jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

合本私、プロレスの味方です/村松友視 筑摩書房

2006年11月21日 | 読書
デビュー作「私、プロレスの味方です」、「当然、プロレスの味方です」、「ダーティ・ヒロイズム宣言」の村松プロレス3部作を1冊の文庫本に収録したもの。
文庫本なのに分厚くてずっしりと重く読み応え充分。
作者のプロレスに対する愛が伝わってくる。
愛していなかったら、ここまで書けませんよ。
プロレスの正しい見方を教わったような気がする。
これからはわしもプロレスをクソ真面目に過激に見たいと思う。

プロレスは観客がいてはじめて成立するというプロレス過激観客論は、
ターザン山本にも影響を与えたはず。
ミスター高橋の「プロレスは筋書きのあるショーであり、観客はマッチメーカーが与えたものをそのまま楽しむべきである」という観客の想像力を無視した理論にターザン山本が反発したのは当然のことだったのだ。

力道山とはどんなプロレスラーだったのか?
自分が生まれる前にすでに力道山は亡くなっていたし、
白黒の映像を断片的に見たことがあっただけだったのでよくわからなかったけど、
レスラーとして・プロモーターとしての彼の姿がよくわかり勉強になった。
決してミスター高橋のように懐古趣味というかノスタルジーに浸っているわけではなく、
力道山の功罪や彼の背負った悲しみなどを淡々と書いているのにも好感をもった。
また、新日本プロレスのIWGPタイトルがどのようにしてできたのかもよくわかった。
ローランド・ボックってぜんぜん覚えていないのだけど、
当時の映像が残っていたらぜひ見てみたい。

今回、図書館でこの本を借りてきたのだけど、
ぜひ買ってずうっと手元に置いておきたいと思わずにはいられない。
すでに廃刊となっているようなので、古本屋を探すしかなさそうだ。
プロレス観戦のバイブルここにあり!