jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

別人「群ようこ」のできるまで/群ようこ 文藝春秋

2006年10月17日 | 読書
椎名誠の『本の雑誌血風録』にこの本の引用がしばしば出てきたので読んでみることに。
確か大昔に一度読んだ気もするのだが、古本屋の100円コーナーにあったので買ってしまった。
群ようこが広告代理店に就職したものの、転職を5回ほど繰り返したのち、本の雑誌社の社員となり、やがて作家として独立するまでのお話。
本の雑誌にたどりつく以前の、いろんな会社で理不尽な目に逢わされたエピソードは、
自分の悲惨な経験とダブって身につまされますな~。

当時、椎名誠が勤めていた出版社が社員を募集したところ、群ようこは応募。
その出版社には不採用となってしまうが、彼女の履歴書が椎名の目にとまり、
本の雑誌ではどうかという展開に。
群と椎名が初めて出会う場面で不覚にも涙が出てしまった。
しかも電車の中で。
それほど主人公に感情移入してしまったのだろうか。
いや、この程度で涙とは、なんだか最近の自分の精神状態はよほどヤバイのかな……。
このところの読書熱は現実逃避の側面も大きい。

椎名誠の『本の雑誌血風録』とこの本を読んで共通した思いは、
人生ってどこでどう転ぶからわからないな……ということ。
椎名は最初カメラマン志望だったのに、業界紙の編集を経て、フリーの作家に。
群も本の雑誌が縁でいろいろなところから原稿の依頼がくるようになり、フリーの作家に。
運命とはわからないものだ。