飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

もうま近かか?待ちし梅雨明け! 

2020-07-29 12:14:28 | 俳句日記の部屋

「水無月」の 名こそ返上 梅雨明けよ  湧水

梅雨の晴れ 雨を気につつ 布団干し  湧水

梅雨の晴れ 里へもどりし 山うぐいす  湧水

梅雨の晴れ 村中誰もが あいさつかな  湧水

梅雨の晴れ 家中さがす 散歩帽子  湧水

梅雨の晴れ 再び元気な 汽車の音  湧水

jr高山線は開通したが、国道41号はまだ不通だ。

ノンアルの ビール楽しみ 梅雨の晴れ  湧水

γGT ノンアルが下げ やや安堵  湧水

これで終わり と思えど来ぬ 梅雨の明け  湧水

散歩にと 玄関出でば 梅雨の雨  湧水

小雨止み 散歩に出れば 蚊に刺され  湧水

コロナ渦と 豪雨籠りに 脚は萎え  湧水

梅雨籠り 暇もてあまし 冒険本  湧水

シルクロード アジア旅本 梅雨籠り  湧水

梅雨籠り 作家の知識に 舌を巻き  湧水

南米旅の本を読んで、日本移民に関する知識に驚いた。
ちなみに面白かった本は、「天山を越えて」 胡桃沢耕史 著だった。

脱炭素と水素社会へ! 変われ日本! 

2020-07-22 22:36:06 | 発明アイディアの部屋

先日、日本の経産省が非効率な石炭発電所100基を停止すると発表した。
「いよいよ日本も、ようやくエネルギー政策を転換して脱炭素社会に舵を切ったか?
そして、世界からの不名誉な「化石賞」の汚名を返上する事になったか!」
と喜んだのも束の間、大きな勘ちがいだった。
詳しく見ると、石炭発電に頼る従来からの政府の方針はほとんど変わっていなかった。
100基廃止!と言う誇大宣伝文句に期待しただけに、非常に残念だった。
今、世界や日本の状況を観察すると、前にも紹介した、
「コロナウイルスからの人類への手紙」
の指摘が当たっているとしみじみ感じる。
今や中国やインド等々が加わった世界中の国々の、かつてないco2の大量排出に伴う地球の温暖化によって引き起こされる気候変動が加速している。
そのため日本でも、今回の線状降水帯のような今までにない豪雨災害を始め、超巨大台風、高潮など海面上昇被害が続いて起こり、それ等が年々加速している。
さらに見渡せば、その影響は地球全域に広がり、南極や北極の氷山、ヒマラヤの氷河、シベリア凍土の溶解も、今年から著しく加速し始めたようだ。
また、今回のコロナ渦が起こる前は、オーストラリア、アメリカ、ブラジルでかつて無い地球規模の大規模な森林火災が起こり、その国々では消化などできなかった。
文字通り、地球が悲鳴をあげている!
またプラスチックゴミによる海洋汚染では、クジラ、亀などの多くの海の生き物が今も死んでいる。
今、誰が、こんな地球環境や生態系を無視した文明を止められるのか?
豊かさの名のもとに、金や欲望を煽り、経済優先、便利さ優先の人間中心の、このタガが外れ行き過ぎた文明を、いったい誰が止められるのか?
だから、とうとう天が大自然が、これを止めようと知らせようと改めさせようと、今回のコロナを広げさせたのではないか?
その起源が数千年前に遡る人類の現在の文明は、1700年代半ばに興った産業革命以後、石炭を初め石油等化石燃料を大量に燃やし始めた。
それ等は、地球の大自然が数億年と言う長い時をかけて空気中の炭酸ガスを地中に埋め固めたものである。
それをこの文明は、わずか300年足らずの間に、大量に掘り出し燃やし続けた。
そして、さらに今もその量が増え続けている。
現在の地球の温暖化と気候変動は、そのために起こるのは明らかである。
このまま現状のまま続くはずはない。
いつか止まらざるを得ない事態が起こるのも、明らかである。
人類は、もし存続しようと願うならば、化石燃料使用は停止して、降り注ぐ太陽光のエネルギーの利用の文明に切り換えなければならない。
それは、石炭や石油や天然ガス使用を止めて、太陽光やそれに起因する風力や雨水力森林などの再生可能エネルギーに切り換えなければならなくなると言う事だ。
私達の子孫や人類の将来を考慮すれば、誰かがその事に着手しなければならない。
その意味に於いては、今回の日本の経産省の発表は、情けないくらい画期性がない。
日本には現在140基ほどの石炭発電所があり、その内117基が旧式で効率が悪いと言われる。
今回、政府はその効率の悪い小さな発電所を100基ほど廃止すると言うもので、その代わりに新たな大型石炭発電所を新設し、相変わらず国内需要の3割りほどを発電する体制は変えないのである。
石炭発電所を全廃すると言うヨーロッパ諸国に比べ、一周遅れの感があり、化石賞をまた三度も贈られそうで、日本人として恥ずかしいかぎりである。
この歴史的な人類的な課題に対して、現在の日本では、期待すべき政治家は、ほとんどが「寄らば大樹の陰」で黙っているか、むしろその逆の経済重視の加害者にこそなれ、全く便りにならない。

為せば成る!
原発事故や災害に学んだ我々、地震国日本は、危険な原発や炭酸ガス大量排出の石炭発電を止めて、今後は自然エネルギーを主にすべきである。
そこで為すべき事は、新しい技術の開発を急ぐ事である。
化石燃料に代わって、自然エネルギーを効率良く利用できる新しい技術である。
以前から私は太陽光発電で水を電気分解して、生産した水素ガスと酸素ガスを液化して電機や燃料として利用すれば良いと唱えてている。
液体水素と液体酸素は将来のロケットの燃料にもなる。
また現在のジェット機に代わる未来の飛行機の燃料に利用すれば、成層圏も飛行できるエコな飛行機となる。
水素ガスは、周知のように、燃料電池の燃料として発電でき車や家庭用電源にもなる。
またプロパンガスのように家庭用燃料にも使用できる。
現在は、日本では電力が余った時、太陽光や風力によって発電された電力が捨てられている。(このため民間の太陽光発電や風力発電会社が潰れた)
それは国が規定で、原発や火力発電所の電力を優先して送電線に流す事ができる仕組みになっているからである。(今回の経産省の発表では、この事を見直すと言及していたが、果たして?)
このように捨てられている余剰電力は、水素ガス生産を始めれば捨てる事なく百%利用できる。
日本の水素ガス生産が盛んになれば、それは輸入している石油や天然ガスの代わりに火力発電所でも燃料として利用できる。
これは、太陽光や風力の発電が少ない時の補助的な発電所ともなり得る。
また水素生産は、海外と協力して大量生産が可能で、天然ガスや原油のように運ぶ事ができる。
例えば、中東やオーストラリアの広大な砂漠に共同投資して、太陽光発電で生産した水素ガスを液化して船で日本へ運送する事もできる。
また現在の高圧で液化する方法でなく、新しい低圧の液化方法も見つかるかも知れない。
そうすれば現在のタンカーやタンク車やポリタンクも使用できる。
日本は、今後こうした未来の水素社会実現のための新しい基礎技術開発を、世界に先駆けて国全体で力強く進めるべきであると思う。
そして、世界の脱炭素化の取り組みに於いて一周遅れと言われる不名誉な日本を、トップランナーの地位にまで押し上げるべきである。
日本には、そのための十分な技術力と資金力もある。
無いのは、そうした先見性を持った政治家やリーダーである。
つい最近、神戸大学の光化学の立川研究チームが安価な酸化鉄を使用して画期的な光触媒を発明したとのニュースがあった。
それは、酸化鉄の赤さびの結晶を使って、水を水素と酸素に分解する世界最高性能の光触媒を作る事に成功したとの事だった。
従来のものに比べ10倍の性能があり、将来太陽光を当てれば、低コストで水素が生産できると言う素晴らしい発明だ。
また、旭化成は、既に電力を利用して、アルカリ水の電気分解で水素ガスを製造に着手しており、euのドイツでも共同開発を進めていると言う。
今年の3月に、日本の福島県で水素ガス製造施設を立ち上げた。
それは、再生可能エネルギーを使用した世界最大級の水素製造施設だと言う。
そして、隣接する太陽光発電(20MW)と系統からの電力を使用して、10MWの水電解システムによって、年間最大900トンほどの水素を製造し、貯蔵や供給もすることができると言う。
まだ田舎の私が知らないだけで、他にも素晴らしい技術が有りそうだ。
このように日本にはまだ多くの未来の水素社会を目指した様々な新技術開発の潜在能力が眠っている。
なので、それ等を発掘し、国中のあらゆる企業が「水素社会実現」と言う壮大な夢の元に協力し合えるような統合体制を国の主導で図って、一日でも早く日本から水素社会と脱炭素を実現してほしいと思う。

以上、「コロナ渦に思うこと」より

(おわり)

梅雨明けはいつかな? 大暑の飛騨

2020-07-20 22:10:54 | 俳句日記の部屋

うな重を 母に供える 大暑かな  湧水

長雨の 尽きたる飛騨路 夏陽ざし  湧水

長雨に 消えし黄金の メロン株  湧水

何よりも 人々無事や 豪雨飛騨  湧水

激雨など 無かったがごとく 夏の空  湧水

夏空の 飛騨路遥かに 吟詠かな  湧水

飛騨の地を 洗い清めて 天晴れり  湧水

天上の 花園耐えし 長梅雨かな  湧水

お下がりの うな重まずき 土用の丑  湧水

  味薄くまずいのは、先祖が食べた証拠らしい

雷鳴に 室内蒸して 大夕立ち  湧水

扇風機の 風身に染みる 昼寝醒め  湧水

梅雨暑し 料理詰め込む 冷蔵庫  湧水

ダンプカー 次々埋める 崩れ道  湧水

長雨に 気持ちの晴れる 乾し布団  湧水

(続)連載小説 「幸福の木」 その247話 宇宙の始まりの始まり?

2020-07-18 21:59:18 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、いやいや、飛騨は大変でした、何せ千ミリ以上の雨が降ったんです、1メートル以上ですよ、あれが2、3日で降ったなら、もう間違いなく「ノアの洪水」でした。
そう言えば、16日にテレビで天地創造の映画をやるって予告で、ウチの先生が楽しみに待っていたんですが、夜じゃなくて昼間だったんで見逃してしまって落胆してました。
まあ多分すべて英語で字幕でしょうからイライラしなくて良かったかも知れませんが、
そうそう、あの下呂市の国道の崩落箇所、300mじゃなくて500mだとか言ってますが、現在ダンプが何台も来てすごい勢いで復旧工事をやっているようです。
国道も鉄道もストップすると、飛騨の観光は台無しですから、はい、何はともかく原稿が届きましたので、早速、小説に参りたいと思います。
はい、では、開幕、開幕!

247 宇宙の始まりの始まり?

「ほう、小さなお猿さんが粋な事を言うもんじゃ」
大婆はゴクウの提案に感心した。
「二つの組に分けるとはのう、実に良い案を思いついたもんじゃ、ワシはこのままでは太郎とハナがいつまでも言い合って収集がつかないじゃないかと思っていたところじゃ。・・・ひょっとしたら、この中では、このお猿さんが一番賢いんじゃなかろうか?」
と人間の長老や太郎や皆の顔を情けなそうに見回した。
「ワんわんわんわん!」
「ホホホ、小犬さんが、全くその通り!と言ってるようじゃ。どうやらお前達の集まりは、人間達よりも獣達の方が賢いようじゃ、あべこべじゃ、ホホホホー」
大婆は機嫌良さそうに笑った。
ハナやハナナは、チクッと心に刺さったが、とりあえず大婆の上気嫌に安心した。
大婆は話を続けた。
「まあ見ると言っても、過去から未来まですべての事となると大変な量じゃ。そうなると駆け足で見て回る事になる。じゃが、それが問題じゃ。つまり、見る者が賢くないと何が起こっているのかが分からない。するとせっかく見ても、何の事か全く分からないようじゃ、もったいない事になる」
皆は、神妙な顔で聞いていた。
太郎は、大婆が何の事を言っているのか、さっぱり分からなかった。
「そこでじゃ、お前達にどれほど歴史を見る目があるか、まあ、つまりどれほど賢いかを試してみようと思う」
と大婆は皆の目を意地悪そうに覗き込んで高い声で笑った。
「えーっ、俺達の賢さを試すって?どうやって?」
慌てた太郎が声を荒げた。
ハナやハナナも自分の賢さを調べられると思って緊張した。
「まずは基礎知識じゃ、あそこに二つの渦巻が見えるじゃろ?大きい方がアンドロメダと呼ばれる銀河で、小さい方が天の川銀河じゃ」
と大婆は漆黒の宇宙のはるか彼方に浮かぶ、無数の星の集まりの渦巻を指さした。
太郎達は慌てて目を向けた。
あの小さい方の天の川銀河に、お前達の住む地球や太陽があり、あそこには太陽のような星が三千億個ほど集まっているのじゃ。
大きい方のアンドロメダ銀河には、太陽のような星が一兆個ほど集まっているのじゃ」
「えっ?三千億個?一兆個?それって何だ?」
太郎が低い声で言った。
「おお、そうじゃった、お前達はまだ数字や桁を知らなかったのう、そう、要は、数えきれないほどたくさんと言う事じゃ」
「なーんだ、そう言う事か、だったら、初めからそう言えばいいのに」
安心した太郎が、大声で言った。
「しっ、太郎兄ちゃん、静かに!」
慌てたハナが小声で叱った。
「さて、今度は、その太陽や地球や他の星についての基礎知識じゃ。
大きさやどのくらい離れているかについて、今回は特別に優しい説明じゃ」
大婆は太郎に視線を向けて言った。
「まず、ここに物差しがある、この長さを1メートルと呼ぶ。この物差しには百分の一の目盛りと、千分の一の目盛りが付いていて、それぞれセンチ、ミリと呼ぶ」
と大婆は竹の物差しの端を持って、高く掲げた。
「ああ、良かった、ひょっとしたら出来の悪い奴を叩く鞭かと思った」
「しっ、黙って!」
またハナが太郎を叱った。
すると、大婆が頭上に上げていた物差しの先端を、太郎の顔面に真っ直ぐ向けた。
「えっ?なっ、何だ?」
慌てた太郎が腰を上げようとした。
「これっ、太郎、14センチってどのくらいじゃ?」
質問と分かって、太郎は腰を降ろして急いで答えた。
「そうじゃ、正解じゃ。では例えばじゃ、太陽をほぼ14センチの球とすると、地球は一ミリ少々の粒になり、約15メートルほど離れて太陽の周りを回っている事になるんじゃ・・」
「・・・・」
皆が分かったのか分からないのか黙ったままだった。
「そうじゃ、これっ!賢い犬のケンよ、ここから15メートルほど離れた場所へ行って座ってくれるかのう?」
「ワンワンワンワン!」
ケンがすかさず駆け出して、すぐに座り込んだ。
「おお、そうじゃ、そうじゃ、その辺りじゃ。実に賢い犬じゃ。
皆、見るがよい、あのケンの頭の位置が太陽じゃ。
そして、たった一ミリ少々の粒の地球が、あんなに離れた太陽の周りを一年かかって回っているんじゃ。
よくよく想像してみれば、太陽も地球も周りの空間に比べれば、ずいぶん小さな存在じゃ、そう思わないかのう?長老さんよ」
名指しされた長老は、ますます小さくなった。
「ははーっ、ごもっとも、ごもっともでございます」
何とか答えた顔には冷や汗が噴き出していた。
大婆は落ち着き払って話を続けた
「さてさて、まだまだこれからじゃ、この太陽の周りを他にも水星や金星や火星や木製や土星と呼ばれる星が回っている。
その距離は水星が5メートル、金星は10メートル、地球は、さっきの15メートル、火星が23メートル、木星が80メートル、土星が150メートルじゃ。
ついでにそれ等の星の大きさを言うと、水星が0・5ミリで、金星が1・2、地球が1.3、火星が0・7、木星が14、土星が12ミリじゃ、実際の単位は万キロメートルじゃ。
木星や土星は地球に比べてずいぶん大きいのう?
以上が宇宙の基礎知識じゃ。
さあ、これで分かったかのう?
つまりじゃ、空の太陽や星が地球を回っているのじゃなっくて、地球がグルグルとコマ回しのように、自身が回っていると言うことじゃ」
ようやく大婆の話が終わった。
太郎を含め、皆がよそ見などせず真剣そうに聞いていたので、大婆は満足げだった。
「・・・・・」
聴き疲れたのか、しばらく、誰も質問や感想も言う人がいなかった。
入学一年生の最初の授業が終わった!と言うような雰囲気だった。
「さて、問題はこれからじゃ。最初に言ったように、お前達の賢さを試す時間じゃ、お待たせした、これからじゃ」
と大婆に言われても、長講義に聞き疲れたような太郎達には、答える元気も無かった。
「あの、大婆さん、私達の賢さを試験するって、どんな事をするんですか?」
ハナが皆を代表して聞いた。
「ああ、それは簡単なことじゃ。
そうそう、お前達、娘達は、ワシと一緒にいたので、もう賢さは分かっているから必要はない。
それよりも他の者達の事じゃ。
と言っても、わざわざ試験等している暇はないから、こうしよう」
と大婆は太郎達に厳しそうな視線を向けた。
「お前達は先ほど勝手に「時の地図」を覗き込んで過去の世界を見てたじゃろう?
これから、どんな物を見てたかを話してもらおう。それで、賢さや歴史を観る目が有るかどうかが分かる。
どうじゃ、簡単な事じゃろう?」
大婆は自慢そうな満足そうな顔になった。
「へっ、何かと思ったら、そんな事かい。そんな事で賢さなんかが分かるもんか。口の美味さが分かるだけだ」
太郎が反発した。
すかさずハナが怒った。
「あのさ、分かる人には分かるのよ、太郎兄ちゃんのような分からない人には分からないって言う事なの、ちょっと邪魔しないでしばらく黙っててよ」
すると今度は、ハナナが司会者のように太郎達に指図した。
「さあさあ、それじゃあなた達、順番に何を見て来たかを大婆さんや私達に聞こえるように話してもらいましょう。はい、では最初は誰から?」
しかし、太郎達は途惑って互いに顔を見合わせているだけだった。
すると、ハナが命令調で言った。
「じゃあ、太郎兄ちゃんから始めなさいよ、私は恥ずかしくて聞きたくないけど・・」
すると太郎が首を横に振った。
「いや、俺じゃない、長老が先だ。俺と長老は同じ世界を覗いていたが、長老が先に帰ってしまったから後は俺しか見ていない。だから、長老が先に話せ、その後を俺が続けて話すから」
やがて長老が断れないと観念したのか、自分から話し始めた。
「あの、ワシ等が覗き見たのは、かなり太鼓の世界じゃった。先ほどの大婆さんの説明で改めて分かったのじゃが、たぶん太陽の周りの地球や火星ができてまもない頃じゃったと思う。
地球は青くもなく、海もない岩ばかりの星じゃった。動物も人間も見えなかった。
いや、今、考えてみると、もしかして火星と地球を勘違いしていたかも知れん。
その内に、あまり長居すると、帰る事を忘れてしまって危ない事になると、フト思い出したので、慌てて引き返して来たのじゃ。
そうそう、太郎を呼ぼうとしたが、姿が見えなかった」
と言って長老はびくびくしながら大婆を仰ぎ見た。
「ふん、太郎を残してお前1人で帰って来たと言う訳じゃな」
大婆が冷たい口調でいった。
「へへーっ、申し訳ない、申し訳ない」
と長老は頭を床につけるようにひれ伏した。
「えっ、何だ、長老よ、そう言う事だったのかい?全然知らなかったが、あきれたもんだ、まあいい、いつもの事だから。
それよりも俺の見て来た事だ。俺は太陽の周囲を回っている星に興味が沸いたので、順番に見ていたんだ。
さっきの大婆さんの話は、ちょうど俺の見てきた事の復習みたいで、よく分かった。
しかし、俺の見てきた事とかなり違っていたぞ。
今考えてみると、確か金星の姿は見かけなかったと思う。
それに、火星と木星の間にも星があったんだ。
ここが、さっきの大婆の話と違うところだ。
それで、俺が夢中になった理由はこうだ。
突然、どこからか地球の三倍ほどの大きな星がやって来たんだ。
それが、どんどん近づいて来たら、火星と木星の間にあった星がバラバラと崩れ始めたんだ。
その侵入した星は、火星と木星の間を通り抜けてどこかへ飛び去ってしまったんだ。
いやいや、宇宙にも、暴れん坊のような星があるもんだなと驚いたんだ。
星も人間も似たようなもんだな!
とつくづく感心して見ていたら、何だか、俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
その内に、やたらにうるさくなったので、文句を言ってやろう!ともどって来たんだ」
と言って、太郎は口を閉じた。
大婆は少し驚いたようだった。
「ほほう、お前は大変な場面を見てきたな。
そう、その通りじゃ。
実は、火星と木星の間がずいぶん離れていて、そこにバラバラの小惑星が散らばっているのは、そのためじゃ。
さきほどのワシの説明は、時間がないので省いたところじゃ。お前は、その重要なところを見てきた訳じゃ、いや、予想外じゃった」
大婆の言葉に、ハナやハナナ達の方が驚いた。
「へえーっ、太郎さんて、いつもに似合わずいい所を見てきたんだ」
ハナナがからかうように言った。
「なにを生意気な、いつもに似合わずだって?」
太郎が怒り出した。
ハナがすかさず、
「そうよ、もしかしたら、アチコチ探したけど水たまりには魚が一匹もいなかった!なんて言うんじゃないかと私は心配してたわ。まあ、アホな事を言わなくてよかったわ、シーッ!」
と言い放って太郎を黙らせた。
大婆が何か言いたいのか、急に手を上げた。
「ああ、思い出した。言い忘れた事があった。
まあ、とにかく太郎が、俺をうるさく呼ぶな!と文句を言いにもどった事は幸いじゃった。
その辺が昔の長老とちょっと違うところじゃな、まあ、そんな事はどうでもいいが、あの太郎の見た暴れん坊の星の事じゃ。
あれは地球の3倍ほどの大きさの3600年毎に太陽の近くまでやって来る星じゃ。
そして、度々、他の星にも悪さをする困った星なんじゃ。
まあ、たまにしか来ないからいいけれど。
そうそう、天王星と呼ばれる星は、回っているコマが倒れたように横向きに回っている。また、金星は他の星と違って反対向きに回っていて、しかもゆっくり過ぎる。
これも、あの暴れん坊星の悪さじゃ。
まるで太郎のような星じゃ、やはり似た者どうしで太郎が引き寄せて見えたんじゃろう、ハハハハー」
と大婆が大笑いをすると、皆もつられて大笑いした。
太郎の反発声も、笑い声にかき消されてしまった。
「さあ、気分転換できたところで次は誰の番かしら?ゴクウさんやケン?それともタタロ兄ちゃん?あたいは、どっちでもいいけど・・」
ハナナが司会者にもどっって質問した。
そう言われ、今度はタタロが話し始めた。
「あの、俺は1人だけだったんだけど、それにちょっと覗いただけなんだけど、そこは、たぶん長老さんや太郎さん達が見た時代よりもっと昔の時代だと思う。
そう、真ん中に輝く太陽が見えて、その周りを円盤状に星達が大小の岩々と一緒になって、ゆっくり回っていたんだ。
所々で岩同士がぶつかって飛び出したり、合体したりしてたけど、退屈だったので、見るのは止めてゴクウ達の方へ行ったんだ」
「えっ、タタロ兄ちゃんが見たのはたったそれだけ?えーっ、それじゃ長老さんと同程度ね、エーッ、なーんだがっかり」
ハナナは露骨に期待外れの声を出した。
「エーッ!はこっちのセリフだ。勝手に覗くな!って怒鳴ったのはお前だろ?だから止めたんだ」
タタロも負けずに言い返した。
「ほほほほ、兄妹ケンカはどこでも起こるもんじゃのう。タタロは退屈な時代を覗いたが、それはそれで、どうやって星達ができたか途中経過が分かって重要な情報じゃ。そんなにがっかりしたりする事でもない」
と大婆はハナナの態度を戒めた。
「さてさて、最後はお猿さん達の番じゃのう。お前達はどんな報告をしてくれるかが楽しみじゃ。何せ、宇宙の全くの始まりを覗き込んでいたようじゃからのう。
そこはワシもまだ詳しく見ていない場所じゃ」
と大婆は、何かワクワクした目でゴクウ達を見つめた。

(つづく)

ハイハイハイハーイ、小湧水でーす、いやいや、金星や天王星が、他の星とそんなに違っていたなんて初耳でした。
それにハヤブサが行った微惑星の生い立ち?等々、まだまだ謎の分野ですね、はい、さらに今度は宇宙の始まりが見られるなんて、
はいはい、またのお運びを願いまして、バイバイとさせていただきまする。
もう滝のような雨も終わったようで、何よりです、はい、では、晴れ晴れ晴れるやー?

梅雨の最後の雨? 滝行の列島!

2020-07-14 16:52:22 | 俳句日記の部屋

滝行を 皆にせまりし 梅雨列島  湧水

バケツから 滝水なりし 梅雨豪雨  湧水

吊り橋の 崩るがごとし 梅雨国道  湧水

峡谷の 国道すっぽり 谷に落ち  湧水

通過人 背筋凍りし 消えし道  湧水

聞いてビックリ!前のブログで述べた箇所、今回の豪雨で、山斜面の国道が300mに渡って足元からすっぽり深い飛騨川の峡谷に落ちたとの事。

明け近き 梅雨の豪雨の 涼しさかな  湧水

大雨が 阻(はば)むコロナや 初夏の飛騨  湧水

年輩も みな初めての 激梅雨かな  湧水

梅雨の晴れ ダンプはりきる 山崩れ  湧水

仕事なき 土建屋に笑(え)み 梅雨災害  湧水

我もまた 気をたてなおす 梅雨災害  湧水

激雨道 通る奇跡の 車かな  湧水

崩れ道 ワープすごとく 通貨車かな  湧水

雨降らぬ 日のありがたき 長豪雨  湧水

冷えし日は 豪雨にならぬと 希望もち  湧水

川柳

バケツ汲み もう疲れた!と 滝の雨 天では土砂降バケツひっくり返し、今は滝竜神?

災害を 知ってたごとき 職場変え  お蔭で今は通行止めも関係なし