Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

初代ゴジラソフビ造形のこだわり1

2014年12月05日 | 新作商品情報




今日からこの夏に発売したGメモリーズセレクション「初代ゴジラ」の造形についてのこだわった所などを紹介致します。すでに発売した2つのカラーの「初代ゴジラ」は完売しておりますが、お求めいただいた方々には知っていただきたい事もありますし、今後また次のカラーバリエーションの企画も考えておりますので、その時の参考になればと思います。
造形の際にいろいろ調べてみた事や、初代ゴジラの特徴・個性などの弊社としての検証は、11月25日~12月2日までの「見聞録」の記事にまとめておりますので、先にそちらをご覧いただければ、理解していただける点が多々あるかと思います。


1 デフォルメのゴジラ

「羽沢組のゴジラはデフォルメなので作るのが簡単でいいですね」
 日頃お求めいただいているお客様にはそう言う方はいらっしゃらないのですが、お求めになることのないあまりGメモリーズセレクションのことをご存じない外部の方にたまにそう言われます。内心「カチン!」ときますが、「金型や成型で作れるかを意識しながら、目立つ特徴を強調したり、逆に抑える箇所もあるので、私には難しいです」と答えています。(「デフォルメ=手抜き」と思い、説明してもわかってもらえない方には面倒なので「ええ、楽ですよ。のほほーんと気楽に作ってます」と答えてます……笑)

 デフォルメでゴジラの原型を作る時にいつも思うのは「似顔絵」を書く事と共通する所がたくさんあるということです。似顔絵にもいろいろなパターンがあります。漫画的に特徴を大げさに強調して、可能な限り線を少なくしたポップな物から、デッサンレベルの細密なタッチの物まで。対象物が同じでも、描き手の個性もあり、100人描き手がいれば100通りの似顔絵になります。
 いずれも対象物の形や色、人の目にどう写るのか、動きがあるならどうそれを表現するか、質感から大きさなど、一通り把握していないと描けないわけです。
 すべてにおいてリアルだけを追求するなら、何も絵ではなく腕のいいカメラマンの方に撮っていただく写真で良い訳です。でもそれは、似顔絵どころか絵ですらなくなるわけです。

 デフォルメの造形物もこれに近い感覚で私はとらえています。似ている事は大前提で、特徴や個性の強調、アレンジを嘘に見せない事……といった共通する部分が多いからです。
 私の性分もあるかもしれませんが、造形の前には一通りいろいろ調べてみて個性、特徴の数々を把握しておきたいわけです。知らないとできませんから。
 一度頭の中でリアルに造形してみて、どの部分を強調するか、どの部分を抑えたり省略したりするか。頭の中でアレンジしていくのです。そしてこれらを実際に造形する時にどうパーツを分割するか、それによって金型にできるのか、成型で抜く事ができるのかをシミュレーションします。最終的に目指しているのは毎回「触りたくなるカッコかわいさ」です。
 上手な方は感覚だけですぐできてしまうのかもしれませんが、私の場合はそんな順序が必要で、だいたい決めたらいくつかの方向から見た場合を紙にスケッチしてから粘土を触る作業に入ります。

 初代ゴジラは、歴代ゴジラの中でも特に個性の強い、そして存在感のあるゴジラであると考えています。強調する部分と抑える部分の判断が、決めやすい所と決めにくい所がはっきり分かれている難しいゴジラでした。

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