旧・坂本ひろし活動日誌(2005~2014.8)

日本共産党・坂本ひろしの活動や日々のつぶやきを掲載。OCNブログ人サービス停止に伴いgooブログに記録。

我らが利賀ダム…建設の大問題が知らされてない

2010-02-22 15:57:00 | 国際・政治

 全国でダム建設中止の問題が話題ですが、県内呉西地域では、われらが利賀ダム。

 20日午後、「利賀ダム問題学習会」が行われ、中川学国土研事務局長を講師にした講演と質疑応答を行いました。

 主催は、利賀ダムの本体工事の再検討を求める会。

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この講演で、いくつか勉強になった点があります。

◆ダム右岸の集落で大規模な地滑りが起きる危険性

  • ダム建設地の右岸=大豆谷地区などが地滑り危険地域に指定されているが、ダム建設と湛水(水を貯める)によって大規模な地滑りが起きる危険性があること。
  • 大豆谷は、今でも最大年20センチという規模で地滑りが起きている。
  • 奈良県・大滝ダムでは、国が地滑りの危険性を知りながら、工事を強行した結果、大規模な地滑りが発生し、全戸移転=村が無くなる、という悲惨な結果となった。利賀でもそうならない保障はない。

R8206672_1600 画像は豆谷地区で地滑りによる地割れなどを調査しているところ。

※大滝ダムについての参考→ 完成しても使えないダム-奈良・大滝ダム(真実一路さん)

◆国の説明には、利賀ダムの洪水調節能力が大きく見えるような作為がある

  • 国は、HPやパンフレットなどで、利賀ダムの洪水調整効果が大きく感じられるように意図的な表現構成をしている。
  • 毎秒6500トンの洪水(150年に1度の確率で起こりうる超巨大な洪水)の際に、利賀ダムの洪水調節効果は500トン(水を一時的に貯められる量)。
  • 一方、毎秒4200トン(戦後最大規模。H16年、台風23号と同規模)の洪水にどう対処するかという説明の中に、6500トン洪水の際の洪水調整効果である「500トン」を滑り込ませている。
  • 素人がみると、「4200トンの洪水に対して、500トンも調節できる利賀ダムとは、とても心強いダムだ」という印象になる。
  • しかし、毎秒4200トンの洪水時には、利賀ダムで洪水を調節できるのは180トンにすぎないことが最近になって明らかになった。計算によると、庄川最下流地点(万葉橋)での水位低下効果は、わずか8センチ。
  • この資料は、繰り返し国に資料提出を求めてきて、しぶしぶ表に出してきたものです。国は重要な資料をひた隠しにしており、説明責任はまったく果たされていないと思います。

◆利賀ダムの問題点がほとんど「地元」に説明されてこなかった

  • 石井知事も綿貫氏も、地元にはダム反対の声はないと繰り返し発言してきました。「地元はみんな賛成している」と。
  • 実際、利賀ダムに過大な期待が集まっているのは確かで、住民の安全のためには建設は必要だという主張が目立ちます。
  • しかし、火爪県議(共産)が12月県議会で上記の問題点をえぐり出す質問を行った直後、砺波地方のある県議は、「こんな事は初めて知った。問題アリだ」と感想を語っていたそうです。
  • 国が知っていて表に出さない地滑りの危険性や、洪水調整能力を過大にみせようとする意図など、地方自治体の首長や地方議員さんたちが知れば、利賀ダムに安易に賛成できないのではないでしょうか。少なくとも、「ちょっと待った!」という気持ちになるのではないでしょうか。

 私の記憶している限り、利賀ダム建設が始まるずっと前から日本共産党富山県委員会は繰り返し利賀ダム建設の問題点を投げかけ、その中止を求めてきました。地元には反対運動がないとか、みんな賛成ばっかりだという発言は、正しくありません。

 私は、2001年には共産党が全国のダム調査を行い、木島日出夫衆議(当時)、小泉親司参議(当時)、呉西地域地方議員団とともに、利賀ダム建設現場の視察しました。

 さらに、昨年11月には、利賀ダムの問題点をより詳細に調査するため、国土問題研究会(京都)のスタッフを交えて、呉西地域の議員団らと、国土交通省や利賀ダム事務所、建設現場を訪れました。

 今必要な事は、まず真実を国民(住民)に知らせること。

 その上で、本当に利賀ダムが必要なのか率直に関係住民が議論できる土壌をつくることだと思います。

 関係首長さんや地方議員さんたちには、「住民の安全を最優先に」という観点から、事実をよく吟味し、利賀ダム建設に対しては、柔軟な姿勢をとっていただくことを願うものです。


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