jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
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本の雑誌血風録/椎名誠 新潮社

2006年10月13日 | 読書
いやぁ、久しぶりに読書した。
友達と一緒になにげなく入った古本屋でこの本を発見・衝動買い。
だいぶ昔に椎名誠の本を読みまくっていた時期があった。
というか、その友達から借りた「さらば国分寺書店のオババ」がそもそもの始まりであった。
堅苦しい文学然とした文章とはまったく異なる「昭和軽薄体」は当時あまりにも衝撃的であった。
椎名作品はトットコ・スラスラ読めてしまうため、読書に弾みをつけるために最適である。
たまーにブログで細々と「読みたい本」をリストアップしてきたが、
一度もリストアップしてない椎名作品で唐突に読書を再開するあたり、
行き当たりばったりでいかにもシーナ的でよろしいのではないか。

1976年4月に創刊された「本の雑誌」がどのように出来上がっていったか。
「哀愁の町に霧が降るのだ」

「新橋烏森口青春篇」

「銀座のカラス」
と椎名誠が歩んできた物語の続編的作品。
目黒孝二、沢野ひとし、木村晋介、群ようこといったお馴染みの登場人物が出てくるだけにすんなり話に入っていける。
いろんな失敗や挫折もあったけど、タイミング・人脈・とにかくやるけんね的勢いで「本の雑誌」が出来上がっていったのだなあ。
もし、某出版社のH編集長が椎名誠の才能に気がつかなかったら?、
「どおーんとやってやりましょう」と催促しなかったら?、
人気作家椎名誠はこの世に存在しないかもしれない。
人生のターニングポイントは思わぬところにころがっているものなのだ。

いい意味で元気をもらった。
自分の人生で一番欠けていたものは、「どおーん」・「どかーん」ではなかったか。
自分のターニングポイントはどっかにころがっていないのだろうか。
一度しかない人生。
勝負に出るときはどおーんと勝負しなくてはならないのだ(謎)。