本日、県議会経済建設委員会を傍聴した。
新湊大橋の歩行者・自転車道の防犯対策、渡船廃止の問題点を追及する、ひづめ弘子県議の質問を聴くため。
◆新湊大橋の防犯対策上の問題とは…
- 新湊大橋で対岸まで行くために、両端に設置されたエレベータで橋まで昇り、橋を渡り、再びエレベーターで地上へ降りる、この間が完全な密室空間になるという構造問題である。
- 歩行者自転車道路の両端の距離は480メートル、橋まで昇るためのエレベーター(海面から47メートルの高さまで昇る)が両岸に2基。この間が密室空間になる。
- ひとたびエレベーターに乗ってしまうと向こう岸のエレベータを下りるまで、防犯カメラが設置されるとはいえ、誰も助ける人がいない。ひったくり、強盗、暴行等の事件が起こってしまえば、どうしようもない。
射水市HPのリンク先に、景観3Dアニメーションというのがあったのを見つけました。歩行者自転車通路のイメージが何となく分かります。
射水市HP新湊大橋の紹介ページのリンクから
地元堀岡地域からは警備員配置を求める要望が出されているが、県として検討しないのかという火爪県議の質問に対し、県当局からは、「射水市さんや地元地域のみなさんと協議しながら…」という答弁に終始した。
◆渡船が廃止!?
さらに、新湊大橋完成後には、長年住民の「足」となってきた渡船が廃止される可能性がある。岸までわずか5分、無料。毎日6:10~22:30の間、越の潟発49便、堀岡初48便(24往復分?)、その他の夜間は自転車も乗せられる代替バスを無料で運行(上下20便)してくれている。バスは、朝早い出漁者、深夜通勤者などが利用されているそうです。
なぜここまで手厚くしているか?
これは、越の潟を港湾化した国策によって、従来行き来に利用してきた鉄道と道路が切断されたことへの、県としての必要最低限の代償措置として、渡船を住民の足として運営することとなったという背景がある。県、新湊市、堀岡振興会三者で締結した覚え書きに基づくもので、昭和42年より運行が開始されたとの事。富山新港が経済成長の一端をにない、地域住民はその政策を受け入れたわけである。(おそらく住民の中にもいろいろな意見があって単純にみんな賛成したわけではないだろう)
県の行革委員会は、この渡船を廃止する方向へ向かっているのだ。
一言でいうと、新湊大橋ができたのだから、対岸へ渡る手段が橋と渡船の二つは必要ないだろう、という理由からだ。
しかし、新湊大橋が、渡船にかわる住民の生活交通路になりうるかという問題を見落とすわけにはいかない。
まず、渡船が対岸まで5分で行けるのに、新湊大橋の場合、上記の長い区間、歩行しなければならず所用時間は比較できないほどに伸び、とりわけ子ども・お年寄り、歩行困難者にとっては明らかに不便になる。
そして、密室空間という危険性だ。想像するのは容易である。例えば女子中高生がクラブ活動で遅い帰宅となった場合、たった一人でその空間を歩く(走行)しなければならない場合がある。ずっと向こうから、男の人が歩いてきたとか、あるいは数人の若者がたむろしているとか、そんなところを平気で歩いていけるか?
もし仮に、一度でも何らかの事件が起きた場合、その後からは、「新湊大橋は一人で歩かないように」などという防犯標語が語られていくことになるであろう。
橋ができたからといって、安心して利用できるとは言い切れない。