鼻出しマスクで反則負け、将棋 順位戦、日浦八段
「鼻出しマスク」は私が病院とカラオケ・映画館で対応している次善策だ。マスクの有害無益を説いても無駄ということは骨身にしみて知っている。鼻出しマスクで鼻呼吸をすれば、マスク着用の有害をかなり緩和させるはずだ。
最も水攻め拷問(ウォーターボーディング)のような経験をする重労働の農薬散布経験もあるので、そこまでになっても、薬剤散布にはマスク着用は必要だ。
また鉄粉を吸い込むのも害があるから、刃物をグラインダーで研ぐ時などはマスクが必要。
だが、細菌・ウイルスをマスクで防ぐというのは無意味だ。マスクが微少水滴に着いている細菌・ウイルスを防ぐといいう説も眉唾で、マスクの有害に勝る利益をもたらすとも思えない。
インフルエンザの治りかけに人混みに行き、セキをすれば確かにウイルスをばらまくだろう。これは、そういうことをする人がいればの話だが、インフルエンザにかかり医療機関にかかるからこういう事態が生じる。家に1週間いれば良いのに。日本低国では有害無益なタミフルだって処方されてしまうのに。
『信濃毎日新聞』の2023年1月8日(木)の記事(「多思彩彩」、ちなみにこの日の1面は「ウシのゲップを減らす効果に市田柿」、ノルドストリーム爆破への言及はない(笑))に「マスク社会 次代への影響は」(佐藤卓己)が載った。明和政子(みょうわ・まさこ)の著書を取りあげている。
マスク社会が危ない 子どもの発達に「毎日マスク」はどう影響するか? (宝島社新書)
明和 政子
あまりに遅いといえるが、ないよりはいい。この子どもへの犯罪は人口削減計画始動中の一コマでしかないが、多数派が愚者に成り果てると最も弱い立場の人間が犠牲になるということだ。
マスク社会 次代への影響は 佐藤卓己(京都大大学院教授)〈多思彩々〉
2023/01/08 08:36有料会員記事
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佐藤卓己氏
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023010800029
国内で新型コロナウイルス感染者が初確認されたのは、2020年1月16日である。もう丸3年間になる。その年、中学や高校に入学した生徒たちは、学校生活のすべてをマスク着用のまま「密」を避けて過ごしたことになる。年配者は自らの青春を振り返ってみてほしい。沈黙の昼食、集団行動の抑制が丸3年間も続くのを耐えることができただろうか。私はそんな思春期に耐える自信はとてもない。
いやもっと深刻なのは、新生児だろう。3歳頃までは母親が子育てに専念すべきだとする「3歳児神話」はもう時代遅れだが、人間の脳の成長にとって生後3年間が特に重要だという指摘には十分な科学的根拠がある。「マスク社会」は、そうした新生児たちの発達にどのような影響を与えるのか。
明和政子『マスク社会が危ない』(宝島社新書)はその疑問に答えている。それは科学者の勇気ある提言であり、私は同じ研究科の同僚として心から誇りに思う。
明和教授はチンパンジーとヒトの幼児の発達を比較研究し、発達教育科学を開拓した第一人者である。マスク着用、会話制限、手指消毒などを提唱する「新しい生活様式」がいかに大人目線であり、将来世代の発達を軽視したものであるかを同書で科学的に批判している。
脳科学によれば、人間の脳の感受性期、つまり「環境に適応して生存可能性を高めるために必要となる脳内ネットワークの選択が急速に進む時期」は1歳前後でピークを迎える。そして、この時期の乳児の視線は、主に相手の口元に向けられている。それを見ながらまねすることで、相手の表情を読み取る能力は発達する。むろん、現在も家庭内ではマスクを外しているが、コミュニケーション能力の発達には家族以外の他者との接触も不可欠なのだ。
だとすれば、マスク着用やソーシャルディスタンス(社会的距離)は「表情を読めない」世代を生み出してしまうのではないか。「いま・ここ」の感染対策ばかりが強調され、「これから」の世代にもたらすリスクをあまりに軽視してきたのではないか。
確かに、文部科学省の2022年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果ではコロナ禍の前後で学力低下は確認できない。しかし、それは筆記試験で確認できる指標の話であり、感性、協調性、社会性において問題なしと言えるかどうか。特に、他者との接触の中で育まれる「視点変換」、つまり相手の身になって考える能力、さらには「遅延報酬」をイメージできる能力が重要である。
いまはつらいとしても我慢すればもっと良くなる、という遅延報酬への期待がなければ、教育という営みは成り立たないはずである。そうでなくても、現在のデジタル情報環境は「いま・ここ」での快楽を最大化する即時報酬の期待にあふれているのだ。
若年層のコロナ感染死者数は圧倒的に少ないし、現在も日常マスクを着用している国は国際的には珍しい。だからと言って、子どもたちのマスクをすぐ外せば済むという単純な問題でもない。大人と子どもの脳は違っており、マスクを日常着けるか外すかの選択は大人が考える以上に子どもにとって容易ではない。それゆえ、明和教授はこの問題を「探求学習」として活用することを学校現場に向けて提案している。
すなわち、マスク着脱の議論を科学的根拠に基づき「自ら考え、決断し、実行する機会」にすべきだというのである。それこそが「いま・ここ」の問題だけでなく、「これから」を見据えて遅延報酬を待てる大人になる訓練だからである。
もっとも、そうした大人が少ないからこそ、現状のような「マスク社会」が出現したのであり、むしろ私たち大人にこそ、そうした「探求学習」が必要と言わざるを得ないわけだけれども。
すでに還暦を過ぎた私などにとって、3年間は余生のごく一部に過ぎないとも言える。しかし、若年層にとっては人生で最も輝ける時間を過ごせたはずの3年間である。その救済策を私たちは本気で考えるべきではないだろうか。
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さとう・たくみ 1960年広島市生まれ。東京大新聞研究所助手、同志社大助教授、国際日本文化研究センター助教授を経て、2015年から現職。専門はメディア史。著書に「『キング』の時代」(サントリー学芸賞)「言論統制」(吉田茂賞)「ファシスト的公共性」(毎日出版文化賞)「メディア論の名著30」など。
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https://www.shinmai.co.jp/news/list/tasisaisai
■鼻出しマスクで反則負け、将棋 順位戦、日浦八段
2023年1月10日 22:10
https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-1644800.html
10日に大阪市の関西将棋会館で指された将棋の第81期名人戦C級1組順位戦、日浦市郎八段(56)―平藤真吾七段(59)戦で、日浦八段が鼻を出してマスクを着用していたとして、新型コロナウイルス流行を受けた臨時対局規定違反で反則負けとなった。
関係者によると、対局開始後、平藤七段から審判役を担う立会人に相談があった。立会人が何度か注意したが、日浦八段が応じなかったという。
同様のケースとして、佐藤天彦九段(34)が昨年10月、名人戦A級順位戦でマスクを外して反則負けした。これに対し、佐藤九段は日本将棋連盟に不服申立書を提出している。
(共同通信)