Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

昭和のキングギドラ その3

2012年07月14日 | 羽沢組的怪獣見聞録


3 初代キングギドラ(1)

 今日は『三大怪獣 地球最大の決戦』に登場した初代キングギドラについて。弊社商品のキングギドラもこれです。

青いキングギドラとの違い
 どの書籍やムック本にも掲載されているのが「(スチールでの)青いキングギドラは、全身金色に塗り直されて劇中で使用された」と言う記述。
 これらを前提に比較してみると、あの青いキングギドラとの違いはいろいろわかります。
 造形的な特徴や弊社で調べてみたたくさんの初代キングギドラの事については、最初に発売した「キングギドラ スタンダードカラー」の「こだわり」(2008年2月14~19日掲載)と「制作裏話」(2009年3月23~30日掲載)に書いていますので、そちらをご覧下さい。今日はできる限りかぶらない事だけを書きたいと思います。

 劇中でゴジラたちと戦ったキングギドラですが、シーンの多くは操演で登場しています。そのためか基本は前傾姿勢です。自分でソフビの原型を作ってみてわかった事ですが、どうしても少しの前傾姿勢にしようと思うとより前屈みになって倒れてしまう形状の怪獣である事がわかります。前傾姿勢で二本脚で立たせる事を考えれば、ゴジラと比べて重心を後ろにしなくてはなりませんので、物理的に脚や背中付近に重さをプラスする等の処置をしないとバランスをとる事ができません。が、撮影では戦闘、光線発射のアクションが必要とされますし常に翼を動かさなくてはなりません。そういった重さの調整は困難と言えます。ですから全身を見せる場合は、基本的に操演でなければ不可能な怪獣です。
 動いているキングギドラという事を考えれば、スチールでの青いキングギドラのような姿勢はほぼ劇中シーンでは難しい事がわかります。

 顔については「こだわり」でも一部書きましたが、金色を塗っているという事で、当時の塗料との相性で造形に変化が見られます。さらに撮影を重ねていく上で痛んだり、色落ちしたりで修正、再塗装を繰り返したと思われるので、スチールのときよりも少しだけ腫れぼったく見えるシーンもあります。
 同じ型から抜かれて作られていると思われる首が3つあるのですが、当然痛み具合にも差が出るので微妙に違いが出ているのもわかります。
 スチールでの青いキングギドラがカッコいいのは、痛んでいないすっきりした顔立ちの3つの統一された形状の顔のせいもあるのでしょう。
 頭部でスチールとの一番の違いは、頭の後ろの毛です。まず量がかなり違います。毛そのものにも金色を重ね塗りしたと思われるので、かなりがさつきふっくらしていません。撮影時の損傷等もあったでしょう。結果的にスチールの時より半分ぐらい、もしくはそれ以下の量になっている事がわかります。毛だけに注意して映像を見ても、シーン毎に違いがわかるし3つの首の毛の量の差もわかると思います。


▲劇中でのカラーをイメージして配色した「キングギドラ スタンダードカラー」(完売)。

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