飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

楽に生きようかな? 今年の自然農法

2019-05-31 18:13:17 | 自然農法の部屋

昨日午後まで、遠くの弟が一泊して農作業を手伝ってくれた。
お蔭で私の膝痛で十日余り中断していたわが畑の芋植え等の農作業が捗ってホッとした。
我が家の畑は、家の周りの小さな畑と離れた大きな休耕田の二か所である。
今まで私が1人で行ってきた農作業と言えば、
まず、わが家の南側と裏側の小さな畑での

1、ジャガイモの植え付けと追肥兼土寄せ 約30個  作付面積は昨年の半分
2、キウリ苗植え 4本 昨年の半分
3、茄子苗植え 4本 昨年と同じ本数
5、ピーマン苗植え 2本 昨年の半分
6、南瓜苗植え 2本 昨年の1/3(場所は休耕田)
7、西瓜苗植え 大玉7本(休耕田) 中玉3本 昨年とほぼ同じ本数
である。
その他に、ボカシ肥作り(大樽約35㎏×二回分)とキウリの場所変えも行った。
以上家の南や裏側の畑は、何とか1人でできた。
さて、問題は休耕田(約500㎡)での里芋植え(約130個)と薩摩芋苗植え(今年は半分の200本を注文済)である。
約二週間前に、土で覆っていた里芋の種芋が芽を出しているのを知らされた。
あわてて休耕田での種芋植えを始めた。
その時に、焦り過ぎて御前、午後と2畝(約26個)を植えた。
すると無理をしたためか、または今までの慣れない農作業が続いたためか、急に膝痛がひどくなり、農作業どころか歩くことさえできなくなってしまった。
そう言う訳で、前述のように農作業が十日余り中断してしまった。
休んでいれば膝痛も治るだろう、そうなったら、また1人で頑張ればよいや。
なんて思っていたが、なかなか治る気配がなかった。
やはりもう歳や体調を考えて、今年は作付けをあきらめようかな?なんて思っていたら、弟が手伝いに来てくれた。
一昨日の午後から、昨日の御前と手伝ってくれて、里芋を約6畝(約70個)を植えてくれた。
その他にも、キウリのネット張や薩摩芋畝の準備作業(防草シート張り数畝)もしてくれた。
これで、私が今後に予定していた農作業の半分が片付き、希望の光が見えてきた。
「よかった、時期的にも私の畑の農作業は、まだ遅れてはいない!」
やるならチャンスは今だ!と思った。
それで、すぐシルバー人材センターに電話して応援を頼んだ。
昨年のように、残りの里芋植えと草取りや薩摩芋植えの準備をしてもらおうと思ったからだ。
お金もかかるが、私の体調の方が大切だ。
すると、夕方、「6月10日までは予定が詰まっていて行けそうにない。それ以後みなる」との返事がきた。
「はい、それでもいいからお願いします、できるだけ早く願います」
と頼んでおいた。
しかし、来るのがあまり遅くなると、雑草も伸びるし、里芋も芽が伸び過ぎてしまうな!
と思った。
しかし、そうなっても仕方ない、もう成り行きに委ねるしかないなと思っていた。
すると、二、三十分して、再び電話が鳴った。
「先ほどの件ですが、6月7日に行けそうになりました。前に来た女性二人と男性1人の三人で行きますがそれでもいいですか?」
との事だった。
「はい、お願いします」
と即答した。
ああ、よかった!と胸をなでおろした。
わが畑に慣れた人が三人も来ればもう大丈夫だ。
と言う訳で、昨晩はノンアルコールビールも美味しく、安心して寝る事ができた。
案の定、今日はやや膝痛で家の中でごろごろしているが、心は穏やかだ。
そう言えば、例のスーパーで200円以下で買った中国産の「竹の子」の件、
早速、炊き込みご飯を作ったが、まあまあ美味しかった。
1人なので三、四日かかって食べ終えたが、毎年のように十分満足できた。
来年からは、こっちの楽な方法で行こうと思っている。

(以上)

五月酷暑 令和日本へトランプ訪問

2019-05-28 21:53:58 | 俳句日記の部屋

夏将軍 去りて落ち着く 五月雨  湧水

両陛下の 若葉青葉の 迎え心  湧水

風薫る 熱気に輝く 皇居庭  湧水

国晴れて 新天皇に 初国賓  湧水

皇居庭 五月空高く 米日国歌  湧水

大陸の 竹の子煮しが 二百円  湧水

苗と畑 招けど行けぬ 膝痛かな  湧水

五株のみ 植えて日陰へ 熱五月  湧水

川柳

熱気ごと 連れて令和へ 米大統領  トランプ氏は、きっと桁外れの晴れ男?

ペリーや マッカーサーに続け トランプさん  ひょっとして新時代の幕開け?

トランプ氏の 神妙顔で 「万葉集」  二千年近い大和の伝統に脱帽?だったのかも?


冒険小説「幸福の樹」(その 26 ) 地底王国の主(ぬし) 超大王

2019-05-26 22:43:39 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ 飛騨の小路 小湧水でーす、暑くなりました。
五月だと言うのに真夏の気温です。これもそれもあの熱いトランプさんのせいでしょうか?
しかしせっかく来日したのに大相撲はもう優勝も決まっていてやや残念でした。
結局、日本の新天皇への訪問で米国から逃げた感じですね。
何はともかく歓迎ムードでよかったです。
さて、小説も大物の出現が控えているようで、膝痛の先生の原稿が届きましたので、早速、参りたいと思います。
はい、では開幕開幕!

26 地底王国の主 超大王

太郎は気が狂ったように笑い出した。
「ハッハッハー、何かと思えば、これは真珠だ、真珠だ!俺の村にはたった一個しか無かった真珠玉だ。それがこんなに山のように有る。それに小さな銀粒も山のように有る。さらに宝石のような石もある、これは宝の山だ、ハッハッハー俺達は宝の山を当てたんだ、ハッハッハー」
太郎は真珠や銀粒の砂や宝石を両手いっぱいに掬い上げ、顔の前で見るや否や空へ投げ上げた。
「ハッハッハー、宝だ、宝の山だ!」
太郎は笑いながら、何度も両手で掬いあげ投げこぼした。
そして最後には狂ったように、自分の頭にかけ流した。
銀の砂に真珠や宝石が混じって積み重なった山は、全体が淡い銀色に輝いていた。
その山の麓で太郎は幼児が初めて砂場に触れたように、しばらく宝に塗れていた。
「それにしても、すげー、すげー、文字通り宝の山だ。持って帰れない程沢山ある。どうしよう、どうしよう?」
太郎の興奮と笑いが次第に落ち着いてきた。
そして、山の中に別の物を見つけた
「おっ、何かと思ったら、これは大きな牙だ。きっとマンモスの牙だ。こんなのを村へ持ち帰ったら皆は驚くぞ」
太郎は巨大な牙を引き出そうとしたが、あまりにも大き過ぎて引き出せなかった。
その牙も何故か表面が銀色をしていた。
ようやく太郎は、宝以外に目が向いて、自分を見ているハナの姿に気づくと大声で言った。
「おっ、ハナ、その俺の背負っていた袋をくれ。中身を全部捨てて、袋だけを投げてくれ。この真珠と銀粒と宝石を入れて、持てるだけ持って帰るのだ」
ハナは、逆らわず近くに投げ捨ててあった太郎の袋に近寄った。
中からは食べ物と敷物と祖父母がくれた絹のロープと長老がくれた小袋が出てきた。
「太郎兄ちゃん、これって、大切な物ばかりで捨てる物なんて何もないわ。それよりも早くここを去りましょう。危険だわ」
ハナが諭すように言った。
「えっ、何が危険だ?この宝の山が崩れてくる事かい?それこそ嬉しい悲鳴だ。まあまあ、それなら心配するな、大丈夫だ。この袋がいっぱいになったらすぐ出かけるさ、ほんのちょっとの間だ「
太郎は嬉しそうに大声で言うと、空の袋に真珠や宝石を詰め込み始めた。
もう夢中になっていて誰の言う事も聞きそうになかった。
太郎の袋の中に入っていた物は、ハナとゴクウが手分けして運ぶ事にした。
ハナは、長老のくれた袋と絹のロープを持ち、ゴクウは食べ物と敷物を持った。
ケンには、火を起こす板切れを背中にくくりつけた。
「ゴゴーッゴゴーッ!」
その時、銀山の頂上の方で、何かが崩れるような音がした。
皆が一瞬、ハッとして頂上を見上げた。
すると、頂上付近の銀砂や真珠や宝石が崩れてくるのが見えた。
「あっ、危ない!」
太郎はもちろん、近くにいたハナ達も銀山から、あわてて離れた。
幸い山崩れはたいした事は無かった。
頂上付近だけで、裾野のハナ達がいる所には、数個の真珠がコロコロと転がって来ただけだった。
「なーんだ!冗談で山崩れなんて言ったら、本当になってしまった。驚かしやがって!」
太郎が、少し怒ったように頂上をにらみつけた。
「あっ、見ろよ!天から何かが落ちて来るぞ。
どんどん落ちて積み重なっているぞ。
ああーっ、銀砂や真珠だ。」
太郎は頂上の様子に食い入るように釘付けになった。
「あーっ、分かったぞ!この天井には俺達が歩いて来た洞窟が有るんだ。
そこに穴が空いていて、貯まっていた銀砂や真珠や宝石が少しづつ、ここへ落ちて来るんだ。それが長い年月かかってこの宝の山が出来たんだ」
太郎がそう言って自分でうなづいていた。
ハナは、なるほどと宝の山が出来た理由について、太郎の説明に納得した。
「ああ、さすが俺だ。すぐに分かったぞ。どうだ、ゴクウ?」
太郎は誇ったようにゴクウに言った。
ゴクウは、今の興奮している太郎には何を言っても駄目だと何も反論しなかった。
そのため太郎はますます機嫌良くなった。
「よし、もうちょっとだけ待ってくれ!すぐに袋がいっぱいになるから」
と言うと、太郎は再び銀山にもどって、宝を詰め始めた。
「よーし、これで満足だ。これだけ有れば村でも大金持ちだ。また皆で取りに来ればいいんだ。さあ、出かけようぜ」
太郎の上機嫌のかけ声に、ようやく待っていたハナ達も出発できた。
銀山の横を、ケンを先頭に、ゴクウ、ハナ、太郎の順で歩き始めた。
皆は背に大きな荷を背負っていて、足取りもいつもより遅かった。
銀山の裾野を右に回って壁との間の平らな地を奥へと進んだ。
一番目の銀山の奥には二番目の金山と三番目の金山が並んでいた。
二番目の金山は、少し小さくて緑がかっていた。
三番目の金山は一番目の銀山と同じくらいの大きさだった。
真ん中の緑がかった金山は、小さい分だけ裾野が内側に入り込んでいた。
ケンやハナ達は、チラッとその姿を見ただけで、まっすぐ奥の金山の裾野と壁の間を目指した。
最後尾の太郎だけは、重い荷物にハアハア言いながらも、真ん中の緑がかった金山が気になってしかたなかった。
遠くから見ていただけでわ、どんな種類の宝の山なのか分からない。
「もしかして、真珠よりすごい宝だったりして!」
等と思うと、太郎はついフラフラと中央へ歩き出してしまった。
ハナが、目ざとく列から離れようとする太郎にすぐ気づいた。
「あっ、太郎兄ちゃん、どこへ行くの?危険だわ。宝物はもう十分持ったじゃないの」
ハナが心配顔で制止した。
「あっ、ちっ、ちょっと見るだけだ。村に帰った時の話の種にするだけだ。すぐもどるよ」
太郎は足を止める素振りも見せず、どんどん緑がかった金山に近づいて行った。
止める手立てもなく、ハナ達は立ち止まったまま仕方なく太郎を待つ事になった。
緑がかった金山に近づくと太郎は目を皿のようにして観察した。
「うわーっ、いったいこの金山は何でできている山だろう?全体的には金色がまぶしいが、ごつごつしているぞ。大きな巌のようにも見えるし、何かゴツゴツした大きな丸い物のようにも見える、全体的には不思議な形だ」
太郎は、ハナ達にも聞こえるようにわざと大声で言いながらさらに近づいた。
あと二、三歩で裾野に触れる所まで近づいた。
その時だった。
その緑がかった大きな金山全体が突然動き出した。
崩れる訳でもなく、全体がユサユサと揺れ始めた。
一番目の銀山のすなのような細かい物が積み重なって出来ていない事は明らかだった。
「わーっ!」
太郎もハナ達も、一瞬、心臓が止まるくらい驚いた。
そして、その動きに釘付けになった。
太郎にとっては、もう目と鼻の先の光景だった。
びっくりして腰がぬけ倒れたため、背中の荷物もぶっちゃけて、真珠や宝石の半分がこぼれ散った。
「エーッ何だ、これは!わーっ、ハナ、助けてくれ腰が抜けて動けない!山が動き出した」
太郎が怒鳴っていると、その巨大な緑がかった金山はまたユサユサと揺れ始めた。
そして揺れる度に、余分な物が落ちて、その形がはっきりとしてきた。
初めは、巨大な丸い物が、お正月の鏡餅のように重なっているように見えた。
しかし、そうではなかった。
揺れる度に、次第に、縄のような巨大な太く長い物がグルグル大きく巻いているように見えてきた。
まるで大蛇のような物が、グルグルとトグロを巻いて富士山のようになっているようだった。
(えっ、まさか!トグロを巻いた大蛇だったのか?)
皆は声には出さなかったが、一瞬そう思った。
しかし、それにしては、様子が何か少し違っていた。
さらに、ユサユサ揺れる度に、太いそれは、ますます太く膨らんでいった。
そして山の斜面にあったゴツゴツした鱗のような物が、その丸い巨体にピッタリへばりついた。
(ああ、やっぱり、案の定!)
ハナやゴクウは心の奥で叫んだ。
目の前に現れた山は、あの大蛇も足元にも及ばないような巨大な、しかも金色と緑色の大きな鱗に覆われた巨体だった。
「ワワーッ、化け物だ!ハナーっ、ケン、助けて、腰が動かないよー」
太郎は泣き出しそうに叫んだ。
ケンは、一目散に太郎の元へ、背中の荷物のまま駆け寄った。
ハナは、一瞬、この状況は前にも起こったと思い出した。
(そう、あの大蛇が出た時よ。そうだ、あの時はゴクウのお父さんのハクエンさんが助けてくれたわ)
ハナはすぐゴクウに言った。
「ゴクウさん、あの時のお父さんのように太郎兄ちゃんを助けてあげて」
ちょうど、その時だった。
緑の金山の巨体が、伏せていたらしき頭を持ち上げ、太郎やハナ達の方へゆっくりと向け始めた。
その頭は、ワニや馬のように細長く、牛のように角が二つあり、その下に耳らしき物もあった。
やがて、その顔が、ゆっくりとハナ達の正面に向け始めた。
鼻先にはヒゲがあり、その下には長いおおきな口があった。
口には巨大なするどい歯が上下に沢山並んでいた。
そして顔の奥の二つの大きな眼はランランと金色に輝いていた。
「あっ、竜だ!金竜だ」
ハナも太郎もゴクウもケンも一瞬思った。
竜なんて、聞いた事も見た事も無いのに、何故か皆は、そう感じた。
そして、不思議な事に、ハナは、前の大蛇の時のような恐怖感が無かった。
さらに、あの不気味な生臭い蛇の気配も、全く感じられなかった。
しかし、その巨体さには圧倒され、その細長い形から来る不気味さは感じていた。
「わーっ、ハナ、ゴクウ、助けて!」
太郎はケンに引きづられて、少しづつ後ろへ這っていた。
ゴクウはハナに頼まれたものの、どうすれば良いのか分からなかった。
黄金に輝く金竜は太郎やハナ達を見下ろすと、巨大な口をゆっくり開けた。
その姿は、大蛇と違って何故か神々しかった。
「ごーー、誰だ?わしの眠りを覚ます者は?わしは未来の世界へ旅をしていたのだ。それが急に引き戻されてしまった、ごーー」
その声は、大きな金の鐘を鳴らすような、あらゆる世界に響き渡るような金色の声であった。
その金竜の目の前にさらけ出されたような格好の太郎は、這いつくばったままガタガタ震えていた。
ケンは太郎の着物を噛んで、一生懸命引っ張っていた。
ハナとゴクウは立ったまま、太郎達と背後の巨大な金竜を吸いつけられたように見ていた。
しばらく沈黙が続いた後、また金竜が巨大な口を開けた。
「ごーー、心清き者よ。よく聞くがいい。
ごーー、わしはこの世の火も水も支配している。
わしは火を呼んで火山にした。この山の下から火を噴き上げ、山を溶かして金銀を集め固めた。
そして水を呼んで、大雨を降らせ大洪水を起こして、山を溶かし、この地下王国を造った。
そして何百万年をかけて金銀の山を造った。さらに五十六万七千年後までそれを守っていくのだ。
それがわしの過去から未来に渡る使命だ、ごー」
太郎は、汗まみれになって、赤ん坊のように少しづつ這って、金竜から遠ざかっていた。
ハナとゴクウは、ただ金竜の話に心を奪われていた。
(なんと壮大な話だろう!そう言えば、あの大蛇が親分と呼んでいたけれど、この金竜に比べれば、あの大蛇なんてチンピラだ。
ウサギの女王が地下王国の主と言ってたけれどまさしく主(ぬし)だ。
それにあの巨大ガメもすごいと思ったけれど、この金竜に比べればスケールが違う。
この金竜とはいったい何者だろう?神に近いんじゃないだろうか?そう、金竜神だ)
ハナもゴクウも、頭の中は様々な思いが交錯した。
また金竜の巨大な口が開いた。
「ごーー、心清き者よ、またよく聞くがよい。わしを見て心に曇りが無い者は恐怖も湧かないが、心に曇りが有る者は恐ろしさで体が石のように動かなくなる。わしは心に邪念が有る者は、洪水で洗い清めるか、この火で焼き尽くす、ごーー」
と言うと、金竜は口をゆっくり天井に向け、ボボーッと火柱を噴いた。
その火柱は、内側は黄色く青く、外側はまっ赤に燃えていた。
「ヒエーッ、うわーっ、助けて!おーい、ハナ、ゴクウ!」
太郎は燃え盛る火柱に恐怖し、また腰をぬかし、ガタガタ震え出した。
金竜が口を閉じると火柱はなくなった。
そして、顔をゆっくりとハナ達に向けると、また口を開いた。
「ごーー、心清き者よ。また聞くがよい。今までにここまで入って来た人間はいない。
たいていはあの卑しい大蛇に食べられてしまった。ここまで来た人間は、この先も現れないであろう。
ただし五十六万七千年後に現れる人間を除いて、ごーー」
ハナやゴクウは、その意味がよく理解できなかった。
太郎は、また落ち着いたのか少しずつ這い始めた。
金竜は、それを見て、また口を開けた。
「ごーー、心清き者よ、最後だ、よく聞くがよい。お前達は皆邪念が無い。だからわしが水や火で清めたり焼き尽くす必要は無い。ただし、ここの若僧を除いてだ。この若僧も一時的な宝物への邪念を捨てればその必要も無くなるであろう。すべての物を返していくことだ。一粒も残さずにだ、さらばじゃ、ごーー」
と言うと金竜は、ゆっくり顔を元の位置にもどした。
すると体全体も縮んで、鱗も立って、元の金色の山の形にもどってしまった。
そして地下王国に、元の静けさがもどった。
しばらくすると皆は夢から醒めたような落ち着きを取り戻した。
「太郎兄ちゃん、今の金竜さんの言葉を聞いた?だから言ったでしょ?さあ、早く宝物を元へ返して。それで命も助かるんだから。
やっぱりウサギさんの言った通りだったわ。でも金竜さんに許してもらえて幸運だったわ」
ハナとゴクウは太郎を手伝って、散らばっていた真珠や宝石をすべて拾い集めた。
そして、それ等を元の銀山まで運んで戻した。
再度出発して、真ん中の金竜の山の横を再び通りがかった。
ハナやゴクウは、金竜の山に顔を向けてお礼を言った。
太郎は青い顔をしたままソワソワとしていた。
やがて、皆は再び歩き出した。
そして、何事も無く三番目の大きな金山の横まで来た。
その時、突然背後に大きな火柱がボボーッと上がった。
「えっ?」
すっかり安心していたハナ達は、驚き途惑った。

(つづく)

ハイハイハイハーイ、小湧水でーす。
いやいや、今日は小説も現実の日本も本当に暑い一日でした。
ウチの先生も、昼間はエアコンのお蔭で、涼しくて原稿もはかどったようです。
明日まで冬将軍ならぬ「暑将軍」が居座るようで、皆さん、いましばらく耐えましょう。
はい、では、またのお運びを願いまして、バイバイバーイでーす!


今年の里芋植え  (続) 竹の子ご飯?

2019-05-25 15:09:57 | エッセイの部屋

週越しの膝痛遂に令下る今夏の芋植え半分にせり  湧水

先週から早目の里芋植えを始めた。
ところが、二畝(うね)26株を植えたら、無理したためか心配していた膝が痛くなってきた。
休めれば翌日には治るだろうと、連日静養していたが、一向に良くならなかった。
その上、畑の一郭に土をかぶせておいた里芋の種芋が、最近の異常な暑さで、とうとう芽が出始めてしまった。
「まずい!早く植えないとどんどん芽が出てしまう!」
心の中では早く植えたいけれど、膝痛で植えられない。
こうした焦る気持ちと、動くと痛い辛さで今週は何も手につかなかった。
そこで、昨日気づいた。
「そうだ!何も毎年のように120株も植える必要はないのだ。減らしてもいいんだ」
もちろん、既に120個以上の種芋は準備してある。
また、植える畝も、混入するボカシ肥料も、防草シートも敷いてあり、すべて準備万端である。
残りは植える作業だけ!
だから、昨年はシルバー人材センターに応援を頼んだ。
今年も、弟や応援を当てにして、昨年と同じように120株以上を植える事しか考えていなかった。
が、フと気づいた。
「今まで通り全部植える必要はないんだ!
自身で無理なら、できるところまででいいんじゃないか?
隊長や能力や年齢に合わせて減らすことだ!」
よく考えれば、これは私が周りの人達に言ってた事だった。
若い頃と全く同じようにはできなくなる。自分の歳を考えたら!
と言って、高齢の農業者達の無理な農作業を減らしたり、若い人達に譲る事を勧めてきた。
そして、その助言は功を奏した。
しかし、自分だけはいろいろ工夫(無耕起や防草しーと利用等)しているから別だ!と思ってきた。
それが、今回、そうではないと言う事に気づいた。
それは膝痛によって知らされた。
私は他人の助言や勧め等では考えを変えない頑固な性格だから、そうなったのだろうか?
思い当たる事がもうひとつある。
前回の竹の子の話である。
「やっぱり、畑で獲った竹の子で竹の子ご飯を炊いて腹いっぱい食べたい!」
とあきらめ切れず、今もチャンスさえ有れば、誰かに畑へ連れて行ってもらって・・と思って、虎視眈々と機械を狙っている。
ところが、昨日ヘルパーさんに近くのスーパーへの買い物を頼む時、
「もし、竹の子を売っていたら買ってきて!試しに食べてみたいから」
と、何を思ったのか、たまたま頼んだ。
すると、「国産は無かったですが、中国産の煮た竹の子が有ったので買ってきました」
と袋入りの湯出た竹の子を渡された。
これだけ有れば十分だ、これならすぐにも竹の子ご飯が炊ける!
と便利さを実感した。
で、値段はいくらなの?と聞いたら、
「確か200円までしなかったと思います」
「えっ、200円?200円以下なの?そんなに安いの?」
と私は空いた口がふさがらなかった。
今までの私の竹の子掘りの苦労は、いったい何だったのか?
と唖然とした。
まだ残りご飯があるので、明日、これで竹の子ご飯を炊こうと思っている。
果たして、その味は如何に??

(つづく)


いよいよ里芋植え! 膝痛に雑草

2019-05-20 16:25:07 | 俳句日記の部屋

のろのろと 心配ヲ背ニ 里芋植え  湧水

里芋の 万里の長城 第一歩  湧水

調子に乗り 二畝(うね)植えれば 膝痛かな  湧水

無理たたり 夜から膝痛 里芋植え  湧水

午後雨の 予報に畑へ 梅雨の前  湧水

土寄せの 芋少なきに 感謝かな  湧水

青葉路や 半ばに消ゆる 膝の腫れ  湧水

朝山に 清(すが)しき風や 五月晴れ  湧水

うぐいすと 木魚の音に ダンス歩かな  湧水

がくがくの 膝を温め 青葉道  湧水

ガタつきし 膝も帰りは ダンス歩かな  湧水

蓬(よもぎ)餅 食べたき頃と なりにけり  湧水

花つばき 真っ赤なままに 落ちにけり  湧水

川柳

朝の膝 初めがくがく 末クイッククイック  スロースロークイッククイックだよー!

土寄せや 芽出ぬ芋にも 感謝かな  作業が早く終わるので嬉しー?膝痛

ごろごろと ベッドの上の 脳作業  膝痛で中止した農作業

リレーナラ 1人9・5秒 日本チーム  だから百m9秒台のアメリカに勝ったんだ!