ハイハイハーイ、小湧水でーす、また文字オーバーが心配なので、あいさつだけで、失礼、はいでは開幕開幕でーす!
295 地上の男と女って?
太郎のハイヤーセルフ、その美しい彼女の話が終わった。
ハナやハナナ達はホッとして解放されたような自由な気分になった。
そして、互いに好き勝手に感想を言い合った。
「ああ、あたい分からなくなった、赤い糸で結ばれた夫婦と天国の夫婦が違うなんて」
「そうよ、私もよ。生まれ変わったら、また夫婦になりましょう、と言ってた私の爺ちゃんと婆ちゃん達はどうなるの?」
釣られてタタロも言い出した。
「そう言えば、永遠の愛を!なんて言ってたあの新婚夫婦は未来はどうなるのかな?」
とうとう長老までも口を開いた。
「確かにそうじゃ、仲の良い夫婦が死後に極楽の蓮の葉にまるで双子のような顔で乗っていると、ある行者が言ってたが、あれは夢じゃろうか?」
ハナ達やタタロや長老達も、ハイヤーセルフの彼女によって初めて明かされた天国の秘密に驚き途惑っていた。
肝腎の太郎はと言えば、神妙な顔で沈黙していた。
黙っていたゴクウが口を開いた。
「あの、前に木花咲姫様から聞いたんですけど、五万二千年先には、若い男の人達も毎日朝洗髪したり化粧をするって言うのは本当の事でしょうか?ここにいる太郎隊長もそうなるのでしょうか?」
このゴクウの質問には太郎本人も皆も唖然とした。
「はい、そうなります」
彼女はきっぱり答えた。
「」
しばらくの沈黙の後、皆が小声で笑い始めた。
「ワーッ、ハッハッハー!こりゃ、愉快愉快、ぜひとも見てみたいのおう、ハッハッハー」
長老はそう叫ぶと修験者と互いに肩を叩いて笑い合った。
ハナやハナナも遠慮なしに大笑いした。
太郎ひとりが真っ赤になって堪えていた。
「あの、皆さんは大笑いするかも知れませんが、これには深い深い理由があるのですよ。背景には、とても壮大な歴史の流れと言いますか、神様の計画またはプログラムがあるのですよ」
と彼女が言うと、皆の笑いは水を打ったように鎮まった。
そして、ふたたび神妙な顔になって彼女に目と耳を向けた。
「そうですね、それでは、その訳をお話ししましょう。少し混乱する事になるかも知れません。
地上のあなた方は男と女をはっきり区別して男は男らしく、女は女らしくが自然であり、当たり前だと思っています。
しかし、人間はもうご存知のように、元々の天国では神様のように男女一体で、男でも女でもなかったのです。
しかし魂が低くて神の末席に住むには、まだまだ至らない面が多いのです。
そこで、その至らない面を成長させ向上させる目的で、半身だけを地上に生まれさせる、と言う事は、既に聞いていると思います。
以上は目に見えない霊や魂と言う本体の話でした。
さて、これからは肉体、つまり体のお話をいたします。
三次元世界の地上では、主神の願いの元に様々な神々や宇宙的存在が試行錯誤しながら男女の人間の肉体を造り出し進化させて来ました。
そして男の肉体には男の霊が、女の肉体には女の霊が入るようになりました。
しかし、五万二千年先の終末文明の末期になりますと、男の肉体に女の霊が入り、女の肉体に男の霊が入ったりする事が多くなります。
つまり男性なのに心は女性とか、女性なのに心は男と言う人達が増えるのです」
「えーっ、それじゃ太郎兄ちゃんが女性になるんだ、わーっ、やめて、想像できない!」
突然、ハナが悲鳴を上げた。
皆が驚く中、はいやーセルフの彼女は話を続けた。
「そうです、男の霊が男の体に宿り続けると、男の体は戦いや力自慢が好きですから、争いや戦いが多い世の中になります。
そのために人類社会は延々と戦争ばかり続けるのです。
しかし終末文明の最晩年になりますと、戦いの好きな男の体に女の霊の心が宿りますから、それまでの生死を決するような争いは無くなります」
その時、突然、笑い声がした。
「ハッハッハー、それは間違いない、太郎が女性になればウサギや猪を殺したりしないじゃろう、まあ、魚を捕まえる事はするかも知れんが、なるほど、なるほど、ワシも納得じゃ、ハッハッハー!」
大笑いは長老だった。
「こうした争いの無い世になると言うのは、おまけの産物です。
実は、もっと重要なのは歴史の大きな流れなのです。
元々、人類社会は、ワンネスと呼ばれる皆が神心と溶け合った差別や区別がない、すべてが共有の皆が一体化したような平和な調和した社会でした。
しかし時が過ぎて、物と言う三次元世界の物質を重んじ心や精神性が軽んじられるようになると、波動も下がって皆が「一体」と言うワンネスの考えよりも、分かれた「個」としての考えが強まりました。
この「個」としての考えが強まると、分裂や差別が生まれ、善悪、勝負、優劣、男女などの陰陽二元性の概念を産み出し、「個」中心の競争社会へと変化してしまいました。
それはそれまでの天国と通じ合う精神面豊かな五次元的世界から、それ等とは断絶された三次元物質のみの世界です。
こうした大きな歴史の流れが、ある時180度反転するのです。
そうです、少し前にお聞きになった通りです。
そして、歴史の流れが反転して、分離していた善悪、勝ち負け、優劣男女などが融合調和して再び統合されるのです。
例えばそれまではっきり対立していた善悪も、善が悪を赦し認め合うようになるのです。
そこで、それまで区別や対立していた男女も、統合され互いに調和するのです。
そうです、すべてにおいて陰陽の対立が無くなり両者調和の世界になるのです。
(つづく)
ハイハイハーイ、ではまたのお運びを願い、バイバイバーイ!