カタカナ行政用語はいい加減やめてほしいといつも思うのですが、またです。
4月1日、射水市は、「ネーミングライツ」なるものをスタートさせました。
これは、射水市が所有する施設の命名権を期間を区切って売るということで、企業が相当額を支払って、自分の好きなように名前をつけることが出来るというもの。
なので、「期限付き命名権の販売」と言えばいいのでしょうか。
「射水市小杉文化ホール ラポール」は、アイザックが権利を買って、
⇒「アイザック小杉文化ホール(ラポール)」に。
「射水市新湊総合体育館」は、アイシン軽金属で、
⇒「アイシン軽金属新湊スポーツセンター(新湊総合体育館)」となった。
「小杉総合体育館」」は、アルビスが、
⇒「アルビス小杉総合体育センター(小杉総合体育センター)」と命名。
一番「?」なのが、アルビスさん。画像のとおり、とっても主張しています。主張しすぎです。見た目は、完全にアルビスの施設です。しかもその看板をよく見ると、「アルビス コスギ ギムナジウム」って書いてあります。
「ギムナジウムgymnasium」って、舌をかみそうな単語、誰も意味を知らないような単語を、なぜこういうところに使うのって、思います。
どうもアルビスさんは、費用対効果を最大限上げたいという姿勢が、他社より強いように見えます。
「ネーミング・・・」の導入理由は、市の方は経費を削減でき、企業の方はイメージアップにつながり、どちらも得をするというような説明になっています。先の三つの事例では、イメージアップができているかどうかという点をみれば、自らの名前を売り込もうとがんばったアルビスさんが、結果として印象を悪くしているように思えます。
この権利、いくらで買うかというと、年間100万円とか、150万円とか、200万円とか、施設によって金額が違いますが、100万円単位です。
営利を目的とする企業が100万、200万円と金を使うわけですから、やっぱり、それに見合う効果を出したいと思うのは、当然のなりゆきです。しかし、それが逆効果になっている。【ほどほど】が肝心なのでしょう。あくまで、寄付のつもりで金をだして、欲張らない。アイザックさんとアイシンさんはそういう感じに見える。(私が、そう見えるというだけですが)
たとえば、この写真は、アイシンさんの方。施設の壁の色と、ネーム看板の色が近く、あまり目だっていない。アルビスさん(最初の画像)に比べ、欲張っていないところが、好印象。
看板もそうですが、さらに問題を感じるのが、電話対応です。
各施設に用事があって電話すると・・・
「はい、アイザック小杉文化ホールです」
「はい、アイシン軽金属新湊スポーツセンターです」
「はい、アルビス小杉総合体育センターです」
という応対です。
これでは、経過(ネーミングライツを導入して、過去の名前が変わっているということ)を知らない人が電話をしたら、「特定の企業が所有・運営する施設」と勘違いするかもしれません。
電話をするたびに、「アイザック」「アイシン」「アルビス」の名前を聞かされるというのは、どうなんでしょうか。繰り返し繰り返し聞かされる、ここに広告性があり、一番の問題点があるかもしれないと感じます。どの施設も、経費の大部分は市民の税金でまかなわれているのです。基本的には、その施設は市民のものです。
「名は体を現す」といいますが、今回のような場合は、名は体を現していないのですから、違和感が残るのは当然かもしれません。
もし、それぞれの企業が、その施設の全経費をまかなっているというならば(いわば、体のすべてがその企業のもの)、そんな違和感は感じないでしょう。
妻と話をしていて、年間200万円で、その施設が特定の企業の所有物のような印象を与えられるようなやり方をどう思う?と聞いてみると、「ちょっと変かなあ・・・。ま、2000万円くらい出してくれるんだったら、納得するかもね」という答えでした。
公の施設などの命名権を、金で売るという発想自体が、そもそも無理があるのではないかと思ったりします。
「真実を運ぶ、しんぶん赤旗中央図書館」
「日本共産党呉西地区射水市民グラウンド」
こんなのがあったら、気持ち悪いでしょうね。