知らせている。
他にも、
「主流メディアが危険で恐ろしいと表現する出来事が起こるかも知れませんが、銀河連合は核戦争のような事は許しませんので、ご安心ください。
核弾頭は発射されても簡単に作動不能にできます」
と明記されていたので、安堵した。
ウクライナではプーチンが何やら怪しい動きをしているが、銀河連合の上記のメッセージを聞くと、安心して眠られる。
銀河連合とは神側の光の連合で、闇の連合と対立している、詳しくは次回以降に
今回は、内容が10月30日と言う期限が迫っていたので、不完全ながら投稿する事になってしまって、きっと誤字脱字も多くて失礼!

(つづく) ちょっと疲れた

霜降ノ飛騨 秋日に北風

2022-10-24 16:02:31 | 俳句日記の部屋

味噌汁ノ 香り鮮(アザヤ)カ 北風路  湧水

家々ノ 昼飯告げて 北ノ風  湧水

北風に 鍋ノ香りの 村道かな  湧水

重ね着ヲ 脱いで飛騨里 秋ビヨリ  湧水

色野山 惜しむガゴトク 鷹バシラ  湧水

知らぬ間に 燕も虫も 去りし今  湧水

音だけの ひそひそ話 北風路  湧水

時事 無季

恨み事 赦し忘れば 天国界  湧水

恨む身も 同罪と知る 学ぶ今  湧水

食べる前 食べれぬ人に 心寄せ  湧水

膝痛に 過去や先祖の 罪を詫び  湧水

夫去り 生家の草取る 姉二人  湧水


(続)連載小説「幸福の木」 326話 キャビアデザート?

2022-10-21 13:23:58 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、いやいや、前回はやや短かくて失礼、今回は長過ぎて途中切れになりそう、でもこのまま行きます。
いよいよ紅葉ま近、はい、原稿が来ましたので、早速、小説に参ります、はい、では、開幕開幕!

326 キャビアデザート?

さてさて、話は時間を少し遡る。前々回の長老と修験者達の続きとなる。
巨岩を前に、長老と修験者は、運転手に薦められたホウ葉味噌丼に舌鼓を打っていた。
しかし、この店の勘定の事を聞かれて慌てふためいて互いに顔を見合わせた。
そして、すぐに、「そうだ、きっと、木花咲姫様が支払うんだ、他に払える人なんかいない、そのために姫様が今回の旅の責任者としているんだ」
と結論に達した。
それで、一応、木花咲姫様がいるテーブルへ行って、念のために許可を取っておこうと思った。
ところが席を立とうとしていると、長老の頭に、せっかくのチャンスなんだから!とある考えが浮かんだ。
そうじゃ、そうじゃ、いい事を思いついたぞ!とこぶしを握って、もう一方の手で打った。
「そう、これが年寄りの知恵じゃ、許可を取る前に最高の料理を注文してしまうんじゃ、そして後になって、知らずにこんな料理を注文してしまいました、すみませんでした!、と謝ればいいんじゃ。でないと、きっと先に、高い料理は遠慮してくださいよ!なんて言われかねないからな」
としめしめ!とでも言うように薄笑いをした。
そして、運転手に向ってこの店で一番高い料理を尋ねた。
すると運転手は、
「えっ、高い料理?そうだな、俺が今までに食べた料理で一番高いのはフグ料理だ、奥飛騨やこの村で養殖された毒の心配のないトラフグ料理だが。・・・
そうだな、一番高い料理と言えば、やはりキャビア丼だろうな、それもここの養殖所ではまだわずかしか獲れないからな。値段も「時価」だからな、俺もまだ見た事も食べた事もないんだ」
と答えた。
「よーし、それだ!それじゃ、運転手さん、そのキャビア丼を二つ注文してくれ、大きな声を出すなよ、姫様達に聞こえるとまずいからな」
と言って、思い出したように、
「ああ、運転手さん、あんたも食べたいのなら三人分を注文しよう」
とと大金持ちみたいに気前よく言った。
「いえいえ、とんでもない、俺の分までなんて、長老さん、とんでもない!俺はスプーン一牌だけもらえればそれで十分です」
と運転手は手を振って遠慮した。
が、すぐに思いついたのか、
「そうだ、こんな機会はめったにないから、あの、長老さん、俺の知り合いの飲み屋のママさんも呼んでいいですか?そうなれば、ママさんと俺で1人分でいいですから」
と言っったので、長老がうなづいた。
「それじゃ、やっぱり、合計で三人分ですね、それじゃ、早速注文して来るよ」
と言って、運転手はコック帽のシェフの所へ行って、こっそりと注文した。
それを聞いたシェフは、一瞬、目を丸くして驚き、長老達の方を見た。
長老達は、いかにも富豪らしく振舞って、にっこりと余裕の笑顔でうなづいた。
やがて山盛りのキャビアを、布で覆い隠した丼が三つ、運転手がこっそりと長老達のカウンターへ運んできた。
長老達が、恐る恐る食べ始めると、あまりの美味しさに声が出なかった。
なんて美味い味だ、しかもこんなにたくさん、たぶん一生で一度だ!
長老達は止まる事なく口に運び続けた。
そして、八割ほど食べて十分満たされると、冷静になったためかフと心配になってきた。
「やはり、食べ終わる前に、木花咲姫様の許可を取っておかなきゃ!」
と長老が、慌てて席を立って、木花咲姫様のテーブルへ向った。
しかし、何故かテーブルには姫が不在で、侍女だけがいた。
「あっ、あの、侍女さんよ、木っ、木花咲姫様は?」
「はい、今は化粧室へ行ってます、しばらくは帰らないと想います、どんな御用ですか?私が代わりに伺っておきますが・・」
と言われ、長老は仕方なく仔細を話し始めた。
すると、即、侍女は、長老の話を遮った。
「はい、その事でしたら既に伺っております、皆さん方は夕食は屋上の甲板でなさいますので、この店での勘定は、それぞれの個人負担となります。ただし、休憩のための飲み物とデザートのような物だけは姫様が支払うそうです」
侍女は、まるで長老の考えを見抜いているかのように、キッパリとした口調で言い切った。
それを聞いた長老は、まっ青な顔になって絶句した。
「えーっ、・・そっ、そんな事、いっ、今頃・・言われたって・・」
長老は口をパクパクさせながら呆然と立ち尽くしていた。
が、そんな長老の様子にも侍女は、無言でチラッと冷たい視線を向けるだけだった。
その侍女の視線の先をよくよく見れば、カウンターの修験者の姿が丸見えだった。
彼は、笑顔でうまそうに少しづつキャビア丼をなめるように食べていて、その様子も丸見えだった。
どうやら、この場所は、巨岩の上の料理がよく見えるようにと、まるで古代ギリシアやローマの円形劇場のように、中央が低く端席が高くなっていた。
なので、この木花咲姫様達の席からは、長老達がいるカウンター席が、手に取るように丸見えだった。
トボトボと青い顔で、肩を落として席にもどる長老を、修験者と運転手が驚いて何が起こったのか?と心配そうに尋ねた。
長老が二人に事情を話すと、三人は頭を抱えながら小さく固まってしまった。
やがて、運転手が顔を上げて決断したように言った。
「こうなったら、もうこれしかない、そう、ここのシェフに正直に事情を話して、ここで働かせてもらうしかない、そして、そのお金で今までの勘定を払うしかない」
「・・・・」
「・・と言う訳で、こんな格好で給仕をしているんじゃ」
と、長老と修験者の長い話が終わった。
それを聞いていた皆は、口をポカーンと空けたまま、しばらく言葉も無かった。
やがて太郎がゲラゲラ笑い出した。
「ハッハッハー、もうこれは笑うしかないな、ママさんとか言う色気よりも食い気とは、爺さんらしい。ところで、長老よ、その残りのキャビア丼はどうしたんだ?」
「ああ、それは、木花咲姫様の特別な計らいで、姫様が買い取ってくださったのじゃ」
と長老が答えると修験者が、
「ほらっ、あそこで、皆さん方が仲良く食べているよ」
と木花咲姫様のテーブルの方を見た。
そこでは、姫様やママさん達が楽しそうな笑い声を上げていた。
それを見ながら太郎が、
「あっ、女の人達がワイングラスでワインでも飲んでいるみたいだ、運転手はコップ酒みたいだけど、ずるい!俺も酒が飲みたいな」
とくやしそうに歯ぎしりをした。
それを見た長老が、マスクを下げながら、
「そうじゃ、大事な事を思い出した、太郎よ、お前達も飲み物やデザートなら自由に注文してもいいんじゃ」
と言うと、修験者も付け加えた。
「そうじゃ、もう木花咲姫様から許可が出ていたんじゃ、だからお前達、いや、お客さん、欲しい物があればワシ等に注文してくれれば運んでくるぞ」
それを聞いて皆の顔色が嬉しさで紅くなった。
「なーんだ、それなら、あたいは、アイスクリームとレモンソーダが欲しいわ」
早速、ハナナがメニューを見ながら注文した。
「それなら、私はチョコレートパフェとミルクセーキよ」
ハナもすぐに注文して、グー太やゴクウ達にメニューを手渡した。
太郎は渋い顔で腕組みをしていたが、急に、
「俺まで馬鹿にするな、俺は子供じゃない、よーし、それなら俺は酒が欲しいから、これから、木花咲姫様達のテーブルへ行ってくる。あそこなら大人ばかりだから、まちがいなく酒が飲めるからな、それに、俺達は今夜は何処に泊まるのかも聞きたいからな、そうだ、タタロも行くかい?

とタタロも誘った。
「いや、僕は皆とここにいるよ・・それにデザートも食べたいから」
とタタロは皆の顔を見ながら言った。
すると、ゴクウが久々に声を出した。
「あの、メニューの最後の頁に、小さな字で、キャビア付きもokと書いてありますよ。これはたぶんキャビアが乗せたデザートの事じゃないですか?時価と書いてあるので、きっと高価だと思いますが?」
「えっ、キャビア付きのデザートなの?だったら、あたい、それにするわ」
ハナナが叫んだ。
「それなら、私もキャビア付きのチョコレートパフェにするわ」
ハナも続いた。
「グー太、あんたもキャビア付きにする?そうよね、せっかくだから食べてみたいよね?ハナとハナナがグー太に聞いた。
すると慌てて長老と修験者が声を上げた。
「あのあの、こらこら、お前達、やめておいた方がいいぞ、ワシ等の二の舞になるぞ、欲張るとロクな事がないんじゃ」
と慌てて止めた。
「だって、デザートならいいって、木花咲姫様が言ったんでしょ?あれは嘘なの?」
「うー・・う・・ん」
ハナナに突っ込まれて長老と修験者は黙ってしまった。
「そうだ、まあ、そう言う事だ、俺にはどっちでもいいんだ、お前達もここで給仕のアルバイトをする事になっても、俺は魚釣りでもしているから嬉しいんだ、さあー、木花咲姫様の所へ行くぞ」
と太郎が張り切って出かけると、長老達も後を付いてきた。
「やあやあ、お兄ちゃん、どうぞどうぞ!」
真っ先にあいそよい声をかけたのは、あの運転手だった。
「ああ、お兄ちゃんは名前は、確か太郎だったかな?ああそうだ、こちらが俺の世話になっている飲み屋のママさんだ、よろしく」
等々、ひととおりの挨拶や紹介が続いた。
「それじゃ、ここへもうひとつ席を持ってきて、あっ、ちょうどいい所へ来た、給仕さん達よ、席とお兄ちゃんの飲み物を持ってきて」
と運転手は長老と修験者に頼んだ。
太郎が席に座ると、すぐにママさんが、
「それ

懸垂五回! 私の筋トレとストレッチ (その 2 ) 

2022-10-19 15:48:43 | エッセイの部屋
ついでに俳句日記も!

羽毛布団 フリーすで覆えば 冷え始め  湧水

北風の 吹き込む厨 なべ料理  湧水

一口で ほろ酔い気分 昼祭り  湧水

虫の音と 小鳥声消して 北の風  湧水

一匹だけ 北風何せぬ 虫の声  湧水

以上、
さて、本題に。

昨晩、風呂に入る前に体重を測定して驚いた。
前の晩に65キロ以上あった体重が63キロに減っていた。
たった一晩で2キロ以上減った事になる。
どうして?
きっとまちがいだ、足の位置が悪かったかも?と計りなおしたが、同じ数値だった。
元々、その体重計は、一昨年私がメタボで緊急事態になった時に注文してもらったものだ。
幸い福祉援助で買ってもらった。
その体重計は、上に乗りさえすれば、声で体重や体脂肪率や内臓脂肪率等々いくつかの数字を読み上げてくれる。
なので、1人暮らしの私のような視覚障害者でも、また目の悪い高齢者でも毎晩、計ることができる。
メタボの人達には、お薦めの品だ。
先週、体重を計っていたら、とうとう66キロを超え出したので、びっくりして緊急ダイエットを思い立った。
私のふだんの理想の体重は63キロだが、64キロ台までなら良いとしていた。
ところが、食欲の秋の食べ過ぎのせいか最近は65キロ台から下がらないので、気を付けて摂生していたつもりだった。
が、何故か、止まらずとうとう66キロ超えになってしまった。
それで緊急ダイエットで夕飯を半分にしても、どうしても65キロ以下にはならなかった。
たぶん、食事を半分にすると、空腹のためか食後すぐに探し回ってお菓子やラスク等を口にしてしまっていたからだろう。
それに、間が悪い事に、昨日は、我が家の月一回の家庭のお祭りだった。
そのため、神様や仏様達にご馳走を供える事になっている。
そうなると、そのお供え物を、祭りの後に1人暮らしの私がすべてを食べる事になり、ダイエットどころではなくなってしまう。
さてさて、問題の昨日の事である。
昼頃ヘルパーさんに買ってきてもらった揚げ物を見て、せっかくなら温かいうちに!と気が変わって、夜の祭りを午後早くに行う事にした。
そして、終わった後に、遅い昼食をとった。
体重が増えないようにと、お供え物もわずかしか食べなかった。
そうは言っても、お祭りだからお供え物はいつもの倍以上はある。
まあ、月一回のお祭りだからしかたない!また66キロを超えるかも?
と覚悟していた。
それが夕食前の風呂前に計ったら、63キロだったのだ。
びっくり、いったいどうなったんだろう?と思った。
お蔭様で夕食は、久々に気楽な気持ちでゆっくり美味しく食べる事ができた。
しかし、それにしても不思議だ。今でも謎だ。
たぶん今晩の体重ではっきりする事だろう。
昨日の奇跡の63キロか?それとも元のいつもの65キロか?
まさか、・・ひょっとしたら?・意識・いや、それはありえない??
(つづく)

失礼いたしました、本来は、筋トレやストレッチの内容を述べるつもりでしたが、次回にします・・・はい、くれぐれも失礼でした

(おしまい)