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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

昭和のキングギドラ その4

2012年07月16日 | 羽沢組的怪獣見聞録


4 初代キングギドラ(2)

 昨日の続き。今日も初代キングギドラについて。

不世出のキャラクター
 劇中スーツはほとんどが操演で撮影されていましたが、他にも飛行用のものが複数あり、これは小さいサイズで作られていました。サイズも全て違っていたそうです。人間大のものとの違いでは、翼の形状に差が見られます。良く見ると尻尾の先の葉っぱ状の部分も大きく違うのがわかります。
 もちろん映像でもわかるように人間大のものでも一部では飛行シーンを撮られています。おそらくは飛行用のミニサイズのものは口の開閉ができず、光線発射のシーンの場合や着地のシーン等のために人間用のものをその時は使用したと考えられます。

 いくつかの紹介されている書籍、ムック本を見てわかる事ですが、掲載されている写真の種類がほとんどスチールでの青いキングギドラ、劇中撮影時の写真でも多くが飛行タイプのもの。そのため、劇中でのスーツにこだわった弊社のキングギドラの原型を作る時に困ったものですが、地上に降りた時の人間大のスーツの写真が実は少ない事がわかります。ゴジラ達と戦ったシーンの写真等が掲載されている場合は、主に映像フィルムのものから使用されている場合がほとんどなので、撮影時にそういった写真を撮る余裕がなかったと思われます。
 他社商品でソフビに限らずリアルなガレージキットでも、スチールでの青いキングギドラの造形をモチーフとして作られているもの(塗装はゴールドでも)が多いのは、そういった理由もあるからなのかもしれません。

 いくつか調べてみると、映画撮影の当時のスケジュールのタイトさがわかります。同じ1964年には4月に『モスラ対ゴジラ』が公開したのですが、その後すぐに撮影に入り8月に公開された『宇宙大怪獣ドゴラ』が興行的にふるわなかった事で、急きょ企画されたのがこの『三大怪獣~』。しかも同じ東宝撮影所で撮られていた黒沢監督の『赤ひげ』が予定を越えて撮影が延びてしまった事から、かなり厳しいスケジュールでこの作品が撮られたと思われます。
 それを思うと写真の点数が少ない事もキングギドラの初期カラーの急ごしらえ感も納得できます。
 そんな中で登場した新怪獣であるキングギドラ。今もなお人気が高い不世出のキャラクターを生み出した事は本当にすごい事だと言えるでしょう。


▲7月29・30日発売予定「キングギドラ ライトゴールド」。